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あれから1年 2012年3月11日に思うこと


03 11, 2012 | Tag,雑感

あの日の午後、僕はいつも通りオペ室の中にいた。

いつもの金曜日だった。足関節の骨折手術。

腰椎麻酔を自分でかけて、麻酔が効いたことを確認し、執刀開始。淡々と着実にゴールを目指す。

腓骨の骨折部を整復してプレート固定。次に内果をキャニュレイテッドスクリューで固定する。もう少しで終了。いつも通りだった。そこまでは。


揺れた。

はじめはよくある小さめの地震だと思っていた。

「なんか今揺れなかった?」

少ししたら揺れが止んだので、すぐに手術を再開。


また揺れた。

今度はさっきより激しい。術野を照らす白い無影灯が頭上で動き始めた。

「地震、でかくない?」

いったん始めた手術を途中で放り出すわけにもいかず、揺れと揺れの合間をぬって手早く手術を進めなくてはいけない。

幸い、手術は終盤。もう少しで終わる。


揺れはさらに強くなってきている。

まともに立っていることも難しくなってきた。手術室の外が騒がしくなってきた。

「手術を中止してください」

そう叫びながら手術室のドアを開放していく看護師の声が聞こえた。白い無影灯が僕の頭上をブンと音を立てるかのように右から左へ通過していった。

「まずい。これは本当にやばそうだ。」

幸いあとは皮膚を縫うだけのところまできていた。

グラグラと足元が揺れる中、なんとか縫合を終え、手術を終えることができた。

手術室の中で情報から取り残された僕らは、手術室の中にまだ残っている患者とスタッフを外に出るように促す看護師の声で事の重大さを再認識した。


とんでもないことが起こっている。

麻酔でまだ下半身が麻痺した患者をストレッチャーに乗せ、急いで手術室を出た。

院内PHSで、1階で患者を待機させるように言われた僕はその若い患者を背負ってなんとか階段を降りた。

移動する途中に横目で見たテレビからは津波が街を飲み込む映像が流れていた。信じられない映像。

患者を自分の背中に乗せながら、病院の中では比較的新しめで安全そうな場所に連れて行くと、そこには崩れかかった古い病棟から運ばれてきた患者がたくさん集まっていた。


あれから1年。1年前の今は揺れが収まった後、電気、ガス、水道といったライフラインが閉ざされた。コンビニやスーパーからは水や食料が消えた。ガソリンスタンドには行列ができ、それでもガソリンが手に入らない状況が続いた。

これから先どうなってしまうんだろうという不安でいっぱいだった。


2012年3月11日。今ではもう、何事もなかったかのように時間が流れつつある。

しかしあの時感じた恐怖と絶望を忘れてはいけない。いつもどおり仕事ができ、家族がいることに感謝しなければいけない。そして、今後また起きるかもしれない大地震に備えなくてはいけない。

そう自分に言い聞かせている。

記憶は風化する。だから記録としてあの時のことを残しておく。そういうつもりでこの記事を書きました。


震災で被害に合われた方々に心からお悔やみ申し上げると共に、被災地の一日も早い復興を祈っています。







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By 医療+医薬品の業界まとめニュース03 15, 2012 - URL [ edit ]

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このたび突然ご連絡をさせていただいたのは
当サイトと相互リンク、相互RSSの登録をして頂きたくご連絡をさせていただました。
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まだまだ未熟ブログではありますが、ぜひ宜しくお願いいたします。

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