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「医学統計英語」わかりません!!


08 09, 2011 | Tag,統計

「医学統計英語」わかりません!!
僕はなるべく日々の診療の合間に自分が関係する分野の論文には目を通すようにしています。今どんなことが話題になっているのかとか、新しい治療法についてとか、知識を更新しておかないと恥ずかしい目にあいます。患者さんにも害が加わります。

とはいっても、あまりきちんと読んでいるわけではないので、偉そうなことは言えません。。。論文をPDFに落として最初から最後まで読むのは稀で、よっぽど「これは」と思った時だけです。

目を通しておいたほうが良さそうな雑誌はGoogle Readerに登録してあるので、アブストラクトが配信されてきます。だいたいはそれに目を通すだけで終了です。全部に目を通していたらキリがないので、まあそれでいいかなと半分開き直っています。


アブストラクトの分量は大したことないのですが、それでも必要な情報を効率良く得るには工夫がいります。僕自身まだまだアブストラクトを上手に読みこなせているという自信がありません。

最近ではPICO(P: Patient 患者、I: Intervention 治療/介入、C: Comparison 比較対照、O: Outcome 臨床結果)という、論文を読むときのチェックポイントをゲットしました。これは使えそうです。


また、論文を読むときは統計結果の読み方が大事だったりします。この論文が主張していることが正しいのか、どれくらい信ぴょう性があるのかとか。

アブストラクトのConclusion(結論)だけ読んでも、だいたいその論文の主張するところは分かるのですが、読み方としては浅くなります。だから常々アブストラクトのResult(結果)の統計数字が何を言っているのかが分かればいいのになとは思っていました。


さまざまな統計本を読んでみて、その場では分かったつもりになるのですが、実際に論文を読むときに生かせない。そんな日々が続いていたのですが、これならすぐに使えるかもという統計本に出会いました。

それが今日ご紹介する本です。

例えば、論文のアブストラクトを読んでいると、こんな感じのフレーズが出てきます。

プライマリーエンドポイント(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管性死亡の3つを合わせたもの)の年間発生率は強化療法群(介入グループ)で1.87%、標準治療群で2.09%であった(強化療法に対するハザード比0.88、95%信頼区間[CI]、0.73-1.06、P=0.20)。

今までだったら、これを読んでもあまりよく分からないので、飛ばし読みして、Conclusionを読んでいました。

分からなくてもそれほど問題になることは少ないのですが、もう少し分かっていたほうがいいことは事実です。

本書を読むと、

強化治療群の影響は標準治療の0.73から1.06倍となり、プライマリーエンドポイントはそれぞれの治療で効果があるともないとも言えないという結論になる。

といったことがなんとなく分かるようになります。

本書を読んでも、全てが明快に分かったという感覚は味わえませんが、それでもいいのではないかと思うのです。数学の問題を解くのと同じように、まずは苦手意識をなくして使いこなしていくことが大事なんじゃないかと。

統計アレルギーのある方、だけど少しは統計を勉強してみたい人、そういう人が初めに手に取るにはとてもいい一冊ではないかと思います。

1から10までみっちり勉強したい人には不向きですのでご注意を。

「医学統計英語」わかりません!!「医学統計英語」わかりません!!
(2011/07)
石野 祐三子、秋田 カオリ 他

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2 CommentsPosted in
-2 Comments
By 石野祐三子08 14, 2011 - URL [ edit ]

はじめまして。著者の石野です。このたびは、私たちの本を取り上げていただき、ありがとうございます。私も長い間、アブストラクトの始めと終わりだけに目を通し、統計数字は読み飛ばしていました。でも、それではいつまでたっても、論文筆者の思考をなぞっているだけで、論文に書かれた「事象」に対峙することにはならず、自分の「立ち位置」が定まらないことに気がつきました。同じような方がいらっしゃれば、この本はそのお役に立てるかと思います。
先生のご指摘の通り、この本では統計の理論・数式はさておいて、とにかく、「統計数字を飛ばさないでアブストラクトが読める」ことを目指しました。iPhoneのメカを知らなくてもアプリは使える、というような感じでしょうか。その代わりといってはなんですが、詳しく学びたい方向けに、参考図書を多数巻末に掲載してあります。適宜、ご利用いただければと思います。
先生のGoogle Readerの使い方、いいですね。勉強になりました。早速、アブストラクトが流れてくるように設定してみたいと思います。
末筆になりましたが、先生のさらなるご活躍をお祈りいたします。

By flowrelax08 16, 2011 - URL [ edit ]

石野先生、コメントありがとうございます。著者の方からコメントを頂けるとは光栄です。

とても実戦的な内容で勉強になりました。早速意識して読むようにしています。

ただ、整形外科領域だからでしょうか、あまり大規模臨床試験というものは少ないです。プライマリーエンドポイントがはっきりしないとか、検定の手法がよく分からないといった壁にもぶつかりました。

分かることから少しずつ理解を広げていこうとあまり気にしてはいませんが、巻末に紹介していただいている統計本にも目を通してみたいと思います。

コメントありがとうございました。

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