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社会的入院


06 17, 2011 | Tag,医療

社会的入院というのがあります。wikipediaにも載っている言葉(社会的入院)です。

先日外来をやっていたら、元力士で相撲を辞めた後に田舎のスクラップ工場に住み込みで働いてるという人が来ました。40代のその患者さんは膝が痛かったのですが、もう少し年配の男性に付き添われてきました。

診察が終わり、レントゲンを撮影するために診察室を出たと思ったら、付き添いの男性だけが再びドアをあけて入ってきました。

「ちょっといいですか」と言うものですから話を聞くと、どうもその患者さんは膝が痛くて(?)3ヶ月くらい仕事が出来ていない状態だったのだそうです。そして住み込み先を出てから帰る家もなければ、両親、兄弟もいないという状態だったのだそうです。

聞くと付き添いの男性はスクラップ工場の社長だそうで、その元力士がなかなか住み込み先から出て行ってくれないので困っているとのことでした。

なかなか社長はその患者さんを入院させて欲しいと言いませんでしたが、明らかに入院させてくれといった様子でした。生活保護の申請もして、審査も通った。病院としても取りっぱぐれはないだろうと。

たしかに社長からすれば、仕事ができなくなった元従業員を自分の会社にいつまでも置いておくわけにはいかないのかもしれません。

ただ、病院は入院治療が必要な患者さんを入院させるための施設であり、行き先がないからという理由で入院させるわけにはいきません。

入院しなければ治療を行えない状態ではなく、帰る場所がないから、とか、家族が面倒見切れないからという理由で入院をすることを社会的入院といいます。

実際のところ、生保(生活保護)であれば医療費の不払いはありませんので、病院にとっては確実な収入源となります。ですから生保の患者に適当な病名をつけ、適当な治療を行って利益を得ている病院もあります。

しかしながらそういう病院は少数で、いわゆる地域の基幹病院で社会的入院が認められることは少ないでしょう。入院ベッドには限りがありますから。

結局元力士のその患者さんは偽痛風の診断で関節注射や処方を行い、帰宅となりました。

入院の適応というのはなかなか難しいもので、個々の医師の裁量に任されていることが多いのですが、社会的入院をすべて受け入れていたら病院のベッドはいくらあっても足りないというのが現実なのです。



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