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医師と患者 すれ違いの原因


03 02, 2011 | Tag,医療

Business Media 誠:ちきりんの“社会派”で行こう!:医者と患者、すれ違う前提を越えて

的確すぎて舌を巻きました。とても医師以外の人が書いたものとは思えません。

医師と患者の間にしばしば起こる軋轢はここに書いてあるように、”前提の違い”ということに集約されると思います。

日本の医学技術は素晴らしいです。突然病気になっても昔よりずっと高い確率で救命できるようになっています。治療に失敗はない、と患者さんが思っても無理はないのかもしれません。


例えば骨折はどうでしょうか。

よく患者さんに元通りに治りますよね?と聞かれます。

はい。治ります。と応えたいところですが、実際にはいったんグシャッと壊れたものを元に戻すことはそう簡単ではありません。バラバラに壊れたガラスのコップをもとに戻すのと一緒です。破片が飛び散っていれば、パズルのピースは難しくなります。

どんな状況にあっても私たちは治療後になるべく痛みのない、後遺症のない状態を作ろうと努力します。

それでも元通りは難しいよね、というのが多くの医師が持っている前提、それが本音です。


また、骨折の治療には手術治療とギプスなどで治す保存治療があります。

手術をすればより確実に治るんだろうと思っている患者さんも多いです。しかし、手術には特有のリスクというものがつきまといます。血管や神経を傷つけるリスク、感染してしまうリスク。これらは手術をしなければ通常考えなくてもいいものです。

治療にあたってはそれぞれのベネフィットとリスクを説明するのですが、多くの患者さんはリスクについてあまり深く受け止めていないようです。

リスクの方はいつもいつも起こるものではないし、ただでさえ精神的にまいっている状態なのに、これから起こるかもしれない怖い話に耳を傾ける余裕はないというのが実情でしょう。

ただ、医師の側からすると血管損傷や神経損傷、感染などの合併症はいつ起きても不思議ではないと考えているのできちんと説明したつもりでいます。いや、しているはずです。

リスクを伴わない治療はないのです。内科なら処方された薬だって、それにより副作用を起こすリスクがあります。

治療は合併症など起こさずだいたいうまくいくもの、という患者側。合併症はたとえ少ない確率だったとしてもいつ起きても不思議ではない、という医師側。

それもまた前提の違いです。


小説ジーン・ワルツ で主人公曽根崎理恵は
「本当は医者よりも助産師の方がお産に関してはプロなのにね。それに妊娠の二割はさまざまな異常で流産するという事実を、みんな知らないのね、きっと」
「世の人たちの厳しすぎる視線と、役人の能天気な無理解が、現場を殺すのよね」

と言っています。あくまで小説の一節です。しかし、重要なことが示唆されています。

希望に満ち溢れたお産の場面では、赤ちゃんは正常に生まれてきて当たり前って国民は思ってます。しかしながらお産にもそれなりのリスクがあるのです。医師と患者間での前提の違いを示唆する一節だと思います。


そもそもの前提に違いがある。そのことに気づけば医師と患者はお互いにより良好な関係が築けるのにと思った次第です。


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