「伝わる・揺さぶる!文章を書く」
03 30, 2010 | Tag,文章力
著者の山田ズーニーさんは進研ゼミの通信教育で小論文の先生を長く勤めていた方です。私も進研ゼミにはお世話になっている時期がありました。本書では受験用の小論文にとどまらず、ビジネスに役立つ文書の書き方とか、もちろんブログの書き方としても参考になる部分がありました。
その山田さん、現在はほぼ日刊イトイ新聞 - おとなの小論文教室。でも執筆されています。
文章を書く技術が訓練によって向上するなら、まず最初に「空手の型」のようなものを身につけるのが近道でしょう。いわば文章のテンプレートです。
本書の最後の方には「上司を説得する」、「お願いの文章を書く」、「志望理由を書く」、「お詫びをする」、「メールを書く」などの状況に応じた書き方のお手本が解説付きで載っています。最初のうちはこれをテンプレートとしてそのまま利用するのがいいんだと思います。
本書の内容を私が勝手にまとめた部分もありますが、
例えば上司を説得するために使うテンプレートは
「議論するための文章テンプレート」
- 論点
- 論拠
- 予想される反論
- 再反論
- 再反論の論拠
- 意見
「議論するための文章テンプレート」はブログで何かに対して意見を書くときなんかにも使えますよね。そうした方が相手にとってわかりやすい文書となるはずです。論拠をあげる時には
- 自分の体験・見聞を洗い出す
- 必要な基礎知識を調べる
- 具体的事例を見る
- 別の立場から見る
- 海外と比較して見る
- 歴史をおさえる
- スペシャリストの視点を知る
もう一つ、原稿や講演を依頼するときなら、
「依頼文のテンプレート」
- 挨拶
- 自己紹介(私はどういうものか?)
- 志(私、私たちは何を目指しているか?)
- 依頼内容(何をお願いしたいか?)
- 依頼理由(なぜ、あなたにお願いする必要があるのか?)
- 条件(期日、謝礼などは?)
- 返事を伺う方法、締めの言葉等
文章の書き方と言っても抽象化された言葉だと非常に分かりにくいです。本書はその点で気が利いています。4月から仕事を始めるフレッシュマンなら、読んだ後、すぐに真似して使えるのではないかと思います。
わかりやすい文書を書く、伝わる、揺さぶる文章を書くというのは私にとっての課題でもあります。さっそく型を身につけるための反復練習をしてみようと思います。
伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書) (2001/11) 山田 ズーニー 商品詳細を見る |