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「若い読者のための短編小説案内」


03 28, 2010 | Tag,短編小説,村上春樹

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)
私は村上春樹さんの作品が好きなので、彼がどういう本を読んでいるのかも気になります。グレート・ギャツビー - メタノートもそうでした。

小説家にとっての短編小説は長編小説とは別の意味を持つようです。作り方もまた別物で、長編小説は書き終えるのに、数カ月かかり、書く時の疲労も相当なものと言います。それに対して短編小説は数日あれば書ききれると。フレーズの一部が頭に浮かぶとそれを足がかりにして一気に書き上げることができるそうなのです。

例えば村上さんの場合、ある作品を

「その女から電話がかかってきたとき、僕は台所に立ってスパゲティーを茹でているところだった。」

というフレーズから一気に書きあげた短編小説があるそうです。

プロにとってはそういうものなんでしょうけど、こういう話を読むと、プロの小説家はすごい、真似できないなと思ってしまいます。



本書に取り上げられている作家は吉行淳之介、小島信夫、安岡章太郎、庄野潤三、丸谷才一、長谷川四郎です。

文学とは程遠い生活を送ってきた私にとってはどの作家も新鮮でした。

村上さんは大学生に本書のような形で文学について教えることがあるそうです。
本書の解説の中で特に興味深かったのは、各作家の自己と自我、それを取り巻く外界との距離のとり方を図式化して解説している部分でした。自己と自我を村上さんなりに使い分けているところも興味深かった。

小説家というのは少なからず自分の内面を作品の中に投影させると思うのですが、完全に自己もしくは自我を作品に投影させているわけではありません。現実の一部を作品の中に投影させ、他の大部分は想像というか思考の産物にしています。

小説家にとって、作品の中で自己や自我をどれくらい反映させるか、外界と同距離感を保つかは作風に大いに関係しているようです。

これから短編小説を読むとき、著者のことにちょっと思いを巡らすことができそうです。



今さら感がありますが、吉行淳之介さん、安岡章太郎さんあたりの作品を読んでみたいと思いました。

ちょっと古めでも、名作短編小説を読んでみたいと思う方、本書はその足がかりになってくれそうですよ。

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)
(2004/10)
村上 春樹

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