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文章は心の鏡 【書評】文章読本 谷崎潤一郎


08 09, 2009 | Tag,谷崎潤一郎,文章法

谷崎潤一郎にみる文章上達法です。
読んでもらえる文章と正しい文章は違う、ということが分かります。

文章読本 (中公文庫)文章読本 (中公文庫)
(1996/02)
谷崎 潤一郎

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文法にとらわれないこと

志賀直哉「城の崎にて」からの一節です。
他の蜂が皆巣に入ってしまった日暮、冷たい瓦の上に一つ残った死骸を見ることは淋しかった。

これが普通の人だと
日が暮れると他の蜂は皆巣に入ってしまって、その死骸だけが冷たい瓦の上に一つ残っていたが、それを見ると淋しかった。

とこちらの方が日本語の文法的には正しいのですが、なんとなく情景が浮かびづらい文章になってしまいます。

日本語の文章は不規則なところに味わいがあります。区切りやその他の符号などもはっきりしない方がおもしろい場合があります。体言止めだっていいのです。意味が伝われば。読み手がおもしろいと感じれば。


感覚を研くこと

いい文章はこんな特徴を備えています。


・長く記憶にとまるような深い印象を与えるもの
・何度も繰り返し読めば読むほど渋みのでるもの



こういう文章を作るためには感覚を研くことが必要です。おいしいご飯を食べた時、おもしろい映画を見た時、感動する音楽を聞いた時、などなど日常に感覚を研くための材料はたくさんあります。

日常で感じたことをTwitterなどのミニブログにアップしてみるのもいい方法かもしれません。

これらが文章を書く際に役立つのはもちろんですが、特に文章を書くことに限定して言うと、「できるだけ多くのものを繰り返し読むこと」と「実際に自分で作ってみること」が大切です。


言葉ありきで発想してみる

谷崎潤一郎さんの「麒麟」という作品は文章よりも先にタイトルである麒麟という言葉を思いついたそうです。これを元に空想を膨らませ、物語を作ったと告白しています。

こういう発想法もあるんですね。


言葉の使い方

1.音を意識すること
多くの人は文章を読む時、頭の中で音読しながら読んでいます。だから、読者は小気味よいリズムで書かれている文章ならすいすい読むことができます。

2.とにかく分かりやすい語を使うこと

・私は彼に見られていることを知っていた。
・私は彼に見られていることを感じていた。
・私は彼に見られていることに気が付いていた。



・彼はわざと反抗した。
・彼は故意に反抗した。


おなじことを言おうとしても、表現方法は様々です。文章を推敲する際はこういった表現にも注意して見直すとよいでしょう。


本書を読んで感じたことは日本語で文章を書くなら、その優れた特徴を生かさないと損だということです。間違った文法を使ってしまうことを恐れ、形式ばったおもしろくない文章を作るよりは、その時代に合った言葉を使って文章を作ってみるのもありかもしれません。

感覚を研くこと、これは他の類書にはあまり書かれていなかったことなので、ぜひ実践してみたいと思います。音読のリズムというのも意識した方が良さそうだと感じました。

示唆に富んだ一冊です。

文章読本 (中公文庫)文章読本 (中公文庫)
(1996/02)
谷崎 潤一郎

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