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本質を見抜くために 「統計思考力」


06 01, 2009 | Tag,思考力,統計

不透明な時代を見抜く「統計思考力」不透明な時代を見抜く「統計思考力」
(2009/04/15)
神永 正博

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目の前に溢れる情報に踊らされないようにするためにはどうすればいいのか。このブログでは何度か取り上げているのですが、最大のポイントは目の前のデータを鵜呑みにしないことです。もちろん、その情報は事実である可能性もあるのですが、メディアの目を通すとそこで誰かの私意が入り込んでも不思議ではありません。だから、テレビはもちろん、新聞を読む時ですらちょっと立ち止まって考える癖をつけた方が良いのです。

誰かの私意という話をしましたが、落とし穴になるのは自分自身もバイアスをかけた情報の選択をしがちだということです。人間だれしも自分にとって都合の良い情報を手にいれたくなるものです。

そこで本書が強調する重要なポイントは、
  • データを先に見る
  • だれかが解釈する前のデータを見る
  • 自分の仮説に反するデータも集める
です。

データをどう入手するかについては、総務省・統計局のホームページがいい感じです。人口調査や消費者物価指数、労働力調査などなどいろいろな統計データがまとまっていて役立ちそうでしたよ。


本書で登場する統計用語は正規分布、べき分布、ポアソン分布、大数の法則くらいです。小難しい用語が出てきますが、ビジネス書らしく本書では極力数式を用いた説明は避けてあります。この中で私が読んでいて特に興味深かったのは「べき分布」の部分です。

過去にLTCMという投資銀行がありました。この投資銀行はショールズとマートンという二人のノーベル経済学者が在籍していた銀行です。彼らが生み出したブラック・ショールズ式ですが、これはデリバティブ(金融派生商品)の価格づけに現れる確率微分方程式というものです。このモデルに従い、予想を立て、先進国の債券を空売りし、新興国の債券を買い増したLTCMは大きな打撃を受け、破綻してしまいました。

このブラック・ショールズ式ですが、後から検証すると前提が間違っていたということがわかりました。ブラック・ショールズ式は正規分布を前提に考えられていたのです。正規分布では価格はランダムな変数になっているはずですが、実際の経済では価格はランダムなどではなく、特定のディーラーなどの人為的なものにも左右されるため、正規分布と同じにはならないのです。特にこのズレは正規分布でいうところの「両端」あたり、つまり「95%区間の外」で起きます。債券の価格や株価は「正規分布」ではなく、「べき分布」に従っていたのです。

統計を使えば小さなデータから大きな現象を予想できます。その点とても力強いツールです。ところが、今だ起こっていない予想外の出来事には無力な場合があります。研究者かつ投資家であるニコラス・タレブの言葉ですが、これまでに一度も起きたことがない、あるいは極めて稀にしか起きたことがなく、ほとんど誰にも知られていない現象のことを「ブラックスワン」といいます。経済現象に含まれる「ブラックスワン」こそが、その予想を難しいものにしている犯人なのですね。


本書を読んだことをきっかけに中断していた統計の勉強をまた始めないといけないな、と思いました。なかなかまとまった時間がとれないのがつらいところですが。

統計を使いこなしてデータの正しい理解ができるようになりたいものです。


関連記事と書籍:
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