こういう読み方もある 「小説の読み方」


05 23, 2009 | Tag,小説,読書術

小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)
(2009/03/14)
平野 啓一郎

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小説を読む時は情景を思い浮かべながら味わって読みたいという思いがあり、あまり速く読もうとはしません。どうして小説が娯楽として広く読まれているのか?それは、読者が没頭しやすいようなつくりになっているからでしょう。

本書では、そういった小説の工夫が書かれています。


例えば、登場人物に「ブルー」や「ブラック」といった色を表す名前が使われているだけで人物に対する印象が知らず知らずに刷り込まれている場合があります。

また、小説「蹴りたい背中」の一節

「もういい。脱いだ上履きをつかみ、体育館の出口に早足で向かった。」


では、体育館の外に出ていくというアクションによって、二人の場面から一人の場面に切り替わっていく様子が目に浮かぶように表現されています。


小説「ゴールデンスランバー」では、

「道の左右に並ぶ建物から、ぽつぽつと人が出てくる。視線を上げれば、窓から外を眺めている顔も多い。」


と、この文章では主人公が視線を上げるのと同時に、読者の視線を上げる役割も担っていることが分かります。これを読んで私もたしかに視線を上げた自分がいるのに気付きました。


漫然と読んでいてもおもしろいのが小説ですが、作品としての工夫を知るのもおもしろいなと思います。

読者を作品の中に簡単に引きこんでしまう小説が、いい小説だと思います。読者を引き込ませるために、読者も気付かないような、著者のさまざまな工夫がいい小説の中には織り込まれているのですね。

また、読者に作品の中のさまざまな工夫を意識させない作品こそ優れた小説なのだと思います。今度小説を読む時は、ただ読むだけではなく、著者の凝らした工夫にも注意しながら読んでみます。




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