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これだけは知っておきたい生命保険のこと 【書評】生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと


03 11, 2009 | Tag,生命保険,ライフプランニング,ライフネット

生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと
(2008/11/29)
出口 治明

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生命保険に関する基本的なことが一通り分かる一冊。

今の日本の生命保険の問題点から始まって、私たちが払っている保険料はどのようにして決められているのか、どんな種類の生命保険商品があるのか、生命保険の運用、そして生命保険の歴史まで幅広い分野を網羅しています。



昨日も生命保険関係のエントリーでしたが、今日も一般のビジネスパーソンがどのように保険商品を選べばよいかを本書の内容をもとに考えていきたいと思います。ライフステージによって保険の役割は変わってきますので、特に30歳で妻一人、子一人くらいの家庭を想定します(女性の方、ごめんなさい)。

生命保険の果たす機能は死亡保障、医療保障、貯蓄保障と3つに分かれます。結論から先に言うと、生命保険会社に任せたほうがいいのは死亡保障の部分になります。若い世帯です。いっそのこと死亡保障に絞って考えてみましょう。



まず、そもそもの生命保険の成り立ちを知っておいたほうがいいかもしれません。

たとえばここに30歳のカップルがいると仮定します。二人が生活のいしずえとして、1000万円を貯めようと決意しても、おそらく普通であれば10年前後はかかるでしょう。この10年という時間を買う仕組みが生命保険なのです。つまり30歳のカップルが1000万円の定期死亡保険を購入すれば、翌日から万が一の場合には1000万円が保証されることになります。


それではこの1000万円はどこから捻出するのかというと、同世代の他の人たちから集めるわけです。同じ30歳の人がお金を少しずつ出し合って、万が一の状態に陥った人を助けるわけです。この仕組みのことを著者の出口さんは「共助」と言っています。それに対する言葉は「公助」と「自助」で、公助は税金による社会保障のことで、自助は字のごとく自分の身は自分で助けるというものです。

保険会社のパンフレットを見ると、各世代で保険料の負担割合が違うと思いますが、これは死亡率に見合った保険料が設定されているからです。例えば、30歳の男性では死亡率が0.00074なので、30歳の男性が10万人いたとすれば、平均して10万人×0.00074=74人の人が1年間に死亡することになります。そして、1000万円の死亡保険を10万人の人に販売する生命保険会社があったとすると、74人×1000万円=7億4000万円が必要です。これを10万人で負担することになるので、7億4000万円÷10万人=7400円となり、これが一人当たりの保険料になるわけです。

実際には集めたお金に運用益が発生するので、未来のお金が今のお金よりは増えいていると仮定され、もう少し保険料は安くなります。

運用益の話が出ましたが、保険会社はこのように預かったお金を運用します。運用といってもその投資先は生命保険会社で決めるものなので、保険会社によってどれくらいリスクテイクしているか分かれます。大きな運用益を狙っている会社もあれば、安全志向で国債を中心に運用している会社もあるということです。保険会社を選ぶときは、保険会社の運用対象も確認しといたほうが良いでしょう。運用がうまくいって保険料に反映されれば、消費者は恩恵を受けることができますが、もし運用がうまくいかなければ、その損は結局消費者が被ることになります。


また、保険料はみんなで負担するというこの考え方からすると、さまざまな特約(医療保障やガン保険など)をつけた商品は好ましくないことになります。特約は生命保険を分かりにくいものの一つにしています。特に受益と負担の関係がばらばらになるほど若い世代が負担を強いられます。商品が複雑化して高齢者のリスク分まで若い世代の保険料で負担するということが起き得ます。

だからまずはシンプルに死亡したときの生命保険だけのことを考えましょう。


生命保険に加入するタイミングは結婚したとき、もしくは子どもができた時というのが合理的です。就職したからと言って必ずしも保険に入る必要はありません。例えば自分が死亡したとして、その場合に支払われる保険金は誰が受け取るのでしょうか?親孝行に、と親を保険金の受け取り人にすることも可能ですが、若い世代に多くの所得がないことを考えると本末転倒のようにも感じます。それよりは貯金をしたり自分に投資して未来に備え、十分親孝行できる余力ができてから考えてみてはどうでしょう。


引き続き、子どもができたばかりの若い世代を対象に考えていきます。なるべく掛け金は安く、手厚い保障が得られる保険を選びたいところです。一家の大黒柱に万が一のことがあって、残された家族が路頭に迷わないためにも、このタイミングでは生命保険を契約するべきです。

「貯蓄と保険は分けて考えろ」という意見があります。終身型の保険は、保険をかけながら貯蓄もできるという一石二鳥的な商品ですが、これは気をつけないといけません。運用するのは保険会社ですし、最大の難点は途中で保険の変更を考えたとしても、解約返戻金といって返ってくるお金は大きく減っているということです。若い世帯こそライフプランは柔軟に考えておいた方が良いと思います。


だから、初めは定期保険(掛け捨て)でスタートするべきです。掛け捨てはお金をどぶに捨てているようなもったいないような感覚に時々陥りますが、そこは自分を律しましょう。保険料が安いのは定期保険です。浮いたお金は自分で貯金に回します。


定期保険であれば、途中で子どもがもう一人増えたので保障を増やしたい、などのライフイベントに柔軟に対応できます。


終身と定期の違いは保険モールでよくまとまっています。


30歳男性で考えた時、例えば定期保険では

定期保険


終身保険では

終身保険


とこんな感じですが、終身の場合、1000万円の保障でも1万5千円~2万円の保険料ですから厚い保障がほしい若い世帯にはどうかと思います。どーしても自分で貯金するのは苦手、という人だけ終身にしてみてはいかがでしょう。



生命保険も自分で考えて選ぶことが大切です。そういう意味で本書はそのきっかけになってくれる一冊ですよ。
生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと
(2008/11/29)
出口 治明

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参考記事:生命保険選びで迷っているあなた、もっとシンプルに考えてみては?


医療保険についての考えはまた(また!?)今度。



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