スポンサーサイト


-- --, --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


景気対策の前にとりかかるべきこと 【書評】子どもの貧困―日本の不公平を考える


03 04, 2009 | Tag,子どもの貧困,貧困

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)
(2008/11)
阿部 彩

商品詳細を見る

本書は本当にこわい貧困について学べる一冊です。


日本の世帯所得の中央値(平均ではない)は254万円、その半分を貧困線と言いますが、つまり世帯での収入が127万円以下の家庭は貧困世帯と言えます。日本の社会は一億総中流といって格差のない社会だと言われてましたが、時代は変わりました。格差社会では個人が頑張れば頑張った分、所得が増えて豊かになれるという一面もあるかもしれません。しかし、本当に格差社会は善なのでしょうか。

本書を読むと、それは善ではなく、むしろ悪であると考えさせられます。貧困の解消に早急に取り組むべきだと。


理由の一つは医療の問題です。

昨年のことですが、医療では健康保険に加入していない子どもたちがいることがニュースになりました。

無保険の子ども324人 14市町197世帯が国保料滞納(和歌山)


日本の未来を支える子どもたちの中に十分な医療を受けられない子どもたちがいるという現実がある一方、日々のニュースでは高齢者医療ばかりクローズアップされている点も違和感のあるところです。



もう一つの理由は教育です。

教育を受ける機会は世帯の所得と関係します。
十分な教育を受けれなかった子どもは、他の子どもたちに比べて限られた職種にしか就くことができず、貧困から抜け出す機会が必然的に少なくなります。こうして貧困のネガティブスパイラルができあがります。



医療の問題にしろ教育の問題にしろ、子どもには罪はありません。問題なのは、このままでは貧困層に生まれてきた子どもがいつまでたっても貧困層から抜け出せないという現実です。

貧困層は母子家庭で多いのですが、これは母親が働きに出ても給料のいい職業に就くことができないことや、職を持っても子どもを育てながらだと、収入を増やしていくことは困難なのが現実です。子どもは大きくなっていくのに収入が増えていかないのでは、子どもにかけるお金を減らさざるをえません。このしわ寄せが医療や教育にきているわけです。

離婚しなければよかったんじゃないの?とか、頑張りが足りないのでは?という意見もあるかもしれません。それは一部では正しいのかもしれませんが、貧困のネガティブスパイラルが形成されてしまっている以上、日本の未来のためにもこれをどこかで断ち切る必要があるはずです。

生活保護や児童扶養手当などの社会保障制度はありますが、貧困層を支えるのに十分な補償がされるわけではないようです。また、社会保険料は逆進的な構造といって、所得に占める負担割合が低所得層ほど高くなる仕組みです。


最低限の医療や教育を供給することは当然として、景気回復とともに未来を見据えた子どもの貧困の解消が急務だと思います。



1 CommentsPosted in 社会
-1 Comments
By 貧困世帯の人06 23, 2012 - URL [ edit ]

この書評を読んだ方に誤解のないように、ひとつだけ指摘させてください。
日本の世帯所得の中央値は254万円で、
世帯での収入が127万円以下の家庭は貧困世帯というのは「単身世帯」の場合です。
二人世帯では180万円(127×ルート2)、
4人世帯では254万円(127×ルート4)とのことです。(『子どもの貧困』より)

単に「世帯」と言うだけでは、例えば母と子ども3人という世帯でも
世帯所得が127万円を越えていれば貧困世帯でないと解釈する可能性が、
この本の必需品に関する日本人の調査結果からして
あるのではないかと感じまして一言言わせて頂きました。

Leave a comment
管理者にだけ表示を許可する
-0 Trackbacks
Top
最新記事
Amazon
リンク
Ads
月別アーカイブ
ライセンス
Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
Related Posts with Thumbnails
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。