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【書評】「旭山動物園」革命


01 23, 2009 | Tag,旭山動物園,動物,人間,経営

「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト (角川oneテーマ21)「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト (角川oneテーマ21)
(2006/02)
小菅 正夫

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本書は動物園がメインテーマなのですが、内容は動物そのもの以外にも「人はなぜ動物園に行くのか?」という哲学的な話や、マネジメントなど経営の話もあり、分類に困る本です。しかし、どの話もとてもおもしろく、とても内容の濃いものになっています。



私たちが目にする動物園の動物たちは、その生態の一部しか見せていないわけで、例えば期待外れだけど、ライオンやトラは見に行ってもいつも寝ている、なんてことはあり得ます。

でもやっぱり動物園に来る人たちが見たいものは、自分たちが描くその動物たちらしさ、とか自分たちの知らないその動物たちの驚きの生態でしょう。

旭山動物園は従来の動物園と比較してどこに優れた点があったかというと、動物たちの形態だけを見せるのではなく、「行動展示」を行ったところです。

それぞれの動物にはそれぞれ特徴的な行動があるわけで、見せ方によってはそれはとても面白いものになるのです。ライオンやトラは明るい時間は寝ていて、暗い時間に活動するという特徴があるのですが、旭山動物園では、「それなら日が沈んだ時間まで営業時間を延長してお客さんを喜ばせよう」、とそういう試みがされていました。有名な冬場のペンギンの行進も「行動展示」の一つだったのです。



旭山動物園があるのは北海道の旭川市ですから、東京の上野動物園と違って放っておいてもお客さんが集まる、というわけにはいきませんでした。動物園といえども、お客さんが集まらなければ廃園ということになるわけですが、実際に地方にはそういった憂き目にあった動物園もあったそうです。

経営難に陥りかけていた旭山動物園を救ったのは「改革が必要な組織にはスターは不要だ」という著者であり、園長の小菅さんの理念です。「ボトルネックをなくす」という考えに近いので、企業経営にも通じるところがあるのではないでしょうか。

限られた経営資源をいかにうまくつかうか。こうして生まれたのが、従来の動物園にはなかった「コメント」や「ポップアップ」、さらには「喪中」の掲示です。これらが動物たちの近くに掲示されることで、動物園をより臨場感あふれるものにすることができました。



もう一つ、本書の中でとても印象に残ったのが、「人を知らんとすればまず獣を知れ」という言葉です。この言葉はフランスの博物学者であり、啓蒙学者であったビュフォンの言葉ですが、これこそ私たちが動物園に惹かれる理由なのではないでしょうか。人間が人間として意識できるのは他者が存在すればこそです。他者とは人間以外の動物です。

子供たちの中にはイラストのうさぎは見たことがあっても本物のうさぎを見たことがない子供もいるといいます。動物に接し、その生態を理解することは命の尊さを学ぶことでもあると思います。


自己を認識するため、命の尊さを学ぶため、自然の大切さを学ぶためにも動物園は貴重な施設なんだと思います。




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