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企業を読む。~「1秒!」で財務諸表を読む方法~


12 29, 2008 | Tag,会計,財務諸表,決算書

「1秒!」で財務諸表を読む方法―仕事に使える会計知識が身につく本「1秒!」で財務諸表を読む方法―仕事に使える会計知識が身につく本
(2008/01/25)
小宮 一慶

商品詳細を見る

本書の著者は小宮一慶さんで、著者の本は以前にビジネスマンのための「読書力」養成講座 ビジネスマンのための「数字力」養成講座を紹介しました。

著者の本に共通して言えるのは、どの本も徹底して読者の目線で書かれていることです。本書もそうでした。会計について詳しくない人にこそ、うってつけの本です。

会計における三種の神器は「貸借対照表」、「損益計算書」、「キャッシュフロー計算書」ですが、本書では他にも、「固定費と変動費」、「増し分利益」、「直接原価計算」、「PPM」、「付加価値」といった内容にも触れています。

著者は一般のビジネスマンが決算書を利用するのに、その決算書を”作る”知識は必要ないと主張されています。必要な部分だけを読み取れる知識があればいいそうです。

本書から決算書の知識を学ぶことで、「企業の成長性」や「経営の危なさ」が測れるようになると思います。


決算書を読む時全てにあてはまると思うのですが、常に同一会社を時系列で比較すること、同業他社と同時期での比較を行うことが大切です。


本書の中からここだけは、というポイントを絞ってご紹介。


貸借対照表

流動資産と流動負債

貸借対照表でどれか一つと言われれば、コレ。
流動資産が流動負債を下回ってなければ、突然借金を返せなくて倒産するということにはならない。


自己資本比率(純資産÷資産)

目安は15%以上。中長期的な安定を表す。
黒字倒産ということもあるので、キャッシュフローが確保されていることに注意。


ROA(資産利益率=利益÷資産)≧WACC(Weighted average of cost of capital:加重平均調達コスト)

資金を調達するのに、負債で調達するか株式で調達するか、どちらが割安か?
もちろん、負債で調達したほうが割安。
そうでないと、株主は株を買わないでしょう。債権を買うはずです。
WACCというのは、負債による調達コストと株式による調達コストを平均したものです。
このコストが利益(営業利益)より低くないと、企業は儲かりません。
だから、ROA≧WACCなのです。

ちなみに、この式を成立させるには、ROAを大きくする以外に、WACCを小さくする方法があります。
自己資本比率が高い場合、純資産も大きいはずですが、この時資金調達コストも大きくなります。(負債の調達コストより株式での調達コストの方が大きいから。)
だから、企業にとっては自己資本比率が高すぎるのも問題ということになります。ちなみに、平成19年のトヨタの総資産が約32兆円であるのに対し、有利子負債はなんと約12兆円もあります。



損益計算書

資産回転率(売上高÷資産)に注目。

資産を有効に使って利益を伸ばしているか、資産の有効活用具合が分かる。



キャッシュフロー計算書

営業キャッシュフローがプラスであるのは当然(でないと会社はつぶれる)ですが、ここでは投資キャッシュフローにも注目する。どこに注目するかと言うと、

有形固定資産の取得≧減価償却費

減価償却費より多く設備投資にお金を費やしてないのでは、成長する気がないのか、その余裕がないのかのどちらかという解釈が成り立ちます。



固定費と変動費

航空運賃の話。
特割やら早割やら早めに予約すると手に入る、かなり格安の航空チケットがあります。この仕組みは固定費と変動費で考えると説明がつきます。航空会社はとにかく早く固定費を回収したい(損益分岐点に早く到達させたい)ので、最初のうちは儲けが少なくても安いチケットをどんどん売って、利益を確定させてしまおうとしているのです。だから、格安航空チケットはキャンセルをすると、ものすごく高い値段をとられるのです。

こういうことを考えると、「なんであんなに高いキャンセル料をとられないといけないんだ?」という気持ちもおさまります。

最近、私もこのチケットを変更せざるを得ない状況になり、チケットの7,8割のキャンセル料をとられてキャンセルした、という苦い経験がありますが、ここまで高いキャンセル料をとるのには、損益分岐点に早く到達させる、という目的があったのです。著者も同じ経験をされたとのことで、すごく腑に落ちました。


本書の後半は会計というよりは、利益モデルの話になっていき、小林製薬や花王の話が出てくるのですが、それはそれでとても興味深く読めます。


会計の話は専門用語が飛び交うので、難しく感じるし、なかなか分かったようで分かってないような状態が続きます。しかし、財務諸表が読めれば、ニュースもよりよく分かると思うし、株式投資にも役立つと思います。

今後も根気よく取り組んで行きたいと思います。


参考記事:
あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編
ビジネスマンのための「読書力」養成講座
ビジネスマンのための「数字力」養成講座



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