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となりの車線はなぜスイスイ進むのか?  交通の科学


12 09, 2008 | Tag,行動経済学,交通の科学,渋滞,交通事故

となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学
(2008/10/25)
トム ヴァンダービルト

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本書は交通にとどまらず、行動経済学の範疇に含まれる良書ではないでしょうか。

交通渋滞や交通事故を通じて、およそ合理的ではない人間の本質を明らかにしています。



目次が内容をよく表していると思います。

プロローグ 私はなぜ高速上の工事区間でぎりぎりまで車線合流しなくなったのか

第1章 どうしてとなりの車線の方がいつも速そうに見えるのか?
    車に乗ることは、人の意識をどう混乱させているのか?

第2章 あなたが自分で思っているほどよいドライバーではない理由

第3章 路上で裏切る私たちの目と心

第4章 どうしてアリの群れは渋滞しないのか
    (そして人間はするのか)?
    渋滞対策としての協力行動

第5章 どうして女性は男性より渋滞を引き起こしやすいのか?
    (そして交通をめぐるその他の秘密)

第6章 どうして道路を作れば作るほど交通量が増えるのか?
    (そして、それをどうすればよいのか?)

第7章 危険な道の方がかえって安全?

第8章 交通が語る世界、あるいはご当地運転

第9章 スーパーボウルの日曜日にビールを飲んでいる
    フレッドという名の離婚した医者とモンタナの田舎で
    ピックアップ・トラックに乗るべきではないのはなぜか?

エピローグ ドライビング・レッスン


まずは渋滞について

工事による車線減少は車を運転したことのある人なら誰でも経験したことがあるのではないかと思います。

「この先車線現象、左に寄れ」という標識を発見した後、いつ左車線に移動するのが適切なのでしょうか。

本書での結論は、「ギリギリまで粘って、最後に車線変更をする」というものです。

この方法では、正直に左車線に早々に変更した人からはブーイングが上がりそうです。どうしてブーイングなのでしょうか?それは、ギリギリまで車線変更しない人は、不公平な方法で自分だけ先に進んでズルをしているという意識があるからです。

果たしてそうなのでしょうか?最も効率良く輸送量を増やすという点で考えると、実はどの車も最後の最後まで両方の車線をフルに使って、輸送量を最大限活かすことが全体的な交通渋滞には貢献すると考えられるのです。

アリの隊列が渋滞をしないのは、全てのアリが秩序を徹底的に守っているからです。人間のドライバーはアリのように秩序だったが出来ません。効率良い輸送には秩序だった流れが必要です。


では、どうしたら渋滞をなくすことができるのでしょうか?
はっきり言って、この問題はとても難しいのです。

新しい道をどんどん作るというのはどうでしょう?

新しい道を作れば作るほど渋滞が緩和されるような気がしますが、これが逆であることを本書は指摘しています。現実的に道路を作るお金があるかどうかは別にして、そもそも通勤者が利己的であるがゆえに、新しい道ができたらそこに新たなドライバーが参入してくるのです。


これが、渋滞を改善させる可能性のある2つの方法です。
  1. リアルタイム交通情報とルート変更
  2. 渋滞料金
どれくらい渋滞が続いているのか?あとどれくらい我慢すれば渋滞が終わるのか?
先が見えないとドライバーはイライラします。また、どれくらい渋滞しているか分かれば、新たに別の道を選択するという方法も生まれます。イライラは事故の元になります。事故が起これば、更に渋滞します。

渋滞料金というのは、渋滞の時に別料金を課すというものです。これの利点は、物価が需給と供給を変化させるように、渋滞を調整できる点です。



交通事故について

著者はアメリカで交通事故による死亡者数が年間4万にも上るのに、それに対する対応がお粗末すぎるとおいうことも指摘しています。1か月で考えると約3000人です。決してバカに出来ない数字だと思います。あまりに多くの事故が起こっているので、目新しさがなくなり、社会的に大きな問題になるようなものしかメディアでも報道されません。また、数字が大きくなりすぎると人々の恐怖への感覚も薄れてしまう傾向にあるのでしょう。

私たちは自分で思うほど運転が上手ではありません。たいていのドライバーは自分のことを平均以上の腕前だと思う傾向があるし、自分は大きな事故を起こさないだろうと過信しています。


自分の運転を見つめ直すと共に、交通の科学に触れることが出来てとてもおもしろい一冊でした。
とてもお薦めな一冊です。




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