スポンサーサイト


-- --, --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


振り子の金融史観―金融史と資産運用


12 08, 2008 | Tag,金融史,投資,経済,アクティブ運用,空間的分散,コモディティ

振り子の金融史観―金融史と資産運用振り子の金融史観―金融史と資産運用
(2008/03)
平山 賢一

商品詳細を見る


「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」とはよく言ったものですが、本書は歴史から学ぶためのヒントを与えてくれる良書です。様々な過去の出来事から、現在の応用可能な知識の抽出を行った画期的な本だと思います。


貨幣の役割には、

  ①価値の尺度としての貨幣
  ②交換手段としての貨幣
  ③価値の貯蔵手段としての貨幣

と3つに分けられますが、歴史的に見ると、過去に重視されていたのは、①、②の役割で、③の役割は最近になって台頭してきた価値観です。③が台頭することにより、価値の貯蔵がより効率的に出来るようになり、富の最適な分配が可能になってきたとも言えます。

すなわち、③は、貨幣の価値を貯蔵する機能を重視した利子肯定型であるのに対し、①②は貨幣の交換機能を重視した利子否定型の価値観であるとも言えます。

歴史上は、貨幣に対する利子を否定する考え方もありました。



タイトルにある振り子の金融史観というのは、金融の歴史が「振り子」の振幅のように楽観と悲観、期待とリスク、レバレッジとデレバレッジの二つの極を行き来しているということを表しています。

そういった歴史を踏まえて考えると、導き出されるものの中に、

  ・アクティブ運用の有用性
  ・コモディティの利用価値
  ・空間的ではなく、時間的資産運用法

というのがあります。

インデックスファンドを利用したパッシブ運用がテクニカル分析やファンダメンタルズ分析と比較して長期的な観点から、より収益を上げるのに理に適った方法であることはよく知られていることだとは思いますが、インフレ期に至っては、短期的にアクティブ運用が優れているということが言えそうです。

インフレ期には、限られた企業の高パフォーマンスと、一般企業の実質収益率の落ち込みという二極化が発生しやすい環境にあるからです。

また、コモディティは信用通貨と対極の動きをするので、分散効果という面から見ても、有力なアセットクラスだと言えそうです。

そして、既にグローバル化されてしまった現代では、空間的な分散投資の効果が薄まっていることを著者は指摘しています。未来を占うとすれば、よりすぐれた分散投資は空間的(世界的)分散投資より、時間的(長期と短期)分散投資ということになります。



本書は金融史という教科書的な内容も含みつつ、それを一般読者向けに書き下ろした良書であると思います。

学びの多い一冊でした。




0 CommentsPosted in 経済
-0 Comments
Leave a comment
管理者にだけ表示を許可する
-0 Trackbacks
Top
最新記事
Amazon
リンク
Ads
月別アーカイブ
ライセンス
Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
Related Posts with Thumbnails
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。