本書は読書本と言ってもいいかもしれません。
先日紹介した
思考の整理学が原著となっています。
20年前の第一作目の要旨が現在でも応用可能な普遍的な内容だっただけに、今回の内容も20年前のものと本質は大きく変わりありません。
思考の整理学と本書どちらを読めばいいかについては、思考の整理学を読んだことがない人は本書を読むのが良いと思います。しかし、思考の整理学を読んだことがある人も本書を読むと、少なからず得るものがあるように思います。私がそうであったように。
本書はいかに知的創造を行うかということがテーマになっています。
人間のなくすことの出来ない能力であり、悩みでもある
忘却の効用を説いているところがとても興味深く読めました。
知識詰め込みがたの学習はコンピューターが発達した現代では必要とされる能力ではありません。そうではなく、人間にしかできない新しいコトを考え出すことが現代の人間に必要とされています。
これを著者はカクテルではなく、地酒を作るようにしなければならないと例えています。カクテルは混合物ですが、地酒は米と水とさらに時間が加わった化合物です。今の時代を生きる私たちにはカクテルではなく、地酒を造ることが求められているのです。
そのために良質な情報を
インプットするのはもちろん大切です。
しかし、インプットした知識をどう活かすかということの方がもっと大切です。
インプットした知識は放っておけば風化していきますが、著者は
忘却の効用としてこれも必要な能力だと主張します。忘れることによって必要な知識と必要でない知識のふるいわけが可能になるのです。
そのためには一旦インプットした知識は寝かせておく必要があります。睡眠が良い例です。他にも散歩をしたり、風呂に入ったり、とにかく一度頭をリセットした方がアイディアは生まれやすくなります。
セレンディピティー(ひらめき)はそうした脳の中に空白ができた時に生じることが多いようです。
知的創造を行う具体的な方法にはやはり
読書があります。
本書が勧める
知的創造への読書は、文章を読んで覚えるものではなく、内容から、ひらめきのヒントを得るものです。そのためにはある程度のスピードを持って読み進める必要があります。なぜかと言うと、ゆっくり読んでいると、脳の中が文章の内容で満たされて空白が全くなくなってしまうからです。脳の中にある程度の空白を残しつつ読むことが知的創造への読書です。
読んでいてひらめいたら、迷わず目を休めて思いついたことをメモする必要があります。
そして、メモの内容は時間を置いてノートに記します。
ノートはメモの内容を丸写しにするのではなく、内容を租借し、自分の言葉に置き換えたものにします。このような過程で出来たノートを
メタ・ノートと言います。これは知的創造への財産になります。
会話にも知的創造を促す効果があります。会話は上手く使えば、読書と同様に自分の言葉と他者の言葉をつなぎ合わせ、それらを融合させ、知的創造へのきっかけとなり得ます。
書くことも知的創造につながります。
書く上で、文章の構成は大切です。テーマが文章を集約した内容になっているのはもちろんですが、段落が意味ごとのまとまりになっていて、段落どうしのつながりが明確になっているのが良い文章です。
みなさんもそうかもしれませんが、私は集中していると読書をしながら全く別の考えが頭をよぎることがあります。本書を読んで、この頭をよぎった内容もメモとして残しておいたほうが良さそうだと思いました。
いちいちメモを取り出すのは面倒なので、本の中に書き込んでいこうと思います。
以前に学習したマインドマップもメタ・ノートを作るのに役に立つ気がするのでやってみます。
このブログを読書記録のメタ・ノートにするのもいいかもしれません。
こちらのブログも知的創造のヒントになると思いますので紹介しておきますね。
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