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東大生が書いたやさしい経済の教科書


11 07, 2008

こちらの本は確かビジネスマンのための「読書力」養成講座で巻末に紹介されていた本でした。

経済のことをもっと知りたいと思っていたのでまずは入門書にあたる本書から読んでみました。

本書の素晴らしいところは内容を平易に書いてあるところ以外に、構成の素晴らしさがあります。”教科書”とタイトルにある通り、平易には書いてありますが、そんなに簡単な内容ではありません。往々にしてあることだと思うのですが、こういった教科書的な本は一回読み通しただけでは後に残る知識はわずかです。本書はそういう点も踏まえて、最初に概略が述べられ、各論が解説された後、最後に問答形式で復習することができるようになっています。もちろん最後の部分を読んだからと言って内容を100%理解できるようになるわけではないのですが、これがあるのとないのとでは大違いだと思います。

東大生が書いたやさしい経済の教科書東大生が書いたやさしい経済の教科書
(2005/01)
東京大学赤門Economist

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本書は
  • 需要と供給
  • GDP
  • マネー
  • IS-LM分析
  • インフレ・デフレ
  • 為替(円安・円高)
  • 国際経済(貿易)
  • 古典派&ケインズ派
を中心に解説されており、これらの知識を駆使して日本とそれを取り巻く経済状況を読み解くというのが主旨となっています。

例えば、

財政政策と金融政策について


景気の回復のための方法として、財政政策(政府が財政支出や税収を増減させて経済に影響を与える)と金融政策(中央銀行が貨幣供給量の増減を通して経済に影響を与えようとする)大きく分けて2つあります。


例えば、政府支出を増やして財政政策を行った場合、GDPはY(GDP)=消費+投資+政府支出+輸出-輸入という式であらわされるので、GDPは増えます。

ここで終わればいいのですが、実際にはこの先があります。

GDPが増えて貨幣供給量が一定であれば、貨幣需要が増えた状態になっているので、利子率が増加します(M=L(Y,i):この式は市場の貨幣供給Mと貨幣需要Lが均衡していることを示し、LはY(GDP)の増加関数で、i(利子率)の減少関数であることを示しています。)(IS曲線)。利子率が増加すると、結果的に企業の投資活動が冷え込みます。そうすると最終的にはGDPは減少することになってしまいます。これをクラウディング・アウト現象と言います。


では、金融政策を行ってマネーサプライを増やしたらどうなるでしょうか?

貨幣の供給量が増えたら、貨幣市場の均衡が働いて、貨幣需要が増えます。そうすると、債券の魅力が落ちて市場に貨幣が集まるように利子率が下がります。利子率が下がると、企業はお金を借りやすくなり、投資もしやすくなります。その結果、GDPは増加します。(LM曲線)

今、各国政府が利子率を一斉に下げていますが、この意味が分かるようになります。


実は上記のように単純な話にならないのが実際の経済の難しいところなのですが、話がややこしくなるので今回は割愛します。

押さえておきたい定義、公式、グラフ
  • GDP=一国において一年間に生産された、すべての財・サービスの付加価値の総額
  • 総供給=総需要を式に表すとこうなる。Y=C+I+G+EX-IM。
Y:GDP、C:民間の消費、I:民間の投資、G:政府の支出、EX:輸出、IM:輸入
  • 経済成長を起こす三つの要因:労働、資本、技術革新
  • マネーサプライと貨幣需要の関係:M=L(+Y,-i) ←本当は+と-はそれぞれYとiの上に付きます。
M:マネーサプライ、L:貨幣需要、Y:GDP、i:投資率。L(貨幣需要)はY(GDP)が増えると増加し、L(貨幣需要)はi(投資率)が減ると減少するということを表す。GDPと利子率を偏するとする2次関数において、LM曲線を作り、これは右上がりの形となる。
  • I(-i) ←これも-はiの上に付きます : これはi(利子率)が下がるとI(投資率)が上がるというもの
  • フィッシャー方程式:実質利子率=名目利子率-予想インフレ率
  • (1+i)=(1+i)E/e 
i:日本の金利、i:アメリカの金利、e:期首の為替レート、E:期末の為替レートの予想。為替レートの決定過程に必要な知識。



本書を読み進めていくと、小泉内閣で竹中さんが行っていた経済政策の意味と、それでもどうして景気がなかなか回復しないのかが分かります。

今回、IS-LM分析に関連した、本書からの学びの一例を挙げてみましたが、実生活で役立てるにはもう少し経済学に慣れ親しむ必要があると感じました。

どの学問もそうかもしれませんが、経済学もやはり全ての経済現象を完璧に説明できる学問ではありません。一つの経済現象に全く異なった見解が平気で出てきたりします。

GDP一つとっても経済規模や人の豊かさを計る完全な道具ではありません。しかし、GDPという指標がなければ日本が成長しているか衰退しているかさえ分からないのです。経済学の知識がないことは時間を計るのに時計を持っていないようなものなのです。

本書を読んで経済学の限界を知った上で、それを最大限使いこなすことが世の中を見ていく上で大切なのだと思います。

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