本書は
”ここ最近10年で起きたインターネット上の革命がどういものなのか、分かりやすく、的確に表現した本”
と言えると思います。
とても勉強になります。
Web2.0の意味がようやく分かりました。
Web上の革命を”
インターネット”、”
チープ革命”、”
オープンソース”という切り口で説明します。
Googleの発展とともに理解すると、とても理解しやすいと思います。
インターネットは一昔前まで定額料金を払って限られた時間だけ利用するというものだったと思いますが、あっという間に低コストで24時間つながっていられる状況になりました。
これがどういうことを意味するかというと、誰でもいつでもネット上の世界にアクセスできるということです。
このバーチャルな世界がいまや一つの経済圏となり、莫大なお金を生むようになりました。
そこには全世界規模の顧客がいるのです。
Googleはこのインターネット上の世界で、「世界中の情報を組織化し、それをあまねく誰彼でもアクセスできるようにすること」をミッションとしています。
Googleアースしかり、世界中の書籍をデータベス化しようとしているのもその中の活動の一つです。
そして、
チープ革命ですが、これはネットとつながることがチープになったというだけでなく、オープンソースに代表される無料のソフトウェアやロングテール現象というものに代表されます。
ロングテール現象ですが、これは恐竜のしっぽを想像してみると分かりやすいかもしれません。
例えば本の売り上げですが、従来は本のほとんどの売上はベストセラー書に由来していました。ところが、amazonを想像してみてください。インターネット上では在庫を必要以上に持っておく必要はありません。そうすると、ベストセラー以外の本も注文が入った時点で探し出して売ることができます。タイトルあたりの売上が少なくても、それが積み重なれば大きな利益になります。
ロングテール現象というのは、この、従来は利益にならなかった恐竜のしっぽのような巨大な範囲から利益を出すことができるようになった仕組みのことです。
Googleの広告事業もこのロングテール現象を利用しています。
一つの広告料が小さくても巨大なネット上の世界ではちりも積もれば山となるわけです。
オープンソースですが、これはWeb2.0の本質と関係しています。
Web2.0とはeベイの創業者ピエール・オミディヤーの言葉を借りると、
「道具を人々の手に行き渡らせるんだ。皆が一緒に働いたり、共有したり、協働したりできる道具を。人々は”善だ”という信念から始めるんだ。そしてそれらが結びついたものも必然的に善に違いない。そう、それで世界が変わるはずだ。Web2.0とはそういうことなんだ。」
Googleはこのオープンソースを利用してネットの向こう側の世界に巨大なコンピューターステーションを作っています。全世界のデータが収容できるくらいの。
そのシステムにはリナックスなどのオープンソースが利用されています。
オープンソースがなければGoogleの革新は生まれなかったとも言えます。MicrosoftのOSを使っていたのではコストの面からもこの巨大なシステムは作れなかったでしょう。
このように情報の公開が進むことで、情報はネット上に溢れることになります。
しかし、結局は情報が情報を淘汰していくので、本当に求められている必要な情報のみしか生き残らないのです。
この本の著者は”はてな”の創業に関わった人です。
”はてな”もWeb上での情報の共有というコンセプトがあります。
本書では他にもブログのこと、RSSのこと、ヤフーとグーグルの本質的な違いについても触れられています。
Webを理解するためには、まず初めにこの本を読めば良かったのだと思いました。
今自分が利用しているWebというものを理解するのにとても役に立つ本でした。
今までよく分かっていなかった”はてな”のことが少しわかったので、これを機に”はてな”のサービスを利用することにしました。
読書感想をつけたGoogle本の記事をリンクしておきますのでよかったら参考までにどうぞ。
ザ・サーチ グーグルが世界を変えたGoogle誕生