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人生に絶望しそうになったらこれを読むといい 「クラッシュ」


12 29, 2012 | Tag,

クラッシュ―絶望を希望に変える瞬間 (幻冬舎文庫)
人は絶望の果てにどのような心境になるのか。誰しもあまり考えたくないことだが、人生をより良く、感謝しながら生きるために考えておいたほうがいいかもしれない。

今日ご紹介する一冊はフェラーリを操るレーシングドライバーとして一世を風靡していた太田哲也氏によるもの。初版は平成15年なのに今さら手にしてすごい本だと驚いた。

事故は雨の富士スピードウェイで起きた。太田氏が操るフェラーリは前方で起きた多重事故を避けようと左にハンドルを切った。しかしその目の前には先にコースアウトしていたポルシェが。

激突の結果、フェラーリは燃えさかる炎に包まれる。そして彼はⅢ度の熱傷、範囲40%を負うことに。この数字は超重症であることを示しているので、生き延びるのは難しいだろうと当初言われていたのもうなずける。

最初の搬送先から東京女子医大の熱傷センターに搬送され集中治療の結果、彼は一命を取り留めることになった。女子医大の熱傷センターは有名で、僕も研修医時代にここ出身の先生に教わったことがある。

命が助かって良かった。本当に良かった。しかし話はここでハッピーエンドにならない。

熱傷の治療は救命後にも数々の試練が待っている。しかも太田氏は手から足から顔まで全身の40%に深い熱傷を負っているのである。

度重なる皮膚の移植や皮膚が欠損した部位に生じた細菌感染との戦い。しかも細菌はMRSAという手強い菌である。時にはそれは熱傷浴と言って、壊死した組織をゴシゴシと削りとるような治療もある。

僕は医療従事者としてこの治療を見たことがあるが、皮膚をナイフで削るようなものなので、太田氏の熱傷範囲の広さを考えると、それはものすごい苦しみだっただろうなと読みながら壮絶さが伝わってきた。

さらにそうした治療の先には失った手足や顔の再建手術がある。

特に彼を悩ませたのが顔の治療だ。やけどの影響で顔からは鼻がなくなり、まるで化物のような顔になっていた。

人間の顔というのは目、鼻、口や眉毛や髪の毛、そういった基本的なパーツが備わっていてこそ顔だと認識される。

他人は自分と違う存在に対して冷たいものだ。他人の目、自分の目を通して彼はそう感じるようになる。

命が助かっても、これからは人として社会復帰しなければいけない。彼のもう一つの戦いはここから始まる。様々な再建手術や障害の克服、さらには心理的なトラウマを克服するための。

僕がこの本を読んで一番圧倒されたのは彼が絶頂からどん底に突き落とされ、それをどのような気持ちで乗り越えたか、そこの部分が克明に描写されていたところだ。

彼がどれくらいつらい状況に置かれていたか、痛いほどよく伝わってきたし、だからこそそれを克服する彼の姿に感動した。

キューブラー・ロスが死の受容のプロセスとして否認、怒り、取引、抑うつ、受容と5段階を示しているが、このプロセスと似ているように思う。

死の受容であって、厳密には絶望的な状況の受容とは違うけど、死の受容プロセスと似ていて否認、怒り、抑うつ、受容、克服の5段階が描かれている。

いや、それにしても全盛期の自分とどん底の自分と、きれいな性格も汚い性格も全てを含めて冷静に自己分析し、描写しているところは本当にすごいなと感心する。


少し古い本なので今更感はありますが、この本は死ぬ前に一度は読んでおきたい一冊なのではないかと。


クラッシュ―絶望を希望に変える瞬間 (幻冬舎文庫)クラッシュ―絶望を希望に変える瞬間 (幻冬舎文庫)
(2003/05)
太田 哲也

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