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批判的に考えるということ 


06 29, 2010 | Tag,クリティカルシンキング

哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))
哲学を専門とする、現役の大学准教授による一冊です。

哲学というと、普段なかなか接することのない学問ですが、思考法という点から見るとずいぶん近い存在なんだなと思いました。

ものごとを初めからうのみにするのではなく、まず疑ってみることは大切です。

ちまたにあふれた情報や議論の相手が言っていることが正しいとは限らないからです。

そのために、クリティカルシンキング(批判的に考えること)が役立ちそうです。


本書ではクリティカルシンキングを
  1. 議論の明確化
  2. 前提の検討
  3. 推論の検討
を行うことである、としています。


1はいったいこの話は何を言っているのか、何が言いたいのかを見極めるということです。話が長いだけで何が言いたいのかよく分からない話はしばしば経験します。

2は文脈とか背景、とも関連します。たとえば医師と患者では持っている前提が違います。一方的に話をされている場合でも、前提はなんなのか見極める必要があります。

3は前提から主張(言いたいこと)に結びつけるための推論の吟味です。推論には引用文献やウェブ上の情報、いろいろあると思いますが、何をもとに推論を成立させているかが問題です。推論の根拠となる情報が正しいとも限りません。


参議院選を前にして、各政党がいろんなことを言っています。

例えば消費税増税問題はどうでしょうか。

民主党、自民党は消費税を10%に増税することを目標にしています。

その前提にあるのは、表向き日本の債務過多という財政問題です。

個人的には、ギリシャショックの教訓を生かして早いうちに増税に踏み切るのは悪ことではないと思っていますが、別の前提からは違う意見が出てきます。

もっと一人一人の国民に焦点を合わせると、消費税は逆進性が強く低所得者にとっては不利とか、消費税は国民の生活を圧迫し、消費を鈍らせるため景気回復にブレーキをかける、という意見が出てきます。

どちらも本質的なところは、国民の生活をよくしようというものですから、間違ってはいないと思います。長期的な視点か短期的な視点かの違いです。なかなか結論が出ないのは、このように前提が少しずれているからだと思います。


債務過多は今はよくても先々まずいことになります。

いっときの苦痛を受け入れるか、それを先延ばしにして大きな苦痛として受け入れるのか。

どちらの方が賢明でしょうかね。


増税するにしても、今の事業仕分けをもっと大胆に進めていってほしいということ、逆進性を緩和するような課税の工夫が必要だとは思います。


哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))
(2005/07/06)
伊勢田 哲治

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ちょっと話はそれましたけど、本書の巻末にはおすすめの参考書籍も掲載されており、興味の対象を広げることができます。

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電子書籍はきっと、もっと流行る


06 27, 2010 | Tag,電子書籍

iphoneで「もしドラ」を読んでみた。

紙の本に親しんでいた僕は、電子書籍が普及するかにいささか疑問だった。

しかし、実際に体験してみるとこれがなかなかいい。

空いた時間にメールをチェックするのと同じ感覚で電子書籍を開き、読むことができる。

視認性も問題ない。サッサッとページをめくれて快適だし、しおりを入れる機能や、マーカーを残しておく機能もついている。

欲を言うなら、メモを残しておける機能もつけてほしい。

初めて電子書籍を経験したものとしての雑感だが、これはもっともっと普及するんだろうと思った。それくらい使い心地がいいものだった。

これで狭い電車の中で周りに気を使いながらページをめくる必要もなくなったし、重たい紙の媒体を持ち歩く必要もなくなった。

ipadならもっと読みやすいんだろうなあ。




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女の子とうまくやるためのコツ


06 26, 2010 | Tag,恋愛

これはそうかもしれないな、と思いました。

村上春樹作品からです。女心をよくつかんでいますね。


女の子とうまくやる三つの方法

 1. 相手の話を、黙って聞くこと

 2. 着ている服をほめること

 3. できるだけおいしいものを食べさせること


何よりも大事なのは1番ですかね。これがないと恋愛の土俵に立てないんじゃないかな。

それができたら、ちょっと頑張って2番を実行してみるといいのだと思います。照れくさくても口に出して言ってみることって大切なんでしょうね。


めくらやなぎと眠る女めくらやなぎと眠る女
(2009/11/27)
村上春樹

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「もしドラ」は意外なほど胸を熱くしてくれる 


06 24, 2010 | Tag,マネジメント,ドラッカー

野球部の女子高生マネージャーがドラッカーの「マネジメント」と読んで、野球部を甲子園に連れていこうという物語。

ドラッカーの本は僕も好きなので、よく読んでいる。しかし、僕がいつも直面する問題は、企業の経営者でもない読者がどうやってマネジメントの知識を自分の身の回りに応用するかというものだった。

本書にそのヒントを求めて、読んでみることにした次第。



本書には物語にあわせて、「マネジメント」からの引用がある。

野球部にとっての顧客とは誰なのか、野球部におけるマーケティングとは、個々のメンバーを生かすための競争、責任、フィードバックといった、なるほどこういう応用の仕方があるのかといったものが参考になった。

当然、フィクションだから実際はこの物語のようにはいかないに決まっている。それでも、考え方という面で参考になった。組織の一員である僕も主人公みなみのようにマネジメントをやってみたいという気になった。



もうひとつ、本書のいい点は、純粋に物語としてのおもしろさにある。

僕はこの「もしドラ」を初めて電子書籍として購入し、電車やバスの中などちょっとした移動の空き時間にiphoneを使って読んでいた。

公共の場にも関わらず、不覚にも読んでいて涙があふれてきた。それくらい感情移入しやすく、話としておもしろいと感じた。

それほど意外な展開というわけではなかったのだけど。。最近涙もろくなったのかな。



本を読んで涙が出るなんて久しぶりの経験だったので、まだ本書を読んでいない人はぜひ読んでみて感動を共有してほしい。


もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらもし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
(2009/12/04)
岩崎 夏海

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表紙がなんとも近寄りがたのだけど、中身はおもしろい。


iphone、ipadで読める電子書籍版はコチラ↓から
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら




短編で楽しむ村上春樹作品 「目くらやなぎと眠る女」


06 22, 2010 | Tag,村上春樹,短編

めくらやなぎと眠る女
この本には村上春樹さんの短編が24編おさめられているのですが、僕が特に気に入ったのは以下の4つでした。

1. 我らの時代のフォークロア
 こちらは処女性がテーマになった話。物語を通じて”処女”というものについて考えさせられます。

2. 嘔吐1979
 パートナーがいる人と寝ることに生きがいを感じている、変わった人の話。彼の性癖がタイトルにある嘔吐と関係しています。


両者に共通するのは、セックスの描写がリアルなのに、顔をしかめるようなものではなく、きれいに感じるということです。これは他の村上作品にも共通することだと思います。村上作品にはきわどい性描写が出てきますが、不思議とイヤな感じがしません。


3. 偶然の旅人
正直これは涙が出そうになりました。ある場所でたまたま出会った女性の身に降りかかった不幸。時を同じくして自分の家族の身に起こった、それと同じ不幸。実際に起こった、偶然としか考えようのない話です。

文中の特に以下のフレーズがとても気に入りました。
偶然の一致いうのは、ひょっとして実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうか。つまりそういう類のものごとは僕らのまわりで、しょっちゅう日常的に起こっている。でもその大半は僕らの目にとまることなく、そのまま見過ごされている。まるで昼間に打ち上げられた花火のように、かすかに音はするんだけど、空を見上げても何も見えない。しかしもし僕らの方に強く求める気持ちがあれば、それはたぶん僕らの視界の中に、ひとつのメッセージとして浮かび上がってくる。

ほんとその通りだと思います。


4. ハナレイ・ベイ
これも涙が出そうになりましたよ。せつない。。
主人公の息子がサーフィン中にサメに襲われて死にます。その息子のことを思い続ける個性的な母親。そんな話です。



収載されている24の作品のうち、なんだかよくわからないものもあるというのが正直な感想です。しかし、書かれた作品が最近に近づくほどおもしろいと感じました。偶然の旅人もハナレイ・ベイも2005年の作品です。村上作品が好きな人は読んでみて損はない一冊かと思います。


めくらやなぎと眠る女めくらやなぎと眠る女
(2009/11/27)
村上春樹

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バーベル戦略


06 20, 2010 | Tag,資産運用,投資,

手堅く投資をする方法として、「インデックスファンドに分散投資をする」というものは広く知られています。

わたしもこの方法を採用しています。しかし、「ブラックスワン」という本にこれとはちょっと違う、よさそうな方法が載っていました。


黒い白鳥(誰にも予測できないが、ときどき起こる事象)のせいで、自分が予測の誤りに左右されるのがわかっており、かつ、ほとんどの「リスク測度」には欠陥があると認めるなら、とるべき戦略は、可能な限り超保守的かつ超積極的になることである。

だいたい中ぐらいのリスクといっても、それが本当に中ぐらいのリスクなのか?どうしてわかる?ということだそうです。


だとしたら、「中ぐらいのリスク」の投資対象にお金を賭けるのではなく、お金の一部、たとえば85%から90%をものすごく安全な資産に投資する。たとえば国債とか。残りの10%から15%はものすごく投機的な賭けに投じる。たとえばオプションとか、あらん限りレバレッジのかかった投資をする。

というのが、合理的ではないかと言うのです。

こういうやり方をすれば、間違ったリスク管理に頼らずにすむし、どんな黒い白鳥が来ても怖くない、と。

わたしはこれを読んで「なるほど」とおもわず頷いてしまいました。

そんなにすぐには自分のポートフォリオを動かすことはできませんが、今後行ってみる価値のある方法だと思いました。

投資に興味のある方、この方法についてどう考えますか?


ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
ナシーム・ニコラス・タレブ

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ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
ナシーム・ニコラス・タレブ

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「病院経営のしくみ」 


06 17, 2010 | Tag,病院経営,診療報酬

だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマ
本書を読んで、病院経営もある程度体系立てて考えていかないといけないんだなと思った次第です。

思考の枠組みがあった方が考えやすいということです。

例えば、”6つの医療の質”として、安全性、有効性、患者中心志向、適時性、効率性、公平性が挙げられていたり、

有名なPDCAとか、QC(Quality Control)、TQC、TQMといった経営の教科書に出てきそうな話が出てきます。



いまさらですが、本書を読んで気づいたことがあります。

病院経営で儲けを増やす手段として、”加算”項目がかなり大きいということです。

通常の心電図や心エコー、レントゲンなどの検査、手術や薬の値段、これらはどこの病院に行っても同じです。病院が個々に値段を決めることはできません。

日本の医療のほとんどが保険診療です。値段は中央社会保険医療協議会 - Wikipediaで決められています。


加算項目は「保険診療で医療行為の値段がすべて決められてしまっているなか、病院はどうやって儲けを増やすのか?」という疑問に答えてくれます。


診療報酬の構造は初・再診料や入院料といった基本診療料と検査や治療などそれぞれの医療行為に対する特掲診療料という2つに大別されています。

そして、基本診療料には、加算項目があります。例えば入院基本料等加算です。

大きな病院ほどこの加算項目をとりやすく、それを利用して儲けを増やそうとします。

例えば、救急医療管理加算(800点/日)というのがあるから、病院は救急をやることに積極的になります。

医療安全対策加算(85点/初日、35点/初日)とか褥創患者管理加算(20点)というのがあるから、病院内には医療安全対策チームとか、褥創対策チームが結成されます。

これらの加算はその時々の医療政策と密接に関係しています。医療費削減のために後発医薬品の使用が叫ばれてしばらくたちますが、後発医薬品使用体制加算(30点)というのを作って病院に後発医薬品の使用を促したりしています。



これらは金銭的なインセンティブをつけて、病院にあるべき機能を持たせようとする厚労省の政策でもあります。

これ自体は悪い制度ではないのですが、中には加算はとっているけど、実態がないというようなこともあったりします。

病院の中で生活していると、ある日突然なんらかの委員会が発足してることに気づいたりします。そして、その委員会の中に自分の名前が入っていてびっくりしたり。

その影にはこういった診療報酬加算の影響があることは間違いないということです。


だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマだれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマ
(2008/07/15)
木村 憲洋医療現場を支援する委員会

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病院経営者と現場に存在する認識の差 


06 15, 2010 | Tag,医療,病院経営

病院経営に大きな問題点の一つに、現場で働く医療従事者と、病院経営者の視点の違いがあります。

現場の医療従事者は患者さんを治療することにやりがいを感じ、それに専念したいと考えます。しかし、病院経営者は病院を維持するために患者さんの治療以外に、収益向上を追求していくことに重点を置きます。

例えば医師なら、治療するにあたって「効果はそんなに引けをとらないから、安いこの薬を使って」とか、「そんなにお金のかかる検査をやって意味あるの?」とか言われるとモチベーションが下がります。こっちは全力で患者さんを治したいと思っているのに、お金の話をされると、気持ちが萎えるというものです。

患者さんの治療に力をそそぐこと、病院の利益を追求すること、この両者は根底では同じ目標に向かっているはずです。病院の利益を追求することは、その病院の施設維持、ひいては設備向上につながり、それは医療従事者のモチベーションを高めるからです。

しかしながら、経営者(院長)の、「利益を追求して、よりよい病院を作っていこう」という意思はなかなか現場まで浸透していません。現場では「院長はまたお金の話ばっかり」とかそんな認識です。

病院が利益を追求することが、患者さん、そして医療従事者である自分たちにメリットのあることだということが理解できれば、医療従事者の行動は変わってくると思います。

これからの病院経営者には、”病院が儲かる”ということが、現場の医療従事者にとってどういうメリットがあるのか、わかりやすく提示できる必要があるのだと思います。


だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマだれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマ
(2008/07/15)
木村 憲洋医療現場を支援する委員会

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未来の医療「医療クラウド」


06 13, 2010 | Tag,医療クラウド,医療,ソフトバンク

ソフトバンクの孫社長が未来の医療の形をシンポジウムで語っていました。

Togetter - まとめ「GE主催 次世代医療シンポジウムUSTREAM中継 孫社長参加」

驚きました。私自身が「未来の医療はきっとこうなる」と思っていたこととぴったりでした。医療クラウドというものです。

詳しくは一度USTREAMのこの動画を観てみてください。



1. 病院間でひとりの患者情報を共有すること
患者情報はどの病院でも参照できるようにしたほうがいい。その方が無駄な検査は減るし、これまで病院ごとに患者情報を収集していた労力、人的、物的コストが減る。


2. 遠隔地医療の充実
画像検査など、読影を依頼したくても放射線科医がいないとき。そんな時すごく役立つと思う。画像を転送して読影してもらって、そのコメントをもらえばいいわけだ。医療クラウドならそれが可能だろう。
もちろん在宅医療にも役立つだろうことは言うまでもない。


3. 手術支援
たとえばUSTREAMとかを利用して動画を見ながら、それに対して「ここはこうしろ、ああしろ」などの指示を出す。USTREAMの画質がもう少しよくなればそれが可能だと思う。

4. ipadに電子カルテの機能を持たせれば最強
とかく医師の指示がないと動かないのが病院業務。その場にいなくても、指示だけあればいいといったとき、ipadを使ってオーダーを出せれば便利。また、どこでもカルテを書けるというのも便利だ。医療クラウドとipadの組み合わせは最強になるんじゃないか。


そんなわけで医療クラウドと、それを実現しようとしている孫社長、ソフトバンクに期待大です。応援したいと思います。



ビジネス書としての「ドンキホーテ」


06 11, 2010 | Tag,ドンキホーテ,リーダーシップ,マネジメント

ドン・キホーテ (岩波少年文庫 (506))
ドンキホーテといえば、風車を巨人だと言って戦いを挑んだり、羊の群れを軍勢だと勘違いしたりと、目もあてられないようなまぬけな行動が有名です。ドンキホーテの幻想とそれが引き起こす事件。これがこの物語の中心です。

ドンキホーテのまぬけな一面ばかりが有名かもしれませんが、彼は幻想さえなければとても冴えた人物です。

お供のサンチョがある人物のいたずらで島の領主になる場面があります。その時ドンキホーテがサンチョに送った言葉にその一端が垣間見えます。

ドンキホーテがサンチョに送った言葉は、実はちょっとしたマネジメント論にも通じるところがあるのではないかと思いました。

それが以下です。

  • 何人にたいしても礼節を守ること。
  • ゆったりと歩き、落ち着いて話をするように。かといって、おのれの言葉に聞きほれていると思われるような話し方はいけない。何事であれ、気どりやてらいはよろしくないからだ。
  • 話の中にことわざをあまりごたごたまぜるのは関心できない。ことわざというものは、わずかの言葉に重い意味のこめられた格言には違いないが、前後とまったく関係のないのを持ちこむと、それは格言というより放言になりかねない。やたらにことわざを連発すると、話もしらけ、品がなくなるからだ。
 ことわざや名言って話に格をつけようとついつい使ってしまうもの。たしかにそう頻繁に使われると耳障り以外のなにものでもないですね。

  • 人の家柄を云々(うんぬん)してはいけない。少なくとも、人の家柄と家柄の優劣を論じてはならない。そんなことをすればどうしても、比較された家柄のうち、どちらかがすぐれているということにならざるをえない。その結果、けなした一族からは憎悪されることになるだろうし、持ちあげた一族からだって、それゆえ感謝されることなどないからだ。
 家柄を学歴に置き換えてみると現代にも通じるな、と。

  • みだりに命令を出さないこと。出す場合には、よい命令、特に、遵守されるような命令を出すよう努めること。実行することができない命令は、無いに等しい。それだけでなく、命令を守らせることができないという実力のなさを暴露することになる。
  • 統治にあたっては厳格と寛容の間の中道を選ぶこと。中道にこそ、英知があるからである。
 理想を追求すると、実行することができないことを部下やスタッフに要求してしまいがちだなと思います。実行できない命令を出すことは、逆にリーダーとしての実力を問われるということですね。中道をこころがけることが大切であると。

  • 領主による牢獄、肉屋、市場などの視察はすこぶる重要なれば、怠ることなく、これを励行すること。
 高いところからばかり見てないで、現場に足を運ぶ。たしかにこれは大切です。


物語の本筋もおもしろかったのですが、私はこんなところに目をつけて読んでみました。

今さら感もありますが、初めてでも、あらためてでも、この物語は読み応えのある名作だと思います。


ドン・キホーテ (岩波少年文庫 (506))ドン・キホーテ (岩波少年文庫 (506))
(2000/06)
セルバンテス牛島 信明

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先の見えない夕張医療


06 09, 2010 | Tag,救急医療,医療崩壊

6月1日のmsnニュース。

>> 北海道夕張市立診療所、救急搬送断る 夕張市長「誠に遺憾」 - MSN産経ニュース


それに対して6月7日JBPRESSでの村上医師の反論。

>> なぜ私は救急患者の受け入れを拒否したのか 北海道・夕張の村上医師が救急対応の報道に反論 JBpress(日本ビジネスプレス)

市長は何に対して「遺憾」と言っているのか。

救急患者を受け入れなかった村上医師に対してか、それとも救急患者を迅速に受け入れる体制を作れなかった自分たちの政治に対してか。

市長の発言としては後者であるべきだが、おそらく意図は前者にあるのだろう。

今回の一連の報道を見て、率直に夕張市の医療の再建は遠いと感じた。

夕張医療センターで奮闘しているのはたった一人の医師である。センターというから何人の医師がいるかと思ったらたった一人。

記事にも書いてあるが、一人というのはきつい。かわりがいなければ、24時間365日勤務しなければいけないことになる。徹夜明けでパイロットに操縦桿を持たせるようなものだとはまさにその通りだ。

一人しか医師のいない病院にCPAを受け入れろと。CPAというのは心肺停止状態といって、今まさに死にかけている状態のことを指す。死にかけている患者を、医師が一人しかいない設備の整わない病院に搬送するより、一刻も早く設備の整った病院に搬送した方がいいというのは妥当な判断だ。

一番必要なのはこういう事態にならないように医療機関の人手と設備を整えておくこと。これは自治体が最優先で取り組むべきことだろう。

それができないなら、こういう緊急患者が現れたときに一刻も早く搬送できる近隣の病院を確保しておくこと、だ。

マスコミもマスコミである。当事者である村上医師にまったく話を聞かないとはどういうことなのだろう。ずいぶん浅いモノの捉え方だ。報道こそひとつの事柄を多面的に見て、公平に伝える義務があるのではないか。

夕張市の病院でたったひとり奮闘している村上医師には頭が下がる。自分だったらやってられないと匙を投げしてしまうのではないかと思った。



今なら3冊まとめて読める。「1Q84」村上春樹


06 07, 2010 | Tag,村上春樹

遅ればせながら1Q84 Book3を読みました。

ミステリーみたいな本作品は、真相を知りたいという欲求にまかせていると、ページを繰る手がどんどん速くなっていきます。

登場人物の際立つ個性と、小説の独特の雰囲気はあいかわらず僕の好きな村上春樹ワールドでした。男と女の感情の揺れ動き、とりわけ恋愛感情のことに関する描写は秀逸だと思います。

ストーリーとしては最後があまりにあっけなかったかなという気がしました。最後、牛河はあのままなのかな。もしかしてBook4が出たりして。

個人的には釈然としない読後感が残りましたが、それでも僕が村上春樹ワールドを好きなことに変わりはありません。

【関連記事】
 >> 【小説】1Q84. 村上春樹に見る小説家になるための資質 - メタノート


1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

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(2010/04/16)
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リーダーシップ八つの普遍原則


06 06, 2010 | Tag,マネジメント

心に響いたのでメモがわりにエントリーしておきます。

  1. なにより大切なのは高潔さ
  2. 仕事の中身をよく知る
  3. 期待内容を言葉で表す
  4. ひとかたならぬ献身を示す
  5. よい結果を期待する
  6. 人材への心配りを怠らない
  7. 私利よりも務めを優先させる
  8. みずから先頭に立つ


3番ができていない組織は多いんじゃないかな。わたしの周りではそう。

4番とかちょっとギクッとした。

8番。どうも苦手。意識して克服する。


ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室
(2008/09/26)
ウィリアム A コーン

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混合診療の是非


06 04, 2010 | Tag,医療,混合診療

>> 混合診療は原則解禁すべき?:日経ビジネスオンライン

の記事で混合診療に賛成か反対かのアンケートがされていました。

これについて@DrPooh08 さんとtwitter上で会話をしていて、いろいろ考えさせられました。

私は混合診療には原則反対、条件つきで賛成という立場です。

まずこの記事の冒頭にある、混合診療が医療費を抑制する、という話は幻想です。それはすでにアメリカが証明しています。

お金のある人が高額な医療費を支払って、よさそうな治療を選択します。世の中には自分の体の治療にお金を惜しまない人はたくさんいますから、特定の治療に患者が殺到すれば治療の値段は高騰します。

アメリカでは医療に市場原理が導入されています。混合診療だけなら、半市場原理ですからまだ傷は浅くすみます。医療行為に限らず、検査、治療機器や手術器械などに価格自由化が起これば、医療費の高騰に歯止めがかかりません。

市場原理が医療を亡ぼす―アメリカの失敗市場原理が医療を亡ぼす―アメリカの失敗
(2004/10)
李 啓充

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ですから、混合診療を語る上では医療費抑制の問題はわきに置いておかなければいけません。

その上で混合診療に反対な理由は、メタノート 混合診療がダメな理由でも書いたように、主に
  1. 患者の財力の差に基づく医療差別
  2. 安全性と有効性が確立されているとは限らない
  3. 選択の幅が広がるとは限らない
の3つです。

1. 患者の財力の差に基づく医療差別
お金のない人は自分が興味をもった治療でも、それを選択できない可能性があります。

今までの日本の医療から見ると、お金があるなしで受けられる医療に差が出るのは不公平と言えます。しかし、アメリカならお金のあるなしで受けられる医療に差が出るのは当然となっています。私は基本的に平等な医療が提供されている今の日本の医療制度は優れていると思っています。

また、混合診療では保険診療分と保険外診療分の2階建てになるのですが、混合診療を受ける人の保険診療分の代金には混合診療を受けることができない人の保険料からも支払われています。

お金のない人が、混合診療を受けるお金のある人のためにお金を払う、というのは奇妙な話です。


2. 安全性と有効性が確立されているとは限らない
医療において、安全性は何より優先されるべきものです。

先進的な医療や開発されたばかりの薬は市場にその有効性と安全性を問うという側面があります。まだ安全性と有効性が十分に確立されているとは限りません。


3. 選択の幅が広がるとは限らない
なかにはいかがわしい治療も紛れ込んでくるかもしれません。一見治療の選択肢が広がるようですが、”ババ”が増えるだけなら患者にとってメリットはありません。極論ですが。


混合診療に条件つきで賛成したいというのは、リスクを承知した上で海外で使用されている治療を受けるのはありかなと思うからです。

人種が違えば、薬効や副作用が微妙に異なるというのはある話です。絶対安全が必要な医療ですが、ワラをもすがりたいという患者の気持ちはわかります。治療を受ける患者本人が、個人の責任でその治療を選択するというのだったら認めてもいいんじゃないかと思うのです。

この場合問題になるのは患者と医師の情報格差だと思います。持っている情報量が違うと正しく判断できません。そのあたりも医師の説明だけでなく、患者自身でもこれから受ける治療がどういうものなのかよく調べておく必要があります。

だからこそ、厚労省の評価療養と選定療養のような、混合診療を認める範囲の決定が重要です。

5150-412665c94a7ba376.png 

日本の医療全体の運営者は国です。厚労省です。

混合診療を認めるなら、厚労省の迅速かつ正しい判断が今以上に必要になると思います。






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今さらですが、「カラマーゾフの兄弟」


06 02, 2010 | Tag,ドストエフスキー,カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)
「カラマーゾフの兄弟」は世界の名作。

村上春樹も人生の中で最も影響をうけた小説と評しているし、身近(?)なところでは@dainさんもスゴ本100: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるでスゴ本として紹介している。

読むなら光文社文庫から出版されている亀山郁夫訳のものがよさそうだったので、読んでみた。

恋愛小説的な面もありつつ、父殺しといったミステリーの要素もあり、神は存在するのか?という深いテーマを扱った部分もある。

扱っている内容が幅広いにも関わらず、アリョーシャ、イワン、ドミートリーの3兄弟、その父フョードルといったカラマーゾフ家の人びとを中心に、それを取り巻く多彩なキャラクターを巻き込みながら、物語は一つの流れに乗って進んでいく。

僕が一番印象深かったのはやはり、有名な「大審問官」の部分。

天上のパン対地上のパンの2項対立。

天上のパンは自由を指し、地上のパンは文字通りパン、とりあえず生活に不可欠なものを指す。人間にとって本質的に大事なのはどちらなのか。

歴史をたどれば、人類は地上のパンのために天上のパンを放棄してきた。天上のパンはごくわずかな人びとのものであった。


内容の解釈は一通りではないと思うし、はっきりいって理解するのが難しい。まあでも、たまにはこういうことを考えて頭をひねるのもいいんじゃないかと思った。

光文社から出版されているこの小説はエピローグつきで全5巻。

かなり分厚く読みごたえのある本ですが、繰り返し読める本ですし、持っておいて損はないんじゃないでしょうか。


カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)
(2006/09/07)
ドストエフスキー

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カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)
(2006/11/09)
ドストエフスキー

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カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)
(2007/02/08)
ドストエフスキー

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カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)
(2007/07/12)
ドストエフスキー

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カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)
(2007/07/12)
ドストエフスキー

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