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【まとめ】印象に残った9冊 - 2009年2月


02 28, 2009 | Tag,レビュー,まとめ

【知を磨く】

1.ディープスマートという知識【書評】「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質

経験したことのない問題でも対応できるような、応用範囲の広い本質的な知識を身につけたいですね。



2.ひらめきと潜在意識 【書評】サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代

たくさん情報を収集して、前意識、無意識に蓄えておくのと同時に自分の頭をひたすら使って考えることが大切なんですね。忘れてしまうことはあまり気にしないように。



3.今求められている力【書評】知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ

知的複眼的思考。日々のニュースすら、さまざまな視点から考えてみることが新しい発見につながります。考える力こそ人生を生き抜く力になります。



【経済】

4.【書評】資本主義は嫌いですか

バブル崩壊に原因になったサブプライムローン、金融工学、住宅ローンの流動性の低さが問題として取り上げられていました。



【経営】

5.V字回復のIBM 「巨象も踊る」

IBMがV字回復する様子がよく分かります。大きな組織ほど変革に対する抵抗力が強く、大きな組織を変えるためには強力なリーダーシップが必要なのですね。



【投資】

6.ファンダメンタルを読み解くために。「デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座」

個人投資家が企業を分析してみるのに役立つ視点が書いてありました。そういえば、これを読んでJR株が気になっていたんでした。



【社会】

新年度が始まる前に自分の労働環境を見直す上で役に立つ一冊。

7.あなたの会社の労働環境は大丈夫?医師の労働環境について考えてみた。【書評】労働法のキモが2時間でわかる本

自分の労働環境についても考えさせられました。



健康保険や年金のことについてもおさえておかないと。

8.社会保険についても知っておいた方が良さそうですよ。 【書評】社会保険・年金のキモが2時間でわかる本



【コミュニケーション】

9.【書評】「しゃべる」技術~仕事力が3倍あがる話し方の極意

日々のコミュニケーションに、プレゼンに応用範囲の広い一冊。



今月は読んだり書いたりする行動について考えさせられる本が多かった気がします(今回ピックアップしなかったものも含めて)。


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【書評】「しゃべる」技術~仕事力が3倍あがる話し方の極意


02 27, 2009 | Tag,コミュニケーション,,ビジネススキル,プレゼン

「しゃべる」技術~仕事力が3倍あがる話し方の極意「しゃべる」技術~仕事力が3倍あがる話し方の極意
(2008/10/22)
麻生けんたろう

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この本はikadokuさんのブログで見つけた本ですが、思った以上に得ることの多い本でした。

本書の最大のテーマは大勢の前でいかにうまくしゃべるかということですが、このテーマは実は日常会話からプレゼンテーションまで幅広く応用可能です。

著者は元アナウンサーの方なのですが、読んでいて感じたのは、アナウンサーという職業はやはり「話」のプロ、ということでした。原稿を読む以外にも会の進行やラジオのパーソナリティーなどをやるために話題作りから話の展開、話の盛り上げ方まで、実は様々なことを工夫しているのです。本書ではそれをどうやって行うのか、具体的な例を多く使って説明されていて、とても親切なつくりになっています。


一部を紹介すると、



人前であがらないようにするために

 ・「意識を外に向ける」

プレゼンテーションの前にあがるのは誰でもあることですが、これを克服する一つのコツが「意識を外に向ける」ということです。自分があがっていると思った瞬間から緊張は増していきます。だから、緊張のことなど忘れて相手の言葉を注意深く聴いたり、質問を交えながら反応を即座に感じて話すことを意識します。こうして意識を外に向けるのです。



問いかけは

 ・「みなさん」ではなく、「あなた」と呼ぶ

ブログでも言えることなのかもしれませんが、大勢の前で話をする時は二人称は「あなた」を使うようにします。「みなさん」と呼びかけられるより、聴衆は自分のこととして感じることができるので話に注目してくれます。



記憶に残らせるために

 ・「メタファー」を使う

また、会話の中にメタファー(暗喩)を使うことも効果的ですね。簡単に言うと「たとえ話」ですが、たしかに、話のうまい人はたとえ話が上手です。うまいたとえ話ほど記憶に残る、ということもよく経験することです。



アナウンサーらしく「声」や「活舌」の話、さらには人を惹きつける「会話の構成作り」まで書かれている、内容の濃い本でしたよ。



【書評】超簡単 お金の運用術


02 26, 2009 | Tag,金融リテラシー,資産運用

超簡単 お金の運用術 (朝日新書)超簡単 お金の運用術 (朝日新書)
(2008/12/12)
山崎 元

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今まで読んできた資産運用本とは一味違います。

本書は

第1章で超簡単お金の運用法の具体的な手順

第2章で超簡単お金の運用法の補足と納得のための説明

第3章でお金のあれこれ簡単レクチャー

3つのパートに書かれていて、いきなり第1章で結論がズバッと出てきます。第1章を読むと具体的な銘柄なども紹介されているので、内容に納得できたらすぐにでもお金の運用が始められそうです。


その結論ですが、
  1. 当座の生活に必要なお金(たとえば生活費3か月程度)を銀行の普通預金においておく。

  2. 残ったお金を内外の株式に投資するETFに国内株4割、外国株6割の比率で「好きなだけ」投資する。

  3. リスクを取ることに気が進まないお金は個人向け国債(10年満期タイプ)またはMRFを購入する。

  4. 大きな支出の必要が生じたら2または3を躊躇なく部分解約して対応する。

  5. 健康保険、国民年金には必ず入る。住む家によっては火災保険にも入る。

  6. 必要がある場合だけネットの生命保険で死亡保障の生命保険(定期保険)に入る。

  7. 確定拠出年金は最大限に使う。特に個人型の活用を見逃さない。


となります。

この中で他書と最も違う点は、2番のポートフォリオの部分でしょうか。類書では国内外株式、国内外債券の4つに資産を分散させて、ノーロード型のインデックスファンドを利用した投資法が推奨されていることが多いと思います。

ETFは指数に連動した上場が他の投資信託で手数料が安いこともあり、これを利用するのは理にかなっていると思いました。ポートフォリオについては国内株4割、外国株6割という配分を主張されていて、この根拠になる説明は第2章で登場します。

外国債券や外貨、FXなどの外貨関連に関しては著者は否定的です。外貨は為替リスクや金利リスクなど予想が難しい要因が絡んでいることもありますし、外国株を6割取得していることで外貨のリスクをとっていることになるのでお薦めしないということでした。


3はリスクを回避する投資先として国債やMRF(マネー・リザーブド・ファンド=主に公社債で運用される投資信託)を利用すると銀行に預けるよりは良い利回りが得られるということです。
これらを取り入れることを検討したいと思います。


5、6は国がせっかく運営しているお得な社会保障制度を利用する、予測不能なイベントに対する備える、というものです。

例えば生命保険です。保険会社の儲けの仕組みは付加保険料というものからきていますが、多くの生命保険会社が割高な付加保険料を設定しているのは事実なようです。今はライフネット生命保険のようなネット生保が付加保険料をを抑えた割安な生命保険を提供しているので一度検討してみるといいかもしれません。
ちなみに私はすでにライフネットに乗り換えました。

ここで気をつけたいのは、生命保険商品というのは保険と資産運用2つの性格を併せ持たそうとした商品が多く売られているということです。

一つの商品で二つの目的が達成されるなら「おいしい」と感じてしまいがちなのですが、実はここに落とし穴があります。世の中そんなにおいしい話は転がっていないわけで、さっきの付加保険料のように多くが生命保険会社の運営コストに吸収されてしまいます。

だから、生命保険は生命保険、資産運用は資産運用、と分けて考えた方が合理的なのです。

同じような理由で生命保険にセットで付いてくるかのような医療保険や年金保険もお勧めできないと著者は言っています。

たしかに日本では公的な医療保険が充実しているので、特に若いうちは民間の医療保険には入らなくてもいいかもしれませんね。



ここで提示されている方法全てを取り入れるのは難しいと感じましたが、基本的な考え方がとても参考になりました。

「タダのランチはない」ということです。本書の中では徹底して「おいしい話には罠がある」というような話が出てくるのですが、これは覚えておいた方がよさそうです。

誰かが儲けていれば、誰かが損しているということです。そういう意味では銀行も簡単に信用しない方が良さそうです。彼らがどうやって儲けているかを考えるとあまり客にとって利益になりそうな商品を提供してくれそうに思えないんですよね。


第3章には「お金のあれこれ簡単レクチャー」というコーナーがあり、この中で住宅は購入すべきか?とか、毎日どういう指標に注目しながら新聞を読めば良い?などの基本的なことも書かれていて、こちらも興味深いパートでしたよ。



【書評】ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術


02 25, 2009 | Tag,本を書く,知的生産,知的創造

ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術
(2009/01/18)
三輪 裕範

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本書は仕事をしながらでも効率よく情報の収集と整理を行い、最終的には出版という形で究極(言いすぎ?)の知的生産を行おうというものです。

タイトルには「本を書く技術」とありますが、本を書く以外にもブログ書きにも参考になる点が多いと感じました。やはり、商業誌、本という形で多くの読者に読まれようと思うと、内容もさることながら構成や文章法など、磨かないといけない部分は多いわけで、しかも著者がプロの書き手でないところが余計に参考になります。


本を出版するまでのプロセスは以下の5つに分かれます。


1.ネタ探し

2.ネタにまつわる情報の収集

3.手に入れた情報の整理

4.文章にしてアウトプット

5.そして出版


1,2.

情報収集の部分では読書術についても書かれていました。著者は自宅に二万冊以上の本を所有しているそうで、読書を通じて情報を収集することが一番効率がよさそうです。

著者の読書スタイルは読書のギアチェンジこそするものの、速読とは違って、根本には読んだことが刺激になって自分自身で考えることが大切、ということがあります。


3.

情報の整理という点では、著者はパソコンで読書メモ作りをする本田直行さんのレバレッジメモも試したけれど、手書きによるノート作りが一番いいと主張されています。それは、手書きの方が頭に入るし、何より手書きのノートはパラパラめくることで復習しやすいからだそうです。

たしかに、パソコンはデータ保存という点では優れているのですが、それを参照するときは手書きノートの方がはるかに使いやすいと思います。

といっても、私はこのブログで読書記録を書き続けるつもりなのですが、著者のメモ術で一つ参考になったのは、引用したらページを記しておくという基本的なことです。

心に響くフレーズは時間が経ってからも参照したいはずです。そうした時、メモの中に参照ページを書いておくと便利そうです。これは今までやっていませんでしたがやってみようかと思います。


4.

全体を通じて最も参考になったのは文章づくりの項でした。物書きを本業にしない人にとって「よい文章」とは美しい文章ではなく、「わかりやすい文章」という考え方に基づいています。

①.文の長さを1文40~100時程度の短いものにする

②.あいまいさをなくす

③.接続詞を大切にする

④.数量化する


①.一つの文で読みやすい量というのはある程度決まっています。

②.あいまいさをなくすために修飾語と被修飾語は文の中で近くに配置するといいようです。

③.わかりやすい文章を書くために接続詞を多用して文と文のつながりを考えてみる。あまり接続詞が多いと、実際には読みにくい文章になるので、推敲したら不要な接続詞は削っていく。

④.「非常に」、とか「とても」という言葉でなく、具体的な数字を用いて説明する。


5.

書籍として出版するためには出版社に売り込んだり、最近ではブログから発信し続けるという方法もあるようです。出版社もビジネスを行っているわけですから、時流に沿ったテーマ(売れるテーマ)でなくてはいけません。最近は専門家でなくても出版するチャンスは増えてきているようですので、テーマを見つけた後は行動に移すかどうかが一つのハードルになってくるのでしょう。



文章を書くにあたって最終的に最も大切なのは、とにかく書き続けることでしょうか。「クリティカル・マス」、「クォンタム・リープ」といった言葉があるように量が質に転化するよう日が来るよう努力を続けたいと思います。

そういうわけで今日も私は書き続けます。



本書の至るところに私も好きな本「思考の整理学」が引用されていて、その点も共感できる点でした。



建設的な議論を行うために。【書評】議論のルールブック


02 24, 2009 | Tag,議論,知的生産

議論のルールブック (新潮新書)議論のルールブック (新潮新書)
(2007/10)
岩田 宗之

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日常的に議論が必要な場面には遭遇すると思いますが、うまく言いたいことが伝えられなかったり、相手の主張がいまいち理解できなかったり、言い負かされたり、言い負かしたり、後味の悪い思いをしたことがある人は多いのではないでしょうか。

本書はインターネット上の掲示板における「議論」をきっかけに生まれた本ですが、議論を行う上で覚えておいた方がよさそうなことを教えてくれます。

1.議論に勝ち負けはない
2.議論とは相手の話を聞くこと
3.議論で得られるものは「違う視点」
4.自分の主張を伝える


1.議論に勝ち負けはない

勝つか負けるかで考えるから相手を言い負かしたくなるのだと思います。あくまで議論の目的はそれぞれの思考を融合させ、新たな知に到達することだと思います。


2.議論とは相手の話を聞くこと

まずは相手の主張ありきです。いくら好きではない相手だからといって初めから主張を受け入れないのではそれこそ時間の無駄というものです。せっかく議論する時間を作ったのだったら一度は相手の意見を受け入れてみます。いったん自分で噛み砕いておいて、それでも受け入れられない主張であれば反論をすればいいでしょう。


3.議論で得られるものは「違う視点」

きちんと耳を傾けると、他人もいい意見を持っているものです。「こんな考え方もあったのか」という気付きが複眼思考法につながります。


4.自分の主張を伝える

お互いが主張し合うからこそ議論は建設的になります。しかし、主張が感情的に訴えられたり、何の根拠もないインチキ理論であると議論そのものの信頼性がなくなります。相手を効果的に納得させるには客観的なデータが有効です。しかし、引用したデータの出所も信頼性が確保されているかどうかは確認しとくことが必要でしょう。

議論の場では客観的なデータによって積み重ねられた主張こそ、参加者にとって有用だと思います。ただ、客観的なデータに加えてそこから導き出される自分なりの意見こそがもっとも重要なので、データ収集のあとは頭を使って考える作業を忘れずに行います。



議論の醍醐味は自分の主張と異なる他人の主張を聞くことができることです。このような思考法を複眼思考法といいますが、ものごとを様々な角度から見ることは思考の幅を広げる意味でも大切ですよね。


参考記事
今求められている力【書評】知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ



ダーウィン誕生200周年の今年に。【書評】フィンチの嘴―ガラパゴスで起きている種の変貌


02 23, 2009 | Tag,自然科学,進化,ダーウィン

フィンチの嘴―ガラパゴスで起きている種の変貌 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)フィンチの嘴―ガラパゴスで起きている種の変貌 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
(2001/11)
ジョナサン ワイナー

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今年はダーウィン誕生200周年の年ですが、今日ご紹介する本はそのダーウィンが多大な貢献をした「進化」の話です。

今でこそ当たり前のことのようにに感じますが、人間は神が作ったものというの当時の常識でした。いつの時代も常識を覆すことはとても大変なことだと思いますが、本書はガラパゴス諸島を舞台にしてフィンチという鳥を題材に「進化」の過程を解き明かしていく本です。


ダーウィンの自然選択説というものがあります。

環境に適した個体が生き残り、環境に適さない個体が淘汰された結果、より環境に適した進化した個体が生き残っていくというものです。

ガラパゴス諸島に生息する「フィンチ」という鳥は、雨が多いと種としてその体は小さくなり、雨が少ないと大きくなります。これは、雨が多いとエサになる種子が小さくなるからそれに合わせた嘴の小さい、体も小さい個体が生き残るようになるからです。雨が少ない場合はこの逆で、体の大きい個体が生き残るようになります。

当然雨が多いか少ないかは年によってばらつきがあるので、この短期的な変化は化石のような結果には表れません。


フィンチの嘴を観察することでわかる大きなメリットというのは「進化」の過程を「化石」という間接的な証拠ではなく、「今現在起きている変化」としてわかることです。

フィンチの嘴は気候などの環境の変化によりその形態を変えるのです。本書の中にはフィンチの嘴を計測する科学者が登場します。


他にも本書ではウイルスが薬に耐性を獲得する機序もこの自然選択説から説明されています。実際には遺伝子の「変異」も関与すると思いますが、基本的な考え方としては間違っていないと思います。



せっかくなのでまだ読んでいない人はダーウィン誕生200周年の今年にどうぞ。




未来の医療


02 22, 2009 | Tag,医療,未来の医療,電子カルテ,ニュース

ふと未来の医療の形について考えてみました。

きっかけはこのニュース▼

毎日jp:医療識別票:緊急時の持病の処置記すペンダント 欧米で普及、24時間装着



1.全国共通のデータ管理システムをつくる

これを作るのが一番難しいのかもしれませんね。いっそのこと電子カルテシステムを全国共通にしてみるというのはどうでしょうか・・・。



2.患者個人の全ての情報を個人ごとに一つのシステムの中に保存する

この中には出生歴から既往歴、生活歴、内服している薬、さらには本人以外の緊急時の連絡先まで保存できるようにします。患者の個人情報はころころ変わるものではないので、生まれてからずっと同じシステムの中でそのつど更新していけるのが合理的です。

それぞれのデータを編集できる人に制限を設けないと、せっかく保存しているデータがメチャクチャなものになってしまいますので、ここは気をつけないといけませんね。



3.保存された情報を患者本人に限り持ち運べるようにする

どういうデバイスになるかは別として、たとえばUSBメモリのようにパッとダウンロードできる媒体だったら便利ですよね。

患者自身がその情報を上のニュースのようにペンダントの中にでも入れて常に携行する。病院に行く用事がなくても。突然救急車で病院に運ばれる可能性というは誰にでもあるはずです。

ペンダントを紛失してしまったら?という懸念もあるかもしれませんが、自分の個人情報を自分で管理しているわけだから責任の所在は分かりやすいですね。

持ち運べるようにできないのであれば、オンラインストレージを利用するのもいい方法かもしれませんね。



4.実際に具合が悪くなって病院を受診するときは保存されていたデータを病院のコンピュータにダウンロードして簡単に参照できるようにする

これで不要な検査や不要な病歴聴取の時間を省くことができます。
これが救急の現場ならもっと威力を発揮するだろう。素早い情報の入手は素早い治療に結びつきます。

素早く適切な治療に結びつくという患者にとってのメリットがあります。



5.診断書、診療情報提供書(紹介状)、サマリーなどの書類関係も一括して患者毎に保存

疲弊した医師を省略可能な雑用から救うメリットがあります。
患者も遠慮なくこういった書類の作成を依頼できるようになるでしょう。
医師という労働資源をもっと効率的に利用するためにも有効な方法だと思います。



目の前の医師不足に対応するためにも、医師数そのものを増やす努力に加えてこのような患者と医師相互にメリットのあるシステムを作ることが長い目でみて必要だと思います。

実現までに越えなければならないハードルは多そうですが、技術的には既にそんなに難しいことではない気がします。

まずは全国共通の電子カルテを全ての病院で導入するというのはどうでしょう。もしくはそれぞれが互換性のある電子カルテシステムの導入というのでもいいかもしれません。いずれにせよデータのやりとりが簡単にできるものでなければ実用的ではありませんね。


以上、「こうなったらいいな」という個人的希望的観測でした。




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【お知らせ】Livedriveの無料試用が終了になります


02 21, 2009 | Tag,Livedrive,オンラインストレージ,Dropbox,EVERNOTE

話題のオンラインストレージ

21_logo.gif

はこれまで無料のβ版として運用されてきましたが、3月18日から有料版になるようです。

正規版にはStandardプランとProプランがあります。

2つのプランの違いですが、


・Standardプランは容量100GB、インストールはPC1台までで55.95$
・Proプランは容量無制限、インストールはPC10台まで可能で129.95$


私はここ2ヶ月Dropbox、EVERNOTEとLivedrive、3つのオンラインストレージを使ってみました。実際に使ってみると、ウェブ上のUSBメモリとしてDropboxがめちゃくちゃ便利ですし、EVERNOTEもウェブ上のメモやエディタとしてめちゃくちゃ便利です。実のところこの2つに比べるとLivedriveはあまり使っていませんでした。オンラインストレージに全ての個人データを保管しておくというのはまだ個人的には抵抗があるんですよね。

Proプランは容量無制限で複数台のパソコンとデータを共有できるようなので、これがあればDropboxは不要になるかもしれません。でも値段が高いし、個人の使用としてはDropboxとEVERNOTEで十分なんじゃないかというのが感想です。無料ですし。

企業で購入するのだったらいいかもしれませんね。

というわけで私はLivedrive正規版の導入は今回は見送ります。
β版を気に入って利用していた人は20%ディスカウントということなので、この機会にどうぞ。
使用中止にする方はデータの移行をお忘れなく。

参考記事:
LiveDriveとDropboxとEVERNOTEの使い分けについて




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今求められている力【書評】知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ


02 20, 2009 | Tag,知的複眼思考,メタ化,知的生産,創造

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
(2002/05)
苅谷 剛彦

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考える力を養うためにヒントとなる一冊。

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる


で紹介されていておもしろそうだったので読んでみました。



タイトルにある知的複眼思考法というのは物事を一つの切り口だけではなく、いろんな切り口から見る思考法のことです。毎日受け取るニュースも味方が変われば、意見も変わることが読んでいると良く分かります。

複眼思考という言葉はメタ認知という言葉と意味が似ています。どちらもステレオタイプの味方ではなく、一つ高いところからものごとを見て考えることを意味します。

実際に複眼思考力を養うためのヒントも載っており、このブログの目指すところも「メタ≒複眼思考」なのでとても参考になりました。



著者は東大で教鞭をとる教授なのですが、印象深かったのは

「過去に読んだたくさんの本や論文のほとんどが今となってはほとんど覚えていない。
ただ、覚えていないからといって、あれだけの量の文献を読んだことは決して無駄になっていない。
それは、考える力、あるいは考え方のさまざまなパターンを身につけたからだ。的確に、批判的に情報を読み取る能力、問題を探し出す能力、問いの立て方と展開の仕方、論理的に自分の力を展開する力、問いをずらしていくことで隠された問題を探っていく方法といった複眼的な思考を身につけることができた。」

という部分です。

このような考え方の著者です。教育者としても専門的な知識そのものより、知識を受け取る過程を学ばせるようにしていたそうです。


以下のようなことが私が本書から得た教訓ですが、

1.「なぜ」と問う
2.目の前の問題を分解してみる
3.前提になっているものはなんなのか考えてみる
4.もう一方(自分以外の議論の参加者)からの視点で考えてみる

5.当たり前のように使っている「概念」を疑う
6.「にもかかわらず」と唱えてみる


日々のニュースでもいかに自分が思考を停止させ、言葉通りに情報を受け取っていたか反省させられました。



本書では複眼的思考力を鍛えるために、読書や文章を書くことのススメについても書かれています。

読書法に関しては批判的読書といって、著者の主張は受け入れつつも検証しながら読むという方法です。「なぜ」と問いながら読書なので、「遅読」ですね。考える読書とも著者は言っています。これはショウペンハウエルの読書についての主張と同じだと思います。


文章を書くことについてですが、これも思考を鍛えるのに役立つそうです。思ったことは頭の外にいったん書き出し、”さらに”考えることが大切と強調されています。



ものごとを色んな視点で見ることが出来るようになるともっと毎日が楽しくなるような気がします。

1~6の教訓
本は批判的に読む
文章は書いた後に推敲する

など実践したいことの多い本でした。



「グランドデザイン09」について


02 19, 2009 | Tag,ニュース,医療,研修医,研修制度

・「初期研修を1年に」-日医がグランドデザイン09
・産婦人科や小児科など「選択必修」は2科目―臨床研修制度最終報告
・臨床研修見直し案、研修医の定員に都道府県枠も



厚生労働省と文部科学省の合同専門家検討会で医師の研修制度と高齢者医療について話し合われたのがこの「グランドデザイン09」というもの。
これらのニュースによれば、グランドデザイン09の要点は

・研修期間を1年に
・必修科目を3科目+2科目に
・研修医の募集枠に定員を
・75歳以上の医療費を1割負担に


といったところ。


それぞれについて考えてみた。


・研修期間を1年に
・必修科目を3科目+2科目に


必修科目は内科(6か月以上)と救急(3か月以上)と地域医療研修(1か月以上)だそうです。

内科は合併症のこととかを考えると、研修しておくと役に立つと思います。救急も麻酔科を含め、研修しておかないとエマージェンシーに対応できないでしょう。


地域医療研修というのはどうなのでしょう?

地域医療に携わる医師を増やす目的と地域医療に従事する医師を増やす目的なのだろうけど、実際には研修医には何の決定権も持たされていないので、研修期間中はお客様扱いになるのが落ちになることを危惧します。



今回産婦人科や小児科が必修から選択になるわけですが、これにより産婦人科や小児科の現状に幻滅するかもしれなかった研修医を取り込むことができるようになるのかもしれません。

しかし、そもそも新医師臨床研修制度といって5年前に研修制度の大改革を行った大義名分はどこにいったのでしょうか?産婦人科や小児科などを研修することで幅広い臨床能力を身につけさせるのが当初の目的だったはずです。

結局、臨床医のスキル向上よりも、とりあえずの医師不足に対応しようということなのでしょう。


しかしながら、この点も疑問です。研修期間を1年短くすれば、7500人の医師確保が可能になるということですが、増えるのは未熟な医師のみで即戦力というわけにはいきません。未熟な医師には相応の指導者が必要だと思います。つまり、7500人をカバーできるだけの指導医という労働力です。



・研修医の募集枠に定員を
都道府県ごとに定員が決められてそれに応じて病院の定員も決められるというもの。
人口に合わせた配分をすると、必然的に都市部に研修医を多く配置するべきという話になりそうですが、都市部の研修医が供給過剰であるという理論なのでしょう。



・75歳以上の医療費を1割負担に
給付費の5割を公費で負担する現在の後期高齢者医療制度から、医療費全体の9割を公費負担(主として国費)とする仕組みへの切り替えを求めている。08年度の後期高齢者医療制度の医療費(11.9兆円)で考えると、10.7兆円の公費が必要になる計算で、一般医療保険(0-74歳)への4.8兆円分を含む公費9.9兆円(同年度当初予算ベース)を全額高齢者に投入し、不足分の0.8兆円は消費税などの新たな財源で対応するとしている。


とあります。

これは74歳以下の人々の医療費にあてる国の支出を全て75歳以上の高齢者にまわして、74歳以下の人たちの医療費は健康保険と増税した消費税で賄おうというものです。

会社勤めしている人の健康保険は企業と個人で折半しているわけですから、国からの補助がなくなれば企業も個人も負担が増えますね。

個人の保有資産が1500兆円で、そのうちの28%が70歳以上の高齢者が保有する資産だといわれています。そして、医療の多くは高齢者が受益している(国民医療費に占める65歳以上の割合は51.7%: メタノート;国民医療費、なお高止まり 06年度)ことを考えると、若い世代にさらなる負担を強いる提案のように思えます。




成功への触媒【書評】抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー


02 19, 2009 | Tag,人脈力,人脈スパイラル,成功,自己実現

抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
(2008/12/12)
岡島悦子

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本書の著者である岡島悦子さんは、この本を広めるために自身の強みである人脈力を駆使しています。

・On Off and Beyond:書評;抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
・404 Blog Not Found:カネよりコネの時代に - 書評 - 抜擢される人の人脈力



著者はOn Off and Beyondの渡辺さんと旧友だそうで、渡辺さんのブログで取り上げてもらう以外に、渡辺さんの人脈である小飼弾さんのブログでも本書を取り上げてもらっています。二人のアルファブロガーに取り上げられたことは著書を広めるのに大きく貢献したことと思います。実際に私も弾さんのブログで紹介されていたのを見て本書を知ったので、おそらく同じようなきっかけで本書を手にした人は他にも多いのではないでしょうか。

著者の岡島悦子さんは筑波大学を卒業後、三菱商事に入社し、ハーバード大学でMBAを取得した後、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て現在は経営のプロを紹介する人材紹介事業をされている方です。

経歴から豊富な人脈を持っていることは容易に想像できます。ここまでの経歴を築くのにきっと人脈力が大いに助けになったのだと思います。



本書の中の「人脈スパイラルモデル」というのが非常に腑に落ちました。

これは全部で下記の5つのプロセスからなりますが、スパイラルという言葉にある通り、1~4までのプロセスで準備を行い、5のプロセスで次のレイヤーに移行するというものです。これを繰り返すことで自分を新たなステージに引き上げていきます。

人脈スパイラルを登っていくことは

1.自分にタグをつける
2.コンテンツを作る
3.仲間を広げる
4.自分情報を流通させる
5.チャンスを積極的にとりにいく



1.自分にタグをつける

これが一番大切かもしれません。自分にタグをつけるというのは、自分の訴求ポイントを明確にしておくということです。将来どんな仕事をしたいか(will)、今自分ができるのはどんなことか(skill)、それは相手にとってどんなメリットをもたらすのか(value)という視点で考えます。



2.コンテンツを作る

個人の市場価値=能力×実績×意欲とあります。意欲を持つのは当然として、能力を磨きつつ、実績を積み上げることも大切です。お互いのことをよく知らない段階で他人に好印象を持ってもらうためには小さなことでも実績を積み上げておくことが必要でしょう。



3.仲間を広げる

勉強会を主催するといい、と主張されています。主催する、というのがポイントのようです。たしかに参加者たちのハブになることを考えると思った以上にメリットが多そうです。能力を高めるという意味以外にもこのように地道に人脈を構築しておくと良さそうです。



4.自分情報を流通させる

ブログの活用が強調されていたのが印象的でした。ブログは自分のタグやコンテンツを磨くためのテストマーケティングの場だと。本当にそうだと思います。この目的だとブログは実名で運営した方が効果は高そうです。



5.チャンスを積極的にとりにいく

ここが人脈レイヤーを一段階登るポイントです。チャンスはいつやってくるか分からないし、やってきてもチャンスと感じない場合もあると思います。気付いたらチャンスをつかんでいた、ということが意外と多いのではないでしょうか。今自分がついている仕事でも「こんなこと将来のためになるのか??」と考えずに、自分にとってプラスになる部分はないか考えてみる、プラスになるものが思い浮かばなくてもとりあえずはやってみる、という態度があった方がよさそうです。




マズローの欲求段階説によれば、欲求の最上位は自己実現です。出世や名誉の上位にあるものがこれです。

成功を個人の自己実現と位置付けるなら、「人脈力」こそ成功のための触媒だと思います。はじめからやりたいことだけやって仕事になる人はそういないでしょう。やりたいことだけやるためにはそれなりの実績や周りから「あの人の仕事はコレ」と認知されることが必要です。



ただの勤務医で終わらないためにもう一度自分の訴求ポイントを考えたいと思います。
まずは自己紹介のためのタグづくりから始めてみますか。


著者岡島さんのブログはこちら▼
ヘッドハンター岡島悦子のインサイト



【メモ】IBM経営者の条件


02 18, 2009 | Tag,Tips,経営者の条件,標語

IBM経営者の条件


個人の資質

・頭脳明晰
・自信をもち、同時に何を知らないかを知っている
・聞き上手
・厳しい決定を下す--ビジネスと人事で
・情熱が目に見える
・顧客第一に徹する
・スピードと影響を本能的に求める


エネルギー

・きわめて精力的
・体力がある
・行動を優先させる傾向が強い


組織を率いる指導力

・戦略のセンス
・人々に動機付けを与え、活気づける
・熱意を伝えて組織の潜在力を最大限に引き出す
・強力なチームを作る
・他人から最善のものを引き出す


市場でのリーダーシップ

・口頭でのコミュニケーション能力が卓越している
・業界や顧客との関係にCEOとして関与し参加する



自信を持つのと同時に、知っていることと知らないことを自覚する。聞き上手になる。決断力を養う。無知の知を身につける。情熱的に行動する。率先して行動で示す。他人から長所を引き出す。顧客(取引する相手)のことを第一に考える。

経営者でなくても生きていくうえで参考になる名言が豊富です。



CEOの部屋にかかっている標語

世の中には4種類の人がいる。
・動きを起こす人
・動きに巻き込まれた人
・動きを見守る人
・動きが起こったことすら知らない人



下の3者になっていないか?動きを起こす人になろう。


参考:
巨象も踊る巨象も踊る
(2002/12/02)
ルイス・V・ガースナー

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V字回復のIBM 「巨象も踊る」


02 18, 2009 | Tag,IBM,ルイスガースナー,名著

巨象も踊る巨象も踊る
(2002/12/02)
ルイス・V・ガースナー

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コンピュータというとパソコンをイメージするかもしれませんが、パソコンが台頭する前の最初のコンピュータの需要は企業にありました。メインフレームといって、企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを作ってアメリカの代表的な企業に成長したのがIBMでした。

IBMは1990年代頃にはマイクロソフトやインテルに市場のシェアを奪われ、どんどん力を落としていきましたが、そこを救ったのが著者のルイス・V・ガースナーさんです。IBMの再生はこの人の力によるところが多かったようで、本書を読むとそのすごさが伝わってきます。

タイトルに巨象とありますが、これはまさしくIBMのことです。IBMは巨大な企業になったがゆえのジレンマに遭遇していました。複雑な組織階層、既得権益の横行、IBM語に代表されるような閉鎖的な企業文化を改革していくのにガースナーさんは苦労をされたようです。これは企業に限らずあらゆる規模の大きな組織にもあてはまることだと思います。例えば、官僚組織などでは同じことが言えるでしょう。



1990年初頭のIBMではそれまでのメインフレームが時代遅れとなっているのに、価格が維持され続けていたため、純利益は赤字でした。まずは何が何でも純利益を黒字にしなければならなかったわけです。

そのためにガースナーさんは大幅な価格低下とともに大幅な人員削減や社内情報システムの刷新、不要な不動産施設の売却等でコストを大幅にカットしました。また、社員のやる気を伸ばすためにリスクに見合った報酬を支払う成功報酬制への変更、ストックオプションの活用などを実行してきました。

このプロセス自体はそんなに驚くほどのアイディアではないような気がしますが、これを実際にIBMという超巨大企業で実行するのはものすごく大変なことだったのではないかと思います。

大きな組織ほど改革に対する抵抗勢力も強くなるのは必然です。赤字から回復するために、「分社化」するという提案もあったそうなのですが、ガースナーさんは「一つの会社」ということにこだわりました。大きい会社には規模のメリットというものもあります。優秀な経営者のもとでは巨大な組織も一つになって、V字回復を遂げられることが示されたのだと思います。


ガースナーさんはアメリカンエキスプレスやナビスコのCEOを経験されていますが、もともとコンピュータとは無縁の仕事をしていました。

こう考えると、組織のトップに最も必要な才能は、専門的な知識よりも「マネジメント」の力なのかもしれませんね。


最後にタイトルを象徴する言葉を。

「象がアリより強いかどうかの問題ではない。その象がうまく踊れるかどうかの問題である。見事なステップを踏んで踊れるのであれば、アリはダンス・フロアから逃げ出すしかない。」


すごくいい本でした。



【小説】ナイチンゲールの沈黙(上・下)


02 17, 2009 | Tag,海堂尊,ミステリー,小説,医療

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)
(2008/09/03)
海堂尊

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ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)
(2008/09/03)
海堂尊

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先日小説【書評】ジェネラル・ルージュの凱旋(上・下) を読みましたが、おもしろかったのでまたまた海堂作品を読んでみました。

著者の海堂尊さんは外科医を経験された後に病理医になり、現在も病理医として勤務医を続けながら作家活動を続けている方です。2足のわらじを履きながら、デビューから2年半で10作をリリースしているところが驚きです。しかも作品はおもしろい。

海堂さんの作品の特徴と素晴らしいところは小説という形で、現在の医療における問題や矛盾を社会に提示しているところにあります。それも現場で働く医療者の目線で書かれているため、私も内容にとても共感できます。


今回のこの作品では、小児癌、虐待などの小児医療、小児のメンタルケア、死因検索などがテーマになっています。死因検索は海堂さんの専門である病理の仕事ととても深い関係にある分野です。

登場人物はチーム・バチスタの栄光(上・下)から一貫しているので、海堂ワールドを楽しむためには、やはり発刊順に読んでいくのが理想だと思います。

私の場合はこの作品を読む前に小説【書評】ジェネラル・ルージュの凱旋(上・下)を読んでしまったのですが、読んでいて気付いたのは「どうも話に「ナイチンゲール」と「ジェネラル」で”かぶる”部分がある」ということでした。

それもそのはず元々これらの作品は一つだったそうです。一つの作品としては長すぎるので、分割されたのだそうです。

だから、海堂ワールドを楽しむために理想を言えば、順番どおりに読むのがいいと思います。

誤解のないように言っておきますが、小説自体は上下一冊で完結する謎解きミステリーになっているので、これ一冊でも十分楽しめます。



今回はミステリー小説なので、あまり内容に踏み込むことはやめておきます。

その代わり、海堂作品にはいつも読んでいてハッとさせられる鋭い洞察が含まれているので、その中から2つのセリフを紹介しておきます。


小児の治療には必ず親の同意が必要になります。治療や検査は同意なしに進めることはできないので、いかに親と綿密に連絡をとりあうかということも大切な点になります。

小児医療の大変さを端的にあらわす一言▼

「小児科が大変なのは、子供と親という、次元の違う生物を同時に扱うからだ」



医師の中には周囲の言葉に耳を貸さないタイプもいます。主張していることがいくら正しくても医療は医師一人でできるものではありません。看護師やその他コメディカルと力を合わせることでできあがるものです。

いまひとつ看護師と協力関係を築けていない医師に対する教授の一言▼

「君は周囲の人間の言葉に耳を傾けなさすぎる。スタッフの声に耳を傾けて総合的に判断できる、という資質こそ、医師を医師たらしめている黄金律だ。」


次の海堂作品も楽しみです。

参考記事:
メタノート:小説【書評】ジェネラル・ルージュの凱旋(上・下)
ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫)ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫)
(2009/01/08)
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ジェネラル・ルージュの凱旋(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫)ジェネラル・ルージュの凱旋(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫)
(2009/01/08)
海堂尊

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書評は書いていませんが、今までに読んだ海堂作品ではこれ▼が一番おもしろかったかも。

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫)
(2007/11/10)
海堂 尊

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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫)チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫)
(2007/11/10)
海堂 尊

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ファンダメンタルを読み解くために。「デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座」


02 16, 2009 | Tag,投資,企業分析,デューデリジェンス,バリュエーション

デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座
(2008/10/09)
山口 揚平

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デューデリジェンスとは「企業精査」のことです。バリュエーションという言葉もありますが、こちらは「企業価値評価」という意味です。

株式投資には企業のファンダメンタルを読み解くことが大切だとつくづく感じていますが、本書はその助けになりそうな本です。

著者の山口揚平さんは企業のM&Aにたずさわる仕事をされているようで、そのため企業価値の分析に強みを持っているのだと思います。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、基本的にはこれらを用いて分析をするのですが、素人が読むのと違ってプロが読むと、たった3つの材料とその周辺情報からこんなことまで分かるのかと感心してしまいます。

本書で取り上げられている企業はスターバックスジャパン、三菱地所、創痛、ビックカメラ、GABA、JR東日本、横浜銀行、ミクシィ、任天堂など9社でいずれも有名な企業なので興味が湧きます。



例えば、スターバックスジャパンは日本の個人投資家に人気のある銘柄の一つですが、本書の分析で意外なことが分かります。

スターバックスジャパンでは株主の40%が米国スターバックスで占められていいます。そのせいか、

 ・売り上げの5.5%がライセンス料として米国スターバックスに支払わなければならない。

 ・出店ノルマが課せられている。
だから、瞬く間に街がスターバックスだらけになっていったのですね。
 
 ・利益還元
コーヒー豆やコーヒーカップの仕入先は全て米国スターバックスジャパンになっています。独自のルートで原料を仕入れることは許されないわけで、品質が均一に管理されるというメリットはあるかもしれませんが、利益を押し下げる要因になっているかもしれません。


などの縛りがあります。

つまり、これだけ米国スターバックスに利益を還元しているとなると、それだけ株主への配当は減るわけです。しかもスターバックスジャパンの株価は上場した時期をピークにそれ以降一度も上場時の株価を上回ったことはありません。



貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書いずれもただ眺めているだけではだめで、これらに記載されている数字を組み合わせてどういうことを読みとるのかということが大切なのですね。

本書の特徴の一つに、キャッシュフローマトリクスなど図を使って数字を分析する箇所が豊富という点があります。

とても分かりやすくて勉強になるなと感じた一冊でした。


他の上場企業の分析結果を見たければ、こちら▼

シェアーズ

フル活用するには5000円払って登録しないといけないのでご注意を。




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【ニュース】定額給付金とコンコルドの誤謬


02 15, 2009 | Tag,定額給付金,コンコルドの誤謬

【ニュース】毎日jp:小泉氏発言:政権への影響回避を 自民、沈静化に躍起


いまだに給付について賛否両論の「定額給付金」について。

定額給付金の支給額は1人当たり1万2000円。65歳以上と18歳以下は2万円となりますが、個人的には本当に国民の消費を促して景気を回復させる効果があるのか疑問です。また、国民が将来を悲観して貯蓄に走ったら給付した意味はなくなります。


【ニュース】産経ニュース:定額給付金、暴力団へ「9億円超」 排除規定なく警察ジレンマ

このニュースでは全ての国民に支給される定額給付金が暴力団の資金源になることも心配されています。



与党は一度決めた法案を取り下げることは、国民の信頼を失う危険があると感じ、頑固に法案を通そうとしているのだと思います。

「コンコルドの誤謬」という言葉があります。開発途中で収益性が見込めないことが分かったコンコルド機の開発の話です。

「コンコルド機の開発にはずいぶん投資をしたのだからそれをいまさらスクラップに回すことはできない。」

こういう状況は日常的にもしばしば経験されることだと思います。しかし、長期的に考えるとさらに投資をし続けるより傷は浅く済む場合も多いことが分かっています。



今の与党がまさにこの状態かもしれません。これまでの度重なる与党の方針転換により、もう一度政策の方針を転換するとさらに国民の信頼を失う可能性もあります。

乗りかかった船、ですが、今その船から降りないとあとになってさらに痛い目を見る可能性もあるのではないでしょうか。



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【ニュース】飛行機墜落の報道でいつも思うこと


02 15, 2009 | Tag,ニュース,飛行機,墜落

ニュース:「住宅に飛行機が墜落 米ニューヨーク州」

飛行機の墜落事故は自動車事故に比べるととても大きく報道されます。

実際のデータでは、ある輸送機関による事故の年間死亡者数(1998年)において、全世界での航空事故による死亡者数は「909人」。それに対して日本国内だけの自動車事故による死亡者数(事故後1カ月以内の死亡)は「1万805人」と報告されています。

また、「航空事故に遭遇する確率は、統計的に見ればごくわずか。飛行機に毎日乗っていても、事故にあうのは438年に1回です」なんてことも言われています。

これを見ると近年自動車事故による死亡者数は減少しているとは言っても、その差は歴然です。飛行機が墜落するか心配するよりは自動車事故に巻き込まれないか心配するほうが合理的なのです。


ではどうして私たちは飛行機事故の方が重大なことだと考えるのでしょうか。理由は2つあると思います。

 1.利用可能性ヒューリスティクス
 2.テクノロジー神話


1.利用可能性ヒューリスティクス

利用可能性ヒューリスティクスというのは、行動経済学の用語ですが、
「社会的な情報の伝達の際に、何が強調されるかによって違ったように伝わること、利用できる情報を過大評価してしまうこと」
です。

マスコミ報道の影響も大きいと思いますが、自分も同じ目にあったらどうしようと思うのは、情報の過大評価かもしれません。


2.テクノロジー神話

飛行機はテクノロジーの一つの象徴だと思います。あのような重い機体が大空を飛ぶこと自体がすごいことだと思うのですが、「墜落」という事故は私たちが信頼しきっているこのテクノロジーをおびやかす事件なのではないでしょうか。

テクノロジーへの信頼が揺るがされる、それは潜在的な他のテクノロジーへの疑いにも通じ、だからこそこのニュースに私たちは恐怖を感じるのかもしれません。



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【Tips】初対面の人とうまく会話するために実践したい9カ条


02 14, 2009 | Tag,Tips,会話,コミュニケーション

初対面の人と円滑に会話をすすめるのは思った以上に難しいことだと思います。
会話上手になるために、いくつか気をつけたいポイントをまとめてみました。

準備

1.相手について下調べをしておく

これから会話をする相手について知っておいた方が会話は続けやすくなります。
先入観を捨てる 初めの評価は間違っているかもしれません。間違っていた場合、勘違いを前提に話を進めていく羽目になります。これではせっかくの会話の機会が台無しです。




2.話題はできるだけ先に考えておく

せっかく聞いておきたいことがあっても後から、「あ、これ聞くの忘れてた」という経験はないでしょうか?こういう残念な結果を避けるためにも先に聞いておきたいことは考えておきましょう。初対面の人と話す時に緊張してしまうのは当然です。

話題作りに役立つ語呂合わせがあったたので紹介しておきます。
参考:最初のデートで絶対に話すべき話題とは?
デートじゃなくても使えると思いますよ。

「きどにたてかけし衣食住」

き・・・季節
ど・・・道楽(趣味)
に・・・ニュース
た・・・旅
て・・・天気
か・・・家族
け・・・健康
し・・・仕事
衣・・・衣類
食・・・食事
住・・・住まい




3.メモを用意しておく

下調べしてピックアップしておいた聞いておきたい内容はメモしておいて会話の時に活用するとよいでしょう。また、会話の中でこれは覚えておきたいと思ったことやこれについて後で調べておこうと感じたことを会話の中でメモするのもいいと思います。

友人同士での会話などのくだけた会話ではここまでやる必要はないかもしれません。




実戦

4.相手の話を聞く

言いたいことがあっても相手の話7割、自分の話3割くらいで話を進めた方が得です。相手が興味を持っていることを察知できればそこから会話を広げるきっかけが作れます。




5.先に負ける(譲歩)

自分の主張を認めてほしいのはやまやまですが、主張を貫き通したり相手のことを論破しても得られるものはありません。




6.相手のことをほめる

ほめられて気分を害する人はいません。ほめることで相手の会話を引きだしましょう。




7.優越感を捨てる

あなたが抱いている優越感は思った以上に相手に伝わっているものです。会話は勝ち負けではありませんし、どんな相手からも得るものはあるはずです。それを見つけることが大切です。




8.感情的にならない

自分の主張と対立することを言われてもぐっとこらえます。短期的な利益より長期的な利益を得ることが大切なんだといつも自分に言い聞かせます。感情的になってしまったらせっかく築き上げてきた会話が台無しになります。




終了

9.会話を切り上げる

どんなに頑張ってもこれ以上話しても無駄だと思う瞬間がくるかもしれません。また、時間には限りがあります。同じ時間なら別の人と話をした方が有益な場合もあります。もし相手と会話をしている時にあまりに得ることが少なそうだ、と感じたら早々に会話を切り上げてしまいましょう。会話の切り上げ方によっては相手の気分を害することになるかもしれませんので、決して失礼のないようにしましょう。





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投資について考える。「天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話」


02 13, 2009 | Tag,投資,数学,,ランダムウォーク,ポートフォリオ,ケリー基準,シャノン方式

天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話
(2006/11)
ウィリアム パウンドストーン

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数学の理論を投資の場で応用できないか考えるのは自然なことなのかもしれません。

机上の理論を現実の世界に応用しようというのは科学者なら誰でも考えることだと思います。これがお金を増やす方法とくれば、天才が見逃すわけがありません。


本書に登場する天才数学者たちも、数学の理論を現実の世界に応用しようとして、ギャンブルで勝つ理論や投資でリスクをおさえて儲けを多くする方法などを考え出しています。どの理論も誰にでも利用可能な実用的な理論ではないと思いますが、ポートフォリオの話などは一部参考になりました。


長期的に見ると市場が効率的であるということに議論の余地はなさそうですが、短期的に見ると非効率な部分が多くありそうです。そして株価がランダムウォークするということも誰もが認めることのようです。非効率な短期的変動に対してどの程度、どうやってつけこむかが儲けるポイントなのだと思います。

ジョン・L・ケリー2世さんが考えたケリー基準という理論がありますが、これは
今なすべきことは関係ない。ポートフォリオにもそれが言える。今の時点でなしうる最善のことは、現在の平均、分散などの頭頚数学から計算して、結果の確率分布の幾何平均が最高になるポートフォリオを選ぶことだけである。自分の投資のリターンと変動のしかたは、時間とともに変わる。その変化にしたがってポートフォリオを修正すればよい。この場合も、幾何平均を最大にすることだけが目標となる。


という考え方にもとづくものです。

クロード・シャノンさんという数学者が考えたシャノン方式という方法があります。これはケリー基準の特殊な型ですが、「定率再配分ポートフォリオ」とも呼ばれます。

例えば、最初の資金が1000ドルあったとして、500ドルは株、500ドルは現金にするとします。初日に株価が半分になったとすると、これにより持っている資産は株が250ドル、現金が500ドルになります。ここでポートフォリオを現金から125ドルとって、株に変えます。こうして375ドルの現金と375ドルの株という風につりあいを回復させるのです。これを繰り返していきます。
翌日、株価が2倍になったとします。
そうすると、現金375ドル、株750ドルとなりトータルで1125ドルになります。このような操作を続けていくことでポートフォリオの配分をこまめに変え、全体として資産を増やすというのがシャノン方式定率再配分ポートフォリオです。


驚くことに過去30年での投資による平均リターンはウォーレンバフェットさんが27%に対し、シャノンさんはそれを上回る28%だったそうです。

数学的な投資理論を考えついたシャノンさんなので、過去の値動きを分析して未来の値動きを予想するテクニカル分析を行っていたのかと思いきや、実際に彼が行っていた投資法というのは、バフェットさんと同じで会社の経営や製品に対する将来の需要を評価して買うファンダメンタル投資だったようです。本書ではそのポートフォリオの一部が公開されていますが、ヒューレットパッカードのような今となっては世界的な大企業に成長している企業の株式を長期保有していたことが分かります。


個人の投資に数学的な理論を取り入れるのは難しいと思いますが、ポートフォリオを定期的に見直すことはやはり大切なようです。また、本書を参考にすると、結局テクニカル分析よりもファンダメンタル分析を重視した方がよさそうだと感じました。少しでもファンダメンタルを読み解けるように勉強を続けていきたいと思います。




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ひらめきと潜在意識 【書評】サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代


02 12, 2009 | Tag,潜在意識,脳科学,情動,認知,選好,無意識,前意識

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
(2008/12)
下條 信輔

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本書は意識しないところで私たちの感情や選択に影響を及ぼしている潜在意識について書かれた本です。行動経済学の本なんかでも人間の不合理性は脚光を浴びていますが、その不合理さを説明するのはやはり脳科学しかないのかもしれません。

著者の下條伸輔さんは脳科学の最前線で研究をされている方で、本書の内容も最新の脳科学の知見を反映した内容になっていると思います。



通常私たちが目にするものは意識下か無意識下で「気になることに対して視線が追いかける」と思っていますが、実はそうでもないことが言われています。これは「定位反応」というもので、気になるあの子を目で追いかけるのは、実は目で追いかけるから気になっていくのかもしれないということなのです。同様に、悲しいから泣くのか、泣くから悲しいのかについても同じような説明がされます。

こういうのを「自覚的な選好判断に先だって視線が選ぶ方に偏る」という風に言います。

なかなか認めがたいものがあると思いますが、あらゆる場面で人間の選好には潜在意識が関わってきます。

インプットされる情報は「意識」、「前意識」、「無意識」の中に蓄積されていきます。前意識と無意識が私たちが通常潜在意識と呼ぶものです。

私たちの周りには意識下で処理できないくらい多くの情報があふれていて、これらの情報は意識しなければ忘れてしまって、あたかもなかったかのように思われますが、実はどの情報も脳内にはインプットされ、前意識や無意識にとどまっているとされています。

潜在意識にある情報を活かせるかどうかは、その人がどれくらい今自分の置かれている周辺の状況と潜在意識を結びつけられるかにかかっています。

創造力が豊かな人、ひらめく人というのは潜在意識の活用が上手い人なのです。

世の中の天才と言われる人が世紀の大発明をもう一度行うことが少ないのは、ひらめきが遺伝子や環境、教育、さらにその時代の社会と学問の文脈・状況が絶妙にかみあうことが必要だからでしょう。


天才でない人間が日常の中でひらめくために、

 1.達成したい目標を明確にする
 2.そこに到達するためのプロセスを想像して全体を俯瞰してみる
 3.情報収集をはじめるにあたってその情報が全体のどの部分に位置するか把握する
 4.一方的な情報収集だけでなく、とにかく自分の頭を使って考える
 5.幅広い好奇心のアンテナを立て、周辺からやってくる貴重な情報をキャッチする


ということを意識しておくと良さそうです。
私も心がけたいと思います。




写真だけでも見る価値あり 【雑誌】オバマ ホワイトハウスへの道


02 11, 2009 | Tag,バラク・オバマ,大統領,ホワイトハウス,TIME

オバマ ホワイトハウスへの道オバマ ホワイトハウスへの道
(2008/12/28)
「タイム」誌

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映像の持つ力が発揮されている雑誌です。掲載されている文章も興味深いのですが、この雑誌の見所は鮮明な写真でしょう。オバマ大統領の人柄がうかがえるかのような写真がいっぱいです。

個人的には私たちの手元に届くメディアの情報にはバイアスがかかっていると思っていて、いつもうがった見方をしてしまいがちなのですが、この雑誌を見てしまうと嫌でもオバマ大統領は素晴らしい人物だと思わされてしまいます。それだけ力のある写真が多いと思います。


本書の中で印象的だったのは「打倒ヒラリー」の部分でした。選挙戦を勝ち抜いた戦略やリーダーとしてのオバマ大統領が紹介されていました。

今回の選挙戦に勝利できたのは

1.新たな支持層の開拓
2.ボトムアップの選挙戦
3.チームワーク



にあると分析されています。

アイオワ州で新たな支持層を開拓したことでヒラリー・クリントンさんに勝利しました。
莫大な選挙資金が必要な選挙戦に献金以外に、Tシャツやバッジなどの「チャムストア」での草の根運動からの活動により資金と協力を得ています。
オバマ大統領をとりまく側近たちとのチームワークが良かったことも選挙戦を乗り切ることができた大きな要因だったようです。


とても参考になったリーダーとしてのオバマ大統領の言葉を紹介します。

コミュニティーオーガナイザーを務めた経験から言うならば、人を集めて指示を取り付けるつもりなら、せっけんを売るみたいに主張を押し付けてもだめだ。代わりに「これは君の選挙だ。君の持つ権利だ。だから権利を行使するんだ。」と伝えれば、人々は応えてくれる。我々はそうやって大統領選挙の勢力図を塗り替えた。


オバマ大統領の生い立ちは黒人の父親と白人の母親の間に生まれ、母と祖父母に育てられた少年時代は決して恵まれた家庭環境ではなかったようです。しかし、彼は自らの道を自分の手で切り開き、最高学歴を手にいれ、ハーバード大学を卒業し、弁護士になっています。

生い立ちは別にして、広く教養を身につけた彼は、初め黒人というよりは白人の知識層に支持される傾向があったようです。

大統領選に出馬するにあたり、これまでの支持層に黒人の有権者からも広く支持を得る必要がありました。それまでの彼は自分が手に入れたその学歴からか、どうしても知識層に好かれるような演説になりがちだったといいます。彼のすごい点の一つに、そこで自分を客観的に評価し、どうしたらより多くの黒人層も取り入れることができるスピーチができるか考えたところがあります。


上に挙げたオバマ大統領の考え方は一般のビジネスマンにとっても交渉の場面で役に立つ考え方かもしれませんね。




社会保険についても知っておいた方が良さそうですよ。 【書評】社会保険・年金のキモが2時間でわかる本


02 10, 2009 | Tag,社会保険,年金,雇用保険,労災保険

社会保険・年金のキモが2時間でわかる本社会保険・年金のキモが2時間でわかる本
(2008/12/11)
石井 孝治

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労働法に続いてシリーズ第2弾、社会保険の本です。

こういう生活に密着した制度は知らないと損をすることもあるのでなるべく知っておきたいところです。とっつきにくいこれらの話題に対して素人の視点で分かりやすく解説してくれているのが本書だと思います。



給料のことについて話すとき、「手取り」と「額面」という言い方をすることがあると思います。「手取り」に比べて額面がずいぶん少ないなと感じたことのある人も多いかもしれません。

原因の一つに社会保険料があります。

しかし、社会保険はその働きを考えると、私たちの生活を守ってくれるこころ強い制度です。

そのうちわけは

 1.健康保険
 2.年金
 3.雇用保険


他にも被保険者の負担がない労災保険があります。

健康保険と年金は勤めている会社と自分で半分ずつ保険料を負担します。例えば月30万円の給料の人は健康保険料が12000円、厚生年金保険料が23000円で合計35000円くらいの負担になります。これを会社と折半するので個人での負担額は17000円程度に抑えられます。健康保険の加入は大切です。アメリカなんかでは健康保険に加入していない人がたくさんいて、高額な医療費が支払えないから、医療機関を受診できないという問題があります。

一方自営業の人は自分で国民健康保険や国民年金を払わなければなりません。当然ながら折半してくれるところはありません。しかも厚生年金を払っている会社勤めの人は国民年金に上乗せして保険料を払っていることになるので、将来受け取れる年金額も自営業の人より厚生年金を払っている会社勤めの人の方が有利です。ちなみに共済年金というのがありますが、これは公務員の厚生年金、と考えてだいたい差し支え在りません。


雇用保険の負担率は給与の1.5%程度です。こちらも退職する時などに心強い味方になってくれます。勤続年数に応じて3ヶ月、4ヶ月、最長5ヶ月にわたって給与の何割かが失業中に支給されます。


本書の最後には退職金の話が出てきます。退職金は勤続年数によって大きく支給額が変わってきます。住宅ローンの返済などライフプランの中に退職金のことを含めて考えている人も多いと思います。

自分のことについて考えてみると、私のような勤務医の場合、若いうちはたくさん経験を積むために、色々な特徴の病院をわたり歩いて経験を積むことが多いのですが、これだと退職金があまり期待できないのですね。引退後のことを考えると、会社(病院)に頼らず自分で退職金代わりの積み立てをしておかなければいけないですね。


参考:あなたの会社の労働環境は大丈夫?医師の労働環境について考えてみた。【書評】労働法のキモが2時間でわかる本





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知能について考えてみる。【書評】MI:個性を生かす多重知能の理論


02 09, 2009 | Tag,知能,多重知能,MI

MI:個性を生かす多重知能の理論MI:個性を生かす多重知能の理論
(2001/10)
ハワード ガードナー

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本書は知能についての理論的な本です。知能といっても多重知能という聞きなれない知能ですが、著者のハワード・ガートナーさんはこの多重知能の大家です。

一言に「知能」といっても何のことを指しているのか本当のところ分かりにくいと思います。学校の勉強ができることが知能指数が高いと言えるのでしょうか。IQが高ければ知能指数が高いと言ってよいのでしょうか。

本書はこの点について疑問を投げかけ、知能に対する新しい定義づけをする本です。


多重知能とは

1.言語的知能
2.論理数学的知能
3.音楽的知能
4.身体運動的知能
5.空間的知能
6.対人的知能
7.内省的知能



8.実存的知能



からなります。

言語的知能や論理数学的知能、空間的知能などは違和感なく納得できますが、ここに音楽的知能、身体運動的知能、対人的知能、内省的知能が加わっているところが興味深いと思います。

考えてみれば音楽を楽しんだり演奏したりすることは、「脳」を通じて行っていることであり、個人によりその能力に差があることを考えると、知能の重要な要素の一つだといえると思います。

また、スポーツは表面的に見れば”肉体の競い合い”ということになりますが、一つ一つの動作を組み合わせ、状況に応じて反応させているのは「脳」です。結局、身体運動も脳に支配されているところが大きいわけで、身体運動的知能という概念にも納得がいきます。

よくスポーツしかできなくて勉強が出来ない子が「スポーツバカ」というような言葉で批判されることがありますが、スポーツは身体運動能力は体性感覚や固有知覚が優れていないと上達しません。その能力をコントロールしているのは他でもないその人の「脳」です。一部のスポーツ選手は成功し、高額な収入を手に入れますが、それも自分の知能を有効に使っているからできるわけで、その点では高学歴のホワイトワーカーと大きく変わりありません。こう考えるとスポーツができるということは身体運動的知能が高いことだという風に理解でき、一つの個性として尊重できると思います。


上に挙げたいずれの知能も現在の学校教育で伸ばすことができるものだと思います。今の時点では多重知能理論を十分取り入れた教育というのはあまり聞いたことがありませんが、個人的にはこの考え方は人間の持つ様々な能力の一つ一つを尊重するいい考え方だと思います。




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あなたの会社の労働環境は大丈夫?医師の労働環境について考えてみた。【書評】労働法のキモが2時間でわかる本


02 07, 2009 | Tag,労働法,労働環境

医者の労働環境について考えてみました。
勤務医であれば医者も組織に雇用される労働者です。

今回のテーマは

・労働条件通知書・労働契約書
・時間外労働・休日労働
・有給休暇


です。

まず驚いたのは労働条件通知書と労働契約書のこと。

労働条件通知書には勤務形態や賃金の決定方法、昇給や退職についての条件が書いてあります。自分の労働条件について知る権利があるはずですが、医者になって労働条件通知書を提示されたことはないし、労働契約書にサインしたこともありません。これは良くないなと感じました。労働条件を知らなければ、自分の労働環境に納得できていなくても何も主張できません。




時間外労働・休日労働のこと

基本的に労働時間は1日8時間、週40時間までというように法定労働時間で決められています。この中には休憩時間は含まれません。例えば、朝9時から17時までの勤務形態なら、単純に数えると8時間なのですが、この中には1時間の休憩時間を含むのが普通ですので、18時までの労働は時間内労働とみなされます。労働時間は週単位で足し引きできたりもするので仕事時間が日によって長かったり短かったりする人は注意が必要です。

それでは、18時以降の仕事は?

時間外労働になります。
これは経営の中枢で経営に深く関わる、社長や取締役のメンバー以外の管理職の人にもあてはまることです。

時間外労働は基本的に2割5分増しの給料になります。22時をまわった時間外労働は5割り増しです。休日労働は3割5分増しです。

こう考えると医者の給与が比較的いいのは時間外労働の占める割合が多いからだということに気付きます。


また、時間外労働は1週間であれば15時間、1か月であれば45時間までと「労働時間の延長の限度に関する基準」で決められています。

例えば毎日8時から21時まで週5日働いたとして既に1週間で20時間、さらに週一日の当直でプラス11時間を加えると週30時間の時間外労働ということになります。これに加えて入院患者を受け持っていたら土日にも病院に行かないといけないので時間外労働の時間は週36時間程度といったところでしょうか。

先ほどの基準では時間外労働は1週間なら15時間と決められていますが、この基準を大幅に超えていることになります。

雇用者も労働基準監督署の目があるので、時間外労働に関しては規則で決められた時間しか計上できないと思います。ということは、それ以外の基準を大幅に超えた労働時間はサービス残業として闇に葬られていることになります。




有給休暇のこと

有給休暇は入社して6か月の間、その8割以上を出勤すれば10日間取得できると決められています。申請するかしないかは別にして本来なら取得させなければいけないものです。とはいっても上司の目や同僚の目があったりして、周りの目を気にする日本人としてはなかなか申請できないのが現状でしょう。




医者の労働環境は法とだいぶかけはなれたものなのだということに改めて気付かされました。労働基準監督署がこれを手当たりしだい摘発したら日本の基幹病院のほとんどが立ち行かなくなるだろうということも容易に想像でき、そのため見て見ぬふりという面もあるのかもしれません。


参考▼
労働法のキモが2時間でわかる本労働法のキモが2時間でわかる本
(2007/11/15)
石井 孝治

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他の話題として、日雇い労働者でも1ヶ月を超えて引き続き雇用されている人を30日以上前の解雇予告なしにやめさせることはできない(不当解雇)というものもありました。

勤務医、サラリーマン、日雇い労働者、経営者、あらゆる職種の人が一度は目を通しておいたほうが良さそうな本でしたよ。



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【書評】あなたはなぜ値札にダマされるのか?―不合理な意思決定にひそむスウェイの法則


02 06, 2009 | Tag,スウェイの法則,行動経済学

あなたはなぜ値札にダマされるのか?―不合理な意思決定にひそむスウェイの法則あなたはなぜ値札にダマされるのか?―不合理な意思決定にひそむスウェイの法則
(2008/12)
オリ ブラフマンロム ブラフマン

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本書ではおそらく誰でも人間なら無意識のうちに影響されている法則を「スウェイの法則」として8つ紹介されています。

行動科学についての本を読んだことのある人にとっては馴染みのある法則かもしれません。
本書に取り上げられている8つの法則はどれも例示が分かりやすく、しかもそのどうしようもない修正についての対処法まで述べられている点が嬉しいところです。

この中から6つのエッセンスと対応策をまとめてみます。

1.損失回避
2.コミットメント
3.価値基準
4.評価バイアス
5.プロセスの公平性
6.グループ力学



1.損失回避
手に入れるものより失うものの方が痛みを感じるというもの。

「例えば株式投資の時のように、短期的目標ではなく、長期的な目標に重点をおくと心の痛手がいくらか減らすことができる。」



2.コミットメント
いったんやると決めたものは撤回しにくいというもの。
本書の中では考古学の話が出てきますが、科学の世界において「広く知られている説」が、より「確からしい説」に塗り替えられる過程でもこの法則が邪魔をします。

「過去を捨てることを学ぶ」



3.価値基準
客観的なデータではなく、最初に抱いた印象で物事の価値を判断してしまうこと。
世界的に有名なバイオリニストが地下鉄の構内で普段着のまま演奏しても、道行く人はほとんど素通りしていったそうです。

「今の自分の判断は間違った過程に基づいていないか自問してみる。人について判断するとき、評判だけ聞いて判断するのは危険。」



4.評価バイアス
これも上の法則と似ていますが、本書では、NBAのドラフトで上位にランクされた人ほど選手寿命が長かったというデータが紹介されています。つまり、初めの評価がプロになってからも影響しているということです。

「評価は常に暫定的なものと考えること。」



5.プロセスの公平性
結果の損得よりも手続き上の公平性を重視する。
自動車ディーラーはメーカーとの取引の内容より、どれくらい丁寧に対応してもらったか、というような感情的要因を重視しているという研究結果があります。

「物事を客観的に見るようにし、感情の動きや倫理的判断に屈しない。意思決定のプロセスを開示する。」



6.グループ力学
みんなが同じ意見だと、違うと思っていた自分の意見がみんなと同じものに変わってしまうこと。

「議論の場では反対意見を簡単に言えるような環境を整える。」




本書は8つのスウェイの法則だけでなく、法則の具体的な例と対処法についての記載がとても興味深い一冊でした。


参考:経済は感情で動く―― はじめての行動経済学



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【書評】ブリッジマンの技術


02 05, 2009 | Tag,ブリッジマン,フレームワーク,交渉術,コミュニケーション

ブリッジマンの技術 (講談社現代新書)ブリッジマンの技術 (講談社現代新書)
(2008/12/17)
鎌田 浩毅

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タイトルからどういう本か想像しにくいかもしれませんが、本書はコミュニケーションの本というふうに分類できると思います。

まず、タイトルにある聞きなれない「ブリッジマン」という言葉から。

著者は火山学を研究して、大学でも教鞭をとっている方ですが、時々一般向けに講演をしたりするそうです。当然自分の専門分野のことですから、誰よりも詳しいはずです。しかし、自分の知っていることをそのまま聴衆に伝えるだけでは、聴衆はうまく理解できないことが多いそうです。

これは、自分と聴衆のフレームワークが合っていないからだと説明することができます。

本書は身近なコミュニケーションや、仕事上の交渉に役立つと思います。



本書の中でフレームワークという言葉が頻発しますが、著者はこの言葉を「戦略の3C」とか「マーケティングの4P」などの有名なフレームワークではなく、「思考の枠組み」という意味で使っています。


たしかに「わたし」の考えが「あなた」にうまく伝わらない、ということはよくあることだと思いますがこれは前提となっているフレームワークが合っていないのかもしれません。


良好なコミュニケーションを成立させるためには、自らの思考のフレームワークを知り、相手のフレームワークに合わせることが大切です。

相手に分かってほしい場合は、相手を変えようと考えがちですが、それよりも自分から折れて、譲歩することで相手のフレームワークに合わせてしまう方が簡単です。

議論に打ち勝っても相手には敵意を抱かせるだけで、自分の主張を受け入れてもらうことは難しいでしょう。



譲歩できる部分を見つけることは、言うほど簡単ではなく難しいことだと思いますが、自分自身に問いかけ、それを知ることができればきっと交渉上手になれるのだと思います。



【書評】資本主義は嫌いですか


02 04, 2009 | Tag,経済,バブル,サブプライムローン

資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす
(2008/09)
竹森 俊平

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本書は今回の、サブプライムローンをきっかけにしたバブル崩壊の原因について迫ったベストセラー書です。

構成は全部で3部からなっており、第Ⅰ部でサブプライムローンの形成と功罪、第Ⅱ部でバブルは予測されていた学会での話、第Ⅲ部で流動性について書かれています。


「リスク」と「不確実性」という言葉が出てきます。リスクというのは確率で予測可能な危険、不確実性というのは予測できない危険です。世の中が常に合理的であれば、全てリスクとして処理できることになります。しかし、これでは事業についての収入の期待値と生産の期待値が一致して最終的には突出して儲かる人はいなくなります。

世の中に大きな利益を得ている人がいるのはこの「不確実性」をうまく利用できているからです。



サブプライムローンはローン返済能力の低い人でも住宅ローンを組んで家を買うことができる仕組みでした。

住宅の市場価値以上に住宅の価格が値上がりを続けたこともバブル形成の一因となっています。個人の所得が増えていけば、住宅の需要は増えます。それに対して供給の量は大きく変わりません。そうすると、住宅の価格は上昇します。

また、住宅価格は今後も継続的に上昇し続けるだろうという群集心理も値上がりに貢献しているはずです。


もう一つ、低金利の状態が続いていたという問題がありました。これにより比較的安いローンを組むことができるようになるので、サブプライムローンの利用は加速しました。



金融工学の手法により巧みにサブプライムローンはそのリスクが薄められ、様々な金融商品の中に組み込まれました。簡単に言うと、サブプライムローンという金融商品を細かく切り刻んでリスクの高い部分と低い部分にします。リスクの低い部分を集めて新しい金融商品を作ります。そうすると、その新しい金融商品はあたかも元々がリスクの低い商品だったかのように見えるようになるのです。



住宅ローンは流動性の低い商品です。流動性が最も高いものは現金です。流動性の低い住宅ローンはいざ現金が必要になったときに、簡単には現金に変えることができないというリスクを抱えています。いざという時に現金として使えないのであれば、その金融商品は紙切れ同然ということにもなりかねません。


今回のバブル崩壊の要因には「”サブプライム”なローン」、「金融工学」、「住宅ローンの流動性の低さ」、これらが深く関わっているようです。


著者によれば、今回のバブルは振り子のように繰り返します。痛い目を見ないためによく覚えておいたほうが良さそうですね。


参考:すべての経済はバブルに通じる




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ディープスマートという知識【書評】「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質


02 03, 2009 | Tag,ディプスマート,経験知,知識

「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)
(2005/06/23)
ドロシー・レナードウォルター・スワップ

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経験したことのない問題に直面した時に役に立つのがディープスマートです。第6感のようになんだかよく分からないけど、こうしとけば良い気がするという感覚も、何もないところから湧き出た判断ではなく、ディープスマートから生まれたものだと言えます。

目に見えない経験を人に伝えることはとても難しいことだと思います。教科書に書いてあることだけでエキスパートになれるのであれば、誰でもエキスパートになれます。

教科書に書いてない「何か」、本書はここについて書かれた本です。



内容は以下の4つのパートに分かれます。

 1.知識の構築
  経験と専門知識
 2.知識の形成
  信念と固定観念
 3.知識の選別
  社会的影響
 4.知識の移転
  コーチングと指導のもとでの経験



ディープスマートは経験に基づいて形成されます。経験は知識になります。

優秀な経営者は多くの経験を積んでそれを知識に転換することでディープスマートを身につけています。だから、経験したことのない大きな問題にも対処できるのです。


経験したものをディープスマートに転換できるかどうかは個人にかかっています。失敗ですらディープスマートに転換できる経験になり得ますが、自分の中にレセプターが存在していなければ、その経験は「右から左へ」状態で、ディープスマートになりません。

レセプターを身につけるためには、自分が直面している出来事に興味を持っているということです。どんな経験からも何か応用可能な知識がないか探すという貪欲な姿勢が大切なのだと思います。


ディープスマートを身につけるのに理想的な方法は個人の経験にとどまらず、優秀なコーチにつくことです。優秀なコーチの指導のもと練習、観察、問題解決、実験などの経験を積みます。この時、必ず結果がどうあれフィードバックを行うことで、より実践的な経験、ディープスマートが身につきます。



優秀な組織ではコーチによるディープスマートの伝達がうまく機能しているのだと思いますが、そうでない組織に属している人は身近な人で優秀なコーチを見つけて、その人の経験をなるべく盗むようにするといいと思います。

読書もディープスマートを形成する上で有用な集団の一つなのではないかと思います。


本当に役立つ知識とは何か、自分が持っていなくてデキルあの人が持っているものは何か、そしてどうやってそれを身につけるかについて知りたい人にお薦めの一冊です。



儲けのしくみ【書評】コーヒーとサンドイッチの法則


02 02, 2009 | Tag,利益モデル

コーヒーとサンドイッチの法則コーヒーとサンドイッチの法則
(2008/12/05)
竹内正浩

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「スターバックスにはなぜサンドイッチが置いてあるのか?」

著者の竹内正浩さんは周りから企業研究オタクと呼ばれるくらいこれまでに日本やアメリカの企業を分析してきたそうです。読んでみると確かに身近な企業が儲けを生み出すしくみが実例を挙げて詳しく説明してあります。身近な例が多いだけに、「なるほど、そうなのか」という内容がとても豊富です。


本書の構成は6つのパートに分かれています。

 1.顧客収益性戦略
 2.顧客維持戦略
 3.製品ライン戦略
 4.範囲の経済戦略
 5.キャッシュフロー戦略
 6.戦略的提携

とコレだけ見るとなんのことか分かりませんが、例を挙げると分かりやすいかもしれません。


顧客収益性戦略

いつも忙しいのになぜか儲からない理由はこの戦略がうまくいっていないからかもしれません。新規顧客の獲得においても、20%の顧客が150~300%の利益を生み出し、逆に10%の利益を生まない顧客で50~200%の利益を失っているという法則があります。つまり、いつも忙しいのになぜか儲からない理由は利益を生み出さない顧客に時間ばかり取られているからかもしれません。時間対効果を考えたほうがよいということですね。


顧客維持戦略

「なぜほとんど仕事をしていないのに儲かっている経営者がいるのか?」

それは、顧客の維持がうまくできているからです。顧客が満足すれば、その顧客は何度も購入してくれることが多いですし、新たに高額商品を購入してくれる確率も新規の顧客より多くなります。また、既存の顧客を満足させ維持するコストは新規顧客の獲得にかかるコストの5分の1といわれていますから、これだと顧客の維持を優先したほうが得ですね。


製品ライン戦略

同じ車なのに、グレードが複数ある場合があります。
これはどいうことなのでしょうか?

例えば街中を走っているベンツやBMWを想像してみてください。ベンツではCクラスやらEクラスやらSクラスとあって、さらにその中でいくつかグレードが存在することが分かります。~クラスというのは基本的に同じ形であることを意味します。なのにそのクラスの中で価格が全然違う。

ウナギ屋で松竹梅とあったら店にとって一番儲かるのはどれでしょうか?

松です。価格の差の割りに鰻の量が少し増えたくらいで原価はあまり変わっていません。だから梅ではギリギリの利益だとしても松が売れれば利益は大きくなります。

車もそれと同じです。クラスの中でグレード分けすることによって儲けが大きく変わってきます。もちろんグレードの高い車が売れるほうが自動車会社は嬉しいのです。


範囲の経済戦略

これは利益に変えられるものは全て利益のネタにしてしまおうという考え方です。スターバックスでコーヒーの他にサンドイッチが置いてあるのもそのためです。実際スターバックスでは飲料が売り上げに占める比率は約70%です。それ以外は別の収益モデルを持っているということです。


キャッシュフロー戦略

ビジネス書ではよく出てきますが、キャッシュを持っていることの大切さです。本書でも売ることで得た現金は早く現金化し、買ったことで支払わなければならない現金は先延ばしにしてキャッシュを常に持ち続けることの大切さが説かれています。

保険会社やキャッシュカード会社が儲かるのは常にキャッシュを持ち続けているからとも言えます。これらの会社は現金が流入してくる時期と、現金を顧客や店舗に支払うまでの時期に時間差があります。集めているお金が莫大ですから、この時間のズレを利用して資産を運用すれば、運用益を手にすることが出来ます。


戦略的提携

マイクロソフトはIBMと提携することでIBMはマイクロソフトのOSを手に入れ、それぞれがソフトとハードの面で相乗効果を発揮しました。また、マイクロソフトは当時中小企業であったにもかかわらず、IBMとの提携でブランド力も手に入れました。

ナイキがスーパースターと莫大なお金を出して契約するのも、スーパースターの影響でそれよりも大きな利益を生み出すことが分かっているからです。



身近にあるビジネスがどのようにして利益を生み出しているかを知るのはおもしろいですね。



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読まれる文章を書くために【書評】のための文章術


02 01, 2009 | Tag,文章力

<不良>のための文章術 (NHKブックス)<不良>のための文章術 (NHKブックス)
(2004/06/24)
永江 朗

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不良というのは「ワル」という意味ではなく、「ふりょうひん」という意味。著者はライターとして文章を書くことで収入を得ていますが、お金を稼ぐことができる文章は名文である必要はないと主張しています。読者は名文を求めているわけではないため、むしろ不良品でもいいのだと。

本書はライターとしてお金を稼ぐための文章術、ということなのですが、例えばブログのような文章を書く場合にも役に立つと思われます。

本書の構成ですが、1章で文章を書くとき全般に気をつけた方が良いことが書いてあり、2章からはケーススタディのような形で文芸作品、ビジネス書の書評の書き方が実例を挙げて述べられています。3章では取材記事の作り方、4章ではコラムやエッセイの書き方について書かれており、いずれもケーススタディのような形で書かれています。
実際の書評を取り上げ、問題点を指摘しながら文章を改善させていく形式になっているので、良い文章と悪い文章の違いが分かります。


ブログを書く者として最も参考になったのは、2章もそうなのですが、私の場合は1章の部分でした。

書評記事を書く前に取り組んでおきたい3つのポイント」を本書を参考に考えてみました。

 1. 題材を並べてみる。
 2. 書き始める前に設計図を考える。
 3. 誰か特定の人をイメージして、その人に説明するように文章を書く。



 1. 題材を並べてみる。
 2. 書き始める前に設計図を考える。

記事を作るとき、なかなか手が動かない場合があるのですが、そんな時、何もしない時間に耐えられなくなってついつい思いつくままに文章を作りがちです。

しかし、構成は大切です。思いついたままに書き連ねるような文章だと、字数がたまればそれだけで一つの記事が出来上がったような気になってしまいますが、これでは「何を言うか」、「何を伝えるか」が明確になりづらくなってしまうのです。おそらくこれは読者にとっては読みにくい文章になるでしょう。


 3. 誰か特定の人をイメージして、その人に説明するように文章を書く。

これは著者の永江さんのお勧めの方法です。たしかに漠然と文章を書き散らすより、たとえば友人や想定されるブログの読者など、だれか特定の人に向けて文章を作った方が伝えたいことがより明確になると思います。

本書には他にも一文は長文よりは短文の方が読みやすい、とか全体の文章の長さ、とか漢字が多すぎると読みにくい、とかプロならではのアドバイスが盛られています。また、文章力のトレーニングはピアノの練習と同じで、一定量をコンスタントに書き続けることが大切とのこと。

私の場合はブログを書くときに文章を作ることが多いので、早速参考にさせてもらうことにします。ライター志望ではなくても、文章を書く人なら手にとって読んでみる価値のある本だと思います。



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