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11月印象に残った本


11 30, 2008 | Tag,レビュー,11月

一か月単位で自分が読んだ本をレビューすることにしました。
今後も再読したい本だけ記録に残しておきます。

経営
ビジョナリー・カンパニー
ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
カモメになったペンギン
ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

経済
東大生が書いたやさしい経済の教科書

投資
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
すべての経済はバブルに通じる

生き方
チーズはどこへ消えた?
「原因」と「結果」の法則
道は開ける
人を動かす

思考法
思考の整理学
知的創造のヒント

マーケティング
アイデアのちから


今月は計14冊もありました。特に名著と言われる本を選んで読んでいたことが原因です。

こうして見ると、経営関係の本と生き方関係の本が多いのに気づきます。

今日上に挙げた本はどれもお薦めできる本ばかりですよ。



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黄金の扉を開ける賢者の海外投資術


11 29, 2008 | Tag,資産運用,,海外,税金,不動産,ヘッジファンド

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
(2008/03/07)
橘 玲

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本書は臆病者のための株入門の著者、橘 玲さんの著作です。”臆病者のための株入門”が初心者向けだとすると、この本ではさらに、ハイリスクハイリターンでレバレッジを効かせた投資に言及しています。

橘さんは本書でWeb2.0ならぬ金融2.0というようなことを言っています。従来の金持ちしか投資をできなかった環境が金融商品の多様化、インターネットの整備などで、誰でも利用でき、手の届く範囲になりました。昔のお金持ちがプライベートバンクで行っていたようなポートフォリオ作りが手軽に出来るようになったのです。

本書の特徴に、様々な投資法について引用や解説がしっかりしているため、非常に説得力があるという点があります。

本書ではインデックスファンドを利用した分散投資から一派進んで、エマージング投資、ADRやGDRなどのデリバティブ、商品コモディティ、FXなどレバレッジを効かせられる金融商品を詳細に解説しています。これらの方法はレバレッジを効かせ、資産を増やすという意味でとても良い方法だということは分かるのですが、私のような投資初心者にとっては実行に移すまでにまだまだ大きな壁がありそうです。



私が個人的に印象に残ったのはマンガ”美味しんぼ”に例えた”究極の投資”対”至高の投資”という点でした。”美味しんぼ”をイメージすると分かりやすいかもしれませんが、究極の投資が富裕層の投資の仕方で、ある程度完成されたものです。一方、至高の投資は平凡サラリーマンが、究極の投資で運用した結果と同じ運用額を得るための投資法です。


お金を十分に持った富裕層が行う”究極の投資”はいわゆる経済学的に正しい投資、経済全体に投資するコンセプトのインデックスファンドを利用した分散投資です。


それに対して平凡サラリーマンが行う”至高の投資”ではどう考えるかと言うと、自分自身を人的資本という風に考えます。この考え方で行くと、例えば年収500万円のサラリーマンは二億五千万円の資金を年利2%で運用し、そこから継続的に年500万円のキャッシュフローを得ていることになります。ものすごく単純に考えてですが。

”究極の投資”に勝つには、金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、全資産を株式に投資すべきであると主張しています。万が一ダメになったとしても人的資本を持っているからまた500万円のキャッシュフローが稼ぎ出せるからという論理です。

さらに、ハイリスクハイリターンになりますが、なるべくレバレッジを効かせた金融商品でないと”究極の投資”には勝てません。

では、投資対象は日本にすべきでしょうか?それとも、海外にすべきでしょうか?
この話は日本を舞台にした話なので、日本のサラリーマンが主役です。つまり、ここで登場する人的資本というのは日本の資産ということになります。先ほどの2億5千万円が、です。そうすると、”分散”の観点から言って、株式投資は全て海外にするべきだということになります。


いささか、強引な論理かもしれませんし、机上の空論かもしれませんが、主張していることの意図は分かります。レバレッジと言うと、危険なイメージばかり付きまといますが、考えてみると、住宅ローンもそうですよね。少ない頭金で大きく借り入れるわけですから。



本書の中でタックスヘブンと言って税制上優遇される国があることが紹介されていました。今後、何十年かで積み立てながら資産を増やしていったとして、最後に現金に換える時、日本なら20%ほど税金がかかります。1億円貯まっていたら2000万円税金として徴収されるわけです。なかなか無視できない額です。ミリオネアの人たちは倹約家ということを昨日記事にしましたが、税金に関してもシビアに考えています。

節税の一つの抜け道が、現金にした時に外国に居住するという方法です。武富士一族が裁判で争っている通り、どこまでが”海外に居住していた”ということになるのか、という基準に関してまだ一定の見解は出ていませんが、今後注目したところです。

その前に税金のことを考えなければいけないほど、資産を増やさなければいけませんね・・・



あまり投資にたくさんの時間をかけられない私としては、今回紹介されていた投資商品の中で、REIT、ETFに興味を持ちました。このあたりから始めてみようかなと思います。



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なぜ、この人たちは金持ちになったのか


11 28, 2008 | Tag,億万長者,ミリオネアマインド

本書は約700人の億万長者に詳細な質問をして、ミリオネアマインドとは何か?という疑問に答えるべく作られた本です。億万長者にあって、それ以外の人にないものは何なのかについて分析してくれています。

著者のトマス・J. スタンリーさんはおそらく、この分析を通して私たちがいわゆる一般的なお金持ちに対して誤ったイメージを描いているということを指摘したいのでしょう。

本書の特徴は徹底した情報収集に基づいた本であるということです。途中腑に落ちない点がいくつか出てくると思うのですが、そうは言っても収集されたデータに基づくものなのだから異論を唱えても仕方ありません。

お金持ちになりたい人はもちろん、そうでない人もお金持ちとそうでない自分との差はなんなのかを知る意味で役に立つでしょう。

なぜ、この人たちは金持ちになったのか (日経ビジネス人文庫)なぜ、この人たちは金持ちになったのか (日経ビジネス人文庫)
(2008/09)
トマス・J. スタンリー

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これが結論となる億万長者の八か条です。
  1. 経済的成功の鍵となる数々の要素の中で最も大切なのは、誠実であること自分で自分をコントロールすること人と上手くやっていくこと配偶者の支えがあること人一倍努力することである。
  2. 学業成績が凡庸だったからといって、成功への意欲を失ってはならない。
  3. 多少の経済的リスクは背負う気持ち、たとえ失敗してもそれを克服する方法を学ぶ
  4. 単にユニークで高収益だからというだけでなく、心から愛着をおぼえる職業を選ぶ
  5. 生涯の伴侶の選択は慎重にする。
  6. 家計支出をコントロールする。億万長者の多くは、買い替えよりも修理や再仕上げを選ぶ傾向が強い。
  7. 家を選ぶときは十分に調査、研究史、積極的に値引き交渉する。
  8. バランスのとれたライフスタイルを心がける。多くの億万長者のライフスタイルが「安上がり」なのは、主に家族や友人との交流を楽しみ、それにはあまり費用がかからないからである。


興味深いのが、億万長者のライフスタイルです。
億万長者が一ヶ月のうちに行う余暇活動の上位3位は、
  1. 子供や孫との交流
  2. 親しい友人を家に招待
  3. 資産運用の計画
で、1年間で行う余暇活動の上位3位は、
  1. 税務の専門家にアドバイスを受ける
  2. 美術館に行く
  3. 地域活動(市民活動)を行う
です。

億万長者のライフスタイルは、手に入れたお金で贅の限りを尽くすことではないようです。億万長者は思ったよりも倹約家ですし、堅実に生きています。お金を手に入れた人だけが実感できることなのかもしれませんが、どうやら本当の幸せというのは贅の限りを尽くすということではないようです

お金を手に入れることのメリットは、お金のために働く必要がなくなるということです。稼いだお金を上手く運用させることで、余暇の時間が増えます。だから、億万長者には投資の知識も必要ですし、弁護士や会計士のアドバイスも必要になります。本文中では、科学者のような専門的な知識を持つ職業であればあるほど、お金を上手く運用するというような大切な知識に欠けているという指摘もされています。確かに私の周りにもそういう傾向はあります。

最終的に、時間とお金を手に入れることで家族との時間を大切にしたり、社会貢献に積極的に参加するようになることが億万長者の傾向です。幸せという価値観の行き着く先は、結局こういう所なのかもしれません。


本書を個人レベルで活かすために、まずは”誠実であること”、”自分で自分をコントロールすること”、”人と上手くやっていくこと””人一倍努力すること”から始めていくことにします。



すべての経済はバブルに通じる


11 27, 2008 | Tag,経済,投資,,バブル

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)
(2008/08/12)
小幡績

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本書はバブルという経済現象を通じて、資本主義におけるマネーの動き方を分かりやすく解説してくれている本です。

そして、投資が投資を生むという現代社会の恐ろしい構造を指摘するとともに、数十年後、同じような状況になったときに私たちがどう考え、どう対処すればよいかについて教えてくれます。

昨今のサブプライムローンを発端にした大不況下で、どうしてこのような状況になったのか知る意味でもとても意義深い一冊と言えると思います。

私は本書を「目から鱗」の気分で読ませてもらいました。

本書は、経済に興味がある人はもちろんですが、投資に興味がある人にもお薦めです。



本書で理解しておきたい内容は4つあります。

  1.バブルを加速させた証券化
  2.サブプライムローンの功罪
  3.バブルがはじける時
  4.今回のバブル崩壊から学ぶべき教訓

まずはです。

資本主義社会では経済の成長を支えているのは、資本の増殖ですが、今回のバブルではその中でも金融資本の膨張が原因となっています。

サブプライムローンはそもそもローンの支払いができなさそうな人にまで住宅ローンを組ませてしまうというものですが、これは住宅価値が増加し続ける状態では理にかなった方法でした。実際に住宅の価値は上がり続けていたのです。このような状況では、もし貸し倒れが起きたら住宅を引き取れば良いですし、住宅ローンを借り替えさせるという方法でもローン会社は損失を回避できます。

さらに、このような信用力の低いサブプライムローンは証券化することでリスクが分散され、世界にばらまかれました。住宅ローン会社は、証券化することで全てのローンを自分で抱え込む必要がなくなり、市場にリスクを背負わせることが出来ます。そうすると、住宅会社は更なる融資を受けることができるので、サブプライムローンは加速していきます。

このサブプライムローンが一見上手く機能していた背景には、住宅の価値が上がり続けるという前提があったわけですが、この前提が崩れた時、住宅ローン会社が危機に直面したばかりでなく、証券化した金融商品を購入していた人にまで影響が及んだわけです。



次に、についてです。

まず、本書ではバブルに対する一般的な認識
  1. バブルの最中はバブルと誰も気付かない。
  2. バブルに投資することは、明らかに失敗で、後で振り返って、バブルであることに気付いていれば投資しなかったのに、と後悔する。
  3. バブルは危険なものであり、懸命なプロの投資家は近づかず、素人が蒂に手を出して失敗するケースばかりである。したがって、バブルの疑いがあるものには決して近づいてはいけない。
が誤ったものであると指摘しています。

本当はバブルの最中にあることは投資家なら気付いていたはずなのです。しかし、バブルの波に乗っていれば株価は上がり続けるので、いつかはじけるとは分かっていても、投資で儲けることを仕事にしている人達はできるだけ粘って波に乗り続けていなければなりません。

株価が上がったり下がったりするのにはこういった投資家のマネーが大きく関わっています。株式市場にマネーが集まれば集まるほど、株価が高騰していったわけです。

ここで気付くのは、短期的に株価を上げ下げしているのは企業のファンダメンタルなどではなく、投資家のマネーであるということです。発端になる仕掛け人がいて、それにその他大勢の投資家が追随し、株価が上がったり下がったりするわけです。

いつはじけるかは分からないのがバブルですが、個人投資家も初めから避けて通らなくても良いということが分かります。バブルに上手く乗ればいいわけです。降りるタイミングが難しいのは確かですが。



の現在の金融危機から私たちが心に留めておいたほうがよさそうな教訓です。
1.ファンダメンタルズは無力である
これは特に短期的な市場ではという意味です。

2.引き金を引く投資家
株式市場には投資家という仕掛け人がいます。

3.群集の心理
多くの投資家は高騰という欲望や、暴落という恐怖に怯えて感情に流されています。仕掛け人でなければ、誰かに追随して売買を繰り返しているのです。




今後、新聞を読むときは、ニュースのネタがどのような形で投資家の心理を動かしているのか、意識して読みたいと思います。






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シゴタノ!”20代と30代のための「しくみ」マネー術セミナー"に参加してきました


11 26, 2008 | Tag,投資信託,シゴタノ

今日はシゴタノ!20代と30代のための「しくみ」マネー術に参加してきました。

せっかくなので、今日は本ではなく、セミナーの内容をレポートしたいと思います。

講演者の竹川美奈子さんは
「しくみ」マネー術「しくみ」マネー術
(2008/07/23)
竹川 美奈子

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の著者です。
この本は当ブログ:「しくみ」マネー術 でも以前に紹介しました。

今日のセミナーでは通常の講義のようなものもありましたが、事前に参加者から集められた「このセミナーで聞いてみたいこと」という質問に答えていくというのがメインでした。

私にとってはこれが意外と「自分と同じような質問を他の人も考えているのだな」、と思い勉強になりました。


講義自体の内容はおおまかに資産運用の始め方、投資信託を利用するといい理由、どのような投資信託に投資すればよいか、などについてでした。

対象とする20代、30代の資産運用を始めたいけど始めようにもどうやって始めたら良いのか悩んでいる人にとって確かに最適だったのではないかと思います。



まず一般的な話ですが、

株式投資の種類は大きく3つに分けられます。

  ・デイトレード
  ・個別銘柄長期保有
  ・インデックスファンドで分散投資

1年間でデイトレーディングを始めたトレーダーが100人いたとすると、利益を上げているのはたった5人しかいないと言われています。5%です。少ないですね。メディアに取り上げられるようなデイトレーダーはわずかということです。

バフェット流の投資術は個別銘柄長期保有に分類されます。株式投資をするならウォーレン・バフェットさんみたいになりたいと夢見るところだと思いますが、誰もがバフェットさんみたいになれるとは限らない、ということで竹川さんは注意を促していました。

そうすると、最も合理的な方法はインデックスファンドへの投資ということになります。インデックスファンドは社会全体に投資するようなものなので、経済が成長し続ければ、長期的な視点では株価は上がると言えます。どういったインデックスファンドを選ぶかというと、投資対象を分散することでリスクを低く抑えていて、売買手数料や信託報酬手数料など、コストをなるべく低く抑えたファンドが良いということです。そして、これを長期保有することで複利効果を得て、資産を増やしていくことができます。


あまり大きなリターンは望まないけどリスクを抑えて手堅く資産運用したい、と考えるなら、国内株式、海外株式、国債、海外債権に分散投資したインデックスファンドが最適ということです。



投資の仕方として、まとめて買う方法と、月々積み立てながら少しずつ投資していく方法がありますが、特に若い人にとっては積み立て型が理想でしょう。初めから投資にまわすお金を月の収入から決めておくのです。

このような仕組みを作っておいたほうが、余計な売買をする必要もなく、忙しいビジネスパーソンにとっては有用だと思います。

また、積み立て型のメリットにはドルコスト平均法というのがあります。月々に投資額を決めておけば、相場が高いときには少ない額しか買えませんが、現在のように相場が安いときには大きな額を買うことが出来ます。安いときこそ、たくさん買えるような仕組みの方が、投資の効果は高まります。


こういう風に仕組みを作っておけば、チャートなどを眺めながら短期で売買を繰り返す方法よりはずっと手間がかかりませんし、安定的なリターンが見込めます。



ここで、前々から思っていた疑問がありました。インデックスファンドにおける”安定的なリターン”という点です。どいうことかと言うと、今みたいに株価の大暴落が起きるのであれば、コツコツ投資信託で増やしていた資産が水の泡になるのではないか?ということです。


今日のセミナーでこの点が解決できました。

答えは、「短期的に考えるのではなく、長期的に考えろ」、ということです。


g06.gif

新生銀行のページから引用


つまり、10年インデックスファンドで分散投資をすれば、どこの時点で始めるかに関わらず平均7.2%の利回りで運用できるということです。もちろん、どの時期に始めたかによってリターンの率は違ってきます。あくまで平均です。いつ始めればよいかが分かれば良いのですが、株価の予測がつかないのと一緒で正確に判断することは出来ません。しかし、10年後を見据えて現在の市況を考えると、今後相場が上がるか下がるかといったら上がる見込みの方が高いでしょう。銀行に預けておくよりは利率が高くなっています。だから、個人的には今は投資の始め時ではないかと思っています。



今日の講演の中で気付いたことに、先進国を対象にしたインデックスファンドは、今後大きな経済成長も見込めないため、リターンも大きくは見込めないということがありました。

今投資しているインデックスファンドはコア投信なので変える気はありませんが、今後サテライト投信として新興国を対象とした投資信託に注目したいと思います。この場合も分散、長期投資という視点は忘れないようにしたいと思います。





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私の本選び はてなブックマークを使おう


11 26, 2008 | Tag,はてなブックマーク,本選び,アマゾン

投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術
(2008/10/23)
藤井 孝一

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で本選びのことについての記載があったので、最近変更した”私の本選び”をご紹介します。

以前に私の本選びで記事にした通り、どういう本を選ぶかについての基準は変わりません。


私の場合、本を買う場所は本屋とウェブ書店(アマゾン)がだいたい2対8くらいの比率です。

できれば、こころおきなく本屋で本を選びたいのですが、時間には限りがあります。
ウェブ書店では本の内容の見たいところが見れないデメリットがありますが、ウェブを散歩しながら他の方の読書ブログを見ると、書店に行くよりも得られる情報量が多かったりもします。


なので、通常は、読書ブログを散歩して、良さそうな本があればそれをストックし、アマゾンで一括注文します。

だいたいこれで十分なのですが、思いがけない本に出会ったりすることがあり、本屋を散歩するのも楽しいもので、時間があればビジネス選書&読書術の藤井さんのように直感的に面白そうな本を手に取り、目次やまえがき、あとがきを見て、それを参考に買うかどうか決めます。


ウェブで面白そうな本を発見した時に、アマゾンで一括注文するためにはどこかにリストを保管しておかなければいけません。

その方法として、以前Firefox+Scrapbookの組み合わせを紹介しました。この方法も良かったのですが、この方法だと、複数のパソコンを使う人にとっては若干不便でした。

そこで私が最近取り入れた方法を紹介します。ソーシャルブックマークの

はてなブックマーク

を使います。


今日開いてみたらリニューアルされていました。
新しいはてなブックマークの情報 → ギークじゃなくても楽しめる! 新はてなブックマーク
検索機能が強化されたみたいですね。

”はてなブックマーク”自体は今までも使っていたのですが、今までの私のはてなブックマークは色々なジャンルのブックマークがごちゃごちゃになっていて読書用にしようにもそのまま使うには不便でした。

そこで、今回は本選びに限定したブックマークを作るため、新しいIDも取得しました。
これなら、ブログの書評ごとにブックマーク出来るし、どの端末からでも参照することができるので、過去にチェックした本がどこでチェックした本か分からなくなるというような問題もなくなりますし、思いついた時にすぐにアマゾンに注文できるのでとても便利です。


みなさんもよろしければ是非活用してみてください。



投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術


11 25, 2008 | Tag,読書術

投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術
(2008/10/23)
藤井 孝一

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本書の著者は本のソムリエ藤井孝一さんです。藤井さんは8年間ビジネス書の書評をメールマガジンで読者に伝え続けている方です。

本書は経験に裏打ちされた内容になっているため、とても説得力があります。本書は本の選び方から始まり、読書術、活用法に至るまで網羅された本で、ほとんどの読者に参考になるであろう内容が書かれています。

内容自体は私も同じく実践していることが多かったので、共感しながら読むことができました。



成功している人に読書をしない人はいないとよく言いますが、これは真実なのだと思います。しかし、その逆で、読書をしている人の全てが成功するのか?というと、それは違うような気がします。なぜかと言うと、それはおそらく読書の活かし方が個人によって違うからです。


本書は、読書をただの”読んだだけ”という状態から”読んで活かす”というレベルまで、著者の経験を通して分かりやすく伝えようとしているところが特徴的な点だと思います。特に、本の選び方、読書レポートの作り方、読書を通じた人脈作りという点が興味深く読めました。


本書を特にお薦めしたい対象者は

  ・本なんて読んでもすぐに忘れてしまうんだから意味ないでしょ、と感じている人
  ・読書を始めてみたものの習慣作りが上手くいかない人
  ・自分の読書術に自信がない人
  ・読書ノートの作り方に自信がない人

です。



私の読書が著者の読書術と共通しているなと感じた点は、

  ・本の選び方
  ・隙間時間の利用
  ・一日一冊読書
  ・目的を持って読む
  ・まえがき、あとがき、目次の活用
  ・本にメモする
  ・本の最初や最後の空いたスペースにまとめメモを作る
  ・読書記録をつける

で、


著者が行っていてこれから私も取り入れたいと考えている点は、

  ・3色ボールペンを使う
  ・読んだ時間の3倍考える
  ・本を贈り物にする
  ・読書レポートの作り方

です。


限られた時間で読書を行わなければいけないこと、その限られた時間で本をどう読んで、どう活かすかは、常に私にとってもテーマです。まだ私が十分取り入れられていない上記の中で、最も力を入れないといけないと感じたのは、”読んだ時間の3倍考える”、という点です。弾言 成功する人生とバランスシートの使い方の小飼さん的に言うと、”本を読んだら次は自分を読め”、です。まさに、そこなんです。


他に本書の優れている点は、読んですぐに実行できるということがあります。
本書の中に読書レポートの作り方としてテンプレートが紹介されていましたが、早速活用させていただきました。

テンプレートの内容をまとめさせてもらうと、

  ・本書の概要
  ・本書の主張
  ・本書が描かれた背景と意義
  ・本書の特徴(類書との相違など)
  ・読後感
  ・お薦めしたい対象者

  ・本書のテーマに関する一般的な認識
  ・本書のテーマに対する自分の考え方・考え方の変化
  ・本書のテーマに関して私が置かれた状況
  ・その状況に本書をいかに活用するか
  
  ・本書のユニークな活用法

このような感じです。
今日のブログはこの形式にできるだけ従ってみました。
分かりやすい文章を書くのは難しいものです。
当面はこの形式を参考にさせてもらいたいと思います。


著者の藤井さんのブログはこちら→ビジネス選書&サマリー



第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい


11 24, 2008 | Tag,適応性無意識,プライミング効果,感情転移

著者は
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1) (SB文庫)急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1) (SB文庫)
(2007/06/23)
マルコム・グラッドウェル

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でおなじみのマルコム・グラッドウェルさんです。

本書は瞬時の判断である適応性無意識に焦点をあてた本です。

私たちは意識で判断する以前に様々な無意識レベルの判断を下しています。
時にそれは有益なのですが、一方で誤った方向に導くこともあります。

第1感  「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)
(2006/02/23)
M・グラッドウェル

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初対面の人に対する第一印象。人種、顔の形、体形、しゃべり口調を元に瞬時にその人はどういう人なのか判断を下しています。それは、意図するかしないかに関わらずなのです。

いったん形成された無意識レベルの認識は根強く記憶に残っています。

例えば、医療訴訟に巻き込まれる医師と言うのは、それを経験したことない医師に比べて平均診察時間が短かったというデータがあります。そして、医師患者関係で言うと、訴えられるケースというのは医師と患者のコミュニケーションがうまくいかず、患者は医師に対して「あの医者は話も聞いてくれなかった」と主張することが多いそうです。それに対して、最初に診た医師が誤診に近いような診断をしていても、その医師が親身になって患者の訴えに耳を傾けたという印象を与えたケースは怒りの矛先はその医師には向かないようです。

このケースからも良好な第一印象形成の大切さが分かります。


プライミング効果
というものがあります。
試験の問題にたまたま「心配した」、「古い」、「寂しい」、「灰色」、「ビンゴ」、「しわだらけ」などの言葉が並んでいたとします。自分では意識していなくても、試験会場を出た足取りは重くなっているというものです。



他に無意識に影響するものとして、感情転移というものがあります。
コカコーラとペプシコーラの街頭での実験がありました。小カップに両方を入れて、銘柄を明らかにせず、試飲をしてもらい、どちらがおいしかったか尋ねるテストです。
結果は意外なことにペプシコーラの方がおいしいという結果になりました。
これに焦りを感じたコカコーラはニューコークと称して味をペプシに近い形に変えた新しいコーラを作って売り出しましたが、結果は惨憺たるもので、消費者には受けなかったようです。

ここでの問題は2つあります。

まず、小カップと缶では味の感じ方が違うということ。そして、コカコーラのブランドとしてのイメージが味に転移しているということです。コカコーラの味は人々の無意識に”おいしいもの”としてインプットされているので、下手に味を変えてしまうと、消費者の期待を裏切ることになるわけです。

コカコーラは感情転移の好例です。



膨大な参考資料は時に、瞬時の判断力を鈍らせます。

救急医療の現場で行った”心筋梗塞の診断”における調査で、診断チャートを用いて、機械的に診断を進めていく場合と、医師の技量に任せて診断を進めるという方法の比較がありました。
この調査の結果では、診断チャートを用いた判断の方が的確に診断できたというはっきりとした結果が出ています。
これは、忙しい救急の現場で時間に追われながら的確な診断をするということの難しさと、時に余計な情報が診断の邪魔をしているという結果を示しています。

現在様々な分野で”ガイドライン”なるものが出版されていますが、医療界では、どのような状況でも、どのような医師でも診断や治療に偏りがでない均質な医療を提供するためのエビデンス(根拠)に基づいた医療が追及されています。



瞬時の判断は、考えている暇はないので、第1感に頼らざるを得ません。そして、私たちは様々な場面で無意識の影響を受けているわけですが、誤った第1感に翻弄されないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。


認識を正しいものに変えていくため、地道に知識や経験を増やしていくしか他に方法はないのだと思います。



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アイデアのちから


11 23, 2008 | Tag,フレームワーク,ティッピングポイント,記憶,ことわざ

勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!の勝間和代さんがあとがきを書いている本で、先日、404 Blog Not Foundでも紹介されていました。

本書の内容は

”SUCCESs”

というフレームワークにまとめられます。


急に売れ始めるにはワケがあるで言われているように、社会現象を引き起こすためには
  1.少数の目利きに浸透すること
  2.記憶に粘ること
  3.背景が味方すること
が必要ですが、本書は2番の”記憶に粘ること”をより深く掘り下げています。


小飼弾さんも書評で書いてあるとおり、本書は構成が抜群に優れています。
どういうことかと言うと、”SUCCESs”のようなフレームワークも含めて、本書の構成自体がテーマを証明するかのように、記憶にへばりつくような構成になっているのです。

アイデアのちからアイデアのちから
(2008/11/06)
チップ・ハースダン・ハース

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いくら優れたアイディアでも人々の記憶にへばりつくものは少ないものです。
一方で、「男性がバーで飲んでいると、美女がよってきてお酒をごちそうになる。その後男性は眠りに落ち、気付いたら腎臓が片方摘出されていた。」という臓器狩りの都市伝説は人々にとっては明らかに重要ではない話なのに頭の中ににこびりついて、なかなか忘れられません。
このような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。


ではどのようにしたら人々の記憶にへばりつかせることができるのでしょうか?
この点について追求しているのが本書なのです。



”SUCCESs”というフレームワークはこのようなものです。
Simple(単純明快である)
Unexpected(意外性がある)
Concrete(具体的である)
Credentialed(信頼できる)
Emotinal(感情に訴える)
Story(物語性がある)


今までの事例を元にした著者らの分析の結果、
これらの6つ要素を満たすことが、メッセージを人々の記憶にへばりつかせるためのポイントであると言えます。


この方法は文章の書き方にも使えるかもしれません。

S.
最も伝えたい内容、核となる部分を、短い言葉で文頭に持ってくる。できればことわざのような短いけど、意味深い文が良い。

U. ソニーの”ポケットに入るラジオ”のように意外性のある文を入れる。好奇心のすき間理論と言って、読者が知っているようで知らないことを呈示して読者を引き付ける。

C. 具体的な表現を使い、文章に現実味を持たせる。

C. 権威の意見を借りる。数字や図表を用いる。注意しなければいけないのは、数字や図表は時として伝えたい内容を味気ないものにしかねないということ。記憶に焼きつけるという点では不利になる場合がある。鮮明な細部描写が、数字や図表に勝る場合がある。

E. テキサス人にポイ捨てをやめさせた 「テキサス人を怒らせるな」 のような表現で、感情に訴えかける。

S. 具体的な物語として語ると、人々は行動を起こしやすくなる。本書に登場する、サブウェイを食べて90kg減量することができた青年のように。



本書は名著として今後も多くの人に読み継がれていくのではないかと思わせてくれる一冊でした。



蛇足ですが、以前目を通したことのあるアメリカの医学書の中に、鑑別診断集みたいなものがありました。そこには今回のような記憶に残させるためのフレームワークがたくさんまとめられていました。アメリカ人はこのような手法が結構好きなのかもしれません。



自己破産から5年で10億稼いだ男の話


11 22, 2008 | Tag,自己破産,ビジネス,起業,投資,不動産

本書の特徴は、成功の前に誰もが陥りがちな多くの失敗談が掲載されている点です。

失敗からは多くのことを学ぶことができますが、できれば失敗は未然に防ぎたいものです。もちろん、体感するのとしないのとでは身に付き方も違うと思いますが、失敗する理由を知っているか知らないかだけでも大きな違いになると思います。

成功するためにはリスクがつきもので、ここでも「ノー・フリーランチ」と言えるのだと思います。しかし、そのリスクをゼロにするのが難しくても減らすことは可能だ思います。

そういう意味で本書は価値ある一冊かもしれません。

自己破産から5年で10億稼いだ男の話自己破産から5年で10億稼いだ男の話
(2008/09/25)
チャーリー タカ

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著者は多くの失敗を経験されていますが、そこから何かしら次につながる学びを得ているところが、失敗を失敗で終わらせないていない一つの理由なのだと思います。失敗してもそれまでに得た経験を元に、再度事業を起こせるような知識やノウハウを習得しているところが成功の秘訣でしょう。

また、著者の学歴は中卒ですが、ビジネスに必要なものは決して偏差値ではないことが分かります。ただ、これは勉強しなくていいということではなく、ビジネスに必要な知識を学ぶことは大切で、著者自身もそれを学ぶのには長けているようですし、学ぶ必要があることだと主張されています。



著者が資産を築いた方法にはネットオークションやポリフェノールを利用した化粧品、時計の転売などのスモールビジネスもありますが、それに加えて不動産投資やFX、株式投資なども行っていることが興味深く感じました。

不労所得をいかにして得るかが、お金の心配をせずに暮らす一つのポイントだと思いますが、それにはビジネスの才能以外にも、ビジネスで得た資産を上手く運用させていく知識が必要になります。

著者が5年という歳月で10億という大きな財産を築けた理由はここにあります。ビジネスで得たキャッシュフローを、例えば不動産に投資することでレバレッジを効かせて資産を膨らませていくわけです。

その不動産投資ですが、不動産投資と言っても、日本の不動産ではありません。外国の不動産です。日本の不動産には既に旨みがないそうです。新興国のような、不動産の価値がこれから上がることでキャピタルゲインが稼げるような物件を探すことと、税制の面で優遇されるという点をポイントにしています。そして、著者は投資対象の国としてマカオを選んでいます。

マカオの物件というと、遠く離れた国のことなので、買いつけるかどうか不安に感じることと思いますが、この点も著者はぬかりなく、信頼のおける不動産エージンエトを雇うこともそうですが、実際にその場所に住んでみるそうです。

そして、サブプライムローンで不動産が値下がりしつつある時に著者は素早く見切りをつけて、持っている不動産を売っているのですが、著者はこの行動を直観的に行ったと言っています。

しかし、この直観はこれまでに経験したことや、観察してきたことで総合的な判断に基づくものではないかと分析しています。


著者がどういう点に注目しているかというと、

   1.在庫日数
   2.金融機関の姿勢
   3.金利動向
   4.成約件数

などだそうです。



著者が人生を振り返ると、家庭の中で既に3、4歳頃からお金を稼ぐ方法に親しんでいたそうで、まるで ”金持ち父さん” に出てくる主人公のようです。

たしかに、著者のように数々の儲けのネタ、仕組みづくりを思いつくためには常日頃から利益モデルについて思いを巡らせていないといけないのでしょう。



手当たりしだいに様々な利益モデルに手を出しているように見える著者ですが、20年後、30年後の目標を定め、その目標を達成するためにはどうすればいいのか10年、5年、3年と計画を現実に即した形に落とし込んでいる点も他の成功者と共通する点だと感じました。



先日、外貨・FX投資について勉強しましたが、円高の今こそFXを始めるチャンス!?かもしれません。いい機会なので資産形成の一つの手段として、行動に移せるようもう少し考えてみたいと思います。

不動産投資についても興味を持っているのですが、なかなか行動に移せていません。現在の市況では行動に移すことが難しいと感じています。本書で紹介されていたように海外の、地価が上がりそうな場所での不動産投資にも魅力があると思いますが、実際にその場所に住んでみるというのは誰にでもできることではありませんね。海外不動産に関してはもうしばらく様子を見ます。


リスクのことばかり考えていてなかなか行動に移せないのも否めないのですが、まずは受け入れ可能な失敗は許容して、そろそろ行動を起こしてみたいと思います。



ハイエク 知識社会の自由主義


11 21, 2008 | Tag,ハイエク,ケインズ,資本主義,自由,池田信夫,インターネット

著者はアルファブロガーでもある池田信夫さんです。
池田信夫 blog

経済学者はおそらく学者として自分のことを認識しているのであれば、あらゆる社会現象を説明しうる理論というのを求めているのだと思います。

本書はフリードリヒ・フォン・A=ハイエクさんを引用し、著者が現代の経済学に対する一つの解を示している本なのだと思います。

様々な学派がありますが、経済学がいまだに一つの学問として答えに行き着いていないところを見ると、とても難しい学問であることが良く分かるし、まさに答えのない学問なのかもしれません。

ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書 543)ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書 543)
(2008/08/19)
池田 信夫

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本書は分かりやすく書いた本だと著者は文中で語っていますが、おそらくこれは経済学を一通り勉強したことのある人にとってです。本文中には経済学の繁栄の基礎を築いた偉人がたくさん登場し、それに関する引用も細かく記してあり、その体裁はさながら論文のようです。

当ブログ:容疑者ケインズ―不況、バブル、格差。すべてはこの男のアタマの中にある。でも触れましたが、経済を考える上で理解しておくべき立場は、市場はもともと効率的であると主張する古典派と、政府は金融政策や財政政策を積極的に行うべきと主張するケインズ派の二つが主流でしたが、ハイエクはこれらの説とは違う立場にいます。

ハイエクは、人々は不完全な知識のもとで、必ずしも合理的とは言えない慣習に従って行動する、と主張しています。

社会主義や新古典派に共通する合理主義完全な知識という前提を批判し、ケインズ的な計画主義をも批判しています。そしてハイエクは、「不完全な知識に基づいて生まれ、常に進化を続ける秩序が、あらゆる合理的な計画をしのぐ」、という予言をしていて、これは現在のインターネット社会の繁栄を予言するものとなっています。

インターネットを例にとってみても分かるとおり、現代が知識社会であればこそ、ハイエクの予言は真実味を帯び、私たちは多くを参考にすることができるのだと思います。



経済学はいまだに答えが出ていないと記述しましたが、これは何も経済学に限ったことではありません。医学もそうですし、どの学問についても言えることでしょう。だからこそ、学問として成立するわけで、今日の常識が明日の常識ではないかもしれない、真実に対する探求こそが学問の魅力なんだと思います。



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コンサルタントの「質問力」


11 20, 2008 | Tag,仮説力,本質力,質問力,ロジカルシンキング,コミュニケーション

最近、コンサルタントの方の講演を聴く機会があり、それを聞いていて思ったのですが、内容はもちろん、その主張しようとしていることがとても明解だったことが印象的だったので本書を手にとってみました。

会話により相手を動かすというのは、職種にかかわらず職を持っている人には必須の技術だと思いますが、本書はこの目的を達成するために大きなヒントを与えてくれます。

本書は仮説を設定する力本質を見抜く力から組み立てられた、適切な質問をする力によって、相手を動かす方法というものを教えてくれています。

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書 52)コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書 52)
(2008/03/19)
野口 吉昭

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仮説力本質力から導き出された質問力を身につけることがテーマです。



仮説力を身につけるためにはまずは知識が必要です。考えるための道具が必要なわけです。
著者の野口吉昭さんも、新たな問題に直面したら、それに関する本を30冊は一気に読んでしまうそうです。

そして、仕入れた知識を元にロジカルツリーを組み立てて、仮説にモレがないかをチェックします。



本質力というのは、会話の中で相手が意図していることを引き出す、こちらの仮説に合わせた話を相手にしてもらう、ということです。
そのためには共感的な態度を身につけること、まずは相手の話を聞く、という態度が何より大切です。相手の話と自分の話は比率にして6:4か7:3くらいが適当と思われます。

そして、相手の話を熱心に聞けば聞くほど陥りやすいのが、細部にとらわれすぎて全体の把握がおろそかになるということです。これでは結局話が終わった後に「はて?結局相手が言いたかったことって何だったんだっけ?」ということになりかねません。ここで仮説を持って会話に臨んだときとそうでないときの違いがはっきり出ます。時々会話の内容を俯瞰する力が必要です。

会話も言葉のつながりなので、まとめるためには語彙力もあった方がよいでしょう。

仮説が間違っている場合もあるので、そういう時はゼロベース思考と言って、まっさらな状態に戻ることも大切です。


これら仮説力と本質力から適切な質問をするわけです。




本書の中に著者が交通事故に遭い、救急車で運ばれ、

”レントゲン撮影をする前から、「左手の腱が傷つき、切れている可能性があります。手術が必要ですね。すぐに入院する必要があります」と医師から言われた。”

というくだりがあり、患者の事情も考慮せず一方的に入院してください、と言われ、患者の心情を気遣う質問の一つも出来ない医師に対する憤慨が語られています。

たしかに、患者さんと共感関係を築くのはとても大切なことだと思います。


同業者をかばうわけではないのですが、この点について2点コメントさせてもらうと、

腱が切れているかどうかはレントゲンでは判断できません。臨床所見で判断するのでレントゲンを撮る前から入院、と言われたのは、おそらくその医師は診察所見を元に即座に診断を下していたのでしょう。この場合のレントゲンは腱の問題とは別に骨折の有無をチェックするために撮っていたものだと思います。特に交通事故の場合は検査が過剰に行われる傾向にあります。

もう一つ、医師が患者さんの話を聞かないという話はよく言われますが、これは現在の医療の構造に問題があると思います。外来診療が午前中の3時間で30人を診なければいとすると(実際によくある話)、一人当たりの診療時間は約6分となります。この時間内に話を聞いて、診察をして、検査をして診断、治療をしないといけないわけです。じっくり患者さんの話を聞きたいのは山々ですが、ゆっくりしていると全ての患者さんを診れないという矛盾に陥ります。救急の現場ならなおさらです。

いずれにしろ、医師が患者の話を聞かないことが原因で起こるトラブルが多いのも事実ですし、患者さんの満足度は医師がどれくらい患者さんの話に耳を傾けるかに比例するように思います。だから、医師が患者さんの声に耳を傾けるということはとても大切なことだと思います。



だいぶ話がそれてしまいました。


本書を読んで明日からやってみたいこと。

  1. 相手の話を聞くときに自分が聞きたいテーマに合わせてうなずき方を変えてみる
  2. 相手の話を要素に分解してみる
  3. 相手の話を要約して、「つまり、~ということですね。」という相槌を入れる

  4. 仮説力を鍛えるために、直面した問題に関してはとりあえず紙に書いて
    その問題点を列挙してみる
  5. そして、それらをロジックツリーにあてはめて、かけている仮説や本質を見抜く
  6. 仮説を立てるための読書を通じた知識の収集

  7. 質問はよく考えた後に行う

  8. 「現状の最重要課題は○○です。今期の我々の目標は○○です。
     課題を踏まえて、目標を達成するための実現策は3つあります。
     1つ目は○○、2つ目は○○、3つ目は○○です。
     それぞれのメリット、デメリットを検証すると○○○になります。
     よって2つ目の○○を提案したいと思います。」
  9. エレベーターステートメント(エレベーターに乗っている間に言いたいことを伝える)
    をやってみる

  10. 患者さんに対して、時間の許す限りなるべく話を引き出す態度で臨む




ストレスとはなんだろう


11 19, 2008 | Tag,ストレス,基礎医学

人として生きていくためには避けて通れないのがストレスとの関係であるように思います。
先日読んだ本、道は開けるでは”悩み”についてがテーマでしたが、今回は”悩み”と関連する”ストレス”がテーマです。

本書は、「そもそもストレスという概念はどうやって生まれたのか?」、「ストレスに対する人体の反応は科学的に説明するとどうなるのか?」という問いに対して分かりやすく説明してくれています。

ストレス学説の発展に関連して、アドレナリンやインスリンの開発の歴史、それに関わったノーベル賞受賞者たちの人間模様などもとても興味深く読め、この部分も本書の読みどころになっていると思います。

ストレスとはなんだろう (ブルーバックス 1604)ストレスとはなんだろう (ブルーバックス 1604)
(2008/06/21)
杉 晴夫

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「病は気から」とはよく言ったものです。

心の状態が身体に及ぼすということは既によく知られていることで、心身症という病名もあるくらいです。偽薬を投与して実際に病状が改善するプラセボ効果が存在することも「病は気から」を証明する事実でしょう。

実際の臨床でも、ある症状に対する原因について、ストレスが原因でしょう、という説明はしばしばされています。

病因を解明するのが臨床医学ですが、話はそう簡単ではなく、症状と病因が一対一で対応しないことがよくあるのです。


例えば、インフルエンザの特異的な症状と言えば激しい高熱と関節痛、筋肉痛などがありますが、非特異的な症状には通常の風邪症状と変わらないような微熱、鼻汁、咽頭痛などがあります。

簡単に言うと、診断に直結するような症状が特異的な症状ということです。



非特異的症状に着目し、ストレス学説を築いたのが本書の主人公であるハンス・セリエさんです。

人体になんらかの機械的刺激や精神的刺激が加わると、身体が反応して非特異的な症状を起こします。

ストレスのせいで胃潰瘍ができたり、免疫機能が低下したりします。また、緊張して手に汗をかいたり、心臓がドキドキするのもストレスに対する自律神経を介した身体の反応です。



精神的なストレスに対する反応は、脳に入力されたストレスが神経分泌ニューロンを介して自律神経系や、ホルモン分泌の中枢である視床下部に電気信号として入力されることから始まります。

自律神経系には交感神経と副交感神経がありますが、これらは対の働きをしていて、たとえば交感神経は心臓をドキドキさせますが、副交感神経は心臓をゆっくり動かします。イメージとしてはピンチにの時に活発になるのが交感神経で、リラックスしている時に働いているのが副交感神経です。

ストレスに暴露され続けていると、身体に対して慢性的な変化を起こします。
高血圧などは好例です。
三大疾病の中に心筋梗塞や脳卒中がありますが、これらの原因に高血圧が少なからずあります。



私たちの心の状態と大いに関係がある”ストレス”ですが、これにどう対処していくかというのが永遠のテーマになります。

ストレスへの対処法というのは、ストレスをストレスとして認識しないようにする、ということしかないのだと思います。ある人には精神的なストレスでも、他の人にとってみれば精神的ストレスとして感じないこともあるわけですから。

本書では、そのためには”意思の力を利用する”ということ以外は書かれていませんが、他にも工夫の余地はあるようにも思います。

行き着くところは外的ストレスに対する自分の感情にどう対処するかということになるのだと思いますが、一つの解決策として道は開けるでも書いたようなことが役に立つでしょう。



本書では本当に優れた科学者は課題解明者ではなく、課題発見者であるということが主張されています。

たしかに、本日のテーマである”ストレス”のように、何となく皆が感じていることを課題として設定できる力が大切なんだと思います。

そういう意味でハンス・セリエさんは科学におけるイノベーションを起こしたと言えるのだと思います。




人を動かす


11 18, 2008 | Tag,人を動かす,デール・カーネギー,名著,人付き合い,コミュニケーション

本書は自己啓発書であり、人付き合いやコミュニケーション法についての本でもあります。

人と付き合うことなく生きるのは不可能ですから、生きていくうえでの指南書ともいえるかもしれません。

昨日の”道は開ける”に引き続きデール・カーネギーさんの著書です。


人を動かす 新装版人を動かす 新装版
(1999/10/31)
デール カーネギー、Dale Carnegie 他

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本書を読むと

  ・人を動かす3原則
  ・人に好かれる6原則
  ・人を説得する12原則
  ・人を変える9原則
  ・幸福な家庭を作る7原則


の計37原則を学ぶことが出来ます。

書いてあることは、テクニック的な内容も含んでいるのですが、大部分は生きていくうえでのとても基本的なことです。既にどこかで聞いたことのあるような気がするのも、おそらく本書が多くの著者に影響を与えているからではないでしょうか。

どの原則もとても心に染みます。



人を動かす3原則

  1. 批判も非難もしない。苦情もいわない
相手を非難することは何の解決にもならない。結局は自分に仇となって返ってくる。

  2. 相手に重要感を与える
人は認められたい、重要だと思われたいと常に思っている。

  3. 相手に自分から行動を起こさせるような強い欲求を生じさせる
セールスにしろ、マネージメントにしろ、命令して強制してもその効果は長続きしない。自ら欲求を起こさせてこそ行動力につながる


この”人を動かす3原則”は本書の中で一番大切な原則であり、以下に続く原則はこれに基づいています。



人に好かれる6原則

  1. 誠実な関心をよせる

  2. 笑顔を忘れない
笑顔など作れない気分の時でも笑顔を作る。最初は作った笑顔でも、その行動はやがて自分の感情に影響を及ぼすようになる。

  3. 名前を覚える
これも重要感を得たいと思っている相手の欲求を満たすことになる。

  4. 聞き手にまわる
話し上手になりたければ、聞き上手になること。相手に興味を持たせたければ、まず、こちらから興味を持たなければならない。

  5. 相手の関心を見抜いて話題にする
まず初めに本題からではなく、相手が話したがっていそうなところから話を切り出す。

  6. 重要感を与える
人と話をする時は、その人自身の話をする。そうすれば、相手は何時間でも自分の話を聞いてくれるようになる。



人を説得する12原則

  1.議論に勝つ唯一の方法は議論を避けること
負けるが勝ちとはよく言ったもので、どんな正統な論拠で相手を論破したとしても、最後に残すのは相手とのわだかまりだけ。

  2. 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない
人は相手に受け入れられないことを極度に恐れるものだから。重要感を持ちたがるというのと同じ意味。

  3. 自分の誤りをただちにこころよく認める
自分が間違っている場合は驚くほど多いものだ。

  4. おだやかに話す

  5. 相手が即座に「イエス」と答えられる質問をする
イエスを連発した後にはイエスと言い易い。

  6. 相手にしゃべらせる

  7. 相手に思いつかせる

  8. 人の身になる
”どうすれば相手はそれをやりたくなるであろうか?”と考えてみる。

  9. 相手の考えや希望に対して同情を持つ
人間は一般に同情を欲しがる

  10. 人の美しい心情に呼びかける
どんな悪人でも、相手に心から信頼され、正直で公正な人物として扱われるとなかなか不正なことはできないもの。

  11. 演出を考える

  12. 対抗意識を刺激する



人を変える9原則

  1. まずほめる

  2. 遠まわしに注意を与える
人は批判を最も恐れるから。

  3. まず自分の誤りを話したあと相手に注意する

  4. 命令をせず、意見を求める
相手から、命令と同じ内容の答えを引き出す。自分から欲して行動を起こした方が”変える”力は強い。

  5. 顔をたてる
批判を恐れるのと同じ意味だが、人は自尊心を傷つけられることも恐れている。

  6. わずかなことでも惜しみなく心から褒める

  7. 期待をかける

  8. 激励して、能力に自身を持たせる

  9. 喜んで協力させる



幸福な家庭を作る7原則

  1. 口やかましく言わない

  2. 長所を認める

  3. あら捜しをしない

  4. ほめる

  5. ささやかな心づくしを怠らない
女性は男性が理解できないかもしれないことで喜ぶもの

  6. 礼儀を守る

  7. 正しい性の知識を持つ



本書の内容を自分のものにして活かすことができれば、友人、恋人、同僚、上司、部下との関係を円滑にすることができ、仕事の上でも大いに役立たせることができるでしょう。


私は元々人付き合いが苦手なほうではないと思っていましたが、読みながら自分を振り返り、反省することが多くありました。

正直に言うと、どうも自分が忙しかったりすると余裕がなくなり、相手のことを思いやる気持ちが少なくなることがあります。病院の中で私と接した方に不愉快な思いをさせたことがあるかもしれません。

明日から外来患者さんに対する自分の応対や、病院スタッフとの付き合い方など、少しずつでも改善させていきたいと思います。


とても良い本です。
また折に触れて読み直したいと思います。



道は開ける


11 17, 2008 | Tag,悩み,批判,自己啓発

本書は、人として生きていれば避けることが出来ない悩みについてどう考え、どう対処するかを示唆してくれる本です。

同じ問題に直面してもある人には悩みに感じられて、ある人にはそう感じられないことが多々あります。つまり、悩みというのは私たちの心が感じさせている個人的な感情なんだと思います。だから、考え方次第で悩みは克服できるのです。

そうは言っても悩みのネガティブスパイラルに陥りやすいのが私たち人間なのです。

本書はその”悩み”についての解決策を提示してくれる本です。

道は開ける 新装版道は開ける 新装版
(1999/10)
デール カーネギーDale Carnegie

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人は悩んでこそ人なんだと思いますが、悩みが生むデメリットの一つに、他の事を考える余裕をなくしてしまうということがあると思います。

悩みの多くは過去や未来に対する絶望から生まれることが多いのですが、それと同時に感じている悩みが一体どうして生じているのか、どうしたらいいのか、という漠然とした不安から生まれていることが少なくないでしょう。


まずは事実や自分の感情を分析することから始めることが有用です。精神科で用いられる認知行動療法(いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法)がアプローチの方法として近いと思います。

本書でもこのような解決法が提示されています。

  1.問題点は何か紙に書いてみる
  2.ではその問題点はなんなんだろう?と考えてみる
  3.さらに、問題点を解決するためにはどれくらいの方法があって、
    それらはどんなものだろう?と考えてみる
  4.解決法の中でどれが一番望ましい方法か?選んだ選択枝を実行してみる



このアプローチでは自分の内面に目を向けるところから始まり、思考を繰り返すことによって未来に対する不確定要素が明らかになり、感情の折り合いをつけることができるようになるのだと思います。



上記の方法を利用して、以下の考え方を身につけます。

  ・悩みを考える余裕がなくなるくらい忙しい状態であること
  ・気にする必要もなく、忘れてもよいことは忘れてしまう
  ・小さなことで心を乱さないこと
  ・平均値の法則
  ・避けられない運命は受け入れてしまうこと
   受け入れた上で何かこの状況を利用できることはないか考えてみる
  ・終わったことについてクヨクヨしないこと
   ”挽いたおがくずは元には戻らない”


  例えばテレビで、ものすごく大変そうな病気がクローズアップされ、
  私たちは不安をかんじることがあります。
  この時、一度立ち止まってどうして不安に感じるのだろう?と考えてみるのです。
  次に、この不安を解決するために情報を集めてみます。
  そうすると、その病気になる確率は1万人に1人とか100万人に1人とか
  その程度だったりするわけです。
  これが”平均値の法則”なのですが、
  このように、情報の断片で判断するのではなく、別の視点から見ると考え方が変わり、
  悩みへの対処として使えます。


さらに、本書では批判に対して

  ・注目されている人しか批判されない
  ・批判は他人から注目されている証拠
  ・どう考えても受け入れ不可能な批判は気にしない


恩知らずな他人に対して

  ・そもそも恩を感じてもらうことを気にしないこと。与えることに喜びを感じること。


嫌なことをされて、仕返ししたくなるような相手に対して

  ・リンカーンの言葉
   「われわれ人間は皆、その場の事情、境遇、周囲の状況、教育、身についた習慣、
   現在から未来にかけて人間を形成する遺伝子などが生み出した産物なのだから」
   と考え、相手を許す

などの考え方が提示されています。



なるほど、多くの人に愛読されている本だということが良く分かりました。
本書の冒頭に折に触れて読み直すようにというようなことが書かれていましたが、本当にそうした方が良さそうな本です。おそらく次読んだときにも新しい発見があるような気がします。


途中、時間との付き合い方や、疲労との付き合い方など仕事術などの話も出てきて、その部分もおもしろかったですよ。



知っておきたい外貨・FXの常識


11 16, 2008 | Tag,外貨,FX,金融リテラシー,ファイナンシャルプランナー,FP

今日は外貨・FXについての本を読んでみました。

こちらは勝間書店から発見した一冊です。

一時期のFXブームは過ぎたようですが、本書では外貨預金やFXの一般的なことが学べます。

知っておきたい外貨・FXの常識―少額投資で大儲けをする人がいるって本当なの? (なるほど!BOOK)知っておきたい外貨・FXの常識―少額投資で大儲けをする人がいるって本当なの? (なるほど!BOOK)
(2007/05)
大竹 のり子

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外貨預金の魅力は日本に比べて高金利で運用できるという点と為替差益が狙えるという点です。

最近先進諸外国では金利を一斉に下げたようですが、つい最近まで日本の金利は諸外国と比べて低い水準であることがよく言われていました。現在の日本の普通預金金利は例えばイーバンクでは0.20%で、一方、諸外国の普通預金金利はアメリカドルが0.20%、オーストラリアでは2.15%、南アフリカでは6.00%なので、あまり魅力がなくなっているかもしれません。

しかし、まだまだ国を選べば、外貨預金は魅力的と感じますが、リスクはどうなのでしょうか?



外貨預金のリスク

  • 為替変動リスク
円高になったり円安になったり、この為替の動向は予想するのは難しいでしょう。

  • 価格変動リスク
金利の変動は避けられないので、自分が投資した外貨の金利が将来的に上がる可能性もありますが、下がる可能性もあります。

  • デフォルトリスク
債務不履行リスク、信用リスクとも言われますが、債権に投資している場合、その債券発行機関がデフォルトを宣告すると、利息が支払われないのはおろか、元本が大幅にカットされる可能性があります。このデフォルトリスクを測る指標として、AaaやBなどの格付けが存在します。

  • カントリーリスク
その国の政治や社会情勢によって投資したお金が回収不能になる可能性があります。

  • 見逃してはいけない手数料
日本円から外貨に換えるとき、また、外貨から日本円に換えるときに二重で手数料がかかります。
 例えば、1ドル=110円で為替手数料が往復2円かかるとします。
 この場合、2円/110円で1.8%の手数料となります。
 そうすると、外貨預金の利率は少なくとも1.8%以上ないと、利益になりません。



FX(外国為替証拠金取引)というものがあります。

基本的な考え方は外貨預金と同じですが、違う点は少ない資金で大きくお金を動かすことができるという点です。つまり、レバレッジが効きます。

FXの醍醐味はスワップポイントを得ることですが、これは外貨預金の時に為替差益を得ることとほぼ同じ意味です。
金利の安い”円”を売って、金利の高い”外貨”を買えば、その金利差分だけ利益を得ることが出来ます。さらにそれがFXなら少ない資金で大きなお金を動かしていることになるので、利益も大きくなるというわけです。

他にFXでは手数料として、為替手数料と、スプレッドというコストもかかります。少し難しい話になりますが、売値と買値の間の差額のことをスプレッドと言います。これは取引業者が決めるもので、外貨預金のときの為替手数料に比べれば少ない額ですが、無視出来ないコストだと思います。

口座管理量がかかる場合もあるので注意する必要があります。



金融リテラシーを身につける必要があると感じる今日この頃ですが、どうも分かったようで分からない感じがするのも事実です。例えば、他人に自分が学んだ金融リテラシーを使ってアドバイスができるか?と疑問に思ったりもします。趣味の領域と考えれば、あまりこだわって考える必要もないと思うのですが、一度体系的に勉強してみたいとも思っています。

本書の著者はファイナンシャルプランナーとのこと。

どうもファイナンシャルプランナーの人たちは金融リテラシーが豊富のようなので、ファイナンシャルプランナーについて調べてみました。


ファイナンシャルプランナーの資格にはCFP、AFP、FP技能士という資格があります。
FP技能士は1級から3級まであり、この資格は国家資格となります。AFPは日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が認定する民間資格で、CFPはCFP BOARD(米国CFP資格認定委員会)と日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が提携し導入された国際ライセンスです。

FP3級以外は実務経験が必要ですので、本業のすき間時間を見つけて勉強しようと思っている人はFP3級しか取れません。そして、2級、1級と取っていくにはまずは3級から始めるしかないようです。

ファイナンシャルプランナーを名乗るのに、資格は必須ではないようですが、肩書きがあるのとないのとでは相手に与える印象が違うでしょう。


そういうわけで、自分の金融リテラシーを高め、整理するという意味でまずは3級に挑戦してみようかなと思っているところです。

FPガイド



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知的創造のヒント


11 15, 2008 | Tag,読書,メタ認知,メタ化,知的創造

本書は読書本と言ってもいいかもしれません。

先日紹介した思考の整理学が原著となっています。

20年前の第一作目の要旨が現在でも応用可能な普遍的な内容だっただけに、今回の内容も20年前のものと本質は大きく変わりありません。

思考の整理学と本書どちらを読めばいいかについては、思考の整理学を読んだことがない人は本書を読むのが良いと思います。しかし、思考の整理学を読んだことがある人も本書を読むと、少なからず得るものがあるように思います。私がそうであったように。

知的創造のヒント (ちくま学芸文庫 ト 10-2)知的創造のヒント (ちくま学芸文庫 ト 10-2)
(2008/10/08)
外山 滋比古

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本書はいかに知的創造を行うかということがテーマになっています。

人間のなくすことの出来ない能力であり、悩みでもある忘却の効用を説いているところがとても興味深く読めました。



知識詰め込みがたの学習はコンピューターが発達した現代では必要とされる能力ではありません。そうではなく、人間にしかできない新しいコトを考え出すことが現代の人間に必要とされています。

これを著者はカクテルではなく、地酒を作るようにしなければならないと例えています。カクテルは混合物ですが、地酒は米と水とさらに時間が加わった化合物です。今の時代を生きる私たちにはカクテルではなく、地酒を造ることが求められているのです。



そのために良質な情報をインプットするのはもちろん大切です。

しかし、インプットした知識をどう活かすかということの方がもっと大切です。

インプットした知識は放っておけば風化していきますが、著者は忘却の効用としてこれも必要な能力だと主張します。忘れることによって必要な知識と必要でない知識のふるいわけが可能になるのです。

そのためには一旦インプットした知識は寝かせておく必要があります。睡眠が良い例です。他にも散歩をしたり、風呂に入ったり、とにかく一度頭をリセットした方がアイディアは生まれやすくなります。

セレンディピティー(ひらめき)はそうした脳の中に空白ができた時に生じることが多いようです。



知的創造を行う具体的な方法にはやはり読書があります。

本書が勧める知的創造への読書は、文章を読んで覚えるものではなく、内容から、ひらめきのヒントを得るものです。そのためにはある程度のスピードを持って読み進める必要があります。なぜかと言うと、ゆっくり読んでいると、脳の中が文章の内容で満たされて空白が全くなくなってしまうからです。脳の中にある程度の空白を残しつつ読むことが知的創造への読書です。

読んでいてひらめいたら、迷わず目を休めて思いついたことをメモする必要があります。

そして、メモの内容は時間を置いてノートに記します。

ノートはメモの内容を丸写しにするのではなく、内容を租借し、自分の言葉に置き換えたものにします。このような過程で出来たノートをメタ・ノートと言います。これは知的創造への財産になります。



会話にも知的創造を促す効果があります。会話は上手く使えば、読書と同様に自分の言葉と他者の言葉をつなぎ合わせ、それらを融合させ、知的創造へのきっかけとなり得ます。



書くことも知的創造につながります。

書く上で、文章の構成は大切です。テーマが文章を集約した内容になっているのはもちろんですが、段落が意味ごとのまとまりになっていて、段落どうしのつながりが明確になっているのが良い文章です。



みなさんもそうかもしれませんが、私は集中していると読書をしながら全く別の考えが頭をよぎることがあります。本書を読んで、この頭をよぎった内容もメモとして残しておいたほうが良さそうだと思いました。

いちいちメモを取り出すのは面倒なので、本の中に書き込んでいこうと思います。

以前に学習したマインドマップもメタ・ノートを作るのに役に立つ気がするのでやってみます。

このブログを読書記録のメタ・ノートにするのもいいかもしれません。


こちらのブログも知的創造のヒントになると思いますので紹介しておきますね。
404 Blog Not Found
活かす読書:弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
活かす読書:投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術



バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵


11 14, 2008 | Tag,株式投資,ファンダメンタルズ分析

昨日はウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理を通じてリスクを減らして安定したリターンを得るための最適な方法は分散型のインデックス投資が良いことを学びました。

本書は株式投資を通じて巨額の富を築いたウォーレン・バフェット氏の語録となっています。本人の著作というのはそもそも存在しないようで、本書は息子の嫁にあたるメアリー・バフェット氏がバフェット語録として、解説を加え出版されています。

ウォーレン・バフェットと言えば知らない人もいないと思いますが、ちなみに2008年度の世界長者番付ではなんと第一位です(フォーブス長者番付・億万長者ランキング(世界編) [2008年])。これを見ると、どれ程優れた投資家か分かると思います。

バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵
(2008/01)
メアリー・バフェットデビッド・クラーク

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バフェット流の投資はインデックスファンドと真っ向から対立した投資法です。

インデックスファンドが分散とはリスクのばらつきであると説明するのに対し、バフェットは分散とは無知に対するリスク回避であると説明しています。そして、リスクは自分の行動に対する無知から生じるものであり、勝手知ったるものにとっては分散は必要ないことだと主張しています。

バフェット流投資を分類するなら、テクニカル分析の中のファンダメンタルズ分析と言えると思います。


ウォール街のランダムウォーカーでも触れましたが、インデックスファンドが効率的なのは”平均した成績”を出すことが目的だからです。ファンドマネージャーが考えたファンダメンタルズ分析でも平均するとインデックスファンドに負けますが、ごく一部の人は勝利の方程式を持っているようです。



バフェット流投資の要点を本書から抽出します。

”基本的に優良ビジネスであれば、割安ではなく適正な価格で株を買ったとしても長期に保有することで大きなリターンを生む。”

どのような銘柄を選ぶか?
  • 今後20年は安泰だと思われる
  • 成長に大量の資本を必要としない
  • 改善の余地がない定番商品を作っている
  • コモディティ化された商品ではなく、消費者独占型の商品を作っている。たとえばコカコーラ。
  • 誰にも見向きもされていないが、長期的経済価値は望める。
  • PERが低い割安な株


どんな時に市場に参戦するか?
  • 他人が弱気になっている時
株価は実際の企業の価値をそのまま反映するものではないのです。皆が我も我もと市場に殺到する状況では株価が上がり続けます。そして上がり続けた株価はいつか暴落します。

バフェットはこういう状況で、これは危ない兆候だから株を保有しているのは危険だ、売りにだそう、と判断し、行ったん市場から身を引くわけです。
実際にバフェットは過去2回、保有している株式を売りに出し、その後株価が暴落した後にまた割安となった銘柄を大量に保有するということをしています。


注意すべきこと
  • 嫉妬や自惚れなどの感情に左右されない。これらの感情は不幸な結果を生む
  • 早目に損切りすること
  • 一生のうち必要となるのは、ほんの数度の正しい行為である。頻繁に売買するのは愚かなこと
  • ファンドマネージャーはあてにならない
  • 失敗することもある
  • 失敗から学ぶことも大切です。
    バフェットは自分がこれから買おうとしている銘柄の選択基準を紙に書いて人に説明できるようにしているそうです。こういう地道な作業積み重ねによって失敗からだけではなく、成功からも学ぶことができるというわけです。


参考までにバフェットがこれまで巨万の富を築くのに役に立った銘柄の一部です。
  • コカコーラ
  • ワシントン・ポスト
  • ディズニー
  • アメリカン・エキスプレス
  • ゼネラル・フーズ
  • ウェルズ・ファーゴ


バフェット流の投資を学ぶと自分も同じような成績を残せるのではないかと思ってしまいますが、おそらくそれは難しいのだと思います。自分が特別だという思い込みは捨てないと、痛い目を見そうです。

もし何らかの勝利の方程式が見つかったとしても、皆がそれにすぐ群がるでしょうから、株価にすぐ反映されるでしょう。

ただ、バフェット流の投資が魅力的なのは間違いないので、インデックスファンドでリスクを減らした投資を行いつつ、優良銘柄に長期投資を行っていくというのが現実的なのではないかと思います。

それと、現在の市況は株価が全面的に割安(市場が弱気)となっているため、バフェット流の投資を始めるなら今がチャンスと言えると思います。




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ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理


11 13, 2008 | Tag,資産運用,株式投資

本書は株式投資に関する本質的なことが書かれています。おそらく。

株価を予想する様々な分析法がありますが、結局はどれも不十分なもので、インデックスファンドこそリスクを軽減できる一番の方法であると主張しています。

ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
(2007/05/25)
バートン マルキール

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まず、ランダム・ウォークというのは「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である。」ということです。

株価を占う方法にはチャート分析、ファンダメンタルズ分析など色々あるわけですが、結局どの方法でも将来の株価を正確に予測することはできないので、最もリスクを軽減した方法として分散投資を利用したインデックスファンド(特にノーロード)に投資することが勧められています。



チャート分析
というのは過去のデータを元にデータを集積してそこから未来の株価を予想する手段ですが、この方法の欠陥は株式市場が常にランダムで、チャート分析は後付けの分析に過ぎず、次にどうなるかは過去のデータからは証明できないということです。これは、学術的にも証明されていることなのです。


ファンダメンタルズ分析
では企業の財務諸表や与えられた情報を元に株式の本当の価値を見極め、将来株価がどうなるか予想するというのがコンセプトです。
本書ではこれも否定されています。
そもそも、財務諸表が公開された時点で市場はそれを株価に織り込むし、与えられた情報が正しくない場合もあります。また、天災などの偶発的事象が起こる可能性もありうるわけで、そう考えるとファンダメンタルズ分析も実は信用できないということになります。



これらの手法に頼りたくなるのは、やはり人間は行動に対して理由をほしがる生き物だからでしょう。
ファンドマネージャーがこれらの手法を使うのには、それらしい、もっともらしい理由が作れるからだという理由もあります。彼らは客になるべくたくさん売買をさせて利益を上げているということも忘れてはなりません。


様々な分析方法がある中、平均的な投資信託のパフォーマンス、プロの運用は、広く分散投資されたインデックスファンドに長期保有で投資した場合のパフォーマンスを上回ることができないことが証明されています。


これまでの話はある程度数の大きい、長期の話なので、ギャンブルと同様、中には勝ち続けている人がいるかもしれません。また、何らかの誰も知らない株価予想の法則があるかもしれません。
しかし、そのような法則があったとしても、広く知られるようになったら、株価はすぐにそれを価格に織り込んでしまうので人々はそれにあやかることは出来ないでしょう。


いずれにしろ、プロでさえもインデックスファンドに勝てるパフォーマンスができないのに、素人が市場で勝ち続けるのは到底不可能だと思います。

結局はリスク分散型のインデックスファンドが無難だということです。


それでも”無難”よりも、”リスクとリターン”を追及したい人に対して3つのルールが紹介されていたので記載しておきます。
  1. 今後5年以上の利益成長率が市場平均以上の銘柄を買うこと
  2. 株価がファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな
  3. 投資家が「砂上の楼閣」を作れるようなストーリーが描ける銘柄を探そう
  4. なるべく売買の頻度は減らそう


本書は、これから資産運用の一つの手段として投資を始めようと考えている人にとって、インデックスファンドが最適であることを説得するのに足る本であると思います。


つい最近まで分かっていなかったことがあります。

インデックスファンドを長期保有していれば、長い目で見て高い確率で株価が上がるので利益を得られるとのことですが、今回のように株価が大暴落したらどうなるのかということです。

投資信託で運用している場合、そもそも配当益がないので、将来その資産を取り崩すためにコツコツと株価が上がるのを待つことになると思うのですが、それが振り出しに戻るようなことになってしまうのではないかと疑問に思っていたのです。

しかし、以下の図を発見して納得。

S&P


確かに、長い目で見ると株価は上がり続けている。

10年程度の保有じゃダメなんですね。少なくとも20年、30年は保有する必要がありそうです。



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思考の整理学


11 12, 2008 | Tag,ロジカルシンキング,思考,メタ化,学習

本書は初版が1986年の古典的名著ですが、読んでみると現在の学習本に書かれているようなことの多くを含んでいます。

効果的な学習理論は20年前から変わっていないわけで、その理論の裏づけを現在流行の脳科学が行っているというような感じでしょうか。

思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)
(1986/04/24)
外山 滋比古

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本書が勧める学習法は、受身の学習ではなく、ひらめきや想像力を鍛えるための学習法です。


読書
新聞にしろ、読書にしろ、論文にしろ、自分が知りたい内容や知らなければならない内容を的確に抽出する。この時、一見必要そうでも今のところ必要ない内容はどんどん捨てて読む。
とにかく大切なことは本質を読み取ること。


つんどく法
知りたいテーマが決まったら、一冊だけでなくいくつか本を用意しておく。
まさに、積んでおくわけである。
これらを一気に読むと短期間で理解を深めることができる。


寝ること
寝ている間に無意識下で情報の取捨選択が行われる。
だから寝ることは大事。


忘れることの意味
忘れることは人間の長所である。
学習を行っていくうえでは、自分にとって本当に大切な事が記憶に残る。


発酵させる
寝ている間や一旦仕入れた知識を放置しておくことで、後日別のことをしているときにひらめくことがある。


セレンディピティ
上に書いたようなひらめきのことをセレンデピティと言う。
セレンディピティは何かに集中しているときに、それとは別の周辺の思考で現れることが多いのだが、これを見逃さずにキャッチする。


朝の効用
朝起きたときが脳が一番リフレッシュされていて、これまでに得た知識が整理されている。
だから、創造の時間として最適なのが”朝”である。


メタ・ノート
学んだ内容はまずは手帳のような即座にメモすることができる媒体に保存しておく。
そして、それをメタ・ノートと言って、これまでの自分の知識と融合させた形で新しくノートに残しておく。読書の場合は、手帳に書かなくても本にそのまま書き込むのが良い。
セレンディピティもノートに書き込む。


とにかく書く
書いている時にひらめくこともある。


情報のメタ化
インプットした情報をそのまま脳の中に入れておくのではなく、自分の知識と融合させて、加工した状態で残しておくほうが良い。その方が長期記憶につながるし、応用範囲も広いからだ。




脳を活かす勉強法脳を活かす勉強法
(2007/12/04)
茂木 健一郎

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を読んだことのある方は内容の多くに共通点があることに気付いたはずです。



私は本を読んでいると、時々文章の意味以外の言葉が頭の中を駆け巡ることがあるのですが、これがセレンディピティというものにつながるのでしょうか?実際その時に頭の中に出てきた思考はすぐに忘れてしまうことが多いので、これからはなんらかの形で残しておくことにします。今のところ、本に書き込んでしまうのが一番手っ取り早くていいかなと思ってます。

情報のメタ化と言えば、ブログも有効に活用すればメタ・ノートになりますね。
なるべくメタ化した形で本の内容をブログに載せることができれば、と思います。



容疑者ケインズ―不況、バブル、格差。すべてはこの男のアタマの中にある。


11 11, 2008 | Tag,経済,ケインズ,古典派

本の装飾から想像してケインズ経済学をより深く知るために良さそうだったのでアマゾンから購入した本です。


本書は多用されるケインズ経済学の理論が完全なものでないことを新古典派経済学との比較やナイトの不確実性理論などを引用して指摘しています。

経済学を扱った本には数式やグラフがよく出てくるのですが、本書ではそれを使わずに説明しようと試みられています。

しかし、経済の理論を分かりやすく説明するためにはある程度の数式やグラフを用いたほうが分かりやすいことが読んでいて分かりました。本書を理解するためには基本的な経済学の知識が必要だと思います。

経済学に馴染みのない人には少し難しいかもしれません。実際私には内容が難しく感じました。

容疑者ケインズ―不況、バブル、格差。すべてはこの男のアタマの中にある。 (ピンポイント選書)容疑者ケインズ―不況、バブル、格差。すべてはこの男のアタマの中にある。 (ピンポイント選書)
(2008/08)
小島 寛之

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本書はケインズ理論を元にして行われる公共政策がなぜ効果が薄いのかに重点が置いて説明されていて、他にバブルがなぜハジけるのか、著者が専門にしている選好と意思決定のメカニズムを説明しようとする選好理論にも言及されています。


いい機会だったので古典派ケインズ派の違いをまとめてみました。
古典派

需要と供給の均衡は、価格が自動的に調整してくれるので、政府がわざわざ介入する必要はない、そして、個人が各々で自分の利益を追求していけば、それがその社会全体の利益につながる、というものです。
これが小さな政府という考え方で、アダムスミスは神の見えざる手が全てを良い方向に導いてくれると言っています。

そうは言っても一見、価格はそう簡単に変化しなさそうに思えます。
こう考えるのは短期的な視点によるものだからです。長期的な視点で考えると、価格は変動しているのです。これを価格の伸縮性と言います。

また、古典派の立場では価格が自由に変動するので、労働市場でも賃金が自由に変動することになります。そうすると、労働市場では完全雇用が実現し、非自発的失業者は存在しなくなるのです。
つまり、生産量が常に完全雇用GDP に一致します。そしてその生産量(GDP)は、それに必要な労働量と資本量で決まるので、ケインズ理論で出てきたマネーサプライを利用した経済政策は、実体経済に影響を及ぼさないという結論になります。



ケインズ派

これに対してケインズさんは異論を唱えました。
そもそも価格はそれほど頻繁に変化しないのではないか?価格の調整メカニズムは機能しないのではないか?需要と供給の不一致は数量が自由に変動することで一致するのではないか?と考えたのです。

そして、供給、それ自体が需要を作り出すのではなく、需要が供給を生む、と考えました。
この、需要の変化が生産量の変化を生み出す、というのを有効需要の原理と言います。

この考え方によると、需要の変化が生産量の変化を引き起こすので、引いてはそれがGDPの変化につながります。経済が景気後退状態にある時に政府が有効需要を創出し、GDPを引き上げる、これこそが政府の行う財政政策であり、金融政策なのです。

このように積極的に経済政策を行う政府のことを大きな政府と言います。

付記しておきますが、この理論は古典派と違って、短期的な経済で成り立つ理論です。



これら二つの学派のどちらが優れているということはありません。

ケインズ派的政策は政府の市場介入が過剰になる可能性があるし、古典派的政策は失業・倒産が発生する可能性があります。

短期的な視点ではケインズ派が有用ですし、長期的な視点では古典派が有用です。
そして、世の中が不況の時は価格変化があまり起こらないのでケインズの考える”短期モデル”を、逆に好況で物価が上昇気味のときは価格が変化しやすい古典派の考える”長期モデル”を想定して政策を考えるべきだということになります。



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ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて


11 10, 2008 | Tag,MBA,HBS

MBAという資格は経営者を目指す人にとって今や必要条件なのでしょうか。

成功しているビジネスマンの多くは、このMBAという資格を取得しているような気がします。もちろん、MBAが経営者にとって絶対に不可欠なものではないと主張する人はたくさんいるでしょう。
しかし、MBA取得者の多くは出来るならビジネススクールで勉強することを勧めるはずです。

本書を読むとその理由が分かる気がします。

著者は東大法学部卒、在学中に司法試験合格、卒業後はボストンコンサルティンググループなどで実務を経験した後、ハーバードビジネススクールに入学し、トップの成績で卒業した方です。

非の打ちどころのない経歴ですが、嫌みのない、親しみの沸く文章が印象的でした。

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にてハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて
(2006/11/16)
岩瀬 大輔

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MBAを取得するメリットはなんでしょう?

ビジネススクールに通うメリットは、普通大学では習わない、リーダーシップや戦略、マーケティング、財務と言ったスキルを身につけることです。

さらに、著者が言うには、
  • バックグラウンドが異なる優秀な仲間に出会えること
  • 日本を離れた立場で日本を見ることで、日本にいる時には気付かなかった日本の良いところ悪いところを客観的に見ることが出来ること
  • 優秀な仲間たちとの議論の中で、絶えず自分を見つめなおすきっかけが得られること

をメリットとして挙げています。


日本ではなく、特に、アメリカのビジネススクールに通うメリットというのは、グローバルに優秀な仲間と出会えること。そして日本とは違い、議論を交わしていても、人への批判ではなく、純粋に意見に対する批判が交され、議論が活発になりやすいことなどがあるのでしょう。

ハーバードビジネススクールには現在も各界で活躍している著名人がたくさんいるので、そういう方から直接話を聞けたり、ケーススタディで実際の卒業生の成功体験や失敗体験を共有できることも魅力の一つのようです。ちなみに、楽天の三木谷社長もこのビジネススクールの出身。



リーダーシップ

カモメになったペンギンでも触れましたが、リーダーシップを発揮する上で問題なるであろう、抵抗勢力に打ち克つ方法です。

  • 組織の中で変革に抵抗しそうなのは誰か?
  • 彼らが抵抗する真の理由は何か?

そのパターンを分類すると、

  • なんらかの既得権益を守りたい
  • 双方の間に信頼がなく、変革の意味をきちんと理解できていない
  • 異なった情報をもとに現状の環境を認識しており、そもそも会社にとって変革が有益だと思っていない。
  • そもそも人が変わることができる範囲には限界がある

このように分析すると解決への糸口が見えてきます。そしてどのようなアプローチをとるかというと、

  • 教育とコミュニケーション
  • 参加と巻き込み
  • ファシリテーションとサポート
  • 交渉と合意
  • 操作と仲間への選出
  • 明示・黙示的な強制


このような問題解決の手法を学ぶことがビジネススクールの醍醐味なのでしょう。




MD/MBA

ハーバードビジネススクールには医師の資格を持った学生も多数勉強しているとのことです。医師+MBAをMD/MBAと言う。

例えば、臍帯血移植というのがありますが、ここに着目して臍帯血を保存するサービスを考えて、これをビジネスとして成功させた例がアメリカにはあります。

私が興味深く読んだのは、単に営利を追求するというだけでなく、直接医療行為を行うこと以外に専門知識を活かしてビジネスを行うことで、より多くの患者さんに最新の医療を提供できる可能性があるということでした。



現在の病院には”効率の最大化”という概念が欠けています。利益を追求することは悪いことなのでしょうか?
資本主義社会は利益という一つの指標を追求することで発展してきました。日本の病院は均一な医療を満遍なく行き渡らせるという点では優れていますが、本当に最新最良の医療が提供されているのかは疑問に思うところでもあります。
資本主義を発展させてきた”利益の追求”という概念を取り入れることでもっと日本の医療を良くできる可能性は十分あると思います。

病院経営の効率を高めるためにはどうしたらよいのでしょう?

病院の株式会社化とまでは言いませんが、今までのように病院を経営する人は医師である必要はないと思います(現在は法律で病院長になれるのは医師と決まっている。)。
経営は別機関に任せるという形も出てくるかもしれません。
病院内部の様々な無駄が一掃されるでしょう(例えば、人的資源の利用など。病院の中は本当に無駄多い)。

現在の法律が変わらないとするなら、ビジネススクールを卒業した医師(MD/MBA)が重宝されるのは時間の問題でしょう。



本書には他にも著者がヘッジファンドで働いた経験なども書かれており、株についての見解も欠かれているのでとても興味深かったです。



Don't take yourself too seriously.
Don't compromise your integrity.
Don't drink your own bath water.

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「原因」と「結果」の法則


11 09, 2008

本書は著者から現状に満足していない全ての人たちに贈る本です。

一言で言うと、目の前にある全てのもの(結果)は自分の内面(原因)から生まれたものいうことです。

「原因」と「結果」の法則「原因」と「結果」の法則
(2003/04)
ジェームズ アレン

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  • 思いと人格

  • 私たちの人生は、ある確かな法則に基づいて作られています。
    私たちがどんな策略を用いようともその法則を変えることはできないのです。

    心の中の思いが私たちを創っている。
    私たちは自分の思いによって創り上げられている。

  • 思いと環境

  • 自分の心をしっかりと管理し、人格の向上に努めている人たちは、「環境は思いから生まれるものである。」ということを熟知しています。

  • 思いと健康
  • きれいな思いはきれいな習慣を創りだします。自分の心を洗わない聖者は、聖者ではありません。

  • 思いと目標
  • 人間を目標に向かわせるパワーは、「自分はそれを達成できる。」という信念から生まれます。
    疑いや恐れは、その信念にとって最大の敵となります。

  • 思いと成功
  • 人間は、もし成功を目指すならば、自分の欲望のかなりの部分を犠牲にしなくてはなりません。

  • ビジョン
  • 気高い夢を見ること。
    あなたは、あなたが夢見た人間になるでしょう。
    あなたの理想は、あなたの未来を予言するものに他ならないのです。

  • 穏やかな心
  • 穏やかな心は、真実の海の中・・・水面から遠く離れた、いかなる嵐の影響もおよばない永遠の静寂の中・・・に住んでいるのです。



環境と闘うことは無意味です。なぜなら周囲の環境は自分を映す鏡だから。
環境を変えたければまず自分が変わることです。
自分の中に原因を探すのです。

しかし、自分が変わろうとするとき、自分の中のもう一人の自分である悪魔がささやきます。否定的な言葉をささやかれるのです。

これは私たちの心の中の精神的混乱を表しています。
恐怖や疑いに満ちた思いは、優柔不断で臆病な生き方として、失敗や困難に満ちた環境として、姿を現します。

人間の弱さは、身勝手な欲望から生まれます。

私たちが喜びを感じるためには、精神的調和が必要です。

私たちの思いが、目標と勇敢に結びついた時、それは創造のパワーになります。

そして、自分が思いによって創られた存在であることを理解すればするほど、より穏やかになるのです。


チーズはどこへ消えた?


11 08, 2008

本書は会社という組織に属していない人でも、家族を持つ人やとにかく人とつながりのある、ありとあらゆる人にとって参考になると思います。

ビジネス書の多くに書かれていることですが、今ある現実は永遠に続くとは限りません。むしろ、変わり続けるのが当たり前です。それは長期にしか目に見えないもので、意識していないと気付かないくらいの変化かもしれません。

しかし、この変化に気がつかないと、時代の波に乗り遅れることになります。気づいた時には手遅れになっている可能性があります。


本書は古典的な名著ですが、本書を読むと、“変化”に対する見方が変わります。“変化とは何かを失うことではなく、何かを得ること”なのです。

チーズはどこへ消えた?チーズはどこへ消えた?
(2000/11)
スペンサー ジョンソン

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この物語はチーズを主食にするネズミ2匹と小人2人のお話です。

初め、ネズミも小人も同じチーズの山にありついて安心していました。
ところが、ある時チーズがなくなっていることに全員が気付きます。
ネズミはそこで別のチーズを探しに出かけましたが、小人二人はなかなか新しいチーズを探しに行けません。変化を恐れているのです。
小人のうち一人はやがてチーズを探しに行かなければいけないことに気づき、行動を起こします。その小人は変化を受け入れることができ、最終的には新しいチーズを見つけることができました。
もう一人の小人がその後どうなったかは・・・謎です。


本書のまとめ
  • 変化は起きる
  • チーズは常に持っていかれ、消える。
    ところが、自分のチーズが大事であればある程、それにしがみつきたくなる。

  • 変化を予想して探知せよ
  • チーズが消えることに備えよ。
    つねにチーズの匂いを嗅いでいれば、変化に気づく。
    早い時期に小さな変化に気づけば、やがて訪れる大きな変化にうまく適応できる。

  • 変化に素早く適応せよ
  • 古いチーズを早く諦めて新しい方向に進めば、それだけ早く新しいチーズに出会える。
    従来通りの考え方をしていては新しいチーズは見つからない。

  • 変わろう
  • チーズと一緒に前進しよう。
    自分の愚かさを嘲笑うことで恐怖に打ち勝ち、過去と決別しよう。
    まだ新しいチーズが見つかっていなくても、そのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する。
    チーズがないままでいるより、迷路に出てそれを探したほうが安全だ。

  • 変化を楽しもう
  • 冒険を十分に味わい、新しいチーズの味を楽しもう。
    新しいチーズを見つけるけることができ、それを楽しむことができると分かれば人は行動を変える。

  • 進んですばやく変わり、再びそれを楽しもう
  • チーズは常に持っていかれるから。


本書の中に出てくる”チーズ”は先日紹介したカモメになったペンギンの”氷山”と同じです。どちらの本も”変化”がとても大切なことを寓話という形でとても分かりやすく綴られています。
カモメになったペンギンカモメになったペンギン
(2007/10/27)
ジョン・P・コッターホルガー・ラスゲバー

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東大生が書いたやさしい経済の教科書


11 07, 2008

こちらの本は確かビジネスマンのための「読書力」養成講座で巻末に紹介されていた本でした。

経済のことをもっと知りたいと思っていたのでまずは入門書にあたる本書から読んでみました。

本書の素晴らしいところは内容を平易に書いてあるところ以外に、構成の素晴らしさがあります。”教科書”とタイトルにある通り、平易には書いてありますが、そんなに簡単な内容ではありません。往々にしてあることだと思うのですが、こういった教科書的な本は一回読み通しただけでは後に残る知識はわずかです。本書はそういう点も踏まえて、最初に概略が述べられ、各論が解説された後、最後に問答形式で復習することができるようになっています。もちろん最後の部分を読んだからと言って内容を100%理解できるようになるわけではないのですが、これがあるのとないのとでは大違いだと思います。

東大生が書いたやさしい経済の教科書東大生が書いたやさしい経済の教科書
(2005/01)
東京大学赤門Economist

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本書は
  • 需要と供給
  • GDP
  • マネー
  • IS-LM分析
  • インフレ・デフレ
  • 為替(円安・円高)
  • 国際経済(貿易)
  • 古典派&ケインズ派
を中心に解説されており、これらの知識を駆使して日本とそれを取り巻く経済状況を読み解くというのが主旨となっています。

例えば、

財政政策と金融政策について


景気の回復のための方法として、財政政策(政府が財政支出や税収を増減させて経済に影響を与える)と金融政策(中央銀行が貨幣供給量の増減を通して経済に影響を与えようとする)大きく分けて2つあります。


例えば、政府支出を増やして財政政策を行った場合、GDPはY(GDP)=消費+投資+政府支出+輸出-輸入という式であらわされるので、GDPは増えます。

ここで終わればいいのですが、実際にはこの先があります。

GDPが増えて貨幣供給量が一定であれば、貨幣需要が増えた状態になっているので、利子率が増加します(M=L(Y,i):この式は市場の貨幣供給Mと貨幣需要Lが均衡していることを示し、LはY(GDP)の増加関数で、i(利子率)の減少関数であることを示しています。)(IS曲線)。利子率が増加すると、結果的に企業の投資活動が冷え込みます。そうすると最終的にはGDPは減少することになってしまいます。これをクラウディング・アウト現象と言います。


では、金融政策を行ってマネーサプライを増やしたらどうなるでしょうか?

貨幣の供給量が増えたら、貨幣市場の均衡が働いて、貨幣需要が増えます。そうすると、債券の魅力が落ちて市場に貨幣が集まるように利子率が下がります。利子率が下がると、企業はお金を借りやすくなり、投資もしやすくなります。その結果、GDPは増加します。(LM曲線)

今、各国政府が利子率を一斉に下げていますが、この意味が分かるようになります。


実は上記のように単純な話にならないのが実際の経済の難しいところなのですが、話がややこしくなるので今回は割愛します。

押さえておきたい定義、公式、グラフ
  • GDP=一国において一年間に生産された、すべての財・サービスの付加価値の総額
  • 総供給=総需要を式に表すとこうなる。Y=C+I+G+EX-IM。
Y:GDP、C:民間の消費、I:民間の投資、G:政府の支出、EX:輸出、IM:輸入
  • 経済成長を起こす三つの要因:労働、資本、技術革新
  • マネーサプライと貨幣需要の関係:M=L(+Y,-i) ←本当は+と-はそれぞれYとiの上に付きます。
M:マネーサプライ、L:貨幣需要、Y:GDP、i:投資率。L(貨幣需要)はY(GDP)が増えると増加し、L(貨幣需要)はi(投資率)が減ると減少するということを表す。GDPと利子率を偏するとする2次関数において、LM曲線を作り、これは右上がりの形となる。
  • I(-i) ←これも-はiの上に付きます : これはi(利子率)が下がるとI(投資率)が上がるというもの
  • フィッシャー方程式:実質利子率=名目利子率-予想インフレ率
  • (1+i)=(1+i)E/e 
i:日本の金利、i:アメリカの金利、e:期首の為替レート、E:期末の為替レートの予想。為替レートの決定過程に必要な知識。



本書を読み進めていくと、小泉内閣で竹中さんが行っていた経済政策の意味と、それでもどうして景気がなかなか回復しないのかが分かります。

今回、IS-LM分析に関連した、本書からの学びの一例を挙げてみましたが、実生活で役立てるにはもう少し経済学に慣れ親しむ必要があると感じました。

どの学問もそうかもしれませんが、経済学もやはり全ての経済現象を完璧に説明できる学問ではありません。一つの経済現象に全く異なった見解が平気で出てきたりします。

GDP一つとっても経済規模や人の豊かさを計る完全な道具ではありません。しかし、GDPという指標がなければ日本が成長しているか衰退しているかさえ分からないのです。経済学の知識がないことは時間を計るのに時計を持っていないようなものなのです。

本書を読んで経済学の限界を知った上で、それを最大限使いこなすことが世の中を見ていく上で大切なのだと思います。

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カモメになったペンギン


11 06, 2008

本書が教えてくれることは、先日読んだビジョナリーカンパニーに劣らないかもしれません。

組織をマネジメントして、組織を成長させるための知恵を教えてくれます。
ビジョナリーカンパニーでは実在の企業を例に挙げて解説がされていましたが、本書の主役はペンギンで、寓話形式になっています。

あまり細かいことを書いてしまうと本書を読んだときの感動が薄れてしまうも知れませんので、どういうことを学べるかだけ紹介しておきます。

カモメになったペンギンカモメになったペンギン
(2007/10/27)
ジョン・P・コッターホルガー・ラスゲバー

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変革を成功させる八段階のプロセス
  1. 危機意識を高める
  2. 変革推進チームを作る
  3. 変革のビジョンと戦略を立てる
  4. 変革のビジョンを周知徹底する
  5. 行動しやすい環境を整える
  6. 短期的な成果を生む
  7. さらに変革を進める
  8. 新しい文化を築く

1 → 周囲の人々に変革の必要性とすぐに実行する重要性を理解させなければなりません。この過程でまずは多くの壁にぶつかるはずです。なぜなら人間はまず変化を嫌うものだからです。

2 → チームには優秀かつ適切な人材が必要です。これは昨日のビジョナリーカンパニー・飛躍の法則でも言われていたことです。本書では5匹の個性的なメンバーが登場し、それぞれが重要な役割を果たしています。

3、4 → ビジョンを持ち、戦略を立て、周囲の人々にビジョンを周知徹底させる必要があります。ビジョンを共有することが、目標達成の原動力になるからです。

5 → 障害はできるだけ取り除かなければなりません。ビジョンを共有できない仲間からの野次もそうです。ビジョナリーカンパニーでは、そういうメンバーはバスから降ろすように、と言っていましたが、この物語ではペンギンの集落が舞台になっているのでそういうことはできません。それでも、外野からの圧力に負けないような戦略を作るのです。

6 → 少しの成果でも、目に見えるような成果を提示することが、仲間を率いるためには大切です。目に見えるような成果が出ていれば、上手くいかなかったらどうしよう、という不安から解放されやすいのです。不安はチームの士気を下げます。

7、8 → 変革を止めてはいけません。変化し続けることが当たり前の仕組みを作るのです。今いる場所は永遠に安全な場所ではないのです。


リーダーと仲間がビジョンを共有すると、その他の仲間から思いもかけない良いアイディアが生まれたりします。

本書の中にとても印象に残った箇所がありました。

ペンギンはそもそも自分のために餌を捕ります。もし子供がいれば子供の分だけは親が捕ってきてあげます。そういう性質の生き物なのです。

物語の中でサリー・アンという子供ペンギンが素晴らしいアイディアを生み出し、ペンギンの、自分のためにしか餌を捕らないという問題を解決し、目標達成の手助けをしています。


タイトルにどうしてカモメとあるかは読んでのお楽しみということにしておきます。全てネタ証しをしてしまうと、この本に関しては面白くなくなると思いますので。


寓話形式なのでとても読みやすく、しかし、この短い文章の中に多くの知恵が詰まっています。
この内容をこの短い文章の中に凝縮する物語力もとても見事だと思いました。ビジョナリーカンパニーを読んだ後だったので、余計にそう感じたのかもしれませんが、とても学びの多い、良本だと思いました。



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ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則


11 05, 2008

一昨日に引き続きビジョナリーカンパニーです。
せっかくなので立て続けに読んでみました。

世間でも評価の高い企業にグッドとグレイトがあるとしたら、ビジョナリーカンパニーはグレイトの部類に入ります。ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則ではグレイトな企業がどうしてグレイトなのかについて焦点をあてて解説されていましたが、本書ではグッドからグレイトへ飛躍するためにはどうしたらいいのか?グッドにとどまる会社には何が足りないのかを解説しています。

今回ビジョナリーカンパニーとして登場するのは過去15年間で株式運用成績が市場平均の3倍を超えている、という基準をクリアした11社です。ジレット、アボット、ファニーメイ、ウェルズ・ファーゴ、ウォルグリーンズなどですが、一作目と比べると馴染みが薄いかもしれません。

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
(2001/12/18)
ジェームズ・C. コリンズ

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やはりリーダーが重要なのですが、ビジョナリーカンパニーに必要なリーダーは第5水準のリーダーシップをとれる人です。
第5水準のリーダーは個人としての謙虚さと、職業人としての意志の強さという一見矛盾した組み合わせを持つことを特徴としています。これらの人々は意外なほど控えめで、物静かで、内気であると言います。
メディアに取り上げられがちな派手で強力な個性を持つリーダーは第4水準のリーダにあてはまります。


適切な人材こそが企業にとって最も大切な財産です。企業を成長させるには、目的を決めてからそれに合った人材を選ぶのではなく、初めに適切な人をバスに乗せ、不適切な人にはバスから降りてもらうことの方が大切です。適切な人材を適切に配置し、それからどこに向かうか決めるのです。


それから、厳しい現実を直視することも大切です。そして、厳しい現実を直視した上で、成功への確信は決して失いません。


”ハリネズミの概念”というのがあります。ハリネズミはパッと見では冴えないけれども、いざとなればその体から針を出して確実に自分の身を守り、勝利を収めます。
ハリネズミの概念は情熱を持って取り組めるもの経済的原動力になるもの自社が世界一になれるもの、自社の中に存在するこれらを全て満たす”強み”と理解していいと思います。


そして、企業を統制するためには規則で社員をがんじがらめにするのではなく、規律の文化を持ち、その枠の中で社員にはある程度の自由を与えるのです。これは適切な人材を集めていればこそ可能になります。ビジョナリーカンパニーには”適切な”人材が必須なのです。


流行に飛びつかないというのもビジョナリーカンパニーの特徴です。新技術にやみくもに手を出すのではなく、その技術が本当に自社のハリネズミの概念に一致した利用の仕方ができるかどうかを吟味します。その上で、新技術を使います。


発展の好循環を作る、すなわち発展し続けるには、基本理念を維持し、長期に渡り一貫性を持って、進歩を促し続けることが必要です。そうすれば、成功の歯車がかみ合い始め、発展が加速していくのです。この発展の過程は外から見ると劇的でも内側から見ると実感できないもののうようです。それだけ、少しずつの地道な積み重ねが大切であることを示しています。



読んでいて考えていたのは例えば”アップル”という企業はグレイトではなくグッドの部類に分類されるのか?ということでした。スティーブ・ジョブズのカリスマ性は広く知られているところだと思います。もし今後彼が引退したら、他の多くのカリスマ経営者に頼って経営されていた会社と同様に衰退していくのでしょうか?

いずれにしろ、本書は著者の判断に基づいた本というよりは、膨大なデータを分析した結果をできる限り忠実に載せた本なので、”アップル”の今後がどうであろうと著者を責められるものでは在りません。


私は会社という組織には属していませんが、病院という組織に属しています。こういう経営の概念がもっと病院にも導入されるべきだと思います。ビジョナリーカンパニーが利益の追求を第一の目的としないのだから、病院という組織もビジョンに基づいたビジョナリーカンパニー的運営は可能だと思います。

保険点数の問題もあります(病院は自身で提供するサービスの単価を決めることが出来ない)が、赤字経営の病院が多い中、こういう経営の概念を導入するのも今後の病院運営の一つの手ではないかと思います。



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闘う経済学


11 04, 2008

本書は著者竹中平蔵さんが、経済の基本を理解しつつ、経済学と実際の政治のすき間を埋めることをテーマにして書かれています。

この本を読むと、著者が小泉政権で非常に大きな役割をしていたことが分かるし、具体的にどういうことを行って来たか、小泉政権が唱えていた改革の意味などが分かります。

闘う経済学―未来をつくる公共政策論入門闘う経済学―未来をつくる公共政策論入門
(2008/05)
竹中 平蔵

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当ブログ:ビジネスマンのための「数字力」養成講座 でご紹介したとおり、日本の財政赤字は800兆円です。日本の国家予算が83兆円であることを考えると、その額の大きさが良く分かります。

ドーマーの条件
というのがあるのですが、これはプライマリーバランスを回復させれば、名目経済成長率が金利に等しいか高くなる限り、財政赤字・GDPの発散を防ぐことができるというものです。プライマリーバランスというのは簡単に言うと、国の支出と収入のバランスのことです。つまり、プライマリーバランスを回復させるということは赤字をなくすということです。

では、国の赤字がどうして悪いのかということですが、財政赤字が大きくなると長期金利が上昇したり、インフレになったりします。これらの減少は私たちの生活に直接影響します。また、金利の返済で手いっぱいになってくると、財政の硬直化が起こり、例えば大震災が起きた時などに必要な財政出動ができなくなってしまうかもしれません。

財政の役割には資源分配所得再分配景気の自動調整というものがあるので、これらに財政赤字は悪影響を与えるということです。

これは日本にとって、我々日本人にとってとても大きな問題です。

ではどうすればいいのか?
簡単な話、支出を減らすか収入を増やすしかないわけです。国にとって支出を減らすというのは歳出を削減するということ、収入を増やすということは増税するということです。ここでいきなり増税をすると、さらに消費が落ちることにつながるし、国民の反発も必至です。なので初めは支出を減らすことから始めなければなりません。歳出を減らすのです。

竹中さんたちは歳出を減らすために地方分権化を進めたり、公共事業を減らしたりしました。更には社会保障費にまでメスを入れています。

これが小泉さんの言っていた、痛みを伴う改革ということなのでしょう。

努力の甲斐あり、一般政府財政支出の対名目GDP比が2003年で7~8%だったのが、2008年には4%を切るまでになりました。竹中さんが政策に加わるまで、日本の赤字は増えていく一方だったので、その貢献度がよく分かります。


本書を読んでいると、既得権益にしがみつく官僚や議員には眉をひそめたくなります。このような権力に立ち向かうためにはトップである首相の決断力と、権限が必要なのです。そういう意味で、竹中さんが小泉元首相をリーダーとして信奉しているのが良く分かります。

本書は若干内容が難しめですが、経済学の知識は社会を理解する上で役に立つ知識だと思います。政策の陰に隠れている経済学の知識をもっと知るとニュースもより面白くなるのではないかと思った一冊でした。



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ビジョナリー・カンパニー


11 03, 2008

本書は約10年前の本だけに少し古いと感じるかもしれませんが、それでもビジョナリーカンパニーが世界を席巻する理由などが分かり、とてもタメになる本でした。

冒頭に書いてあるとおり、この本を読んだ人はビジョナリーカンパニーに共通する特徴やダイナミクスを見つけ、これらの結果を基に、実践の場で役に立つ知識を得ることが出来ます。これから起業を考えている人にとって役に立つのはもちろんですが、そうでない人も大企業の繁栄の過程を知ることができるので、読んで損はないと思います。

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
(1995/09)
ジェームズ・C. コリンズジェリー・I. ポラス

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本書は構成が、ビジョナリーカンパニーとして3M、hp、IBM、GE、P&G、ウォルトディズニーやソニーなど18社と、ビジョナリーでない同業他社とを比較しながら解説されているので、とても分かりやすくなっています。


ビジョナリーカンパニーにカリスマはいらないと言います。
カリスマ一人に頼っていると、企業はそのカリスマがいなくなった時に立ち行かなくなります。本書では、その立ち行かなくなった例としてコロンビアピクチャーズが挙げられています。GEのジャック・ウェルチのように有名な経営者もいますが、そもそもGEには他にも優秀な経営者は存在していて、何もウェルチだけが優秀なわけではない、GEが繁栄したのはそれよりも、確かな企業理念に基づく、卓越した組織になっているからだと説明しています。


企業を繁栄させ続けるためには揺るがないビジョン(基本理念)が必要です。
ビジョナリーカンパニーは創業以来一貫した理念を持っています。
企業が継続し続けるためには、常に新しいことにチャレンジして、変わり続けなければなりませんが、変わるのは文化、戦略、戦術、計画、方針などであり、理念ではありません。

例えばウォルトディズニーの基本理念は
  • 皮肉な考え方は許されない
  • 一貫性と細部にあくまでもこだわる
  • 創造力、夢、想像力を活かして絶えず進歩する
  • ディズニーの「魔法」のイメージを徹底的に管理し、守る
  • 「何百万人という人々を幸せにし」、「健全なアメリカの価値観」を讃え、育み、広める
です。


長期にわたって栄え続けるためには常にイノベーションを起こし続けなければなりません。
ところが、初めからヒット商品だと分かってるものだけを作れるわけではありません。失敗はある程度つきものとして、とにかく作り続けることが必要なのです。失敗作は財産だと言う企業もあります。ダーウィンの進化論のように、変異と淘汰を繰り返すことで自然と生き残る商品が出来上がるのです。

3Mという企業はイノベーションを生み出す仕組みを社内にたくさん持っています。一例を挙げると、15%ルールというのがあります。現在だとグーグルが同じような規則を用いていますが、これは就業時間の15%は現在進行中のプログラムではなく、新しい商品を開発するための時間にあてる、というものです。他にも進歩を促すための様々な仕組みを社内に取り入れています。


ビジョナリーカンパニーでは収益が第一の目標ではないというのも特徴的です。
収益も目標の一つに入ってきますが、あくまで理念の実現に付随するものという位置づけになります。

ビジョナリーカンパニーはある意味カルト集団的性格を帯びるような場合があります。強力な基本理念を信仰するカルト集団です。だから、ビジョナリーカンパニーは全ての人にとって働きやすいとは限りません。

しかし、何はともあれビジョナリーカンパニーを作るためには強力な基本理念が必要です。そして、その理念は組織の中全体に行き渡らせなければなりません。全社員がこの理念を共有する必要があるのです。そうすると、CEOを社外から採用するデメリットも見えてきます。GEのジャック・ウェルチはGE生え抜きの人材でした。もし社外から採用した場合は基本理念を余程理解してもらわないといけないことになります。



名著と呼ばれるにふさわしい良書でしたよ。


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ビジネスマンのための「数字力」養成講座


11 02, 2008 | Tag,思考力,数字力,統計

タイトル通り、ビジネスマンの方が読むと、より内容の良さを実感できるかもしれません。
本書は数字力をどうやって身につけ、どうやって活かすかについてビジネスマン向けに書かれています。

ビジネスマンのための「数字力」養成講座 (ディスカヴァー携書 20)ビジネスマンのための「数字力」養成講座 (ディスカヴァー携書 20)
(2008/02/27)
小宮 一慶

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2日前に紹介した畑村洋太郎さんの本、当ブログ:数に強くなるの主張と本質は似ています。できるビジネスマンや経営者は必ずと言っていいほど数字に強いそうです。

それは、人を説得させるためにはあいまいな言葉より数字の方がより説得力を持つし、現状の把握や目標の設定は数字で行わないと明確にならないことからも分かると思います。

数字力を養成するためには上を目指すビジネスマンにとっては必須の力と言えるでしょう。
  • まず、関心を持つ
  • 数字の定義を知る
  • 数字と数字の関連付けができる
  • 基本的な個別の数字を知っている
  • これらの知識を使って未知のことを推論できる
数字だから関心を持たないと頭の中に入ってきません。定義を知ることも一緒です。
無機質な数字はこちらから意味づけをしてあげないと自分のものにはならないのです。

さらに数字を操るためには桁数を間違えないことと、端数を気にしないということが大切です。桁数を間違えない程度に大まかに数字を捉えるのです。

そして、数字に意味を持たせるためには、会社なら似たような会社で比較してみるとか、自分の会社だったら時系列で比較してみることが有効です。

数字力を使うために、覚えておかないとどうしようもない、基準となる数字を紹介します。
  • 日本の人口:1億3000万人
  • 65歳以上の人口割合:20%
  • 2007年に生まれた子供の数:109万人
  • 平成20年度の国家予算:83兆円
  • 日本の財政赤字:800兆円
  • 日本の世帯数:4500万戸
  • 日本のGDP:500兆円
  • 日本の労働分配率(付加価値に占める人件費の割合):60%
  • アメリカのGDP:13兆ドル
  • 中国のGDP:2兆ドル
  • 世界のGDP:44兆ドル
  • 世界の人口65億人
  • トヨタの売上高:24兆円
  • トヨタの営業利益:2兆円
  • トヨタの従業員数:6万8千人

数字はなるべくざっくしりた形に直してみました。その方が使いやすいと思いますので。


この中の数字を使って日本の労働者一人当たりの年間平均給与が算出できます。

(答えは450万円)

大切なことは正確な数字を算出することではなく、だいたいの数字を算出できるようにすることです。



私も数字を使って考える、数字を使って説明してみる、ということを日常の生活の中で実践してみたいと思います。


小宮さんの本は各章で重要な内容が枠で囲まれていたり、太字になっていたりするのでとても読みやすいです。また、巻末のまとめも役に立ちます。



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