スポンサーサイト


-- --, --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


知的生産の方法はずいぶん変わったんだな 「知的生産の技術」 


05 06, 2010 | Tag,知的生産

知的生産の技術 (岩波新書)
本書は昭和の時代からよく読まれている本です。

昭和と今ではずいぶん使える技術が変わってしまったので、すこし時代遅れ感があるかもしれません。

しかしながら、情報の検索、処理、生産、展開をうまく行うという基本的なことは、今の時代にも欠かせません。

情報を収集するために、レオナルド・ダ・ヴィンチのように目にしたもの、手にしたものをとにかくメモしまくる、というのはいつの時代にも共通した手法です。

その後に必要なのは、情報の整理です。せっかく書き留めたメモも必要なときに探せなければ意味がありません。

本書の中には手にした情報をどうやって整理するかということにたくさんのページが割かれています。検索しやすいように自分でファイルして、フォルダを作ってと、いまやパソコン上で簡単にできることを地道にやるわけです。過去に蓄積した情報を自分の力ですばやく見つけることが肝心ですから。

著者の方法はとても工夫されていてすごいなと思いました。しかし、それとともに大変そうだ、とも思ってしまいました。



本書を読んでいると、今はずいぶん恵まれた時代だと感じます。

インターネットの発達によって情報を収集することも、それを記録しておくことも、ずいぶん簡単になっているからです。

今、わたしの知的生産のために活躍してくれているパソコンのソフトにEvernoteがあります。

情報を収集するためには、意識してアンテナを張って、キャッチしていかなければいけません。その過程は昔と変わりませんが、Evernoteのおかげでその後がずいぶん楽になりました。

キャッチした情報はすべてEvernoteに放り込みます。ノートブックの分類やタグの分類がうまくできれば一番いいのでしょうが、それができなくてもご心配なく。検索窓にキーワードを入力すれば簡単に探したい情報にたどり着けます。

情報を収集した後は、Evernoteに放り込んだ情報を組み合わせるなどして新しい知識を作りだすわけです。情報の生産ですね。



今の時代に本書を読む意味とは、小手先のテクニックを手にいれることではなく、情報との基本的な付き合い方を学ぶことだと思います。

個人的には読書の仕方とか、読書ノートの作り方なんかも参考になりましたよ。

知的生産の技術 (岩波新書)知的生産の技術 (岩波新書)
(1969/07)
梅棹 忠夫

商品詳細を見る



スポンサーサイト


ひらめきたかったら、まず手を動かすこと


10 04, 2009 | Tag,数学,創造

先日紹介した世にも美しい数学入門の中一節ですが、しまっておくのはもったいないのでご紹介。

数学者藤原正彦先生の言葉です。


数について何かを発見するためには、数を転がして、ころころと手のひらで弄ぶことが一番重要なんです。足したり、引いたり、ひっくり返したり、想像したりね。そうすると、もしかしたらこうかなという、ちょっとしたきっかけが見つかり、そこから大胆にいろいろ実験してみて、本当そうだったらいよいよ証明にかかる。証明になったらたいていの場合、もう赤子の手をひねるようなものです。そこまで、いろいろ弄ぶんですね。弄ぶというのは、独創に非常に良い影響をあたえます。たとえば美しい文章を読んで理解していても、その人の方席にならない。暗証したり、思い出したりして口ずさんだり、言葉を弄ぶというのが重要だと思いますね。


どの世界でも一緒なんですね。

考えるだけでなく、とにかくやってみる、とことが大事だと。

私の仕事でも、手術を上手くなろうと思ったらたくさん手術をするしかないと思いますし、そうしないと新しい手術方法、治療法の発想も生まれてこないと思います。

それにしても藤原さんという方はとても魅力的な人です。

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)
(2005/04/06)
藤原 正彦小川 洋子

商品詳細を見る




【書評】考えるヒント


07 06, 2009 | Tag,小林秀雄

本書は文芸春秋や朝日新聞に連載していたコラムをまとめた作りになっています。

考えるヒント (文春文庫)考えるヒント (文春文庫)
(2004/08)
小林 秀雄

商品詳細を見る


散文形式になっていて、内容は多岐に渡りますが、本書の中から示唆深いと思った箇所について書いてみます。


ハイ・ファイという言葉。原物再現の効率の高さを表す言葉です。
小林秀雄さんはこの言葉を借りて、文学作品は著者の心理をハイファイするものだといいます。つまり、文学作品は心理をリアルに描写したものだと。

ブログの記事が文学作品と言えるかどうかは置いといて、この文章も言葉という姿を借りた心理描写なのかもしれません。


「姿は似せ難く、意は似せ易し」


逆説的なこの言葉、本居宣長さんの言葉です。
この言葉を小林秀雄さんはこう解釈します。

言葉の力は想像以上に大きく、考えたことを言葉にして口に出すことについてもっとデリケートに考えるべき。また、誰でも似通った考えを持つことはありますが、これを正確に言葉という形で表現するのは難しいことだと。

なるほどと思います。こうしてブログに記事を書く者としては、考えたことを上手く読者に伝えるためにもっと言葉の使い方に気を使わなくてはいけないですね。

考えるヒント (文春文庫)考えるヒント (文春文庫)
(2004/08)
小林 秀雄

商品詳細を見る


創造力を養うために、まずこの本を読んで「アイデア筋トレ」始めてみては? 【書評】アイデアパーソン入門


05 09, 2009 | Tag,知的創造,創造,アイデア

アイデアパーソン入門 (講談社BIZ)アイデアパーソン入門 (講談社BIZ)
(2009/01/08)
加藤 昌治

商品詳細を見る


「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせにしか過ぎない」というのはジェームス・ウェブ・ヤングさんの言葉ですが、この言葉は本書の特徴を端的に表しています。

アイデアを生み出すために必要なのは突出した才能ではなく、直接的な体験や読書や映画などの間接的な体験、知識を組み合わせて、それを一つ上の階層に引き上げるということです。一回のひらめきよりは普段の訓練からいいアイデアが生まれるのです。



まずはアイデアのもとになる要素を蓄える必要があります。

私たちが普段からできることが

「ぶつかる」「押さえる」「ほる」

です。例えば、


○○文学賞決定のニュースをテレで見る。 (ぶつかる)

迷ったものの、素直に受賞作を買って読む。(押さえる)

止まらずに一気読み。過去の作品含めて大人買い。(ほる)




この3つの動機になるのが自分の持っている「好奇心」です。目にしたものをおもしろいと感じるか、もっと知りたいと感じるかで創造のもとになるものを手に入れられるかが違ってきます。カラーバス効果という言葉がありますが、それです。

こうやって創造力のもとを蓄積しておくことがアイデア発想の手がかりになります。何もないところからは何も生まれないのです。



実際にアイデアを広げていくための2技

1.分解
2.ずらし

居酒屋で、高級日本酒専用グラス別料金セット商品にする



例えばこの文章。下線のように分解してみます。

次はオズボーンのチェックリストというのを使って一つ一つの単語から連想ゲームのような感じでいくつもバリエーションを作っていきます。

オズボーンのチェックリスト
1.転用
2.応用
3.変更
4.拡大
5.縮小
6.代用
7.置換
8.逆転
9.結合



居酒屋という言葉なら、スーパーや焼き肉屋や焼鳥屋、ハンバーガー店、ドライブスルー、などに転用、変更してみたり。

高級日本酒という言葉なら高級ウイスキー、高級焼酎、店にある全部の酒、などに変更、代用してみたり。

専用グラスという言葉なら持ち込みマイグラスなどに代用してみたり。


このようにチェックリストをヒントに発想を広げていきます。ここで出てきた言葉は紙に書き出すことが重要です。著者の加藤さんもメモをとりまくることの重要性を強調していました。この時、アイデアの完成度は全く気にしないようにしましょう。アイデアをもうワンランクアップさせるのはまた別の工程になります。


アイデア創出の過程で一番難しいのは、アイデアの原石というか、もとになる手がかりを生み出すことだと思います。本書はそのヒントになる一冊だと思います。




【書評】ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術


02 25, 2009 | Tag,本を書く,知的生産,知的創造

ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術ビジネスマンのための40歳からの本を書く技術
(2009/01/18)
三輪 裕範

商品詳細を見る


本書は仕事をしながらでも効率よく情報の収集と整理を行い、最終的には出版という形で究極(言いすぎ?)の知的生産を行おうというものです。

タイトルには「本を書く技術」とありますが、本を書く以外にもブログ書きにも参考になる点が多いと感じました。やはり、商業誌、本という形で多くの読者に読まれようと思うと、内容もさることながら構成や文章法など、磨かないといけない部分は多いわけで、しかも著者がプロの書き手でないところが余計に参考になります。


本を出版するまでのプロセスは以下の5つに分かれます。


1.ネタ探し

2.ネタにまつわる情報の収集

3.手に入れた情報の整理

4.文章にしてアウトプット

5.そして出版


1,2.

情報収集の部分では読書術についても書かれていました。著者は自宅に二万冊以上の本を所有しているそうで、読書を通じて情報を収集することが一番効率がよさそうです。

著者の読書スタイルは読書のギアチェンジこそするものの、速読とは違って、根本には読んだことが刺激になって自分自身で考えることが大切、ということがあります。


3.

情報の整理という点では、著者はパソコンで読書メモ作りをする本田直行さんのレバレッジメモも試したけれど、手書きによるノート作りが一番いいと主張されています。それは、手書きの方が頭に入るし、何より手書きのノートはパラパラめくることで復習しやすいからだそうです。

たしかに、パソコンはデータ保存という点では優れているのですが、それを参照するときは手書きノートの方がはるかに使いやすいと思います。

といっても、私はこのブログで読書記録を書き続けるつもりなのですが、著者のメモ術で一つ参考になったのは、引用したらページを記しておくという基本的なことです。

心に響くフレーズは時間が経ってからも参照したいはずです。そうした時、メモの中に参照ページを書いておくと便利そうです。これは今までやっていませんでしたがやってみようかと思います。


4.

全体を通じて最も参考になったのは文章づくりの項でした。物書きを本業にしない人にとって「よい文章」とは美しい文章ではなく、「わかりやすい文章」という考え方に基づいています。

①.文の長さを1文40~100時程度の短いものにする

②.あいまいさをなくす

③.接続詞を大切にする

④.数量化する


①.一つの文で読みやすい量というのはある程度決まっています。

②.あいまいさをなくすために修飾語と被修飾語は文の中で近くに配置するといいようです。

③.わかりやすい文章を書くために接続詞を多用して文と文のつながりを考えてみる。あまり接続詞が多いと、実際には読みにくい文章になるので、推敲したら不要な接続詞は削っていく。

④.「非常に」、とか「とても」という言葉でなく、具体的な数字を用いて説明する。


5.

書籍として出版するためには出版社に売り込んだり、最近ではブログから発信し続けるという方法もあるようです。出版社もビジネスを行っているわけですから、時流に沿ったテーマ(売れるテーマ)でなくてはいけません。最近は専門家でなくても出版するチャンスは増えてきているようですので、テーマを見つけた後は行動に移すかどうかが一つのハードルになってくるのでしょう。



文章を書くにあたって最終的に最も大切なのは、とにかく書き続けることでしょうか。「クリティカル・マス」、「クォンタム・リープ」といった言葉があるように量が質に転化するよう日が来るよう努力を続けたいと思います。

そういうわけで今日も私は書き続けます。



本書の至るところに私も好きな本「思考の整理学」が引用されていて、その点も共感できる点でした。



今求められている力【書評】知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ


02 20, 2009 | Tag,知的複眼思考,メタ化,知的生産,創造

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
(2002/05)
苅谷 剛彦

商品詳細を見る


考える力を養うためにヒントとなる一冊。

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる


で紹介されていておもしろそうだったので読んでみました。



タイトルにある知的複眼思考法というのは物事を一つの切り口だけではなく、いろんな切り口から見る思考法のことです。毎日受け取るニュースも味方が変われば、意見も変わることが読んでいると良く分かります。

複眼思考という言葉はメタ認知という言葉と意味が似ています。どちらもステレオタイプの味方ではなく、一つ高いところからものごとを見て考えることを意味します。

実際に複眼思考力を養うためのヒントも載っており、このブログの目指すところも「メタ≒複眼思考」なのでとても参考になりました。



著者は東大で教鞭をとる教授なのですが、印象深かったのは

「過去に読んだたくさんの本や論文のほとんどが今となってはほとんど覚えていない。
ただ、覚えていないからといって、あれだけの量の文献を読んだことは決して無駄になっていない。
それは、考える力、あるいは考え方のさまざまなパターンを身につけたからだ。的確に、批判的に情報を読み取る能力、問題を探し出す能力、問いの立て方と展開の仕方、論理的に自分の力を展開する力、問いをずらしていくことで隠された問題を探っていく方法といった複眼的な思考を身につけることができた。」

という部分です。

このような考え方の著者です。教育者としても専門的な知識そのものより、知識を受け取る過程を学ばせるようにしていたそうです。


以下のようなことが私が本書から得た教訓ですが、

1.「なぜ」と問う
2.目の前の問題を分解してみる
3.前提になっているものはなんなのか考えてみる
4.もう一方(自分以外の議論の参加者)からの視点で考えてみる

5.当たり前のように使っている「概念」を疑う
6.「にもかかわらず」と唱えてみる


日々のニュースでもいかに自分が思考を停止させ、言葉通りに情報を受け取っていたか反省させられました。



本書では複眼的思考力を鍛えるために、読書や文章を書くことのススメについても書かれています。

読書法に関しては批判的読書といって、著者の主張は受け入れつつも検証しながら読むという方法です。「なぜ」と問いながら読書なので、「遅読」ですね。考える読書とも著者は言っています。これはショウペンハウエルの読書についての主張と同じだと思います。


文章を書くことについてですが、これも思考を鍛えるのに役立つそうです。思ったことは頭の外にいったん書き出し、”さらに”考えることが大切と強調されています。



ものごとを色んな視点で見ることが出来るようになるともっと毎日が楽しくなるような気がします。

1~6の教訓
本は批判的に読む
文章は書いた後に推敲する

など実践したいことの多い本でした。



ひらめきと潜在意識 【書評】サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代


02 12, 2009 | Tag,潜在意識,脳科学,情動,認知,選好,無意識,前意識

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
(2008/12)
下條 信輔

商品詳細を見る

本書は意識しないところで私たちの感情や選択に影響を及ぼしている潜在意識について書かれた本です。行動経済学の本なんかでも人間の不合理性は脚光を浴びていますが、その不合理さを説明するのはやはり脳科学しかないのかもしれません。

著者の下條伸輔さんは脳科学の最前線で研究をされている方で、本書の内容も最新の脳科学の知見を反映した内容になっていると思います。



通常私たちが目にするものは意識下か無意識下で「気になることに対して視線が追いかける」と思っていますが、実はそうでもないことが言われています。これは「定位反応」というもので、気になるあの子を目で追いかけるのは、実は目で追いかけるから気になっていくのかもしれないということなのです。同様に、悲しいから泣くのか、泣くから悲しいのかについても同じような説明がされます。

こういうのを「自覚的な選好判断に先だって視線が選ぶ方に偏る」という風に言います。

なかなか認めがたいものがあると思いますが、あらゆる場面で人間の選好には潜在意識が関わってきます。

インプットされる情報は「意識」、「前意識」、「無意識」の中に蓄積されていきます。前意識と無意識が私たちが通常潜在意識と呼ぶものです。

私たちの周りには意識下で処理できないくらい多くの情報があふれていて、これらの情報は意識しなければ忘れてしまって、あたかもなかったかのように思われますが、実はどの情報も脳内にはインプットされ、前意識や無意識にとどまっているとされています。

潜在意識にある情報を活かせるかどうかは、その人がどれくらい今自分の置かれている周辺の状況と潜在意識を結びつけられるかにかかっています。

創造力が豊かな人、ひらめく人というのは潜在意識の活用が上手い人なのです。

世の中の天才と言われる人が世紀の大発明をもう一度行うことが少ないのは、ひらめきが遺伝子や環境、教育、さらにその時代の社会と学問の文脈・状況が絶妙にかみあうことが必要だからでしょう。


天才でない人間が日常の中でひらめくために、

 1.達成したい目標を明確にする
 2.そこに到達するためのプロセスを想像して全体を俯瞰してみる
 3.情報収集をはじめるにあたってその情報が全体のどの部分に位置するか把握する
 4.一方的な情報収集だけでなく、とにかく自分の頭を使って考える
 5.幅広い好奇心のアンテナを立て、周辺からやってくる貴重な情報をキャッチする


ということを意識しておくと良さそうです。
私も心がけたいと思います。




ディープスマートという知識【書評】「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質


02 03, 2009 | Tag,ディプスマート,経験知,知識

「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)
(2005/06/23)
ドロシー・レナードウォルター・スワップ

商品詳細を見る

経験したことのない問題に直面した時に役に立つのがディープスマートです。第6感のようになんだかよく分からないけど、こうしとけば良い気がするという感覚も、何もないところから湧き出た判断ではなく、ディープスマートから生まれたものだと言えます。

目に見えない経験を人に伝えることはとても難しいことだと思います。教科書に書いてあることだけでエキスパートになれるのであれば、誰でもエキスパートになれます。

教科書に書いてない「何か」、本書はここについて書かれた本です。



内容は以下の4つのパートに分かれます。

 1.知識の構築
  経験と専門知識
 2.知識の形成
  信念と固定観念
 3.知識の選別
  社会的影響
 4.知識の移転
  コーチングと指導のもとでの経験



ディープスマートは経験に基づいて形成されます。経験は知識になります。

優秀な経営者は多くの経験を積んでそれを知識に転換することでディープスマートを身につけています。だから、経験したことのない大きな問題にも対処できるのです。


経験したものをディープスマートに転換できるかどうかは個人にかかっています。失敗ですらディープスマートに転換できる経験になり得ますが、自分の中にレセプターが存在していなければ、その経験は「右から左へ」状態で、ディープスマートになりません。

レセプターを身につけるためには、自分が直面している出来事に興味を持っているということです。どんな経験からも何か応用可能な知識がないか探すという貪欲な姿勢が大切なのだと思います。


ディープスマートを身につけるのに理想的な方法は個人の経験にとどまらず、優秀なコーチにつくことです。優秀なコーチの指導のもと練習、観察、問題解決、実験などの経験を積みます。この時、必ず結果がどうあれフィードバックを行うことで、より実践的な経験、ディープスマートが身につきます。



優秀な組織ではコーチによるディープスマートの伝達がうまく機能しているのだと思いますが、そうでない組織に属している人は身近な人で優秀なコーチを見つけて、その人の経験をなるべく盗むようにするといいと思います。

読書もディープスマートを形成する上で有用な集団の一つなのではないかと思います。


本当に役立つ知識とは何か、自分が持っていなくてデキルあの人が持っているものは何か、そしてどうやってそれを身につけるかについて知りたい人にお薦めの一冊です。



【書評】思考のボトルネックを解除しよう!


01 18, 2009 | Tag,思考,ボトルネック

思考のボトルネックを解除しよう!思考のボトルネックを解除しよう!
(2008/08/18)
石川 和幸

商品詳細を見る


ボトルネックという言葉はザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何かに登場する言葉です。
工場などの工程をを想像してみると比較的分かりやすいと思うのですが、例えばAさん、Bさん、Cさんがいたとして、それぞれの人が1時間当たり10個、7個、5個の部品を作ることができるとします。(それぞれが担当する3つの部品で1つの機械が出来上がるとします。) Aさん、Bさん、Cさんの順に横並びになってベルトコンベア上で作業を行うとすると、単位時間に出来上がる機械の数は一番優秀なAさんの能力ではなく、Cさんの能力に規定されることになります。この場合、Cさんがボトルネックということなります。

本書ではこの考え方を知的生産にあてはめて考えています。途中でいくつかのフレームワークやMECE、ロジックツリーが出てきますが、そこは著者がコンサルタントである強みなのでしょう。



思考のボトルネックは、「知識」、「選択」、「生/活力」の3つに分けられます。

知識というのは情報を収集して、加工して、アウトプットするところまでで1セットと考えたほうがよいと思います。知識がボトルネックになる場合は、情報の海に溺れて、必要な情報になかなかたどり着けない状態というのがそうではないでしょうか。

著者の情報収集法の中でいいなと思ったのは、読書は目的別に柔軟に読み方を変えて読む、というものです。ここで初めて言われていることではないのですが、読書に限らず対象によって読むスピードやその方法を変えるのは、効率的に情報を収集する上で大事だと思います。なにせ日々、目に入ってくる情報は膨大ですからね。


選択のボトルネックは、「これは出来そうもないな」とか「今はやめておこうかな」といった、目の前のことにしり込みしてしまう状態に生じています。もしかしたらその前提は間違っていて、簡単とはいかないまでも、なんとかこなすことができるかもしれません。まずは自分の中で築き上げてしまった前提を取り除く必要があります。


生/活力のボトルネックは文字通り、健康など身体的なものから、家族関係などの精神面に影響することまで、もしかしたらこれが一番3つのボトルネックの中で大きな影響力を持つかもしれません。「やる気」がない状態があるというのは私たち共通の悩みだと思いますが、やる気を発揮するには目標を明確に定めることや、最近私もはまっているGTDなんかを利用するといいかもしれません。


何はともあれ、自分の中のボトルネックはどこにあるかを把握するのが先決ですね。

私の場合は「知識のボトルネック」を改善するために、GTDを導入中です。情報収集にもGTDの考え方が使えるかもしれません。この習慣が数年後まで続いているかまだ今の時点では分かりませんが、とりあえず続けてみたいと思います。



創造のヒント「スパークする思考」


12 19, 2008 | Tag,創造,思考

スパークする思考  右脳発想の独創力 (角川oneテーマ21)スパークする思考 右脳発想の独創力 (角川oneテーマ21)
(2008/11/10)
内田 和成

商品詳細を見る


最近、創造力を培う方法や思考術などに興味を持って本を読んでいます。
本書も知的生産をいかにして行うかについて言及している本です。

著者の内田和成さんは、東大工学部を卒業してその後慶応義塾大学でMBAをとり、JAL、コンサルティング会社のBCGで働いたのち、現在は早稲田大学ビジネススクールの教授をされている方です。

本書はタイトルにある通り、思考を飛躍させるための方法について著者なりの考え方を呈示してくれています。

ビジネススクールの教授と言うと、分析や問題解決のプロというイメージがあり、およそ右脳的な思考とは縁遠いように感じますが、本書で著者が強調しているのは直感や自分の内面から生じる発想を重視した右脳的思考です。



「スパークする思考」をするのに最も重要な点は、「問題意識≒好奇心」です。

本や新聞、雑誌、インターネットの情報、人から聞いた情報、テレビからの情報、などなど情報過多と言われるこの時代において、情報を活かすも殺すも自分次第なわけですが、自分の血肉となる情報を身に付けられるかどうかは、いかに好奇心を持ち、問題意識を持ちながら情報に接するかと言えると思います。

インプットされた知識は自分の脳内に蓄えられていくとはいえ、全てすぐに記憶の中から取り出せる状態で保存しておくことは不可能です。

では、どうしたら知識を思い通りに呼び出すことができるのでしょうか?

一つのヒントになるのが、「好奇心」であり、情報の整理となる「インデクシング」です。「インデクシング」というのは、「ラベル付け」のようなものです。自分が得た情報にタグをつけるのです。それらのタグをつけた情報を自分のデータベースの中に保存しておきます。

そうすることで、アイディアを生み出す時にタグを頼りに情報を芋づる式に自分の脳から引き出せるわけです。

どうしても、せっかく仕入れた知識がどこに行ったか分からなくなるようなことが起きますが、それはあまり気にしません。忘れてしまうような情報は自分にとってはその程度の情報なのです。あまり完璧主義でいると良い事はありません。



要するに何をするにしても、問題意識を持ちながら問題に取り組むのです。そうすれば、現象や情報に対して自分なりの思考で脳内に情報を蓄積できますし、それを問題意識に応じて抽出することができます。この繰り返しが「ひらめき」や「創造」につながります。

右脳右脳と言っても、右脳の力は自分ではあまり実感できないものでもあると思います。あまり深く考えず、相応のインプットを行いつつ、自分の直感を信じるようにすれば良いのだと思います。



著者のブログはこちら
内田和成のビジネスマインド



最新記事
Amazon
リンク
Ads
月別アーカイブ
ライセンス
Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
Related Posts with Thumbnails
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。