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なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか 


04 07, 2011 | Tag,パチンコ

なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)
韓国にパチンコが存在していたにもかかわらず、それが駆逐されたというのは驚きでした。

日本では今もパチンコ屋さんに通い続ける人はいますし、テレビをつけても新しいパチンコ台発売のCMが止めどなく流れていました。震災後は減りましたかね。

パチンコ市場の規模は21兆円。かなり大きな市場です。

考えてみれば当たり前のことなのですが、パチンコなどのギャンブルは必ず胴元が儲かるようにできています。そうでなければ、企業として存続することが不可能です。

ときには勝ち続けている人もいるわけですが、残念ながらその陰でさらに多くの人が負けています。ギャンブルに手を染める人たちは、自分だけは特別で、負け込むことはない、自分だけは勝ち組に入っていると思っています。

僕自身はパチンコをまったくやらないので、パチンコの害には無頓着でした。本書を読むことで、パチンコが社会に及ぼす悪影響について知ることができました。

パチンコは誰からも強制されるわけではないので、パチンコ中毒になってもそれは自己責任だという意見もあります。私もそう思っていました。しかし本書では、パチンコの害悪は社会全体で取り組まなければいけない課題だと主張しています

また、本書では韓国にパチンコの廃絶ができて、日本にできないのは政治家やメディアにも責任があると言っています。

パチンコ業界のアドバイザーと称するパチンコ議員や、CMを提供してもらっている広告会社、彼らがパチンコ擁護の立場にまわっているため、いつまでも日本からはパチンコがなくならないのだそう。

途中、著者のパチンコ廃絶に向けての意気込みが強すぎて、ちょっとくどく感じる部分もありました。しかし全体としては新しい視点を提供してくれる一冊でしたよ。

本書を読んで、パチンコ擁護派の意見も聞いてみたくなりましたね。個人的にはパチンコはなくてもいいと思っているのですが。どうなんでしょう。

なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)
(2010/12/01)
若宮 健

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愛するということ


09 02, 2010 | Tag,

  • 誰かに一目惚れしたり、そういう自然発生的な恋愛感情はむしろ愛とは呼ばない。
  • 愛は見返りを期待せずにただ与えるものだ。
  • 愛は訓練を積むことによって培われる一種の技術である。

これが”愛”というものなのか。

新鮮。今まで考えもしなかった。

愛といえば誰かを好きになったり、好きになられたり、そんなものだと思っていた。

人間は与えることで自分の存在を実感するものらしい。これはなんとなく分かるような気がする。

驚いたのは、”愛する”ことが努力次第で上手になるということだ。

そのために必要なのは、
  • 規律
  • 集中
  • 忍耐
  • 最高の関心を抱く
の4つだそうである。なかなかハードルが高い。一瞬だったら誰でも愛することはできるのだろう。長く続けるのが難しいのである。

自分を律して脇目もふらず、”愛する”という意識を持って、対象を愛し続ける。それが愛し続けるということなのだ。


愛するということ愛するということ
(1991/03/25)
Erich Frommエーリッヒ・フロム

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”異性に対する愛”以外にも、”親子愛”や”他人に対する愛”についても書いてある。

この本は、あまり普段は考えることのない”愛するということ”について考える機会を与えてくれる。




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「お節介なアメリカ」 


04 14, 2010 | Tag,イラク戦争

お節介なアメリカ (ちくま新書)お節介なアメリカ (ちくま新書)
(2007/09)
ノーム チョムスキー

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本書は盲目的に権力に追従することに対する警告を発しています。

世界一の経済大国であるアメリカは時に暴力的で、行き過ぎかもしれません。

公表されている大義名分と実際の思惑が違う場合がある。いろいろな意見があると思いますが、こういった見方は知っておいた方がいいかなと思いました。

本書で一番ページを割かれているのは、2003年のイラク戦争の話題です。

大量破壊兵器を保有し、フセインによる圧政を強いられていたとされたイラク。911同時多発テロ事件の首謀者とされているアルカイーダとのつながりも疑われていました。この国に、テロ撲滅とイラクの民主化という大義名分のもとアメリカは侵攻しました。

結局、大量破壊兵器は見つからず、イラクでは現在も紛争状態が続いてます。アメリカのとった行動が正しかったのかどうなのか。

イラク侵攻の裏に軍事産業や石油利権が関わっていたとしたら(イラク戦争 - Wikipedia)、と思うとぞっとします。本書はそのあたりに斬り込んで書かれています。

危険だと思うのは、アメリカがもっともらしい大義名分を掲げた時に、他の主だった国がアメリカに盲目的に追従してしまうことです。アメリカは世界一の経済大国ですし、軍事大国でもあります。その発言力は強力です。

日本はアメリカに対抗できるような軍事力は持っていません。、隣国に対する軍事的な抑止力を持つためにはアメリカに依存せざるを得ないという苦しい事情があります。

世界で2番目に大きな経済大国であるとはいっても、普天間基地説問題然り、それだけではアメリカと対等な交渉を行うのは難しいのでしょう。


そうは言っても、アメリカが暴走するような時は日本を初めとして、アメリカ以外の国が止めないといけないよね、とそんなことを考えさせられる一冊でした。

お節介なアメリカ (ちくま新書)お節介なアメリカ (ちくま新書)
(2007/09)
ノーム チョムスキー

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貧困対策の切り札となりうるか 【書評】ベーシック・インカム入門


05 11, 2009 | Tag,ベーシックインカム,経済,貧困

ベーシック・インカム入門 (光文社新書)ベーシック・インカム入門 (光文社新書)
(2009/02/17)
山森亮

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本書はときどき話題にのぼるベーシックインカムについて解説した本です。

ベーシックインカムとは所得に関係なく、国民一人一人に決まったお金を給付するものです。そして、医療や教育、介護、保育、住居などにかかるお金もほぼタダです。

この制度のいい点はどんな人でもどうしようもない貧困に陥ることが少なくなる点でしょう。最低限のお金や福祉は国から与えられるのですから。

日本にはセーフティネットとして生活保護という制度がありますが、この制度の最大の問題点は現状では保護が必要な5人のうち1人しか保護が受けられていないことです。十分なセーフティネットを行き渡らせるなら、予算も5倍必要ということです。

過去にはアメリカ、イギリス、イタリアで女性を中心としたベーシックインカムの元になるような運動はありました。女性を中心とした、というのには意味があって、女性の家事が労働として認められず、労働の対価として報酬を得られないこと問題だという意見が出てきたのです。著明なところでいくと、過去にはキング牧師やその他のノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンさんやジョージ・スティグラーさんなどもベーシックインカムという制度を支持していたようです。



このベーシックインカムという制度、いいことづくめなような気がしますが、問題点もあります。


1.国民が働かなくなるのではないか?
2.ベーシックインカムの財源は?


1.国民が働かなくなるのではないか?
これに対しては負の所得税という制度を反論に用いています。「負の所得税」というのは一定の基準に満たない所得の人が逆に所得税をもらえるというものです。これなら働いていないと給付をもらえません。この制度のもとではセーフティネットから漏れ落ちてしまう人は助けることができそうです。

働かなくなるのでは?という疑問以前に、現在の労働環境では人は「働きすぎ」ではないのか?という意見もあります。つまり、労働はどんどん効率的になっているのに、はじめに労働ありきなので不要な労働を生み出している可能性があるということです。雇用を前提とした既存の福祉国家の仕組み(保険・保護モデル)は立ち行かなくなってきているという意見です。


2.ベーシックインカムの財源は?
国会の会期が延長されても、あるいは国会を解散して総選挙をやっても、銀行に公的資金を注入しても、年金記録を照合するのにも全てお金がかかります。なのに、特定の話題のみ財源の問題が取りざたされるのはおかしいのではないかというのが本書の主張です。たしかにベーシックインカムが導入されれば社会保険庁などはいらなくなるので、そこから財源を確保できるでしょうし、後世に残しておく財産が必要なくなるので、相続税が100%となり、眠っている国内の資産がベーシックインカムの財源として有効に活用できるかもしれません。



「働かざる者食うべからず」という文化が浸透している日本ではまだまだこのベーシックインカムという制度には馴染めないかもしれません。その原因の一つにすべての人に一律に給付する、という点があるように思います。給付の条件には一定の基準を設けていいのかもしれません。例えば疾病や怪我で労働不能になった人、障害をもって労働不能の人、子供の養育や高齢者の介護にあたっている人などは給付を受けてもいいのではないかと思います。「衣食足りて礼節を知る」という言葉もあります。稼ぎたい人はどんどん稼げばいいわけで、どうしても稼げない人には最低限の生活の保障をしてもいいのではないでしょうか。


今回のベーシックインカムの話は多くの既得権益とぶつかる可能性があり、容易には実現しないような気がします。しかし、実現した世界を想像するとそう悪くないような気もします。個人の創造力には限界があるのでなんとも言えない面もありますが。





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ホリエモンの頭の中 【書評】徹底抗戦


03 12, 2009

徹底抗戦徹底抗戦
(2009/03/05)
堀江貴文

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ライブドア事件から暫く時間が経過し、熱も冷めてきた頃かもしれませんが、ホリエモンこと本書の著者堀江貴文さんは今でもブログやネット、メディアで発言すれば注目される存在です。それだけ堀江さんには世間を動かす行動力やカリスマ性が備わっているのかもしれません。

本書は堀江さんから見たライブドアのこと、ライブドア事件のことについて書かれた本です。

本書の読みどころは事件の当事者の視点からの主張が書かれている点でしょう。

というのも、実際には当事者の本当の声は私たちのところまで届かないことも多いからです。私たちの手元に届く情報は、いつも誰かの視点を通過して届きます。マスコミの報道は常にバイアスがかかった情報と考えておいたほうが偏った意見に翻弄されるのを防ぐことが出来ます。

とは言っても、情報の入手経路は新聞やテレビ、雑誌や書籍、インターネットを介した経路しかありません。この場合犯罪の主犯格とされているような人はなかなか発言する機会がないと思います。しかも、発言できたとしても、もしかしたら主張が加工され、捻じ曲げられて報道されてしまう可能性があります。

堀江さんが発言するたびに注目されるのは、ライブドア事件は何かおかしいと感じている人が意外に多いこと、犯罪を犯していたとしても堀江さんのカリスマ性に惹かれる人が多いこと、ただの怖いものみたさ、と3パターンの人々がいるような気がしますが、「はてな」などの動向を見ていると前2者が結構多いかもしれません。


フジテレビ買収あたりから堀江さんのイメージがブラックなものになっていったと思うのですが、それを助長したのがフジテレビが乗っ取られるのではないかという誤った報道だったようです。企業買収に馴染みのない日本の社会ではこのような企業買収劇は愛社精神を刺激してしまったと堀江さんは少し反省もしてもいますが、これにより国民の恐怖心は高まっていきました。

本書を読んで分かったのは、フジテレビ買収でやりたかったことはテレビ放送にライブドアのURLを貼り付けること、だったそうです。たしかにテレビ放送にURLを貼ることができたらライブドアとしては利用者を大幅に増やすことに成功していたかもしれません。



大きな問題の一つにライブドア株が大幅に暴落して株主が大きな損害を被ったことが挙げられると思いますが、堀江さんの主張としてはこうです。

仮に私が公判で否定している容疑も含めて違反行為を犯していたのだとしても、東京地検特捜部、東京証券取引所、マネックス証券などの証券会社、そして特捜のちょうちん記事を書いたマスコミにも幾ばくかの責任はあるだろう。


会社のファンダメンタルズとあまりに乖離した株価の暴落を招いたのは、マスコミなどの周囲の組織が大きく関係しているというものです。


一貫して堀江さんは問題になっている「偽計及び風説の流布」と「有価証券報告書虚偽記載」についてそもそも犯意などなく、それらを主導したこともない、という主張を貫いています。それで本のタイトルも「徹底抗戦」というものになっているのだと思います。


本書の中には堀江さんの起業家としてのソニー買収の夢や、宇宙開発への挑戦などとともに独房での生活の様子なども書かれていて興味深かったです。

ライブドア事件を別の視点からもう一度見てみるため、ホリエモンの言い分を聞くために有用な一冊だと思います。




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景気対策の前にとりかかるべきこと 【書評】子どもの貧困―日本の不公平を考える


03 04, 2009 | Tag,子どもの貧困,貧困

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)
(2008/11)
阿部 彩

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本書は本当にこわい貧困について学べる一冊です。


日本の世帯所得の中央値(平均ではない)は254万円、その半分を貧困線と言いますが、つまり世帯での収入が127万円以下の家庭は貧困世帯と言えます。日本の社会は一億総中流といって格差のない社会だと言われてましたが、時代は変わりました。格差社会では個人が頑張れば頑張った分、所得が増えて豊かになれるという一面もあるかもしれません。しかし、本当に格差社会は善なのでしょうか。

本書を読むと、それは善ではなく、むしろ悪であると考えさせられます。貧困の解消に早急に取り組むべきだと。


理由の一つは医療の問題です。

昨年のことですが、医療では健康保険に加入していない子どもたちがいることがニュースになりました。

無保険の子ども324人 14市町197世帯が国保料滞納(和歌山)


日本の未来を支える子どもたちの中に十分な医療を受けられない子どもたちがいるという現実がある一方、日々のニュースでは高齢者医療ばかりクローズアップされている点も違和感のあるところです。



もう一つの理由は教育です。

教育を受ける機会は世帯の所得と関係します。
十分な教育を受けれなかった子どもは、他の子どもたちに比べて限られた職種にしか就くことができず、貧困から抜け出す機会が必然的に少なくなります。こうして貧困のネガティブスパイラルができあがります。



医療の問題にしろ教育の問題にしろ、子どもには罪はありません。問題なのは、このままでは貧困層に生まれてきた子どもがいつまでたっても貧困層から抜け出せないという現実です。

貧困層は母子家庭で多いのですが、これは母親が働きに出ても給料のいい職業に就くことができないことや、職を持っても子どもを育てながらだと、収入を増やしていくことは困難なのが現実です。子どもは大きくなっていくのに収入が増えていかないのでは、子どもにかけるお金を減らさざるをえません。このしわ寄せが医療や教育にきているわけです。

離婚しなければよかったんじゃないの?とか、頑張りが足りないのでは?という意見もあるかもしれません。それは一部では正しいのかもしれませんが、貧困のネガティブスパイラルが形成されてしまっている以上、日本の未来のためにもこれをどこかで断ち切る必要があるはずです。

生活保護や児童扶養手当などの社会保障制度はありますが、貧困層を支えるのに十分な補償がされるわけではないようです。また、社会保険料は逆進的な構造といって、所得に占める負担割合が低所得層ほど高くなる仕組みです。


最低限の医療や教育を供給することは当然として、景気回復とともに未来を見据えた子どもの貧困の解消が急務だと思います。



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今年最初の目からうろこ【本】貧困のない世界を創る


01 08, 2009 | Tag,ソーシャルビジネス,マイクロクレジット,ムハマドユヌス,ノーベル平和賞

貧困のない世界を創る貧困のない世界を創る
(2008/10/24)
ムハマド・ユヌス

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著者のムハマド・ユヌスさんは2006年度ノーベル平和賞受賞者で、グラミン銀行という銀行の総裁で、その著者が提示するのは、資本主義社会の新たな方向性です。

本書では著者がバングラデシュという国を舞台に、貧困という問題に対してソーシャルビジネス、マイクロクレジットという武器で立ち向かい、解決を導いていく、その軌跡が綴られています。



ムハマド・ユヌスさんはグラミン銀行やヨーグルトで有名なフランスのダノン社と共同で起こしたグラミン・ダノン社など数多くのソーシャルビジネスを通じてバングラデシュの発展に貢献しています。

ソーシャルビジネスとは株式会社なのですが、目的は貧困を救うとか、「社会の利益になること」に特化したもののことを言います。ソーシャルビジネスでは、株主に対して配当はありません。ビジネスなので、利益を増やすことは大切なことなのですが、もっと大切なこととされるのは、社会への還元です。だから、利益は増資にあてられ、より多くの人に自社の持つサービスを提供することを考えます。

ソーシャルビジネスがNPOやNGOと大きく違うのは、その財源が寄付や政府からの支援金ではないところです。もちろん出資者は必要ですが、基本的には自分たちで利益を出す仕組みを持ちます。NPOやNGOの理念はもちろん素晴らしいと思いますが、財源が他人に依存していることを考えると、見えないところで活動内容などに制限があるかもしれません。ソーシャルビジネスの強みはそういったしがらみのないところです。

ビル・ゲイツさんが慈善事業に出資するようになったこと、そのような行動が大富豪には例外でないことを考えると、ソーシャルビジネスへの出資は今後もますます増える可能性があると思います。おそらく富を得た人が最後に行き着く先は社会への貢献という、人間としての根源的な幸せに関わる部分なのではないでしょうか。


マイクロクレジットは貧しい人々に少額でも融資をする仕組みのことです。グラミン銀行が現れるまで、大きな銀行は担保がないことを理由に融資をしてくれませんでした。やる気やスキルがあってもお金を稼ぐチャンスすら与えられてなかったのです。貧しい人々に融資を行って、「資金が回収できなかったらどうするんだ」、という声が聞こえてきそうですが、実際には創設以来60億ドルの融資を行って、その回収率は98.6%です。銀行としても利益を上げてることが、このビジネスが上手くいっていることの証です。

ここで大切なのは、「融資」であり、「寄付」でないことです。「タダ」は人々からイニシアチブと責任を取り去ります。これは、自助努力や自身より、むしろ依存を奨励することになります。不正すら促進することになりかねません。人々の自立を促し、社会の発展を願うなら、やはり「タダ」は良くないのです。



貧困は国にとっておそらく「悪」です。無用な争いや犯罪を生む元となります。そして、利益を追求するだけの既存の資本主義では貧困は助長されます。それに、環境すら破壊します。

貧困をなくす助けになる新しいビジネスの形がソーシャルビジネスなのです。これこそが新しい資本主義の形なのかもしれません。



本当に刺激的でおもしろい本でしたよ。




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弾言 


10 02, 2008

アルファブロガーで有名な小飼弾さんの著書です。

ブログ:404 Blog Not Foundの著者です。

ブログで垣間見えるとおり、やっぱり小飼さんは普通の人ではないようです。悪い意味ではなく。
発想が独特です。なんというか、尖ってます。

そういう意味で他の成功本とは一線を画すと思います。

内容については賛否両論かも知れませんし、私も全てにおいて納得したわけではありませんが、「こういう見方もあるのか」と自分では考えたことのなかった発想が書かれていたので参考になりました。

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
(2008/09/25)
小飼 弾山路 達也

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さて、この本のフレームワークを考えてみました。

”カネ=ヒト+モノ”

となります。

なんだかとんちみたいですが、この本では”カネ”とは”金”、ではなく”我々が利用できるモノゴトの全て”、と定義されています。
そうすると、”金”とはカネの一部ということになります。

そして、将来はモノの価値が減り、ヒトの価値が高まると予見しています。

残念ながらどういう方法でヒトの価値が高まっていくのかは分からない、
"It's not what is right, it's what is left."(最も重要なのは何が正しいかではなく、何が残るか)
と結論しています。


もう少しフレームワークを分解していきます。

まず、ヒトです。

・時間にこだわる。
カネ以上に時間を節約すべし。
週40時間働かないようにしよう。残業ばかりで学ぶことがないなら、転職を考える。


・情報洪水に溺れない。
テレビを見るな、Webを無目的に見るな、新聞を読むな。

新聞を読むな、はちょっと言いすぎだと思いますが、他は納得です。
時間には限りがありますから。

追記しておくと、小飼さんは能動的に情報は収集しなければ意味がない、ということでこういうことを主張されているのだと思いますが。


・読書をする。
読書は最強の自己投資である。

最近読書関係の記事をよく書いているので詳しくは書きません。

参考までに当ブログ過去記事をどうぞ:本を読む

おおむね、読書の効用を説いている他の方々と同じ主張です。
”問題意識を持ちながら読むことで吸収力が全然変わってくる”、とか、
読んだ後は必ず”自分を読む”ことが必要ということです。


・ブログを書く。
ブログは最強の勉強ツール

これも昨日の読書進化論で紹介したこととほぼ同じ内容です。
ブログのいいところは誰かが見てくれている。反応がある、ということです。
紙の日記と違い、自分に対してフィードバックがあるので継続する力にもなります。

小飼さんの読書についての記事:速読に役立ちそうな5作品とその読み方←天才的に速く読める方なので、参考にしてみてください。


・楽しむ

人間楽しんでやっていることの方が遥かに上達します。


・ヒトの強みはコネである

コネというのはコネクションのことです。
Googleはウェブ上のコンテンツ同士を結び付けるビジネスモデルで2008年5月現在時価総額15兆円です。
トヨタも”交通”というコネクションを利用して成長を続けてきました。

結局ヒトとしての強みは”コネクション=つながり”ということが言えます。



そして、カネです。
個人のお金もバランスシートを用いて管理する。

月々必要なお金、フローを計算することで、ストックを確実に貯めていく。
バランスシートで右側にくる”負債”も自分の資産の一部です。
話がややこしくなってきますが、月々の収支を確実に把握し、ストックに当たる負債と資本を確実に増やしていきましょう、ということだと思います。
こうすることで、転職などのリスクがとりやすくなります。



最後に、モノ、です。
資源は次期に枯渇する。しかし、エネルギー問題を解決することでそれは乗り越えられる。

その解として著者が提案するものを挙げると

・資源の再生(reduce, reuse, recycle)

・太陽エネルギーの効率利用

太陽エネルギーベースの発電(太陽熱、太陽光、風力発電)が今後伸びるだろう、と予見しています。加えて天然ガスの利用についても言及しています。

・コンパクトシティ
都市の集約ということ。

この考え方は新鮮でした。

分散している日本の人口を各地域の、ある程度同じ場所に集めてしまえば、車を走らせるガソリンも少なくて済みます。一つの街で生活するのに事足りるなら自転車など石油資源に頼らないで済む移動手段をメインにすることができるエコの街ができる、ということです。

過疎地域をどうやって救うかばかり考えていました。まさに発想の転換ですね。
この発想なら医療過疎地もできないわけです。

しかし、ここで一つ疑問。
この考え方だと日本の一次産業は衰退するしかないのではないか?

これに対する答えもあるのでしょうか。



最後に今の経済を根本的に変えるような考え方、ベーシック・インカムが提言されていましたので紹介しておきます。

経済学者のミルトン・フリーマンさんが考え出した理論です。

どういったものかと言うと、国民であれば一定金額の支給を国から無条件に個人が受けられるという制度です。

小飼さんの試算によれば一人一人に5万円の支給を行うとすると、国民全員で72兆円が必要。
それをどこから捻出するのかというと、もともとある基礎年金や生活保護などの支給額で13兆円、相続される金融資産が年間30~40兆円、土地も含めると70兆円になるそうです。
だから、支給は可能と。

簡単に言うと、社会そのものを相続する、という考え方です。

あくまで小飼さんの試算なので鵜呑みにしないよう注意が必要ですが、こういう考え方があるというのは知っておいて損はないと思います。



今日も長文になってしまいました。
書きたい内容を短くまとめるというのはとても難しい、とつくづく思います。
分かりやすく書くということと、簡潔にまとめられるようになるというのが最近の目標です。


追記:最も的確な書評と感じた記事を紹介しておきます。
精神科医が読み解く、ビジネス・投資・自己成長のヒントになる本:『弾言 成功する人生とバランスシートの使い方』






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勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan


09 28, 2008

最近出版されたばかりの勝間本です。

まずは内容を簡潔に説明すると、

”勝間さんの著書は色々ありますが、「一貫しているのはより良い日本の社会を作りたい」、ということだと思います。この本は特にそういう勝間さんのコンセプトが表れている本です。ワークライフバランスのこと、教育のこと、女性の労働環境のこと、ワーキングプアの問題などについて触れています。女性の労働環境、ワーキングプアの問題はそれぞれ漫画家の西原理恵子さん、作家の雨宮処凛さんとの対談を通して深く議論されています。”

勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan
(2008/09/27)
勝間 和代

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内容を交えつつ感想を述べます。

まずはワークライフバランスのこと

ワークライフバランスを追求するための仕事の効率化が必要とされています。
どうしてかと言うと、それは仕事以外の時間、例えば家族と過ごす時間などを今よりも増やすことができるからです。家族を持っている人が家族と過ごせる時間は多く持てた方がいいのは当然です。
また、経済的な面から見て、企業にとっても不要な労働は損失になります。長時間労働により社員が疲労困憊していていい事があるわけがありません。病気の問題だって出てくる可能性があります。

私の職業である医者の場合、職場内にこのワークライフバランスの観点が決定的に欠如しています。女性の労働環境の部分でも触れますが、内容は悲惨なものです。
そしてそれを誰も変えようとしない(自分も含めてですが・・・なかなか一勤務医の意見を活かす機会がない)。少なくともそれを変える動きはまだ見えません。

仕組みを変える、という意味では技術的な面で電子カルテは有用だと思います。
大変なのは操作を覚える最初だけです。
覚えてしまえばハッキングできると思います。



次に、教育の問題です。

教育が必要なのは言うまでもないでしょう。子供は社会の資産です。これから社会を担っていく人材に十分な投資しないのは国としていかがなものかと思われます。

国はもっと教育に予算を割くべきだと思います。
公立校の教育レベルの向上もそうです。
また、低所得世帯への教育や養育に関する社会保障が必要です。
さらに所得が低い家庭に生まれてきた子にその責任はありません。そういう家庭の子供にもチャンスは平等に与えられるべきです。どこに才能が眠っているか分かりません。
機会の平等です。



そして、女性の労働環境の問題です。

根強く残る女性に対する差別をなくすことです。
思想的な面でも実際の労働環境の面でも、です。
現在の経済状況の中では限られた資源を有効に使うことが大事です。
その中で女性の労働力、というのは見逃せません。
大学まで出た女性が結婚したとたん、専業主婦になってしまったらこれも経済損失と言えます。


私の母も働く女性でしたが、子どもにとってその姿は尊敬に値するものでした。
残念ながら母は働きながら家事もこなし、口では言いませんが、かなりの負担を強いられていたと思います。
父もそうですが、私たち子供にもサポートする姿勢が必要だったな、と少し反省しています。


医療の現場でも女性医師の雇用環境の問題が時々取りざたされます。
医者の世界はみなさんの想像以上に古い世界です。
女性医師の労働環境を病院内で真剣に検討しているところはあるのでしょうか?少なくとも現場にはそれは伝わってきていません。

医者の仕事は当直もあれば、入院している患者さんに何かあったら飛んでいかなければならない。そんな状況で、結婚をするのは可能かもしれませんが、子供を作るのはかなり困難だと思います。親のサポート、アウトソーシングなんかである程度カバーできるのかもしれませんが、子どもと接する時間を十分確保するのは難しくなるというのが現状です。

だから、出産を機に家庭に入る女性の医師も多いのです。
復帰してももともと勤めていた大きな病院ではなく、クリニックなんかで外来のバイトをして医者を続けているという人も多いのです。
医師一人養成するのにはものすごく莫大なお金がかかります。まさにこれこそ経済損失ではないでしょうか?

思うに、一つの原因として”主治医制”というのがあります。
それに相対する言葉は”シフト制”です。
”主治医制”では主治医になっている患者さんに何かあれば、基本的に夜でも休みの日でも関係なく、患者さんの元に駆けつけなければいけません。
それに対して”シフト制”は勤務時間ごとに患者さんを担当するシステムです。
”シフト制”にすれば、時間外に呼び出されることがなくなるのではないかと思います。

これは女性医師だけではなく、男性の医師の労働条件を変えることにもなるので男性医師の育児参加を促すことにもつながる気がします。


蛇足ですが、ちょっと思ったのが、女性の中にはあまり労働意欲のない人も現実には多いことです。結婚して家庭に入ることが夢、と語る女性も多いのです。

なので、社会全体に対する啓蒙が必要だと思います。



最後にワーキングプアの問題です。

俗にフリーターと呼ばれている人々が頑張っても正社員になりづらい環境が今の労働環境です。
この人たちがどんどん歳をとっていったらどうなるのでしょう。
正社員じゃないので社員としての教育を十分受けていません。また、補償もありません。
そうすると、スキルを習得する機会もないこともあり、仕事の種類が肉体労働などがメインになってきます。その仕事を50歳過ぎても出来るかというと、それは難しいでしょう。
じゃあどうなってしまうかというと、仕事がなくなりホームレスになる、という負のサイクルが出来上がってしまいます。
これは社会問題になるでしょう、ということがこの本の中で言われていて、
この点に関して勝間さんは非正社員と正社員の差別をなくす、などのことを主張されています。



本の内容と言うよりは自分の意見がメインになってしまいましたが、本の内容は抑えているつもり!?です。


今回もそうでしたが、勝間さんの本を読むと、個人的には何と言うか視野が広くなる気がるので、いつもとてもためになります。そして、刺激を受けます。






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