スポンサーサイト


-- --, --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場


09 25, 2009 | Tag,HBS,MBA,ハーバード

MBA(経営学修士)取得は企業内での出世や高額収入を得るためのチケットだ、なんて言われることもあるかと思います。それを手に入れた人は憧れの対象になったりするわけですが、「ビジネススクールって実際のところどうなの?」というのは行ったことない人にとって気になるところだと思います。

著者は大学で文学を学んだあと、ジャーナリストになり、その後ハーバードビジネススクール(HBS)に留学した方。銀行やファンド、コンサルタント出身の人が多い中、変わった経歴をお持ちです。卒業後も、再びジャーナリストとして働かれています。

MBA取得に関しては明るい面ばかりがクローズアップされることが多いですが、本書はビジネススクールの暗い面にも焦点を合わせた本になっています。そのあたりの詳しいところを2年間の学生生活を振り返りながらつづられています。

同じ体験記であるハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にてと合わせて読むとそれぞれの留学体験記が読めて一層おもしろいと思います。

ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場
(2009/05/21)
フィリップ・デルヴス・ブロートン

商品詳細を見る


「世界に影響を与えるリーダーを育成する」のがHBSの使命だそうです。

たしかにHBSは優秀なリーダーを数多く輩出しています。

卒業生で世界的に活躍している人は多く、例えばブッシュ前大統領、ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ、元IBMCEOルイス・ガースナー、日本なら楽天の三木谷社長もそうですし、監訳者となっているライフネット副社長の岩瀬大輔さんもそうです。

著者が言う、HBSが不幸な人間の製造工場というのは、

「HBSは不幸な人間の製造工場なのさ。ぼくらにはとても多くの選択肢があるのに、満足そうなものはほとんどいない。HBSはみんなを不安にさせ、その不安は増す一方だ。何が彼らを変えてしまうのかは、わからない。きっとみんな冷静さを失ってしまうんだろうな。」

ビジネスでの成功を追い求めていけばいくほど、終わりのない苦悩にさいなまれる、というのも一つの真実なのでしょう。

とはいえ、魅力的な面も多いHBS。

卒業生に世界をリードしている人材が多く、その卒業生にコンタクトをとりやすいというのもメリットの一つでしょう。

また、ハーバードビジネスクールには様々な経歴を持った人がいるようです。人種もそうだし、経歴もです。そんな仲間に出会うことも貴重な財産になるようです。

ビジネスを学んでいく過程で得た優秀な仲間、仲間と議論することで仲間から吸収すること、自分を客観的に評価することなどは他では得られない経験になるのだと思います。


私個人的には医師免許を持った人のMBA取得、それをどうビジネスとして生かしていくか、この辺がおもしろそうだなー、なんて考えています。

MBAに興味はあるけど、どんなものかとりあえず知りたい人にとっては本書は良い一冊になると思います。

卒業生の岩瀬さんの著書ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて。こちらも参考になると思いますよ。

ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場
(2009/05/21)
フィリップ・デルヴス・ブロートン

商品詳細を見る
ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にてハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて
(2006/11/16)
岩瀬 大輔

商品詳細を見る


スポンサーサイト


0 CommentsPosted in 経営

儲けのしくみ【書評】コーヒーとサンドイッチの法則


02 02, 2009 | Tag,利益モデル

コーヒーとサンドイッチの法則コーヒーとサンドイッチの法則
(2008/12/05)
竹内正浩

商品詳細を見る

「スターバックスにはなぜサンドイッチが置いてあるのか?」

著者の竹内正浩さんは周りから企業研究オタクと呼ばれるくらいこれまでに日本やアメリカの企業を分析してきたそうです。読んでみると確かに身近な企業が儲けを生み出すしくみが実例を挙げて詳しく説明してあります。身近な例が多いだけに、「なるほど、そうなのか」という内容がとても豊富です。


本書の構成は6つのパートに分かれています。

 1.顧客収益性戦略
 2.顧客維持戦略
 3.製品ライン戦略
 4.範囲の経済戦略
 5.キャッシュフロー戦略
 6.戦略的提携

とコレだけ見るとなんのことか分かりませんが、例を挙げると分かりやすいかもしれません。


顧客収益性戦略

いつも忙しいのになぜか儲からない理由はこの戦略がうまくいっていないからかもしれません。新規顧客の獲得においても、20%の顧客が150~300%の利益を生み出し、逆に10%の利益を生まない顧客で50~200%の利益を失っているという法則があります。つまり、いつも忙しいのになぜか儲からない理由は利益を生み出さない顧客に時間ばかり取られているからかもしれません。時間対効果を考えたほうがよいということですね。


顧客維持戦略

「なぜほとんど仕事をしていないのに儲かっている経営者がいるのか?」

それは、顧客の維持がうまくできているからです。顧客が満足すれば、その顧客は何度も購入してくれることが多いですし、新たに高額商品を購入してくれる確率も新規の顧客より多くなります。また、既存の顧客を満足させ維持するコストは新規顧客の獲得にかかるコストの5分の1といわれていますから、これだと顧客の維持を優先したほうが得ですね。


製品ライン戦略

同じ車なのに、グレードが複数ある場合があります。
これはどいうことなのでしょうか?

例えば街中を走っているベンツやBMWを想像してみてください。ベンツではCクラスやらEクラスやらSクラスとあって、さらにその中でいくつかグレードが存在することが分かります。~クラスというのは基本的に同じ形であることを意味します。なのにそのクラスの中で価格が全然違う。

ウナギ屋で松竹梅とあったら店にとって一番儲かるのはどれでしょうか?

松です。価格の差の割りに鰻の量が少し増えたくらいで原価はあまり変わっていません。だから梅ではギリギリの利益だとしても松が売れれば利益は大きくなります。

車もそれと同じです。クラスの中でグレード分けすることによって儲けが大きく変わってきます。もちろんグレードの高い車が売れるほうが自動車会社は嬉しいのです。


範囲の経済戦略

これは利益に変えられるものは全て利益のネタにしてしまおうという考え方です。スターバックスでコーヒーの他にサンドイッチが置いてあるのもそのためです。実際スターバックスでは飲料が売り上げに占める比率は約70%です。それ以外は別の収益モデルを持っているということです。


キャッシュフロー戦略

ビジネス書ではよく出てきますが、キャッシュを持っていることの大切さです。本書でも売ることで得た現金は早く現金化し、買ったことで支払わなければならない現金は先延ばしにしてキャッシュを常に持ち続けることの大切さが説かれています。

保険会社やキャッシュカード会社が儲かるのは常にキャッシュを持ち続けているからとも言えます。これらの会社は現金が流入してくる時期と、現金を顧客や店舗に支払うまでの時期に時間差があります。集めているお金が莫大ですから、この時間のズレを利用して資産を運用すれば、運用益を手にすることが出来ます。


戦略的提携

マイクロソフトはIBMと提携することでIBMはマイクロソフトのOSを手に入れ、それぞれがソフトとハードの面で相乗効果を発揮しました。また、マイクロソフトは当時中小企業であったにもかかわらず、IBMとの提携でブランド力も手に入れました。

ナイキがスーパースターと莫大なお金を出して契約するのも、スーパースターの影響でそれよりも大きな利益を生み出すことが分かっているからです。



身近にあるビジネスがどのようにして利益を生み出しているかを知るのはおもしろいですね。



2 CommentsPosted in 経営

【書評】小さな飲食店 開店・経営 儲けのバイブル


01 30, 2009 | Tag,経営,小さな飲食店

小さな飲食店 開店・経営 儲けのバイブル小さな飲食店 開店・経営 儲けのバイブル
(2008/11/22)
鬼頭宏昌

商品詳細を見る

本書は小さな飲食店というスモールビジネスを成功させるためのノウハウが詰まった本です。現在の不景気を反映したアドバイスが多く出てくるため、これから飲食店関係でスモールビジネスを始めようと思う人は読んでおくととても良さそうです。

前作小さな飲食店成功のバイブルも良かったですが、本書も前作に劣らず良かったです。


この不景気の中で小さな飲食店を成功させるために大切な原則に業種・業態選びがあります。

著者がこの時代に最も適した業種・業態として選んだのは「串焼き」です。串焼きは客一人に対する利益で考えれば、利益の中に占める原価の割合が低いものだと言えます。さらにお酒と一緒に売ることを考えると、ますます原価の割合は減ります。

原価を下げるという意味では、材料のコストをできるだけ減らす以外に人件費をできるだけカットすることが大切です。著者が目にした多くの赤字店の特徴は、人件費の割合が多すぎるということのようです。

しかし、経営をしていく上で、最も大切なのは人材ともいいます。特にどのような店長を起用するか、どのように店長を育成するかにかかっているとも言えます。店長次第で店の雰囲気が変わり、それはその店で働くスタッフの指揮にも関わります。リピーター獲得要因の一つに「人」というものがありますので、無駄な人件費を削減するというだけで、人材の育成やマネジメントはおろそかにしてはいけないし、店の雰囲気作りとしても大切だということです。



次に立地も大切です。

駅前に出店するか郊外に出店するかは大きな違いです。
例えばクセのある味だけど、有名なラーメン店を買い取ったとすると、郊外に出店するよりは駅前に出店したほうがよいということになります。それは、このような形態のお店は、新規顧客の確保が大切だからです。もちろんリピーターも確保できるに越したことはありませんが、クセのある味なので、初めは興味を持ってもコンスタントに同じ客が訪れてくれるというのは難しいこともしれません。一方、駅前なら人通りがまず違うわけですから、物珍しさにちょっと寄ってみようと思う人もいるはずです。出店を考えいてる業種・業態によって立地を選ぶ必要があるということですね。


最後の部分で、成功する考え方の習慣という部分に、

「起こる出来事そのものに意味はなく、ただ出来事が起きた、という事実があるに過ぎません。そんな出来事に意味をつけるのは常に自分です。」

というセリフが出てきます。

つまり、起きていることは常に正しくて、大切なのはその現実をどう感じ、どう対処するかということだと思いますが、たしかにそうですよね。



0 CommentsPosted in 経営

【書評】ドラッカー先生の授業


01 16, 2009 | Tag,経営,ドラッカー,自己啓発

ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室

昨日に引き続きドラッカー先生に関する本です。

著者のウィリアム A コーンさんはドラッカーさんの教え子で、本書を読むと著者のドラッカーさんに対する深い尊敬の念がとてもよく伝わってきます。

本書は著者が大学院時代に記録したノートや記憶を元に作られたものなのですが、内容は経営に関するものから自己啓発的なものまで幅広くなっており、昨日紹介したマネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]よりはかなり読みやすくなっています。



本書の中から10個のエッセンスを紹介します。

・自信は少しずつ培うもの
自分の専門分野以外でも、縁の下の力持ちになることで自信は培うことができる。成功した姿をイメージするとか、内心不安に感じてても堂々と振舞うなど、ちょっとしたことの積み重ねで自信が築かれていく。


・常識の「根拠」を疑うこと
・経験にとらわれず白紙の状態で挑む

ドラッカーさんが経営コンサルタントとしての仕事で、GEのジャックウェルチさんにした質問

「白紙の団塊から検討するとしたら、この事業に参入しますか?」
「この事業をどう扱うつもりですか?」

この質問を受けてジャックウェルチさんは既存事業のスリム化を進め、株価高騰に大きな役割を果たしました。


・過去の成功にしがみつくと破滅する
 「チーズはどこへ消えた?」ですね。


・二つ以上の分野に秀でる
経営の専門家であるドラッカーさんですが、大学院では法律を学んでいて、博士号をとっています。また、経営以外にも美術の分野で論文を書いてしまうほど多才だったようです。

そんなドラッカーさんですが、読書を通じて幅広く知識を得ることを意識されていたそうです。楽しみのためでもあり、見識を広めるためだったようなのですが、これが本業を行っていく上でも、行き詰ったときなど、様々な場面で役に立ったのだそうです。

本業以外に何か強みとなるようなものを身につけておいたほうが良さそうですね。


・将来は予測できないが切り開くことはできる
・目標は気軽に変えてはいけないが、戦略は状況に応じて素早く変える
変化に柔軟に対応しつつ、断固としたビジョンの元、目標に近づいていく。、


・失敗を恐れない
成功の影には失敗がある。いくつもの失敗の上に成功が成り立っている。


・人材を大切にすること
失敗してもむやみに人材をターゲットにした非難は行わないこと。


・人を率いるにはまず相手を知ること



中でも「二つ以上の分野に秀でる」のに読書の効用を説いている部分が印象的でした。やはり偉人は読書体験が豊富なのですね。見習わないと。

参考記事:チーズはどこへ消えた?

ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室
(2008/09/26)
ウィリアム A コーン

商品詳細を見る




0 CommentsPosted in 経営

【書評】マネジメント - 基本と原則


01 15, 2009 | Tag,経営,マネジメント,ドラッカー

マネジメント - 基本と原則  [エッセンシャル版]マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]
(2001/12/14)
P・F. ドラッカー上田 惇生

商品詳細を見る


本書は「現代マネジメントの父」ピ-ター・ドラッカーさんの著書です。1974年の大著「マネジメント-課題、責任、実践」の抄録を訳しなおしたエッセンシャル版です。抄録の訳、だからか多少実例に乏しく、初めて著者の本を読む人には多少分かりづらいかもしれません。

本書は

マネジメントの使命
第1章 企業の成果
第2章 公的機関の成果
第3章 仕事と人間
第4章 社会的責任

マネジメントの方法
第5章 マネジャー
第6章 マネジメントの技能
第7章 マネジメントの組織

マネジメントの戦略
第8章 トップマネジメント
第9章 マネジメントの戦略

について書かれていて、
この中に45個の小項目(エッセンス)が並んでいる構成となっています。


マネジメントの役割を3つ挙げると、「自らの組織に特有の使命を果たす」、「仕事を通じて働く人たちを生かす」、「社会の問題について貢献する」、になります。企業が社会の中の一組織であることを考えると、マネジメントは組織の中だけの調整にとどまらず、社会そのものの調整という所にまで広がっていくと思われます。


企業の目的というのは「顧客の創造ということに他なりませんが、その基本的な機能には、「マーケティング」、「イノベーション」というものがあります。「マーケティング」は顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにするということです。「イノベーション」の結果もたらされるものは、よりよい製品、より多くの便利さ、より大きな欲求の満足です。


資本主義社会において利益至上主義であることは時々批判の対象になるところですが、企業が生み出す利益の機能についてなるほどと思うことが書かれていました。

 1.利益は成果の判定基準
 2.利益は不確定性というリスクに対する保険
 3.利益はよりよい労働環境を生むための原資
 4.利益は、医療や国防など社会的サービスをもたらす原資

企業から法人税や事業税など多額の税金を徴収しているからこそ、社会福祉が成り立っているのですね。そうすると、やはり資本主義社会において企業は利益を追求するのがあるべき姿と言うことになります。



マネジャーには”部分”に執着せず、”全体”を見渡せる目が必要です。また、そのあらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされるものを調和させていく力が必要です。

そのマネジャーが関与する部分で、「意思決定」の項が参考になります。

意思決定
のエッセンス4つ
 1.答えではなく、問題を明らかにすることに重点を置く
 2.反対意見を出しやすくする
 3.当然の解決策よりも複数の解決策を問題にする
 4.いかなる地位の誰が決定すべきかを問題にする

意思決定のプロセスに反対意見や複数の意見があった方がものごとを様々な面から見ることが出来て、たしかにいいような気がします。会議ではなかなか意見を言わないのが日本人の特徴だと思いますが(無駄な会議が多いせいかもしれない・・・)、マネジャーはこのようなことに気をつけなが全体の進行を進めていくのがいいのだと思います。


マネジメントで気をつけたほうが良いことに、「三人の主人を持つ奴隷は自由人である」というローマの格言にある通り、誰にとっても上司は1人出なければいけないということがあります。組織にとって忠誠の重複は避けなければならないものの一つです。


今となっては多くの経営関係の本が一般向けにも出版されていますが、本書はそれらの多くのエッセンスが詰まったような内容になっています。タイトルにある「基本と原則」は時代を超えて変わらない本質なのですね。



1 CommentsPosted in 経営

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて


11 10, 2008 | Tag,MBA,HBS

MBAという資格は経営者を目指す人にとって今や必要条件なのでしょうか。

成功しているビジネスマンの多くは、このMBAという資格を取得しているような気がします。もちろん、MBAが経営者にとって絶対に不可欠なものではないと主張する人はたくさんいるでしょう。
しかし、MBA取得者の多くは出来るならビジネススクールで勉強することを勧めるはずです。

本書を読むとその理由が分かる気がします。

著者は東大法学部卒、在学中に司法試験合格、卒業後はボストンコンサルティンググループなどで実務を経験した後、ハーバードビジネススクールに入学し、トップの成績で卒業した方です。

非の打ちどころのない経歴ですが、嫌みのない、親しみの沸く文章が印象的でした。

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にてハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて
(2006/11/16)
岩瀬 大輔

商品詳細を見る


MBAを取得するメリットはなんでしょう?

ビジネススクールに通うメリットは、普通大学では習わない、リーダーシップや戦略、マーケティング、財務と言ったスキルを身につけることです。

さらに、著者が言うには、
  • バックグラウンドが異なる優秀な仲間に出会えること
  • 日本を離れた立場で日本を見ることで、日本にいる時には気付かなかった日本の良いところ悪いところを客観的に見ることが出来ること
  • 優秀な仲間たちとの議論の中で、絶えず自分を見つめなおすきっかけが得られること

をメリットとして挙げています。


日本ではなく、特に、アメリカのビジネススクールに通うメリットというのは、グローバルに優秀な仲間と出会えること。そして日本とは違い、議論を交わしていても、人への批判ではなく、純粋に意見に対する批判が交され、議論が活発になりやすいことなどがあるのでしょう。

ハーバードビジネススクールには現在も各界で活躍している著名人がたくさんいるので、そういう方から直接話を聞けたり、ケーススタディで実際の卒業生の成功体験や失敗体験を共有できることも魅力の一つのようです。ちなみに、楽天の三木谷社長もこのビジネススクールの出身。



リーダーシップ

カモメになったペンギンでも触れましたが、リーダーシップを発揮する上で問題なるであろう、抵抗勢力に打ち克つ方法です。

  • 組織の中で変革に抵抗しそうなのは誰か?
  • 彼らが抵抗する真の理由は何か?

そのパターンを分類すると、

  • なんらかの既得権益を守りたい
  • 双方の間に信頼がなく、変革の意味をきちんと理解できていない
  • 異なった情報をもとに現状の環境を認識しており、そもそも会社にとって変革が有益だと思っていない。
  • そもそも人が変わることができる範囲には限界がある

このように分析すると解決への糸口が見えてきます。そしてどのようなアプローチをとるかというと、

  • 教育とコミュニケーション
  • 参加と巻き込み
  • ファシリテーションとサポート
  • 交渉と合意
  • 操作と仲間への選出
  • 明示・黙示的な強制


このような問題解決の手法を学ぶことがビジネススクールの醍醐味なのでしょう。




MD/MBA

ハーバードビジネススクールには医師の資格を持った学生も多数勉強しているとのことです。医師+MBAをMD/MBAと言う。

例えば、臍帯血移植というのがありますが、ここに着目して臍帯血を保存するサービスを考えて、これをビジネスとして成功させた例がアメリカにはあります。

私が興味深く読んだのは、単に営利を追求するというだけでなく、直接医療行為を行うこと以外に専門知識を活かしてビジネスを行うことで、より多くの患者さんに最新の医療を提供できる可能性があるということでした。



現在の病院には”効率の最大化”という概念が欠けています。利益を追求することは悪いことなのでしょうか?
資本主義社会は利益という一つの指標を追求することで発展してきました。日本の病院は均一な医療を満遍なく行き渡らせるという点では優れていますが、本当に最新最良の医療が提供されているのかは疑問に思うところでもあります。
資本主義を発展させてきた”利益の追求”という概念を取り入れることでもっと日本の医療を良くできる可能性は十分あると思います。

病院経営の効率を高めるためにはどうしたらよいのでしょう?

病院の株式会社化とまでは言いませんが、今までのように病院を経営する人は医師である必要はないと思います(現在は法律で病院長になれるのは医師と決まっている。)。
経営は別機関に任せるという形も出てくるかもしれません。
病院内部の様々な無駄が一掃されるでしょう(例えば、人的資源の利用など。病院の中は本当に無駄多い)。

現在の法律が変わらないとするなら、ビジネススクールを卒業した医師(MD/MBA)が重宝されるのは時間の問題でしょう。



本書には他にも著者がヘッジファンドで働いた経験なども書かれており、株についての見解も欠かれているのでとても興味深かったです。



Don't take yourself too seriously.
Don't compromise your integrity.
Don't drink your own bath water.

2 CommentsPosted in 経営

カモメになったペンギン


11 06, 2008

本書が教えてくれることは、先日読んだビジョナリーカンパニーに劣らないかもしれません。

組織をマネジメントして、組織を成長させるための知恵を教えてくれます。
ビジョナリーカンパニーでは実在の企業を例に挙げて解説がされていましたが、本書の主役はペンギンで、寓話形式になっています。

あまり細かいことを書いてしまうと本書を読んだときの感動が薄れてしまうも知れませんので、どういうことを学べるかだけ紹介しておきます。

カモメになったペンギンカモメになったペンギン
(2007/10/27)
ジョン・P・コッターホルガー・ラスゲバー

商品詳細を見る


変革を成功させる八段階のプロセス
  1. 危機意識を高める
  2. 変革推進チームを作る
  3. 変革のビジョンと戦略を立てる
  4. 変革のビジョンを周知徹底する
  5. 行動しやすい環境を整える
  6. 短期的な成果を生む
  7. さらに変革を進める
  8. 新しい文化を築く

1 → 周囲の人々に変革の必要性とすぐに実行する重要性を理解させなければなりません。この過程でまずは多くの壁にぶつかるはずです。なぜなら人間はまず変化を嫌うものだからです。

2 → チームには優秀かつ適切な人材が必要です。これは昨日のビジョナリーカンパニー・飛躍の法則でも言われていたことです。本書では5匹の個性的なメンバーが登場し、それぞれが重要な役割を果たしています。

3、4 → ビジョンを持ち、戦略を立て、周囲の人々にビジョンを周知徹底させる必要があります。ビジョンを共有することが、目標達成の原動力になるからです。

5 → 障害はできるだけ取り除かなければなりません。ビジョンを共有できない仲間からの野次もそうです。ビジョナリーカンパニーでは、そういうメンバーはバスから降ろすように、と言っていましたが、この物語ではペンギンの集落が舞台になっているのでそういうことはできません。それでも、外野からの圧力に負けないような戦略を作るのです。

6 → 少しの成果でも、目に見えるような成果を提示することが、仲間を率いるためには大切です。目に見えるような成果が出ていれば、上手くいかなかったらどうしよう、という不安から解放されやすいのです。不安はチームの士気を下げます。

7、8 → 変革を止めてはいけません。変化し続けることが当たり前の仕組みを作るのです。今いる場所は永遠に安全な場所ではないのです。


リーダーと仲間がビジョンを共有すると、その他の仲間から思いもかけない良いアイディアが生まれたりします。

本書の中にとても印象に残った箇所がありました。

ペンギンはそもそも自分のために餌を捕ります。もし子供がいれば子供の分だけは親が捕ってきてあげます。そういう性質の生き物なのです。

物語の中でサリー・アンという子供ペンギンが素晴らしいアイディアを生み出し、ペンギンの、自分のためにしか餌を捕らないという問題を解決し、目標達成の手助けをしています。


タイトルにどうしてカモメとあるかは読んでのお楽しみということにしておきます。全てネタ証しをしてしまうと、この本に関しては面白くなくなると思いますので。


寓話形式なのでとても読みやすく、しかし、この短い文章の中に多くの知恵が詰まっています。
この内容をこの短い文章の中に凝縮する物語力もとても見事だと思いました。ビジョナリーカンパニーを読んだ後だったので、余計にそう感じたのかもしれませんが、とても学びの多い、良本だと思いました。



0 CommentsPosted in 経営

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則


11 05, 2008

一昨日に引き続きビジョナリーカンパニーです。
せっかくなので立て続けに読んでみました。

世間でも評価の高い企業にグッドとグレイトがあるとしたら、ビジョナリーカンパニーはグレイトの部類に入ります。ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則ではグレイトな企業がどうしてグレイトなのかについて焦点をあてて解説されていましたが、本書ではグッドからグレイトへ飛躍するためにはどうしたらいいのか?グッドにとどまる会社には何が足りないのかを解説しています。

今回ビジョナリーカンパニーとして登場するのは過去15年間で株式運用成績が市場平均の3倍を超えている、という基準をクリアした11社です。ジレット、アボット、ファニーメイ、ウェルズ・ファーゴ、ウォルグリーンズなどですが、一作目と比べると馴染みが薄いかもしれません。

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
(2001/12/18)
ジェームズ・C. コリンズ

商品詳細を見る


やはりリーダーが重要なのですが、ビジョナリーカンパニーに必要なリーダーは第5水準のリーダーシップをとれる人です。
第5水準のリーダーは個人としての謙虚さと、職業人としての意志の強さという一見矛盾した組み合わせを持つことを特徴としています。これらの人々は意外なほど控えめで、物静かで、内気であると言います。
メディアに取り上げられがちな派手で強力な個性を持つリーダーは第4水準のリーダにあてはまります。


適切な人材こそが企業にとって最も大切な財産です。企業を成長させるには、目的を決めてからそれに合った人材を選ぶのではなく、初めに適切な人をバスに乗せ、不適切な人にはバスから降りてもらうことの方が大切です。適切な人材を適切に配置し、それからどこに向かうか決めるのです。


それから、厳しい現実を直視することも大切です。そして、厳しい現実を直視した上で、成功への確信は決して失いません。


”ハリネズミの概念”というのがあります。ハリネズミはパッと見では冴えないけれども、いざとなればその体から針を出して確実に自分の身を守り、勝利を収めます。
ハリネズミの概念は情熱を持って取り組めるもの経済的原動力になるもの自社が世界一になれるもの、自社の中に存在するこれらを全て満たす”強み”と理解していいと思います。


そして、企業を統制するためには規則で社員をがんじがらめにするのではなく、規律の文化を持ち、その枠の中で社員にはある程度の自由を与えるのです。これは適切な人材を集めていればこそ可能になります。ビジョナリーカンパニーには”適切な”人材が必須なのです。


流行に飛びつかないというのもビジョナリーカンパニーの特徴です。新技術にやみくもに手を出すのではなく、その技術が本当に自社のハリネズミの概念に一致した利用の仕方ができるかどうかを吟味します。その上で、新技術を使います。


発展の好循環を作る、すなわち発展し続けるには、基本理念を維持し、長期に渡り一貫性を持って、進歩を促し続けることが必要です。そうすれば、成功の歯車がかみ合い始め、発展が加速していくのです。この発展の過程は外から見ると劇的でも内側から見ると実感できないもののうようです。それだけ、少しずつの地道な積み重ねが大切であることを示しています。



読んでいて考えていたのは例えば”アップル”という企業はグレイトではなくグッドの部類に分類されるのか?ということでした。スティーブ・ジョブズのカリスマ性は広く知られているところだと思います。もし今後彼が引退したら、他の多くのカリスマ経営者に頼って経営されていた会社と同様に衰退していくのでしょうか?

いずれにしろ、本書は著者の判断に基づいた本というよりは、膨大なデータを分析した結果をできる限り忠実に載せた本なので、”アップル”の今後がどうであろうと著者を責められるものでは在りません。


私は会社という組織には属していませんが、病院という組織に属しています。こういう経営の概念がもっと病院にも導入されるべきだと思います。ビジョナリーカンパニーが利益の追求を第一の目的としないのだから、病院という組織もビジョンに基づいたビジョナリーカンパニー的運営は可能だと思います。

保険点数の問題もあります(病院は自身で提供するサービスの単価を決めることが出来ない)が、赤字経営の病院が多い中、こういう経営の概念を導入するのも今後の病院運営の一つの手ではないかと思います。



0 CommentsPosted in 経営

ビジョナリー・カンパニー


11 03, 2008

本書は約10年前の本だけに少し古いと感じるかもしれませんが、それでもビジョナリーカンパニーが世界を席巻する理由などが分かり、とてもタメになる本でした。

冒頭に書いてあるとおり、この本を読んだ人はビジョナリーカンパニーに共通する特徴やダイナミクスを見つけ、これらの結果を基に、実践の場で役に立つ知識を得ることが出来ます。これから起業を考えている人にとって役に立つのはもちろんですが、そうでない人も大企業の繁栄の過程を知ることができるので、読んで損はないと思います。

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
(1995/09)
ジェームズ・C. コリンズジェリー・I. ポラス

商品詳細を見る


本書は構成が、ビジョナリーカンパニーとして3M、hp、IBM、GE、P&G、ウォルトディズニーやソニーなど18社と、ビジョナリーでない同業他社とを比較しながら解説されているので、とても分かりやすくなっています。


ビジョナリーカンパニーにカリスマはいらないと言います。
カリスマ一人に頼っていると、企業はそのカリスマがいなくなった時に立ち行かなくなります。本書では、その立ち行かなくなった例としてコロンビアピクチャーズが挙げられています。GEのジャック・ウェルチのように有名な経営者もいますが、そもそもGEには他にも優秀な経営者は存在していて、何もウェルチだけが優秀なわけではない、GEが繁栄したのはそれよりも、確かな企業理念に基づく、卓越した組織になっているからだと説明しています。


企業を繁栄させ続けるためには揺るがないビジョン(基本理念)が必要です。
ビジョナリーカンパニーは創業以来一貫した理念を持っています。
企業が継続し続けるためには、常に新しいことにチャレンジして、変わり続けなければなりませんが、変わるのは文化、戦略、戦術、計画、方針などであり、理念ではありません。

例えばウォルトディズニーの基本理念は
  • 皮肉な考え方は許されない
  • 一貫性と細部にあくまでもこだわる
  • 創造力、夢、想像力を活かして絶えず進歩する
  • ディズニーの「魔法」のイメージを徹底的に管理し、守る
  • 「何百万人という人々を幸せにし」、「健全なアメリカの価値観」を讃え、育み、広める
です。


長期にわたって栄え続けるためには常にイノベーションを起こし続けなければなりません。
ところが、初めからヒット商品だと分かってるものだけを作れるわけではありません。失敗はある程度つきものとして、とにかく作り続けることが必要なのです。失敗作は財産だと言う企業もあります。ダーウィンの進化論のように、変異と淘汰を繰り返すことで自然と生き残る商品が出来上がるのです。

3Mという企業はイノベーションを生み出す仕組みを社内にたくさん持っています。一例を挙げると、15%ルールというのがあります。現在だとグーグルが同じような規則を用いていますが、これは就業時間の15%は現在進行中のプログラムではなく、新しい商品を開発するための時間にあてる、というものです。他にも進歩を促すための様々な仕組みを社内に取り入れています。


ビジョナリーカンパニーでは収益が第一の目標ではないというのも特徴的です。
収益も目標の一つに入ってきますが、あくまで理念の実現に付随するものという位置づけになります。

ビジョナリーカンパニーはある意味カルト集団的性格を帯びるような場合があります。強力な基本理念を信仰するカルト集団です。だから、ビジョナリーカンパニーは全ての人にとって働きやすいとは限りません。

しかし、何はともあれビジョナリーカンパニーを作るためには強力な基本理念が必要です。そして、その理念は組織の中全体に行き渡らせなければなりません。全社員がこの理念を共有する必要があるのです。そうすると、CEOを社外から採用するデメリットも見えてきます。GEのジャック・ウェルチはGE生え抜きの人材でした。もし社外から採用した場合は基本理念を余程理解してもらわないといけないことになります。



名著と呼ばれるにふさわしい良書でしたよ。


0 CommentsPosted in 経営

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する


10 25, 2008

 事例が多く、難解な内容にもかかわらず、一般の読者にも読みやすくなるように配慮されています。
この本は読んでおいたほうが良さそうです。社会を見る目が変わります。今後どのような企業が伸びていくのか判断するのに役に立ちそうです。

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
(2005/06/21)
W・チャン・キムレネ・モボルニュ

商品詳細を見る


 ブルーオーシャン戦略に相対する言葉はレッドオーシャン戦略です。レッドオーシャンは成熟した商品がしのぎ合う、成熟した市場のことで、例えば現在のエアコンやパソコン、自動車などの市場がこれにあたるのでしょうか。レッドオーシャンでは競争が熾烈なため、多くの利益を得るのは難しく、より多くの利益を得ようと思ったらブルーオーシャンを見つけなくてはなりません。ブルーオーシャン戦略で勝ち残る優秀な商品はキャズムを越えます。
 
 ブルーオーシャン戦略に成功した企業は飛躍的な成長を遂げます。数え上げるときりがありませんが、IBMやアップル、マイクロソフト、アマゾン、Fedex、トヨタ、シルクドソレイユ(サーカス)、ノボ(インスリン製剤)、ブルームバーグ、QBハウス(理髪業界)などなど現在の有名な企業はどれもブルーオーシャン戦略で成功しています。


 ブルーオーシャン戦略とレッドオーシャン戦略は対比させると分かりやすいと思います。前者がブルーオーシャン戦略です。

  • 競争のない市場空間を切り開く ⇔ 既存の市場空間で競争する
     
  • 競争を無意味なものにする ⇔ 競合他社を打ち負かす
     
  • 新しい需要を掘り起こす ⇔ 既存の需要を引き寄せる
     
  • 価値を高めながらコストを押し下げる ⇔ 価値とコストのあいだにトレードオフの関係が生まれる
     
  • 差別化と低コストをともに追求し、その目的のためにすべての企業活動を推進する ⇔ 差別化、低コスト、どちらかの戦略を選んで、企業活動全てをそれに合わせる

 ポイントはいかに消費者の視点に立った商品を作り出すかということだと思います。

 アメリカの自動車業界の歴史を見ると、ブルーオーシャンのことが良く分かります。20世紀初頭、自動車が登場するまでは馬車が人の乗り物でした。そこへ自動車が発明されたわけですが、もともと自動車は高級品でした。しかし、ヘンリーフォードはこれを大衆向けに改良して売りました。結果はご存知の通り、アメリカのビッグ3になるまでになりました。また、GMはラグジュアリー感を売ることでブルーオーシャンを築き、さらにトヨタやホンダは安価で燃費の良い、性能の良い車を市場に送り込むことでブルーオーシャンを築きました。

 このように、ブルーオーシャンは次々に現れ、今のアメリカの自動車業界を見て分かるとおり、いつまでもレッドオーシャンにいる企業は淘汰されていきます。企業に永遠はなく、成長過程で次々にブルーオーシャンを作っていかないと衰退してしまうことの良い例だと思います。

キャズム
イノベーションのジレンマ

とあわせて読むとより理解が深まると思います。



0 CommentsPosted in 経営
最新記事
Amazon
リンク
Ads
月別アーカイブ
ライセンス
Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
Related Posts with Thumbnails
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。