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話すとき、書くときに気をつけたほうがいいこと


08 05, 2010 | Tag,文章力,思考力,コミュニケーション

考えていることを思った通りに伝えることは難しい。

適切な問題提起とそれに対する結論を思いつくのが難しいのはもちろんだ。しかし、それ以外に効果的に相手にメッセージを伝える方法というのが難しい。

効果的に伝えるためにはいくつかのコツがある。


よく言われるのが、結論から述べて、理由を述べていくというものだ。

この方法はまったく正しいと思うが、もう少しプラスして考えといたほうがいいことがある。

それがピラミッド構造というものだ。

5793-412665fd2ef37c05.png

一番上のメッセージが結論に相当するもの。

その下に論拠となるものや、上層部のメッセージを分解したものを並べていく。

このピラミッド構造を作るときに気をつけなければいけないのは、
  1. どのレベルであれ、メッセージはその下位グループ群を要約するものであること
  2. 各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものであること
  3. 各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序づけられていること
である。


さらに、プラスアルファとして、結論の前に相手を引きつけるための導入部があるといい。

導入部では、
  1. 状況
  2. 問題
  3. 疑問
と構造された文章を作る。


文章の技術もスポーツと一緒。反復練習して、型を体で覚える。

はじめは慣れない思考過程に戸惑うことも多いだろうが、やるしかないのだと思う。


考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
(1999/03)
バーバラ ミントグロービスマネジメントインスティテュート

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批判的に考えるということ 


06 29, 2010 | Tag,クリティカルシンキング

哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))
哲学を専門とする、現役の大学准教授による一冊です。

哲学というと、普段なかなか接することのない学問ですが、思考法という点から見るとずいぶん近い存在なんだなと思いました。

ものごとを初めからうのみにするのではなく、まず疑ってみることは大切です。

ちまたにあふれた情報や議論の相手が言っていることが正しいとは限らないからです。

そのために、クリティカルシンキング(批判的に考えること)が役立ちそうです。


本書ではクリティカルシンキングを
  1. 議論の明確化
  2. 前提の検討
  3. 推論の検討
を行うことである、としています。


1はいったいこの話は何を言っているのか、何が言いたいのかを見極めるということです。話が長いだけで何が言いたいのかよく分からない話はしばしば経験します。

2は文脈とか背景、とも関連します。たとえば医師と患者では持っている前提が違います。一方的に話をされている場合でも、前提はなんなのか見極める必要があります。

3は前提から主張(言いたいこと)に結びつけるための推論の吟味です。推論には引用文献やウェブ上の情報、いろいろあると思いますが、何をもとに推論を成立させているかが問題です。推論の根拠となる情報が正しいとも限りません。


参議院選を前にして、各政党がいろんなことを言っています。

例えば消費税増税問題はどうでしょうか。

民主党、自民党は消費税を10%に増税することを目標にしています。

その前提にあるのは、表向き日本の債務過多という財政問題です。

個人的には、ギリシャショックの教訓を生かして早いうちに増税に踏み切るのは悪ことではないと思っていますが、別の前提からは違う意見が出てきます。

もっと一人一人の国民に焦点を合わせると、消費税は逆進性が強く低所得者にとっては不利とか、消費税は国民の生活を圧迫し、消費を鈍らせるため景気回復にブレーキをかける、という意見が出てきます。

どちらも本質的なところは、国民の生活をよくしようというものですから、間違ってはいないと思います。長期的な視点か短期的な視点かの違いです。なかなか結論が出ないのは、このように前提が少しずれているからだと思います。


債務過多は今はよくても先々まずいことになります。

いっときの苦痛を受け入れるか、それを先延ばしにして大きな苦痛として受け入れるのか。

どちらの方が賢明でしょうかね。


増税するにしても、今の事業仕分けをもっと大胆に進めていってほしいということ、逆進性を緩和するような課税の工夫が必要だとは思います。


哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))
(2005/07/06)
伊勢田 哲治

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ちょっと話はそれましたけど、本書の巻末にはおすすめの参考書籍も掲載されており、興味の対象を広げることができます。



【本】ゲーム理論の思考法


03 16, 2010 | Tag,囚人のジレンマ,ゲーム理論,戦略的思考

ゲーム理論の思考法
下に書いてあるのははゲーム理論の入門書「戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法の一節だそうです。

戦略的思考とは、相手がこちらを出し抜こうとしているのを承知した上で、さらにその上をいく技である。

こういう思考法というのは、交渉を有利に進めていく上で大いに役立つと思います。MBAの授業なんかでも教えられているらしいです。ビジネスパーソンにとって知っておいて損はない思考法なのでしょう。


囚人のジレンマはゲーム理論の代表です。

内容は囚人のジレンマ - Wikipediaに詳しいです。

簡単に言うと、囚人Aと囚人Bがお互いに自分の利益を最大限にしようとしてとった行動が、二人同時に最大利益を満たすような行動にはつながらないというものです。これがジレンマと呼ばれるゆえんです。


今日紹介する本の中には囚人のジレンマ以外にも、コーディネーションゲーム、チキンゲーム、ホテリングゲームといった興味深いゲームが紹介されていました。なぜ駅前にラーメン屋が集中するのかというのはホテリングゲームで解説されているのですが、なるほど納得といった具合でした。


囚人のジレンマは二国間における核開発の問題とか環境問題なんかに応用できるみたいなんですね。他にも日常生活で応用出来る場面があるとのことです。ところが、自分で応用しようと思っても使いこなすのが難しい。

例えば囚人のジレンマを使って考えるときには、2×2の表を作りますね。
5243-412664eb4fd88e9a.png
実際にはこの時の点数付けが難しいんじゃないかと思うんですよね。だから、なかなか日常生活で応用することができない。

でもゲームの種類や構造がわかるだけでも相手の出方を知るのには役立つと思います。ゲーム理論は今後も勉強していきたいと思うテーマですね。

ゲーム理論の思考法ゲーム理論の思考法
(2009/09/01)
川西 諭

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【本】考具 ―考えるための道具、持っていますか?


03 04, 2010 | Tag,アイデア,創造力,考える力

考具 ―考えるための道具、持っていますか?
著者は博報堂で日々アイデアづくりに励まれている方です。初版が2003年で現在第29刷ですから、本書の人気が伺えます。

アイデアづくりの本質的なところから細かいテクニックまでいろいろと参考になる部分がありました。

私の場合、まあ、そんなにアイデアを求められることもないのですが、何か新しいことができないか時々考えたりします。なので、クリエイティブな人間になりたいとこういう本を手に取っています。


本書では、考えるための道具、「考具」が21個紹介されています。

ポストイットからマンダラート、マインドマップといった小技から、新しいアイデアを考えるための本質的なことも書かれていました。



新しいアイデアは既存のアイデアの組み合わせである

特殊な能力を持った人だけがいいアイデアを考えているかというとそうでもない、と著者は言います。誰でもいいアイデアを作れると。

勇気づけられます。

本書に掲載されている「考具」はそのための道具です。



アイデアを生み出すためにはインプットの量を増やすこと

アイデアのもとになるものが必要です。何も無いところからアイデアは生まれないということです。

たくさん本を読んだり、映画を観たり、TVでもいいのかもしれない。とにかく考えるための材料を増やすということです。

注意したいのは本書の中の以下の言葉。

アイデアあふれる人たちとそうでない人たち。見聞きしている物事はほぼ同じ。違いは意識しているかどうかの一点。


ただなんとなく見たり聞いたりしていてはいけないということですね。アウトプットベースで考えていく。

意識しようと思っているんですが、これがなかなか難しい。

「考具」としてカラーバス効果やフォトリーディングが紹介されていましたが、これらは先にアウトプットの目標があって威力を発揮するものなんですよね。



アイデアを生み出すためには日頃からアウトプットも増やすこと

メモすることの効用は、頭の中にあるものを外に出す作業をすることにある。手を動かすことでモヤモヤしたところから出す。不完全であっても一度確定させる感覚。


モヤモヤの中からいいアイデアが生まれたり。なんの関係もない思いつきからいいアイデアが生まれることもあるそうですよ。いちいちメモしておくことは大切ですね。メモメモメモです。

考具だと、マンダラートとかマインドマップが使えそうです。

できるだけ絵で考える。


シンプルだけど効果がありそう。言われてみてはっとしました。わかってたけど、あまり実行に移せていない。今度こそ取り入れることにします。


マインドマップはときどき使っているので、今気になっているのはマンダラートですね。iphoneアプリ、iMandalArtを買おうかどうか思案中です。



なんとなくこのままじゃいけないような気がする人、ちょっと視点が変わるかもしれません。おすすめの一冊です。

考具 ―考えるための道具、持っていますか?考具 ―考えるための道具、持っていますか?
(2003/04/04)
加藤 昌治

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ロジカルシンキング入門 「考える力」


02 24, 2010 | Tag,ロジカルシンキング

今日の一冊は、わかったようでわからない、身についたようで身につかない、ロジカルシンキングについての本です。

考える力 (イノベーションクラブBook)
著者はコンサルタントとして、企業向けに定額制社員研修サービスなどを行われている方です。トーマツイノベーション株式会社の代表取締役です。


今までのロジカルシンキング本では、例えばロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)問題解決プロフェッショナル「思考と技術」などが有名です。

これらが標準書なら、本書は入門書です。

難しい言葉は一切使わずに「課題発見」、「解決策」、「実行」、「検証」というプロセスを学ばせることを目的にしていると思います。

ポイントの一部を挙げると、
  • 「なぜ」と問いかけるクセをつける
  • メリット・デメリットに分けて考える
  • 3つにまとめる(類似点を探し出して複数あるアイデアを少なくまとめる)
  • フレームワークを利用して思考にいかす
などです。

いつでもどこでも「なぜ」と問いかけることで課題発見を行う。
解決策を考えるためには課題に対して「なぜ」と問いかける。
散財しているアイデアを少なくまとめる。
PDCAとか、マーケティングの4Pとか、フレームワークを利用する。

ちょっとしたことなんですけど、意識付けが必要でしょう。本書にはこうした思考訓練のための練習シートが付録としてついています。買った人はそれを使って練習するといいかもしれません。

個人的にこの本を読んで、自分に足りないなと感じたことは、「紙に書いて考える」と「人に説明し意見交換する」というものでした。

頭の中だけで「なぜ」の問いかけを繰り返しても、いつの間にか思考が停止していることがよくあります。紙に書いて考える事の重要性を再認識しました。

「人に説明し意見交換する」というのはアウトプットすることで、考えを整理、ブラッシュアップするといういわゆる検証の過程です。会話ではなかったとしても、ノートやブログなど一旦何らかの形で脳の外にアウトプットする。もう少し意識的にやろうと思います。


次のステージへはコチラから

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)
(2001/04)
照屋 華子岡田 恵子

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問題解決プロフェッショナル「思考と技術」問題解決プロフェッショナル「思考と技術」
(1997/01)
齋藤 嘉則グロービス

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【関連記事】


考える力 (イノベーションクラブBook)考える力 (イノベーションクラブBook)
(2009/10/17)
イノベーションクラブ

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思考癖を自覚して正しく考える 「考えることの科学」


01 07, 2010 | Tag,論理,思考力,考えること,総意誤認効果,自己評価の誤認,認知的不協和理論

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
今日の一冊は心理学の先生によるもの。著者は大学で教鞭をとられている方です。

以前に書いた正しく考えるためにと同様、前件否定の錯誤や後件肯定の錯誤なども出てきます。本書ではさらに「正しく考える」ときに邪魔になるバイアスのことなどにも触れられています。これは行動経済学の話でもよくでてきます。

今回私は本書の中にでてくる、社会心理学に関連した3つの効果を覚えておくといいと思いました。

  • 総意誤認効果
  • 自己評価の誤認
  • 認知的不協和理論

総意誤認効果

例で示すと、タバコが好きな人は、タバコが嫌いな人に比べて、より多くの人間がタバコ好きだと推測しやすいというものです。

自分が行っていることは、きっとみんなも行っているはずだと思ってしまう傾向。思い当たる節があるのではないでしょうか。

私が本を読むのが好きだからといって、みんなもそうとは限りません。思ったよりも本好きは少ないかもしれませんよね。



自己評価の誤認

自分の位置を推測すとき、自尊感情を守る方向に流れてしまうというものです。
  • 自分はリーダーシップを平均以上に発揮できている。
  • 自分は他の人より他者とうまくやっていくことができる。
  • 自分は思ったより仲間に好感をもたれている。
などなど。

こういう思いこみは時々自分自信にもあてはまるな、と。反省しました。謙虚さは大切ですね。



認知的不協和理論

すでに車を買った人が、買ったあとに自分の車の広告を見るか、他の競合車の広告を読むかを調べた研究があります。

競合車の広告を読めば、その良いところがいろいろ書いてあるので、自分がそれをもっていないことと不協和を起こす可能性が高い。そこで、むしろ自分の買った車の広告を見るほうが多くなるというものです。

要するに、人は自分の考えに合っていることや、自分に都合のよいことに向かって積極的に情報収集をし、都合の悪い事は直視したがらないものなのです。

これも無意識に自分がおこなっていたことだったのでびっくりしました。名前のついた理論になっているのですね。



総意誤認効果、自己評価の誤認、認知的不協和理論。

気に入ったものを3つピックアップしてみましたが、本書の中にはハッとさせられる推論の落とし穴がいろいろと書いてあります。論理とかそういうのが好きな人はぜひどうぞ。

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
(1997/02)
市川 伸一

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劇場のイドラに踊らされるな 「正しく考えるために」


12 27, 2009 | Tag,論理,論理学,思考力,考えること,前件否定の誤り,後件肯定の誤り

正しく考えるために (講談社現代新書 285)
イドラというのはフランシス・ベーコンが名付けたわれわれの心の中に潜む”偏見”のことです。
劇場のイドラというのは、権威の盲信から生じる幻影(≒偏見)のことを言います。

必要な情報へのアクセスが格段によくなった今、多くのことを知る機会が増えていると思います。
考えるために知ることが通常のプロセスなのに、今では誰かしらの解釈がすぐに手に入ります。

そんな状況では気付かないうちに劇場のイドラに踊らされていることもあるのではないでしょうか。


正しく考えるために「知る」ことは必要だが、多くを知っていれば正しく考えられるわけではない。

このフレーズはとても胸に刺さります。

自分で考えていると思っていることが、誰かの受け売りになっている可能性があるということです。

私にとっても耳の痛い話です。


では、正しく考えるためには実際にどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?

情報の出し手を批判的にみてみることが時に必要です。
批判的に考えてみるときに論理学が役に立ちます。



例えば、前件否定の誤り

「PならばQである。Pである。ゆえにQである。」

これが成り立つときに、

「PならばQである。Pでないなら、Qでない」としてしまう誤りのことです。

「雨が降れば道路が濡れる。雨が降っていないから、道路は濡れていない」という文章。

これがおかしいことには意味を考えるとわかると思います。
実際には雨が降らなくても、道路が濡れることはありますよね。
水道管が破裂したとか、誰かが水をまいたとか。レアケースですが。


もうひとつ。後件肯定の誤り

おなじく、「PならばQである。Pである。ゆえにQである。」

これが成り立つときに、「PならばQである。Qである。ゆえにPである。」としてしまう誤りのことです。

ややこしいですが、「PならばQである。Qでない。ゆえにPでない。」なら正しいのです。

これも「雨が降れば道路が濡れる。」で考えてみましょう。

「雨が降れば道路が濡れる。道路が濡れている。ゆえに雨が降っている。」

例文で考えてみると、これもおかしいことに気付きます。
やはり道路が濡れている理由は水道管が破裂したとか他の理由からかもしれないですよね。

「Qでない。ゆえにPでない。」に対応する「道路が濡れていない。ゆえに雨は降っていない。」

これなら正しいですね。



私の場合はどうしても受け取った情報の整合性を保ちたいがために、多少違和感があってもそれを飲み込んで理解したと考えたくなる癖があるようです。

誰かの意見に耳を傾けるときは、こうした論理の過ちに気付くと正しく批判できるような気がします。


批判的に考えるための論理学のツール、「前件否定の誤り」、「後件肯定の誤り」、そして道路と雨の例、このあたりは覚えておくといいかなと思いました。

正しく考えるために (講談社現代新書 285)正しく考えるために (講談社現代新書 285)
(1972/07)
岩崎 武雄

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コンサルタントはこう考える 【書評】過去問で鍛える地頭力


07 17, 2009 | Tag,地頭力,フェルミ推定,ロジカルシンキング,MECE

企業や何らかの組織で、困ったことがあると頼りになるコンサルタントという職業ですが、彼らはどうして様々な問題に対して適切な解を導き出せるのでしょうか。

分からないことがあればすぐにググって答えを見つけるという態度は悪くはないのですが、問題が複雑になるほど直接的な解は見つけることができません。ググってすぐに見つかるのは人口や面積といった公表されている統計数字に限られるでしょう。パソコンの前で見つかるはずのない答えをずっと探すのは非効率的です。それよりは解を導き出すための数字だけ拾って、自分の頭で答えを導き出した方が効率的です。

コンサルタントは少ない情報を組み合わせて、問題を解決に導く頭脳集団と言えるでしょう。しかし、彼らが特殊な能力をもともと持っていたのかというと、私はそう思いません。おそらく本書で取り上げるような思考の訓練を何度も何度もやって身につけたのではないかと思います。

本書にはコンサルタントが具体的にどのような思考過程をたどって答えを導き出しているかが書かれているのでとても斬新です。

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題
(2009/06/26)
大石 哲之

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本書には有名な「シカゴのピアノ調律師は何人?」や、「日本の温泉旅館の数は?」や「羽田空港の1日利用者数は?」などのフェルミ推定の問題が10掲載されています。他にビジネスケースとしてより実践的な地頭力が試される問題が掲載されています。どちらも基本的な考え方は一緒で、まず与えられた問題に対する答えをいきなり探しに行くのではなく、MECE(もれなくダブりなく)で分解して、分解した問題に対する答えを積み上げて最終的な解を導き出すというものです。

大切なのは出てきた答えより、答えを導き出すプロセスです。


本書の中から一つだけ、シカゴのピアノ調律師のフェルミ推定を書いておきます。


「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」

まずはいきなり何人いるかを想像する、調べに行くのではなく、「ピアノ調律師の需要=ピアノ調律師の供給」だろうという考え方に着目します。

つまり、ピアノ需要を中心に考えるわけです。

式で書くとこんな感じです。

「ピアノ調律師の数=シカゴにおけるピアノ調律需要(年)÷ 調律師1人が調律できる件数(年)」


ピアノ調律需要=シカゴ世帯数 × ピアノ保有率 × ピアノ調律の頻度 と計算式が立てられますのでこの右辺を一つ一つ検討していきます。この式の因数がMECE(もれなくダブりなく)になっています。


シカゴ世帯数=シカゴの人口 ÷ 平均世帯人数
 です。

シカゴの人口を推定すると、東京が1000万人くらいだとしてそこまで多くはないだろうから300万人くらいかなと。
平均世帯人数は3人くらいかなと。

そうすると、シカゴ世帯数は300万人 ÷ 3 = 100万世帯 となります。


ピアノ保有率はそこそこの富裕層が5割くらいいるとして、その中でさらにピアノを保有しているのはどれくらいかと考えると1割くらいでしょうか。

そうすると、ピアノ保有率は 50% × 10%で5%ということになります。


ではピアノ調律の頻度は?そんなに頻繁には調律しないでしょうから年に1回とします。


そうすると、ピアノ調律需要=シカゴ世帯数 × ピアノ保有率 × ピアノ調律の頻度 = 100万世帯 × 5% × 1回/年 = 5万

これでピアノ調律重要が求まりました。


次に求めるのは調律師一人が1年に調律できる件数です。

調律師は各家庭を訪問して調律するでしょうから、1日に訪問できる数は限られているはずです。1日3件くらいとしておきましょう。

調律師は週5日1年間働いたとすると、5日×48週で240日となります。長期休暇などを差し引くと200日くらいでしょうか。

結局、調律師は1年間で200 × 3 = 600件の調律を行うことができます。


ピアノ調律師の数=シカゴにおけるピアノ調律需要(年)÷ 調律師1人が調律できる件数(年)

から調律師の数を求めると、5万 ÷ 600 ≒ 83人 です。



この問題を解く上で大切なことはその場その場で正確な数字が言えることではありません。ここまでたどってきたような思考過程をたどることが大切なのです。

基本的な統計量は調べればすぐ分かるでしょうし、そのうち覚えていけばいいと思います。

そういえば以前に基本的な統計量について書いてある本がありました。

ビジネスマンのための「数字力」養成講座


私自信を振り返ると、すぐに答えのようなものを見つけて、それに飛びついてしまうという習性があるように思います。コンサルタントを見習ってもう少しMECE(もれなくダブりなく)で考えられる可能性を列挙し、そこから選択するような思考を身につけたいと思います。

【関連記事】
このあたりの本も良かったですよ。
地頭力を鍛える 
数に強くなる



本質を見抜くために 「統計思考力」


06 01, 2009 | Tag,思考力,統計

不透明な時代を見抜く「統計思考力」不透明な時代を見抜く「統計思考力」
(2009/04/15)
神永 正博

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目の前に溢れる情報に踊らされないようにするためにはどうすればいいのか。このブログでは何度か取り上げているのですが、最大のポイントは目の前のデータを鵜呑みにしないことです。もちろん、その情報は事実である可能性もあるのですが、メディアの目を通すとそこで誰かの私意が入り込んでも不思議ではありません。だから、テレビはもちろん、新聞を読む時ですらちょっと立ち止まって考える癖をつけた方が良いのです。

誰かの私意という話をしましたが、落とし穴になるのは自分自身もバイアスをかけた情報の選択をしがちだということです。人間だれしも自分にとって都合の良い情報を手にいれたくなるものです。

そこで本書が強調する重要なポイントは、
  • データを先に見る
  • だれかが解釈する前のデータを見る
  • 自分の仮説に反するデータも集める
です。

データをどう入手するかについては、総務省・統計局のホームページがいい感じです。人口調査や消費者物価指数、労働力調査などなどいろいろな統計データがまとまっていて役立ちそうでしたよ。


本書で登場する統計用語は正規分布、べき分布、ポアソン分布、大数の法則くらいです。小難しい用語が出てきますが、ビジネス書らしく本書では極力数式を用いた説明は避けてあります。この中で私が読んでいて特に興味深かったのは「べき分布」の部分です。

過去にLTCMという投資銀行がありました。この投資銀行はショールズとマートンという二人のノーベル経済学者が在籍していた銀行です。彼らが生み出したブラック・ショールズ式ですが、これはデリバティブ(金融派生商品)の価格づけに現れる確率微分方程式というものです。このモデルに従い、予想を立て、先進国の債券を空売りし、新興国の債券を買い増したLTCMは大きな打撃を受け、破綻してしまいました。

このブラック・ショールズ式ですが、後から検証すると前提が間違っていたということがわかりました。ブラック・ショールズ式は正規分布を前提に考えられていたのです。正規分布では価格はランダムな変数になっているはずですが、実際の経済では価格はランダムなどではなく、特定のディーラーなどの人為的なものにも左右されるため、正規分布と同じにはならないのです。特にこのズレは正規分布でいうところの「両端」あたり、つまり「95%区間の外」で起きます。債券の価格や株価は「正規分布」ではなく、「べき分布」に従っていたのです。

統計を使えば小さなデータから大きな現象を予想できます。その点とても力強いツールです。ところが、今だ起こっていない予想外の出来事には無力な場合があります。研究者かつ投資家であるニコラス・タレブの言葉ですが、これまでに一度も起きたことがない、あるいは極めて稀にしか起きたことがなく、ほとんど誰にも知られていない現象のことを「ブラックスワン」といいます。経済現象に含まれる「ブラックスワン」こそが、その予想を難しいものにしている犯人なのですね。


本書を読んだことをきっかけに中断していた統計の勉強をまた始めないといけないな、と思いました。なかなかまとまった時間がとれないのがつらいところですが。

統計を使いこなしてデータの正しい理解ができるようになりたいものです。


関連記事と書籍:
統計のお勉強 +【書評】完全独習 統計学入門

必要とされる人材になろう 【書評】「知の衰退」からいかに脱出するか?
ビジネスマンのための「数字力」養成講座
数に強くなる




巷のロジカルシンキング本がとっつきにくいと感じた人はまずはこの本を読んでみては?【書評】13歳からの論理ノート


04 24, 2009 | Tag,論理

13歳からの論理ノート13歳からの論理ノート
(2006/09/21)
小野田 博一

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自分の言いたいことを相手に伝えることは意外と難しいことだと思います。なぜなら自分の考えている前提と、相手の考えている前提が完全に一致することはないからです。

論理的に考える、論理的に言いたいことを伝えることは自分の意図したことを伝えるために身につけたい技術の一つでしょう。

本書は「13歳からの」とタイトルにあるようにターゲットにしているのはおそらく中学生くらいで、総ページ数も122ページと薄めですき間時間にさっと読んでしまえる本です。「13歳からの」と書いてありますが、大人が読んでも十分学ぶところはあります。

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