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Pencil-Core Granuloma (鉛筆の芯肉芽腫)


07 23, 2012 | Tag,NEJM

日本語に訳すと、”鉛筆の芯肉芽腫”。

鉛筆の針を手や体のどこかに刺してしまったとう経験がある人、結構いるのではないでしょうか。

Pencil-Core Granuloma というものがNEJMで紹介されていました(Pencil-Core Granuloma — NEJM)。ここで画像をお見せできないのが残念ですが、リンクをクリックして見てください。

日本の先生たちが報告しています。

痛みを伴う青黒く腫れた第一関節。組織を病理検査で調べた結果、鉛筆の芯が原因で形成された肉芽腫だと分かったようです。

50年前に刺さった鉛筆の芯が長い年月をかけてこうなったとのこと。

患者さんは手術を希望されていないということで、経過をみているようですが、悪化の徴候はないようです。

子供の頃に鉛筆の芯を刺してしまった人って結構いるような気がします。刺した跡が入れ墨のようになっている人。そういう人達のほとんどはなんともないことが多いように思うのですがどうなんでしょ。実際整形外科外来にこの報告のように訪れる人を僕自身は経験したことがありません。

しかし、中にはこういう変化をする人もいるのですね。50年という長い年月が経つと、このような変化が現れてくるということなのでしょうか。

NEJMからの興味深い報告でした。

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コンドロイチン、グルコサミンの効果 論文(NEJM)から


11 16, 2010 | Tag,整形外科,サプリ,NEJM,論文,コンドロイチン,グルコサミン

新聞を読んでいると、コンドロイチンやグルコサミンのサプリの宣伝をよく見かけます。

”関節痛をなくして、痛みのない快適な生活を”という内容のものです。

若い人は興味がわかないかもしれませんが、高齢者にとって関節に痛みがあるということはとても大きな問題です。

高齢者の膝痛は変形性膝関節症に由来するものが多く、町中で見かける高齢者のO(オー)脚はほとんどコレです。

膝の軟骨がすり減って、さらには骨の変形をきたすものだ。一種の老化とも考えられます。だから、若い頃のような膝に戻して欲しいと言っても、それは難しいのです。

なので通常、治療は 貼り薬飲み薬などの鎮痛薬を用いたり、運動療法などの理学療法を用います。理学療法というのはリハビリのことですが、リハビリの効果はあなどれません。なかなか患者さん自身に指導しても長続きしないということが多いのですが。。 

それでもダメな人は膝関節の中にヒアルロン酸の注射をします。

それでもダメなら人工膝関節などの手術の適応となります。人工関節の手術は昔と比べてだいぶ進歩しており、比較的安全にいい長期成績を残せるようになってきています。

しかしながら、誰しも初めから手術を望む人などいません。医師もできれば手術をせずに治せればいいと思っています。


そこで、軟骨がすり減るんだったら、それを作るような物質を摂取すればいいのではないか?という発想に至ります。

軟骨を構成する成分にコンドロイチンやグルコサミンなどがあるので、これをターゲットにしてみてはどうか?と。

たしかにコンドロイチンやグルコサミンを摂取することで軟骨が復活するようなことがあればいいのでしょうが、実際のところどうなのでしょう。

現在市販されているサプリはこの点に注目しているわけですね。


しばらく前の論文ですが、NEJMというメジャーな論文でそのことについて検討されていましたので紹介しておきます。

Glucosamine, Chondroitin Sulfate, and the Two in Combination for Painful Knee Osteoarthritis ― NEJM

この論文が示しているのは、コンドロイチンやグルコサミンは内服しても、明らかな効果を認めなかったということ。有意差をもって効果が証明されてはいません。

結論のところでさらなる研究の継続が必要ということが付記してありますが、絶対効きますということは決して言えないということです。

「痛みに対しては効果があるかもしれないし、内服しても大した副作用はないから、飲みたい人は飲んでみればいいかもしれない。」という程度です。


それなのに、サプリの売り手があたかも根本的な治療になるかのような誇大広告を打つのはどうなんでしょうかね。

あれを見たら、消費者はとてもよく効くと思ってしまいますよ。僕のまわりにもそう思っている人がたくさんいて、よく相談されます。

新聞などで一面を使って広告が掲載されているのを見て、そう感じた次第です。


グルコサミン - Wikipedia

コンドロイチン硫酸 - Wikipedia

軟骨 - Wikipedia




「Wii」とか「任天堂」の名前がついた病名が世界にはある


02 05, 2010 | Tag,整形外科,NEJM,Wii

Wii骨折、Wii炎、任天堂炎。

直訳するとこんな感じでしょうか。Wiiとか任天堂が病名の中に入ってるんですね。

内容をみてみると、Wii炎は腱鞘炎のことを、任天堂炎も腱鞘炎のことを指しているようです。



The New England Journal of Medicine という医学雑誌の最新号


という記事からです。Correspondenceです。


名前から察する通りなんですが、Wiiや任天堂のゲーム機を使って骨折や腱鞘炎を起こしたということが報告されています。



Wii Fracture(Wii骨折)

これが今回報告されているものです。

14歳の女の子がWii Fit balanceで遊んでいたらバランスを崩して転倒。足をひねりました。

wii fracture
レントゲン写真。

たしかに折れています。見えづらいですか。矢印の先に横方向に黒い線が入っています。骨折線といいます。

第5中足骨骨折ですね。Wiiやらなくても足をひねってこの骨折を起こす場合があります。日常診療ではよく見かけます。

幸いこの患者さんは手術をせずに治療できたそう。おそらくギプスで治療したんでしょうね。十分治りそうです。



Wiiitis(Wii炎)

ウィィイティスと発音するのでしょうか。読みづらい。

こちらは2007年6月にAcute WiiitisとしてNEJMに報告されています(NEJM -- Acute Wiiitis)。

このときは29歳の男性が右肩の痛みを訴えて病院を受診。調べたところ、Wiiテニスのやり過ぎによる右肩の腱鞘炎だったそうな。

本物のテニスさながらにWiiのコントローラーをぶんぶん振り回していたのでしょうか。

Wiiの場合は実際のテニスと違って、走ったりしませんよね。そうすると、体があまり疲れないからついついやり過ぎになってしまうようです。



Nintendinitis(任天堂炎)

こちらも同様にNEJMに1990年に報告されたもの。

当時流行っていた任天堂のビデオゲーム、スーパーファミコンのことでしょうか。それのやり過ぎによる親指の腱鞘炎です。


腱鞘炎というのは基本的にオーバーユース(使いすぎ)で起きるものです。

どちらの腱鞘炎もWiiをやめる、ビデオゲームをやめるという対処でよくなったそうですよ。一般の腱鞘炎と一緒です。



ことあるごとに一流医学雑誌にその名前を取り上げられて任天堂もいい迷惑かもしれませんね。それだけ普及しているということでしょうけど。

掲載されたこのCorrespondenceにはWiiが悪いなんてことはいっさい書いてありませんので誤解の内容に。

使い方によってはリハビリにも利用されているなんてことも書いてありました。要は使い方の問題ということ。

しかし、Correspondenceとはいえこうやって一流の論文に病名として登場するなんて任天堂は偉大な企業ですね。


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消毒薬のパラダイムシフト NEJM -- Volume 362:18-26 January 7, 2010 Number 1


01 14, 2010 | Tag,医学,消毒,感染予防,整形外科,NEJM

2009年には傷を治すのに、消毒薬を使わないということが驚きを呼ぶとともに話題になっていました。


たしかにできた傷を治すのに、今や整形外科でも消毒薬は使っていません。使っているのは生理食塩水、いわゆる食塩水です。大学病院なんかではいまだに消毒薬が使われてるみたい。だけど、傷は消毒しないというのはかなり広まっている話だと思います。

私もだいたいの傷は消毒せずに湿潤環境を保ちながら治療しています。


手術を始める前には消毒して、感染の予防に努めます。傷を治す場合とは話は別になります。

外科系の医師にとって手術に関連した感染というのは何が何でも避けたい合併症の一つだと思います。感染してしまうと、患者も苦しめるし、自分だって苦しくなる。なんとかして感染をなくしたいと常に考えています。

そして、多くの施設がこれまで、というか今も、術野の消毒にイソジンを使っています。茶色い液体です。


ところが今回見かけた論文には画期的な記載がありました。

これからは術野の消毒にイソジンではなく、クロルヘキシジンアルコールを使うべき、というものです。

この論文はクロルヘキシジンアルコールがイソジンに比べて術野の消毒に効果が高い、ということを示しています。The New England Journal of Medicineという権威ある医学雑誌に発表されています。

この結論は画期的でした。


論文では849人を対象にして、術後30日までの感染率をクロルヘキシジンアルコールとイソジンで比較しています。

クロルヘキシジン vs. イソジンの感染率の比較は


全体では、9.5% vs. 16.1%
表層の傷の場合、4.2% vs. 8.6%
深層の傷の場合、1% vs. 3%
さらに深い臓器が存在する場所では、4.4% vs. 4.5%


つまり、クロルヘキシジンとイソジンでは、感染予防にはクロルヘキシジンを使った方がいい(深い臓器が存在する場所以外だったら)ということです。


こんな明快な数字で語られるとは驚きでした。明日からの臨床ですぐに使える事実だと思います。

今までイソジンでべたべたに消毒しないと、どうしても十分な感染予防をした気になりませんでした。今回の論文を読んだ後でもその感覚は完全には抜けきれないのですが。。

習慣から抜け出すのは難しいものですが、こういう新しい知識は日々の臨床に反映させていかなければいけませんね。



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なんだ?ノドの中のこの異物?


08 14, 2009 | Tag,NEJM

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ここにあるのは人間の首のレントゲンです。



骨が写っているのは分かると思いますが、骨と一緒に真っ白な奇妙な物体がレントゲンに写っています。コレです。

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スプーンです。かなりでかいです。こんなものがよく飲み込めるなと思います。

この男性、喉に引っかかった魚の骨を取りだそうとして、でかいスプーンを丸飲みすることになってしまったそう。

結局、全身麻酔で喉頭鏡という器械を使ってうまく取り出せたとのことです。よかったですね。でも、魚の骨は見つからなかったそうですよ。


>>Esophageal Foreign Body| The New England Journal of Medicine




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