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太った子供の肘骨折


12 17, 2012 | Tag,整形外科,骨折,顆上骨折

子供の骨折でとても多いのが、上腕骨顆上骨折です。いわゆる肘の骨折です。

鉄棒から落っこちたとか、自転車で転倒したとか。転倒して手をつくような場面ではこの骨折につながることがあります。

その肘骨折で、太った子供とそうでない子供では骨折型に違いがあるか調べた論文がありました。

 >> Childhood Obesity as a Risk Factor for Lateral Condyle Fractures Over Supracondylar Humerus Fractures - Online First - Springer

上腕骨外顆骨折を起こした子供を調べてみると、太った子供の方がそうでない子供に比べて多かったそうです。

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外顆骨折というのは上のAの図。Bの図と折れている場所が違います。

ふーむ。そうですか。太ってる子供は外顆骨折のリスクが高いですか。

外顆骨折はズレてきやすいですからね。手術できちんと整復してピンニングするが一般的でしょう。よっぽどズレてなければ別ですが。

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バラバラの上腕骨近位端骨折の治療はどうすればいいか


10 08, 2012 | Tag,整形外科,骨折,人工関節

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なかなか難しいところです。

これだけバラバラだったら手術でなんとかするだろうと思うのが普通かもしれません。

ただ、手術をしようにもバラバラすぎてプレートやワイヤーでうまく固定できない場合もあります。

そういう時は人工骨頭といって、粉々になった骨頭を取り外して人工関節を入れる方法があります。

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ところが最近の論文ではせっかく手術で人工骨頭をやっても、手術をしなかった場合と機能的に大差ないという報告があったりします。

 << Hemiarthroplasty for Humeral Four-part Fractures for Patients 65 Years and Older: A Randomized Controlled Trial, Clinical Orthopaedics and Related Research, Online First - SpringerLink

僕も臨床をやっていて、この報告には妙に納得してしまいました。肩の人工骨頭って苦労してやったわりには、やらなかった場合と比べて大差ないんじゃないかという印象です。

手術をやらない場合は、

受傷直後は三角巾とバストバンド固定
受傷後1週間くらいしたら振り子運動(pendulum exercise)開始
受傷後6週で肩関節activeROM開始
受傷後8週で肩関節passiveROM開始

というふうにリハビリがメインの治療になってきます。

これでもなんとなく骨がくっついてきて、問題ないことが多いです。

上腕骨近位端骨折は高齢者が罹患することの多い骨折です。高齢者の場合はあまり多くの機能を求めていない場合も多い、ということも関係しているかと思います。



後療法(こうりょうほう)とは


09 21, 2012 | Tag,整形外科,リハビリ,骨折

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photo credit: myyogaonline via photo pin cc

後療法、はじめは読み方すら分かりませんでした。

”ごりょうほう”? いやいや違います。

読み方は”こうりょうほう”といいます。

整形外科では手術後に後療法を考えて、リハビリをオーダーすることが多いです。

大腿骨頚部骨折なら、手術後は「可及的早期にFWBで離床をお願いします」というオーダーを出すことが多いですかね。

脛骨の骨折でプレートをあてた時などは「術後6週まで免荷、その後1/4PWBで歩行訓練を開始してください。その後1週ごとに1/3PWB, 1/2PWB, 2/3PWB, FWBと上げていってください」とか。これはだいぶ慎重な感じです。

ちなみにFWBというのは full weight bearing(体重を全部かけてもいいです) の略。何を言っているのかわけがわからないと思いますが、解説すると上の大腿骨頚部骨折の例では「可能な範囲で早めに、全荷重OKで、車椅子乗車、立位、歩行訓練を始めていってください」という意味になります。

PT(理学療法士)や看護師との間にだけ成り立つ会話かもですね。

整形外科では手術と同じように後療法も大事です。基本的に後療法は手術を行った術者が決めます。

経験を積んでくると、ある程度のさじ加減ができるようになります。手術の出来にも左右されるのが後療法というものなのです。




鎖骨骨折は手術すべきか否か


08 17, 2012 | Tag,整形外科,骨折

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photo credit: Animaux via photo pin cc

鎖骨骨折は手術すべきか保存でもオーケーか。ときどき目にするテーマです。

今日ご紹介するのは転位のある鎖骨骨幹部骨折で、手術療法(プレート)と保存療法(三角巾)を比較した論文。JBJSから。

  >> The Journal of Bone & Joint Surgery | Sling Compared with Plate Osteosynthesis for Treatment of Displaced Midshaft Clavicular Fractures: A Randomized Clinical Trial

数は少ないですが、無作為比較試験となっています。手術32例 v.s. 保存28例で検討しています。保存療法群で6例の偽関節が発生したとのこと。手術では偽関節なし。

じゃあ保存療法はナシなのかというと、偽関節になっても手術した群と比べて機能的に劣るということはなかったとのこと。つまり、痛みや出来ることに関して大差なかったということ。

個人的には鎖骨骨幹部骨折は若者でアクティビティの高い人は手術優先、そうでなければ保存優先でいいのではと思っております。

保存治療をやってみて運悪く偽関節になってしまい、痛みなどの症状が出てどうしようもない時はその時手術するという選択肢もあります。


Clay Shoveler's fracture


07 19, 2012 | Tag,整形外科,骨折

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C6,7, T1などの棘突起が剥離骨折することがあります。名前がついていて、Clay Shoveler's fracture といいます。
この骨折は例えばシャベルで雪かきをするなど、背筋にかなりの聴力がかかって、その付着部である棘突起が骨折するというものです。

clay shoveler fracture 

この骨折、名前はClay Shovelerとなっていますが、シャベルを使った作業じゃなくても起こることがあります。

僕が経験したのは野球少年の症例。小学生で野球をかなり頑張っていると言っていました。その少年、背中が痛くて外来にやってきたのですが、1週間、2週間たっても痛みが良くなりません。レントゲンでははっきりとした所見はなく、MRIを撮ってみました。すると、上位胸椎(T2)の棘突起にhigh intensityが。clay shoveler's fractureと判断し、安静期間を延長して様子を見ています。

この骨折は手術が必要になるようなものではないので、通常ストレスとなるような外力を避け、安静を保つことで治療します。痛みが良くなったら野球にも復帰できるでしょう。

早く良くなるといいのですが。

参考:



【メモ】骨癒合を妨げるもの


04 01, 2011 | Tag,整形外科,骨折,治療

ときどき患者さんにどうやったら骨が早く治りますか?と聞かれます。

骨が早く治る方法というのはなかなか難しいのですが、骨の治りを遅くする要因についてはある程度分かっています。


  • 喫煙
これは有名。骨の治りが悪くなります。

  • 副腎皮質ホルモン
ステロイドのことです。

  • VitD欠乏
  • Ca欠乏
VitDやCaは骨を作るためのホルモンとミネラルです。

  • 鉄欠乏
Fe(鉄)も足りないと骨の治りを遅くします。

  • VitA中毒
VitAは摂取しすぎるとダメなんです。

  • NSAIDs
ロキソニンとかボルタレンなどの痛み止めがこれに該当します。

  • アドリアマイシン
抗癌剤です。

  • RA
リウマチのことです。リウマチは破骨細胞の異常で骨を脆くします。

  • MTX
リウマチの治療薬でもあるメソトレキセート。抗癌剤でもあります。

  • Sepsis
敗血症といって、感染に対する全身性炎症反応のことです。細菌が体中をかけめぐっていることが多いです。

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香川選手の骨折 第5中足骨骨折


02 02, 2011 | Tag,整形外科,骨折,サッカー

先日のアジアカップで、日本代表として大活躍した香川選手が骨折により戦線離脱しました。

香川、骨折!5年半ぶり韓国撃破も大きな代償…アジア杯:日本代表:サッカー:スポーツ報知

記事によると第5中足骨骨折のようです。

第5中足骨骨折には下駄履骨折、Jones骨折という2つの名前のついた骨折があります。

下駄履骨折は、短腓骨筋という筋肉が第5中足骨の根元に付着しているのですが、短腓骨筋の収縮が激しすぎると、こういう骨折になります。
下駄履骨折2
通常、手術しなくてもギプス固定で良く治るとされています。


もう一つのJones骨折は、下駄履骨折とは折れている場所が違います。もっと足の先に近い場所での骨折です。スポーツ選手に多いとされています。
Jones骨折2
この部位での骨折はギプスではなかなか治らないことも多いので、よく手術が行われます。その場合はスクリューやワイヤーを使って治療します。

香川の手術成功、日本のアジア杯V大喜び - サッカー - SANSPO.COM

香川選手は手術治療を受けたようですが、どちらの骨折だったんでしょうかね。Jonesでしょうか。骨折の形態はほんとにいろいろありますから、それとも今回挙げたどちらにもあてはまらない骨折かも。






Review: 虐待における整形外科医の役割


10 28, 2010 | Tag,整形外科,小児,虐待,骨折

最近目を通した論文の紹介。

Child Abuse: The Role of the Orthopaedic Surgeon in Nonaccidental Trauma : CORR - Clinical Orthopaedics and Related Research

以前にも紹介した事のある整形外科における子供の虐待の話題。今アメリカでは子供の虐待への関心が高いのかな。

今回の論文はReviewという形式。

虐待の発見と治療において整形外科医の役割は少なくないということを強調している。

外来に疑わしい患児が来たら、小児科と連携して治療にあたる必要がありますね。

specificity of radiographic findings.

一番の手がかりは皮膚所見だが、骨折の部位も参考になる。

【関連記事】
虐待と骨折 | メタノート





高齢者の骨折と死亡率


10 07, 2010 | Tag,整形外科,骨折,大腿骨頚部骨折,論文

femur1.pngなんとなく感覚としてはそうなんだろうなと思っていたのですが、それを論文としてまとめているものがあったのでご紹介。

骨折はあまり死なない病気なんてことがよく思われているのですが、高齢者の骨折はちょっと違います。それ自体が身体の衰えを表しているのでしょう。骨折を契機に具合が悪くなって死亡につながるなんてことがよくあります。

以前に大腿骨頚部骨折で、手術介入の時期による死亡率の差、なんて論文(Early mortality after hip fracture: is delay before surgery important? Moran CG, Wenn RT, Sikand M, Taylor AM. J Bone Joint Surg Am. 2005 Mar;87(3):483-9.)を見かけましたが、今回は大腿骨遠位の骨折でした。大腿骨遠位というのは大腿骨の中でも膝に近いところのことを指します。

Clin Orthop Relat Res. 2010 Sep 10.
Mortality After Distal Femur Fractures in Elderly Patients.
Streubel PN, Ricci WM, Wong A, Gardner MJ.

60歳以上の患者92人、1999年から2009年までのデータに基づいています。

この論文によれば、大腿骨遠位の骨折では頚部骨折と同様、手術の遅延(4日以上たってからの手術)は6ヶ月後死亡率、1年後死亡率に悪影響を与える、というのが結論です。

48時間以内に手術を行った場合の6ヶ月後死亡率は5%、1年後死亡率は6%。それに対して4日以上たってから手術を行った場合は6ヶ月後死亡率が35%、1年後死亡率が47%だそうです。



手術が必要な患者にはさっさと手術をするのが一番です。それは整形外科医なら誰でも分かっていることだと思います。

しかしながら、実際の臨床の現場では手術枠の確保とか、麻酔科との兼ね合いとか、なかなか一筋縄ではいかないハードルが立ちはだかります。

科をあげて、手術室、病院をあげて考えていかなければいけない問題なのです。




虐待と骨折


08 20, 2010 | Tag,虐待,骨折

先日は若いシングルマザーによる、ネグレクトによる子供の虐待死が話題になっていました。

僕が専門にしている整形外科も子供の虐待とは無縁ではありません。

虐待による骨折という場合もあるからです。

骨折した子供が救急外来を受診したとき、どうして骨折したのか状況を尋ねます。いつもの問診です。小さな子供になると、自分で状況を説明することはできませんから、必然的に母親もしくは父親に状況を尋ねます。

交通事故とか、遊んでいてジャングルジムから落ちたとか、はっきりとした原因があれば虐待を想起することはありません。

しかし、なかには「気づいたら子どもが泣いていて、足が腫れていたので連れてきた。」などと曖昧なことを話す親もいます。

これだけの骨折をしているのに、”気づいたら”ってことはないだろう、という場合は小児科の先生も登場して虐待が背景にないか調べたりするのです。

ただ、骨折した本人はもの言えぬ子供です。なかなか真相究明につながらないことも多いのです。


骨折の部位とか形態によって、虐待が証明できれば、それ以上の虐待を防止することができるかもしれません。

この前見かけた論文で、骨折の部位と、虐待である可能性について触れられていました。


The Radiographic Approach to Child Abuse. [Clin Orthop Relat Res. 2010] - PubMed result

高い特異度で虐待の疑い
骨幹端の角の骨折、後内側の肋骨骨折、胸骨骨折、肩甲骨骨折、棘突起骨折

中等度の特異度で虐待の疑い
多発骨折、骨端離開

低い特異度で虐待の疑い
長管骨の骨折、鎖骨骨折

だそうです。

大腿骨骨幹部骨折などは時々見かけるのですが、虐待くさくないということなのですね。意外でした。

体の中心に近いところの骨折が虐待くさいというなんですね。



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