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速読のカギは”予測”にあった


10 18, 2010 | Tag,読書術,速読

「予測」で読解に強くなる! (ちくまプリマー新書)
読むスピードは人それぞれ違います。そのスピードによって仕事の生産性は変わります。

どんなジャンルの本でもものすごいスピードで読める人はうらやましいですね。たとえば404 Blog Not Foundの小飼弾さんとか。

彼も言っていますが、一つ、早く読むためのコツを挙げるとすれば、”内容を予測すること”です。

巷にはたくさんの速読法などの本が出回っていますが、そういうテクニックはこの”予測すること”を利用しているものもあるように思います。フォトリーディングもそうでしょう。

次に出てくるであろうストーリーがなんとなくでも分かれば、その本はスイスイ読めます。

たとえば、自分の仕事に関係のある本はつまずかずに読めるのに対して、馴染みのない本はところどころでつまずくため、読むのが遅くなってしまいます。

僕の場合は、医療関係の本はそれほど苦もなく読めるのに対し、経済とか哲学、歴史の本になると読むのが遅くなります。

医療関係の本では、本の中に出てくる言葉が理解できている、というのがまず大きいのだと思います。また、周辺知識が身についている分、読むスピードを上げても内容が理解できます。

内容についての周辺知識が多ければ多いほど、読むスピードが上げられるということです。



今日その”予測”についての本を紹介します。

僕たちは本を読むとき、無意識のうちに予測を繰り返しています。

本書は豊富な例文をもとに、そのことについて納得のいく解説をくれます。

うまい文章には予測を促す仕掛けがされていることも多く、そのことを学ぶ意味でも本書は有用です。

夏目漱石から司馬遼太郎、村上春樹などなど多くの例文が用意されています。よくこれだけ集めたなあと驚きました。

それをもとに予測の仕組みを解き明かしているところは、言語学者の著者ならではの仕事でしょう。



速く読めるようになるための最も確実な方法は、「たくさん本を読むこと」です。

速読本を手にとってみるものの、なかなかうまくいかないなーという人。この本を読むときっと得るものがあると思います。

「予測」で読解に強くなる! (ちくまプリマー新書)「予測」で読解に強くなる! (ちくまプリマー新書)
(2010/07/07)
石黒 圭

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明日から役立つ読書術 「戦略系コンサルタントのロジカルシンキング・リーディング」


09 23, 2009 | Tag,読書術,ロジカルシンキング,コンサルタント

KKベストセラーズさんから献本いただきました。ありがとうございました。

本書で提示するのは実戦的で誰でも実行可能な読書術です。しかし、この読書術を身につければ、比較的短時間に多くの成果を上げられるかもしれません。

顧客から課題が与えられ、それに対する解を提供するのがコンサルタントの仕事です。彼らが直面する問題はいつもなじみのある分野ばかりではありません。

なじみのない分野に関しても仕事を依頼されたら、数日後には知っていました的な顔をしている必要があります。

仕事の性質がそうですから、彼らが短い時間で必要な情報を収集するのに長けているのは当然かもしれません。

彼らにとって情報を収集する手段として欠かせないのが読書です。

本書はそんなコンサルタントの読書術を紹介している本です。いわゆる速読本ではありません。誰でも吸収することが可能な内容です。だから明日からの休み明けの仕事ですぐにいかすことができると思います。

ロジカルシンキング・リーディングロジカルシンキング・リーディング
(2009/08/26)
大石 哲之

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コンサルタントっぽい考え方だと思ったのはやはりMECE、ロジカルツリー的な考え方が出てくる部分です。

例えば、会計について勉強しないといけない状況になっても、いきなり網羅的な教科書には手を出さないのですね。

会計の中でもまずは資産管理に集中して勉強をすすめる、次の機会に原価について、その次の機会に連結決算について勉強をすすめていくわけです。

こうした経験を積み重ねることで全体としての会計の実力もアップすると。

本の選び方でも自分が知りたいと思っていることを漠然とではなく、細かくつきつめてその狭いテーマに関して一気に10冊くらい本を読み進めるといいということです。

なるほど、たしかに短期間で成果が上がりそうな読書術だと納得しました。


今回のこのコンサルタントの読書術は、自分の経験と照らし合わせると、論文から情報を収集する時の読み方に似ています。

何が知りたいか、それを知るためには何を読むべきか、どこをあたるべきか、そこで得た知識は明日からの日常診療で生かそう、といった目的意識が明確になっているからです。


実際に普段の本読みには、いつも明確な目的意識を持っていなくてもいいと思います。いつも肩肘張った読み方をするのも疲れるでしょう。

ただ、それも状況によりです。限られた時間で成果を出すことが必要な場合は本書のような読書術が有効だと思います。

仕事において短期間で成果を上げたい人にお薦めの一冊でした。

ロジカルシンキング・リーディングロジカルシンキング・リーディング
(2009/08/26)
大石 哲之

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本書の著者、大石哲之さんの本は過去に紹介したことがあります。

 >>コンサルタントはこう考える 【書評】過去問で鍛える地頭力


本書は既にsmoothさんがすぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選、ikadokuさんがロジカルシンキング・リーディングで記事にされています。よろしければこちらもどうぞ。



速読ばかりが読書術じゃない 「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」


09 07, 2009 | Tag,読書術,精読

タイトルにある2通りの本の読み方のうち、本書に書かれているのは精読についてです。普段速読ばかりに意識を向けている人は本書を読むと得るものがあると思います。

速読と精読、この2つはどちらか一方だけにするのではなく、それぞれを使い分けることが大切だと思います。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)
(2005/09/20)
西林 克彦

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まずは文章を読むときに私たちが知らず知らずのうちに使っている以下の言葉を理解しておく必要があります。


スキーマ

あることがらに関する、私たちの中に存在しているひとまとまりの知識


文脈
文と文との続き具合。もう少し具体的に言うと、前のものと後ろのものとが、同じ背景・状況を共有していること。物事、情報などが埋め込まれている背景・状況のことです。


通常、速読する時は前書きや後書き、目次など全体を眺めてから読みにかかります。それは精読する時にも役立つはずなのですが、ここにまず最初の落とし穴があります。

というのは、初めに全体を俯瞰したとき、この本の言いたいことはこんな感じだろうな、と初めに先入観のようなものが出来てしまうからです。これがスキーマを利用して文脈を想像しているということです。

このスキーマというものが豊富な人ほど文脈を的確に想像でき、そのため速読が可能になるのだと思います。

速読は、自分にとって必要な情報だけ収集するには役立ちますが、例えば国語の受験問題のような細部から答えを引き出さなくてはいけない状況ではちょっと不利になると思います。そこで使ったスキーマは本当は微妙に間違っている可能性があるからです。試験問題の答えは客観的な情報だけから判断して答えを導き出せるように作ってあるため、この読み方が時に命取りとなります。


スキーマと文脈について分かりにくかったかもしれませんので、もう一度本書の中から一部引用して解説してみます。なるべく先入観を持たないように読んでみてください。

男は鏡の前に立ち、髪をとかした。剃り残しはないかと丹念に顔をチェックし、地味なネクタイを締めた。朝食の席で新聞を丹念に読み、コーヒーを飲みながら妻と洗濯機を買うかどうかについて論議した。それから、何本か電話をかけた。家を出ながら、子供たちは夏のキャンプにまた行きたがるだろうなと間下駄。車が動かなかったので、降りてドアをバタンと閉め、腹立たしい気分でバス停に向かって歩いた。いまや彼は遅れていた。(Bransford and Johnson, 1973)

いかがだったでしょうか?男についてどのようなイメージを持ったでしょうか?

失業者をイメージしたとします。もう一度、引用文を読んでみてください。それなりに理解できるはずです。

今度は男が株仲買人だったとイメージしてみてください。どうでしょう?このイメージでも意味は通じるはずです。

これがスキーマの魔力です。


私たちは、文章を読むとき、多かれ少なかれ今までに蓄えてきた知識を利用しています。そうでなければ文章は読めないのですが、文章に書いていないことまで補って想像してしまっていることがあります。

それは時に間違った解釈に私たちを誘導します。

本書はそういう危うい読み方になっていないか気づかせてくれる一冊でした。

精読する必要がある人、特に大学受験を控えた人にはうってつけの一冊だと思います。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)
(2005/09/20)
西林 克彦

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あなたの読解習熟度は? 25のチェックリスト


07 31, 2009 | Tag,読書術


  1. どういう読み方をすれば良く分かるか知っている
  2. 目的に合った読み方ができる
  3. 読んだ内容について自分なりの理解を得ようとする
  4. 読むときにこれから何を読もうとしているのかを考える
  5. 内容が理解できているかを確かめながら読む
  6. 読んでいる時に分からないところはどこか気をつけながら読む
  7. わからなかったところに印をつける
  8. むずかしいところは繰り返し読む
  9. 大事だと思ったところは文章に線を引く
  10. 新しい言葉や知らない言葉が出てきたら印をつける
  11. 読む前に目次をよく見る
  12. 文章の章や節の区切りに気を付けて読む
  13. 意見なのか事実なのかを区別して読む
  14. 段落ごとの意味のまとまりに注意して読む
  15. わかりにくい文は主語や述語など、要素に分解する
  16. 読んでいるときに気づいた事はテキストに書き込む
  17. 読んでいる時ときに内容に関係することをできるだけ思い出す
  18. 書かれている内容について具体的な例を考える
  19. 話題のつながり方(逆説・並列など)に気をつける
  20. 今読んでいるところと、全体との関係を考えながら読む
  21. 読んだ後に頭の中で要点をまとめる
  22. 読んだ内容の中で疑問に思ったことについて考えてみる
  23. むずかしい言葉を自分の言葉に置き換える
  24. 読んでいることと、自分がすでに知っていることを関係づける
  25. 新しい内容について読んだとき、それがどんなところで使えるかを考える

読む心・書く心―文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ)から改変引用 p.52-54



これは本を読むのが上手な人に共通した特徴です。
あてはまらなかった点を改善してみると、もっと読書力が向上するかも。



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読み書きは自分を知ること 【書評】読む心・書く心


07 28, 2009 | Tag,読書術,文章力

今日ご紹介する本は自分の読み方や書き方を振り返るのにいい一冊です。

読む心・書く心―文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ)読む心・書く心―文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ)
(2002/11)
秋田 喜代美

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「ジュニアライブラリ」とあるように、中高生に向けて書かれた本ですが、ばかにできません。大人が読んでも十分得るものがあります。

本書は読み方や書き方について、その活動を通じて自分の心がどう動いているのかを知るのに役立ちます。自分のクセを知り、よりよい方法を知ることは技術を改善させる上での基本です。本書は漫然と読み書きしてきた人にとって最適な一冊だと思います。


読むこと

彼は練習が大切だとずっと思ってきた。努力だけで成功できるわけではないし、天性の力も必要かもしれない。しかし、今の位置を保つには、努力は必要不可欠である。彼はすっかり手になじんだものを取り出した。それは、単なる道具ではなく、彼にとって分身のようなものだった。ゆるやかな曲線、しっかり張られた糸。これがデビューしてきてから、彼をずっと支えてきたのだ。

この文章を読んで、「手になじんだもの」というのがなんなのか想像してみてください。

ラケットでしょうか?それともギターでしょうか?

どちらでも意味は通じます。しかし、読んでる最中はラケット、もしくはギター、その他の何かを想像しながら読んでいたはずです。

つまり、文章を読んで何を想像するかは自分の背景知識によるのです。

「読む」という作業は字面をただ読み上げているだけではありません。自分の頭の中の既存知識と、これから入ってくる本の中の知識の融合過程です。だから、知識が豊富な人は文章の意味を理解しやすいし、それに伴い読むスピードも速くなります。それに対して知識が不足した馴染みのない分野の文章を読む時は、読むスピードは落ちます。意味を理解するのに時間がかかるからです。


書くこと

上手な文章を書く人には二つの特徴があります。
 1.最初のプランを洗練させていく
 2.推敲の過程に時間をかける

です。

最初のプランを洗練させるためには文章の構造も大切です。もっとも一般的な構造は、1.題、2.はじめ、3.なか①、4.なか②、5.まとめ、6.むすび でしょうか。このような流れに最初のプランを沿わせて説明することも、プランを洗練させていく過程です。

そうは言っても実際には順番どおりに構造を組み立てるのは大変です。それこそ才能が必要かもしれません。

そこでオススメしたいのが、1.なか①、2.なか②、3.まとめ、4.はじめ、5.むすび、6.題 という順番で書く方法です。文章を書く時ははじめの書き出しがなかなか進まずに、だんだん書くのが億劫になるということがあると思います。この方法ならそれが避けられます。最近はほとんどの人がパソコンで文章を作っていると思います。パソコンは文章編集がとても便利にできるので、書きやすい構成要素から書き始めることをオススメします。


読むことも書くことも、心をうつす作業です。自分の読書術を振り返るいいきっかけになりました。これから背景知識の収集にはもっと力を注ごうと思います。納得いく一冊でした。

読む心・書く心―文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ)読む心・書く心―文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ)
(2002/11)
秋田 喜代美

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無知から未知へ 「多読術」


05 25, 2009 | Tag,読書術,松岡正剛

読書家として有名な松岡正剛さんの本を読んで、思わず頷くとともに安心感を覚えたので記事にしておきます。


読書の醍醐味ってなんだろうか?

「無知から未知へ」これです。
わからないから読む。読書は、一冊の本に出会うことで、頭の中に存在していなかった概念に気づき、知らないことを発見する「旅」のようなものです。


読書している時って頭の中で何が起きてるんだろう?

書いてあることと頭の中で考えていることが混ざり合っています。文章との対話とも言えます。それはなんとなく言葉にならないような質感みたいなものかもしれません。この場合は本のレベルと自分のレベルが合っていない可能性があります。だからこそ、シントピックリーディングが有効なのです。いくつか同じ種類の本を続けて読むことで、レベルの差が埋まり、理解が深まります。読むスピードも速くなります。


かまえずに、自然に読書しよう

読書は大変な行為だ、とか読書は崇高な行為だ、とか思わないこと。
日本の学校教育では文章は一字一句丁寧に読むことで理解が深まる、と言わてきて深層心理に刷り込まれているこの考えを取り除く。読書はもっとカジュアルなもので、日々の着るものに近い気楽なものなのです。


鳥瞰力と微視力を使い分けよう

目次は絶対に読むこと。
これも色々な読書本で言われていることですね。目次を読んで本の中に書いてある内容を想像してみることが大切です。このプロセスは鳥瞰と言えるでしょう。それに対して微視力は文字を追っている時です。本を読むのが上手な人は鳥瞰と微視を行ったり来たり自在に操れます。


再読のススメ

本は二度読む。だから本はノートととらえ、どんどん書き込む。
何度も読んだ方が理解が深まるし、記憶に残る。このことは、最近のエントリーである読書スピードを上げるために最も大切な二つのこと 【書評】本がどんどん読める本 (05/21)とも関連します。

そういえば最近、再読をしていなかったなー、と反省。

多読術 (ちくまプリマー新書)多読術 (ちくまプリマー新書)
(2009/04/08)
松岡正剛

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著者サイト:松岡正剛の千夜千冊
↑既に千冊は超えていますが、多様な本がたくさん紹介してあるすごいサイトです。


また読書するのが楽しくなりそうです。




こういう読み方もある 「小説の読み方」


05 23, 2009 | Tag,小説,読書術

小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)
(2009/03/14)
平野 啓一郎

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小説を読む時は情景を思い浮かべながら味わって読みたいという思いがあり、あまり速く読もうとはしません。どうして小説が娯楽として広く読まれているのか?それは、読者が没頭しやすいようなつくりになっているからでしょう。

本書では、そういった小説の工夫が書かれています。


例えば、登場人物に「ブルー」や「ブラック」といった色を表す名前が使われているだけで人物に対する印象が知らず知らずに刷り込まれている場合があります。

また、小説「蹴りたい背中」の一節

「もういい。脱いだ上履きをつかみ、体育館の出口に早足で向かった。」


では、体育館の外に出ていくというアクションによって、二人の場面から一人の場面に切り替わっていく様子が目に浮かぶように表現されています。


小説「ゴールデンスランバー」では、

「道の左右に並ぶ建物から、ぽつぽつと人が出てくる。視線を上げれば、窓から外を眺めている顔も多い。」


と、この文章では主人公が視線を上げるのと同時に、読者の視線を上げる役割も担っていることが分かります。これを読んで私もたしかに視線を上げた自分がいるのに気付きました。


漫然と読んでいてもおもしろいのが小説ですが、作品としての工夫を知るのもおもしろいなと思います。

読者を作品の中に簡単に引きこんでしまう小説が、いい小説だと思います。読者を引き込ませるために、読者も気付かないような、著者のさまざまな工夫がいい小説の中には織り込まれているのですね。

また、読者に作品の中のさまざまな工夫を意識させない作品こそ優れた小説なのだと思います。今度小説を読む時は、ただ読むだけではなく、著者の凝らした工夫にも注意しながら読んでみます。




読書スピードを上げるために最も大切な二つのこと 【書評】本がどんどん読める本


05 21, 2009 | Tag,フォトリーディング,読書術,速読

本がどんどん読める本 記憶が脳に定着する速習法! (講談社BIZ)本がどんどん読める本 記憶が脳に定着する速習法! (講談社BIZ)
(2009/04/07)
園 善博

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最も大切なこと、それは

  • 「その本を読む目的を明確にして、それを達成するための条件を整えるとともに、達成したいという欲求を強く持ち、うまくいった自分をイメージすること」
  • 「本の内容すべてを読もうとしない」

ことです。

なんとなくボーっと読んでいても読書スピードは上がりません。これだけでだいぶ違うはずです。


本書はこの原則にのっとって書かれた本で、具体的な構成は

  1. 本を読むとどんないいことがあるか
  2. どうやって読むか
  3. 本の選び方

となっています。

気になる「どうやって読むか」という点についてもう少し詳しく解説します。

まずは上に書いたように読む目的を明確にするところから始めます。どうして読みたいのか自分に問いかけてみるわけです。その本に教えてほしいことを質問にしておくといいでしょう。この時目次やまえがき、あとがきは本の中に書いてあることをイメージするのに役立ちますから必ず目を通しておきます。そして、読んだらどんないいことが起こりそうか具体的にイメージします。これをプリペアードマインドといいます。

準備ができたら質問に答えてくれそうな箇所を本をパラパラめくりながらざっと眺めます。これをスキミングリーディングと言います。特にここだ、と思う箇所があったら付箋かなんかを貼っておきましょう。こうしてなんとなく本全体の雰囲気をつかんでおきます。

次に付箋を貼った場所を重点的に読みます。これをターゲットリーディングと言います。ここまでで質問に対する回答が得られて満足出来たら本を閉じていったん読書終了です。

この本はもっと全文を読んで味わいたいなと思ったら、次のステップ、通読にうつりましょう。これをトレーシングリーディングと言います。

ここまでで出てきた3つのリーディング、これは順番を間違えないようにしましょうね。いきなりトレーシングリーディングすると普通の読み方になってしまいますから。

そうは言っても買った本はくまなく読まなければ、もとがとれないと思ってしまうのが人情。なんとかこの不合理な人情とおさらばするのが本を早く読むためのコツです。


本書の著者、園善博さんはもともとフォトリーディングの講師をやっていた人です。今は自分で主催してセミナーを開いているそうですが、フォトリーディングの講師をやっている時から大変な人気だったそうで、教え子の中には読書家で有名なあの勝間和代さんもいます。

フォトリーディングはラーニングストラテジー社の商品ですから、まるまる同じものを個人で商用に利用することはできません。なので、本書にはフォトリーディングのフォの字も出てきませんが、読んでみると本書の内容はフォトリーディングをシンプルにして重要なところをできるだけ噛み砕いたものになっていることが分かります。フォトリーディング本はフォトリーディングの受講者にとっては分かりやすくできていますが、受講したことのない人には内容が分かっても実践することは難しいものかもしれません。

本書に書いてあることは目の動かし方など特別な技術は一切必要ありません。だから、フォトリーディングに興味ある人やフォトリーディングに挫折した人はまずは本書を読んでみることをお勧めします。



考える読書のススメ【書評】読書について


01 28, 2009 | Tag,読書術,読書論

読書について 他二篇 (岩波文庫)読書について 他二篇 (岩波文庫)
(1983/01)
ショウペンハウエル

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とても逆説的な名著です。

まずはコチラをどうぞ。

「もともとただ自分のいだく基本的思想にのみ心理と生命が宿る。我々が真の意味で十分に理解するのも自分の思想だけだからである。書物から読みとった他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着にすぎない。」

「読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。」

「ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失っていく。」

「多読すればするほど、読まれたものは精神の中に、真の跡をとどめないのである。」



「自ら思索するものは自説をまず立て、後に初めてそれを保証する他人の権威ある説を学び、自説の強化に役立てるに過ぎない。」

「熟慮を重ねることによって、読まれたものは真に読者のものとなる。」



なかなか痛烈に多読を批判しているので、冷汗をかいてしまいますが、この主張はなるほど一理あるな、というものです。

ショウペンハウエルが多読をやめておいて方がいいと主張するのは、「自分の頭で考えなくなるから」です。たしかに、読んだ本を自分の頭で考えもせずただ鵜呑みにするようでは、それこそ他人の脱ぎ捨てた古着を着ているようなものでしょう。教科書のような知識収集型の読書ならこれでもいいかもしれません。

最近私も思うのですが、読書のおもしろいところは書物と自分の頭が反応し、自分の頭の中が少しずつ違う考え方に変わっていく、そして違う自分に変化していくという点だと思います。

もちろん、そんなにすぐには変われないですし、実感もないと思いますが、確実に変化は訪れていると思います。


しかし、変化するためには本を読みながら、もしくは読み終えた後に自分の頭で考えていなければなりません。そうしないと知識収集型の読書になり、そうやって得た知識はやがては忘れ、忘れた後に呆然とすることになります。

実は「考える読書」の方が結果的には記憶に残りますし、後になってからでも幅広く応用可能な読書法だと思います。自分の頭の中で加工しなかった知識はすぐに忘れていきます。自分の中で十分に消化しきれた知識は、異なった場面に出くわしても自然と体が反応して適切に対応できたりします。


「考える読書」実践していきたいと思います。


参考記事:
読まずに語る!?【本】「読んでいない本について堂々と語る方法」



読まずに語る!?【本】「読んでいない本について堂々と語る方法」


01 01, 2009 | Tag,読書論,読書術,良書

年始にふさわしい一冊を紹介します。
かなり衝撃的なタイトルだと感じた本書ですが、読んで納得の一冊です。

読んでいない本について堂々と語る方法読んでいない本について堂々と語る方法
(2008/11/27)
ピエール・バイヤール

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本書は「本を読む」ことの意味そのものに対して、私たちの常識を覆すような気付きを与えてくれます。本書の著者ピエール・バイヤールさんは、フランスの大学で文学の教鞭をとっている教授です。
その著者が自分は本をちゃんと読んでいないことを告白し、その上で「本を読む」ことに関する新しいパラダイムを提供してくれます。


目次が内容を想像するのに役立つと思いますので、掲載しておきます。
I.未読の諸段階(「読んでいない」にも色々あって……)
1.ぜんぜん読んだことのない本
2.ざっと読んだ(流し読みをした)ことがある本
3.人から聞いたことがある本
4.読んだことはあるが忘れてしまった本

II.どんな状況でコメントするのか
1.大勢の人の前で
2.教師の面前で
3.作家を前にして
4.愛する人の前で

III.心がまえ
1.気後れしない
2.自分の考えを押しつける
3.本をでっち上げる
4.自分自身について語る


私たちは読書をする時には、
  1. 一字一句文字を追うようにして、意味をつかんでいかなければいけない
  2. 本は最初から最後まで全部読まなければいけない
  3. 全部読まなかった本についてはコメントしてはいけない

というような誰が決めたわけでもないのですが、暗黙のルールのようなものに縛られてきたと思います。

本書を読むことでこういった呪縛から解放されるので、自分の読書法について悩んでいる人や、仕事が忙しすぎて本をあまり読めない人などは一度読んでみると良いと思います。


そもそも、「本を読んだ」というのはどういうレベルのことでしょうか?本を完全に読んで完全に理解することなど可能なのでしょうか?


私たちは読書をするとき、たいてい「読んでいる」と「読んでいない」の中間領域にいます。これがどちら側に偏っても良い読書はできません。あまりに本に埋没すると、細部のみに目がいき、他の本や自分とのかかわりの中で、その本がどういう位置づけになるか、どのような意味を持つかが分からなくなってしまいます。森の中で迷子になるようなものです。また、ショウペンハウエルが言うように、本を読みすぎて、自分で考えることをやめてしまうのも危険です。

大切なことはその本の中に書いてあったことがどのような内容であったか詳細な要約ができることではないのです。その本と他の本のつながりや、その本の内容を自分なりに消化したあとの、自分と同化した部分を考え、知ることなのです。


読んでいない本と言っても、色々なレベルがありますが、ちょっと見かけた本やぱらぱらめくっただけの本、流し読みした本、どのレベルの本でも「読んだ」と言うことは可能です。内容を知るのに、細部まで読む必要はないのです。全体としてどういうことが言いたいのか分かれば十分です。目次だけで十分な時もあります。

しかし、より実践的に考えるなら、本によってその読み方は変える必要はあるでしょう。

世の中にある本はとても一生のうちに読みきれるような量ではありません。一字一句読むような読書法ではきっと情報過多の海で溺れてしまいます。



本書を読んで、私が今年1年実践していきたいと思った
読書に関する5つの注意点です。

 1.本の全てを読もうとしない
 2.一歩引いた視点から本を読んでみる
 3.本を読んだ後は、自分を読む
 4.とにかくコメントしてみる
 5.忘れることを前提にしてメモは残しておく


今年はもっと気軽に読書をし、本を読んだら読んだことに満足せず、自分なりの考えを作っていきたいと思います。

参考記事:404 Blog Not Found:読書論の極北 - 書評 - 読んでいない本について堂々と語る方法



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