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ドラッカーからの贈り物 「ドラッカーの遺言」


06 12, 2009 | Tag,ドラッカー,経営,自己啓発

ピーター・F・ドラッカー、彼は2005年に永眠された偉大なコンサルタントです。今回読んだ本には彼の至言が詰まっていました。本文中、文字の量は少ないのですが、その言葉一つ一つが私にとって心の深くに突き刺さります。


ドラッカーの遺言 (講談社BIZ)ドラッカーの遺言 (講談社BIZ)
(2006/01/20)
P.F. ドラッカー

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ドラッカーさんはこう言います。
日本は今「危機」に瀕しているのではなく、「時代の変化」に直面している。

考えようによっては「危機」ではなくチャンスです。だから日本の状況は決して悲観するものではないと。

変化には二つの特徴があります。
  1. 前回とは決して同じにはならない
  2. それは机上で考えるより早く現れる


変化は気付かないうちに忍び寄るため、それと気づいた人は勝ち組として生き残るし、気づかない人はいつまでも自分の置かれている状況を経済や時代のせいにすることになります。これは個人の単位だけに言えることではなく、国の単位でも言えることでしょう。高度成長を遂げた日本が旧来の手法に固執しすぎると、世界の中から立ち遅れるということです。

変化に対応するということは、ビジネスの世界にも、私たち個人レベルにも共通する課題です。



変化に対応するためにも知っておいて損はない、ビジネスの本質にかかわりそうないくつかを紹介します。大きく分けて経営、リーダー、決定、の3つです。リーダーの部分を厚めに説明してあります。


経営の本質とは

「事業の目的は?成果は?そのためには何をするべきか?」


  • あなたの事業はどういうもので、何を達成しようとしているのか?他の事業と異なる点は何か?
  • あなたの事業の成果をいかに定義するか?
  • あなたの事業独自の強みは何なのか?

ここに原点があるようです。



リーダーとは

生れながらのリーダーは存在しない。リーダーとして効果的に振る舞えるような習慣を持つ人が結果としてリーダーへと育つ。

有能なリーダーの特徴
  1. 「やりたいこと」から始めるのではなく、「やるべきこと」から始める。
  2. どれが自分の仕事なのか問う。
  3. 不得手なことは決して自ら手掛けない

やるべきことを徹底的に考え抜くことがはじめの一歩です。これを考えずに仕事を始めることは夜の森を懐中電灯も持たずに歩き出すようなものです。これでは組織の統率は図れません。

考え抜いた「やるべきこと」からどの仕事が自分の仕事なのかをさらに考えます。これは自分が行うのが成果を上げる最善の選択かということです。

もし誰か他に自分より的確に仕事をこなせる人がいたらその人に任せる。その方が組織が成果を上げるためには効果的です。ここでもさっき述べたような経営の本質があてはまります。


どうして有能なリーダーは「自分がやるべきでないこと」が分かるのでしょうか?

自分しかこの仕事はできない!自分がいなかったらこのプロジェクトはうまくいかない!というのはみんなが思うことだと思います。だからこそ、これは自分の仕事ではない!と考えるのは簡単なことではないと思います。

有能なリーダーは組織にとって一番成果が上がる方法を考えることができます。自らが率いる組織に対する責任がそうさせるのです。だから、成果を最大限上げるために自分が関わる必要はないと判断できるのです。


現代社会では個人がビジネスで生き残るために自分自身の価値を高めておくことが大切です。そのためにも自分の強みを見つけておくことです。

自分の強みはこれまで勉強してきたこと、仕事で経験してきたことの中に隠れている、というのがドラッカーさんの主張です。

しかしながら、これを見つけることも容易ではないでしょう。私たちの経験の中にもうまくいったものもあれば、うまくいかなかったものもある。うまくいかなかったことでも、その時たまたまうまくいかなかっただけで、うまくいくこともあったりする。

そんな中から自分の得意なことを見つけるのは至難の技です。また、「今やりたいこと」と「強みを活かせる得意なこと」は違う場合があります。やはり自分の強み、自分にしかできないことを徹底的に考える必要がありそうです。

ストレングスファインダーというツールがあります。以前当ブログでも紹介した本の中にあるツールですが、これは「強み」を見つける補助手段として役に立つと思います。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かすさあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
(2001/12/01)
マーカス バッキンガムドナルド・O. クリフトン

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決定とは

「決定とは将来に対する現時点でのコミットメント(宣言)である。」


人間は将来に対する予測を正確に立てることはできません。確率をあげることはできても。決断したとおりに事が運ぶのはせいぜい50%。有能なリーダーはこのことを理解しているから、注意深く多くの人に耳を傾け、チャンスとリスクのバランスを考え抜き、人選に出来る限りの時間をさくのです。

ある程度の失敗は織り込み済みと考えるのですね。非常に深い言葉です。「決定」というととても重大な契約をしたかのような感覚に陥りますが、この言葉を聞くと少し気が楽になります。




ドラッカーさんの話のすごいところは経営の分野にとどまらず、個人の生き方についても応用できることです。今回挙がった経営、リーダー、決定を自分自身にあてはめてみてください。ヒントになる点が多いことに気づくと思います。

しばらくしてまた読み返したら、きっと新たな発見があるんだろうなと思わせるとてもいい本でした。


【関連記事】他のドラッカー本2冊です。よろしければこちらもどうぞ。
【書評】マネジメント - 基本と原則
【書評】ドラッカー先生の授業


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【書評】小さな飲食店 開店・経営 儲けのバイブル


01 30, 2009 | Tag,経営,小さな飲食店

小さな飲食店 開店・経営 儲けのバイブル小さな飲食店 開店・経営 儲けのバイブル
(2008/11/22)
鬼頭宏昌

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本書は小さな飲食店というスモールビジネスを成功させるためのノウハウが詰まった本です。現在の不景気を反映したアドバイスが多く出てくるため、これから飲食店関係でスモールビジネスを始めようと思う人は読んでおくととても良さそうです。

前作小さな飲食店成功のバイブルも良かったですが、本書も前作に劣らず良かったです。


この不景気の中で小さな飲食店を成功させるために大切な原則に業種・業態選びがあります。

著者がこの時代に最も適した業種・業態として選んだのは「串焼き」です。串焼きは客一人に対する利益で考えれば、利益の中に占める原価の割合が低いものだと言えます。さらにお酒と一緒に売ることを考えると、ますます原価の割合は減ります。

原価を下げるという意味では、材料のコストをできるだけ減らす以外に人件費をできるだけカットすることが大切です。著者が目にした多くの赤字店の特徴は、人件費の割合が多すぎるということのようです。

しかし、経営をしていく上で、最も大切なのは人材ともいいます。特にどのような店長を起用するか、どのように店長を育成するかにかかっているとも言えます。店長次第で店の雰囲気が変わり、それはその店で働くスタッフの指揮にも関わります。リピーター獲得要因の一つに「人」というものがありますので、無駄な人件費を削減するというだけで、人材の育成やマネジメントはおろそかにしてはいけないし、店の雰囲気作りとしても大切だということです。



次に立地も大切です。

駅前に出店するか郊外に出店するかは大きな違いです。
例えばクセのある味だけど、有名なラーメン店を買い取ったとすると、郊外に出店するよりは駅前に出店したほうがよいということになります。それは、このような形態のお店は、新規顧客の確保が大切だからです。もちろんリピーターも確保できるに越したことはありませんが、クセのある味なので、初めは興味を持ってもコンスタントに同じ客が訪れてくれるというのは難しいこともしれません。一方、駅前なら人通りがまず違うわけですから、物珍しさにちょっと寄ってみようと思う人もいるはずです。出店を考えいてる業種・業態によって立地を選ぶ必要があるということですね。


最後の部分で、成功する考え方の習慣という部分に、

「起こる出来事そのものに意味はなく、ただ出来事が起きた、という事実があるに過ぎません。そんな出来事に意味をつけるのは常に自分です。」

というセリフが出てきます。

つまり、起きていることは常に正しくて、大切なのはその現実をどう感じ、どう対処するかということだと思いますが、たしかにそうですよね。



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【書評】稲盛和夫の実学―経営と会計


01 26, 2009 | Tag,稲盛和夫,経営,会計,経営者

稲盛和夫の実学―経営と会計稲盛和夫の実学―経営と会計
(2000/11/07)
稲盛 和夫

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本書の著者稲盛和夫さんは京セラの創業者です。技術畑から20代で京セラを起業し、一代で世界的な企業に育て上げた名経営者です。

本書は稲盛さんが実践してきた、経営者として身に付けておくべき会計の知識についての本となっています。個人的には会計の細かい話も分かりやすく興味深かったのですが、稲盛さんの経営哲学が随所に書いてあり、そこがとてもおもしろかったです。経営者の本というと、最近では海外のものが多いような気がしますが、日本にも優秀な経営者というのはきっと多く存在するのだろうと思いました。


稲盛さんの会計学の原点は

「私が知りたかったのは、会計や税務の教科書的な内容ではなく、会計の本質とそこに働く原理」

というところから始まります。

そして、稲盛さんの経営全てに通じるのは

「経営の立場において私はいわゆる戦略・戦術を考える前に、公平、公正、正義、努力、勇気、博愛、謙虚、誠実というような、人間として何が正しいのか、ということを判断のベースとしてまず考えるようにしている」

という考え方です。稲盛さんの経営者としての考え方の根底にはこのような理念があったのです。



本書に書かれている会計にまつわる経営の原則は7つあります。

 1.キャッシュベース経営の原則
 2.一対一対応の原則
 3.筋肉質経営の原則
 4.完璧主義の原則
 5.ダブルチェックの原則
 6.採算向上の原則
 7.ガラス張り経営の原則

です。

1.キャッシュベース経営の原則
キャッシュフロー計算書が当たり前になる前から既にこの考え方を取り入れていました。勘定合って銭足らずで黒字倒産することにならないように、キャッシュフローを考えることが大切です。


2.一対一対応の原則
モノがあっても伝票が後からではこれも勘定合って銭足らずになりかねません。そこで伝票とモノは常に一対一対応させることが大切です。


3.筋肉質経営の原則
まとめて買えば安くなったように感じるけれども、使わなければ結局無駄になりトータルでのコストは高くつきます。必要最小限のものを買うようにしましょう。


4.完璧主義の原則
経営における会計ではどの点でも矛盾のないよう完璧を追求します。


5.ダブルチェックの原則
ミスや不正はダブルチェックで防ぎます。人間は間違うものだし、間違いを犯しやすいものです。そこで自分以外の目を通すことでこのような事態を避けます。

ちなみに、病院の中でもミスを防ぐのにこのダブルチェックが当たり前になっています。


6.採算向上の原則
採算を向上させるために、時間当たりの採算にこだわります。

この点もそうなのですが、これらは経営の話なのですが、勉強本にも通じるものがありますね。


7.ガラス張り経営の原則
京セラはいち早く情報開示や投資家のためのIRを行っていて、このような公正さが企業価値を上げることにつながったようです。



「企業の使命は、自由で創意に富んだ活動によって新たな価値を生み出し、人類社会の進歩発展に貢献することである。」

稲盛さんは、経営者としてだけでなく、人間としても素晴らしい人なんだろうなと感じました。



【書評】「旭山動物園」革命


01 23, 2009 | Tag,旭山動物園,動物,人間,経営

「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト (角川oneテーマ21)「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト (角川oneテーマ21)
(2006/02)
小菅 正夫

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本書は動物園がメインテーマなのですが、内容は動物そのもの以外にも「人はなぜ動物園に行くのか?」という哲学的な話や、マネジメントなど経営の話もあり、分類に困る本です。しかし、どの話もとてもおもしろく、とても内容の濃いものになっています。



私たちが目にする動物園の動物たちは、その生態の一部しか見せていないわけで、例えば期待外れだけど、ライオンやトラは見に行ってもいつも寝ている、なんてことはあり得ます。

でもやっぱり動物園に来る人たちが見たいものは、自分たちが描くその動物たちらしさ、とか自分たちの知らないその動物たちの驚きの生態でしょう。

旭山動物園は従来の動物園と比較してどこに優れた点があったかというと、動物たちの形態だけを見せるのではなく、「行動展示」を行ったところです。

それぞれの動物にはそれぞれ特徴的な行動があるわけで、見せ方によってはそれはとても面白いものになるのです。ライオンやトラは明るい時間は寝ていて、暗い時間に活動するという特徴があるのですが、旭山動物園では、「それなら日が沈んだ時間まで営業時間を延長してお客さんを喜ばせよう」、とそういう試みがされていました。有名な冬場のペンギンの行進も「行動展示」の一つだったのです。



旭山動物園があるのは北海道の旭川市ですから、東京の上野動物園と違って放っておいてもお客さんが集まる、というわけにはいきませんでした。動物園といえども、お客さんが集まらなければ廃園ということになるわけですが、実際に地方にはそういった憂き目にあった動物園もあったそうです。

経営難に陥りかけていた旭山動物園を救ったのは「改革が必要な組織にはスターは不要だ」という著者であり、園長の小菅さんの理念です。「ボトルネックをなくす」という考えに近いので、企業経営にも通じるところがあるのではないでしょうか。

限られた経営資源をいかにうまくつかうか。こうして生まれたのが、従来の動物園にはなかった「コメント」や「ポップアップ」、さらには「喪中」の掲示です。これらが動物たちの近くに掲示されることで、動物園をより臨場感あふれるものにすることができました。



もう一つ、本書の中でとても印象に残ったのが、「人を知らんとすればまず獣を知れ」という言葉です。この言葉はフランスの博物学者であり、啓蒙学者であったビュフォンの言葉ですが、これこそ私たちが動物園に惹かれる理由なのではないでしょうか。人間が人間として意識できるのは他者が存在すればこそです。他者とは人間以外の動物です。

子供たちの中にはイラストのうさぎは見たことがあっても本物のうさぎを見たことがない子供もいるといいます。動物に接し、その生態を理解することは命の尊さを学ぶことでもあると思います。


自己を認識するため、命の尊さを学ぶため、自然の大切さを学ぶためにも動物園は貴重な施設なんだと思います。




【書評】ドラッカー先生の授業


01 16, 2009 | Tag,経営,ドラッカー,自己啓発

ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室

昨日に引き続きドラッカー先生に関する本です。

著者のウィリアム A コーンさんはドラッカーさんの教え子で、本書を読むと著者のドラッカーさんに対する深い尊敬の念がとてもよく伝わってきます。

本書は著者が大学院時代に記録したノートや記憶を元に作られたものなのですが、内容は経営に関するものから自己啓発的なものまで幅広くなっており、昨日紹介したマネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]よりはかなり読みやすくなっています。



本書の中から10個のエッセンスを紹介します。

・自信は少しずつ培うもの
自分の専門分野以外でも、縁の下の力持ちになることで自信は培うことができる。成功した姿をイメージするとか、内心不安に感じてても堂々と振舞うなど、ちょっとしたことの積み重ねで自信が築かれていく。


・常識の「根拠」を疑うこと
・経験にとらわれず白紙の状態で挑む

ドラッカーさんが経営コンサルタントとしての仕事で、GEのジャックウェルチさんにした質問

「白紙の団塊から検討するとしたら、この事業に参入しますか?」
「この事業をどう扱うつもりですか?」

この質問を受けてジャックウェルチさんは既存事業のスリム化を進め、株価高騰に大きな役割を果たしました。


・過去の成功にしがみつくと破滅する
 「チーズはどこへ消えた?」ですね。


・二つ以上の分野に秀でる
経営の専門家であるドラッカーさんですが、大学院では法律を学んでいて、博士号をとっています。また、経営以外にも美術の分野で論文を書いてしまうほど多才だったようです。

そんなドラッカーさんですが、読書を通じて幅広く知識を得ることを意識されていたそうです。楽しみのためでもあり、見識を広めるためだったようなのですが、これが本業を行っていく上でも、行き詰ったときなど、様々な場面で役に立ったのだそうです。

本業以外に何か強みとなるようなものを身につけておいたほうが良さそうですね。


・将来は予測できないが切り開くことはできる
・目標は気軽に変えてはいけないが、戦略は状況に応じて素早く変える
変化に柔軟に対応しつつ、断固としたビジョンの元、目標に近づいていく。、


・失敗を恐れない
成功の影には失敗がある。いくつもの失敗の上に成功が成り立っている。


・人材を大切にすること
失敗してもむやみに人材をターゲットにした非難は行わないこと。


・人を率いるにはまず相手を知ること



中でも「二つ以上の分野に秀でる」のに読書の効用を説いている部分が印象的でした。やはり偉人は読書体験が豊富なのですね。見習わないと。

参考記事:チーズはどこへ消えた?

ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室
(2008/09/26)
ウィリアム A コーン

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【書評】マネジメント - 基本と原則


01 15, 2009 | Tag,経営,マネジメント,ドラッカー

マネジメント - 基本と原則  [エッセンシャル版]マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]
(2001/12/14)
P・F. ドラッカー上田 惇生

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本書は「現代マネジメントの父」ピ-ター・ドラッカーさんの著書です。1974年の大著「マネジメント-課題、責任、実践」の抄録を訳しなおしたエッセンシャル版です。抄録の訳、だからか多少実例に乏しく、初めて著者の本を読む人には多少分かりづらいかもしれません。

本書は

マネジメントの使命
第1章 企業の成果
第2章 公的機関の成果
第3章 仕事と人間
第4章 社会的責任

マネジメントの方法
第5章 マネジャー
第6章 マネジメントの技能
第7章 マネジメントの組織

マネジメントの戦略
第8章 トップマネジメント
第9章 マネジメントの戦略

について書かれていて、
この中に45個の小項目(エッセンス)が並んでいる構成となっています。


マネジメントの役割を3つ挙げると、「自らの組織に特有の使命を果たす」、「仕事を通じて働く人たちを生かす」、「社会の問題について貢献する」、になります。企業が社会の中の一組織であることを考えると、マネジメントは組織の中だけの調整にとどまらず、社会そのものの調整という所にまで広がっていくと思われます。


企業の目的というのは「顧客の創造ということに他なりませんが、その基本的な機能には、「マーケティング」、「イノベーション」というものがあります。「マーケティング」は顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにするということです。「イノベーション」の結果もたらされるものは、よりよい製品、より多くの便利さ、より大きな欲求の満足です。


資本主義社会において利益至上主義であることは時々批判の対象になるところですが、企業が生み出す利益の機能についてなるほどと思うことが書かれていました。

 1.利益は成果の判定基準
 2.利益は不確定性というリスクに対する保険
 3.利益はよりよい労働環境を生むための原資
 4.利益は、医療や国防など社会的サービスをもたらす原資

企業から法人税や事業税など多額の税金を徴収しているからこそ、社会福祉が成り立っているのですね。そうすると、やはり資本主義社会において企業は利益を追求するのがあるべき姿と言うことになります。



マネジャーには”部分”に執着せず、”全体”を見渡せる目が必要です。また、そのあらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされるものを調和させていく力が必要です。

そのマネジャーが関与する部分で、「意思決定」の項が参考になります。

意思決定
のエッセンス4つ
 1.答えではなく、問題を明らかにすることに重点を置く
 2.反対意見を出しやすくする
 3.当然の解決策よりも複数の解決策を問題にする
 4.いかなる地位の誰が決定すべきかを問題にする

意思決定のプロセスに反対意見や複数の意見があった方がものごとを様々な面から見ることが出来て、たしかにいいような気がします。会議ではなかなか意見を言わないのが日本人の特徴だと思いますが(無駄な会議が多いせいかもしれない・・・)、マネジャーはこのようなことに気をつけなが全体の進行を進めていくのがいいのだと思います。


マネジメントで気をつけたほうが良いことに、「三人の主人を持つ奴隷は自由人である」というローマの格言にある通り、誰にとっても上司は1人出なければいけないということがあります。組織にとって忠誠の重複は避けなければならないものの一つです。


今となっては多くの経営関係の本が一般向けにも出版されていますが、本書はそれらの多くのエッセンスが詰まったような内容になっています。タイトルにある「基本と原則」は時代を超えて変わらない本質なのですね。



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【経営と投資】花のタネは真夏に播くな


01 03, 2009 | Tag,経営者,経営,投資

花のタネは真夏に播くな ~日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学~ (文春文庫)花のタネは真夏に播くな ~日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学~ (文春文庫)
(2008/10/10)
水澤 潤

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著者の竹田和平さんは菓子メーカー竹田製菓の創業者であり、日経上場企業100社以上の大株主です。

本書を読むことで、経営者としての哲学と大株主としての投資哲学を学ぶことができます。

経営にしろ投資にしろ、随所に竹田さんの「見返りを求めずに与える。相手の喜ぶことをする。」と言った人生哲学が見えてきて大変興味深いと思います。


竹田さんは初めは竹田製菓のキャッシュを有効に利用するために、投資を始めたそうです。だから、当初買っていた株は圧倒的な大企業でした。ところが、竹田さんは一昔前に経営破たんした山一証券の筆頭株主で、それにより大損した経験を持っているのですが、それがきっかけで、企業の価値に比べて市場の評価が低い銘柄を選択して集中投資、長期保有を行うようになったそうです。


本書の中から名言を抜粋します。

経営に関して
  • 商品が市場から受け入れられなかったとき、市場を変えるのは困難だ。世の中に受け入れられなかったときは、どんなに大変でも市場から受け入れられるように自分を変える以外に方法はない。


投資に関して
  • ブームが終わってみんなが敬遠するようになれば、値段は暴落する。投資してもペイする水準まで値下がりしてから初めて投資に乗り出せばよいのである。

  • 経営者がお役所感覚だったり、天下り感覚だったりする会社には絶対に投資してはダメ。

  • 情報源は会社四季報。中でも一株利益、株主(自己)資本比率、PER(株価/1株利益)を目安に銘柄を選ぶ。

どうも竹田さんの投資法は大げさかもしれませんが、ウォーレン・バフェットさんと似ている気がします。

つまり、

企業の価値が市場の評価に比べて割安な銘柄を、現在のような多くの投資家が売りに走っている時にさらに割安に買い、長期保有する。

という投資法です。


読み物としてもおもしろかったのですが、成功した投資家の投資哲学に触れるという意味でもとてもおもしろい本だと感じました。




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