スポンサーサイト


-- --, --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


速読ばかりが読書術じゃない 「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」


09 07, 2009 | Tag,読書術,精読

タイトルにある2通りの本の読み方のうち、本書に書かれているのは精読についてです。普段速読ばかりに意識を向けている人は本書を読むと得るものがあると思います。

速読と精読、この2つはどちらか一方だけにするのではなく、それぞれを使い分けることが大切だと思います。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)
(2005/09/20)
西林 克彦

商品詳細を見る


まずは文章を読むときに私たちが知らず知らずのうちに使っている以下の言葉を理解しておく必要があります。


スキーマ

あることがらに関する、私たちの中に存在しているひとまとまりの知識


文脈
文と文との続き具合。もう少し具体的に言うと、前のものと後ろのものとが、同じ背景・状況を共有していること。物事、情報などが埋め込まれている背景・状況のことです。


通常、速読する時は前書きや後書き、目次など全体を眺めてから読みにかかります。それは精読する時にも役立つはずなのですが、ここにまず最初の落とし穴があります。

というのは、初めに全体を俯瞰したとき、この本の言いたいことはこんな感じだろうな、と初めに先入観のようなものが出来てしまうからです。これがスキーマを利用して文脈を想像しているということです。

このスキーマというものが豊富な人ほど文脈を的確に想像でき、そのため速読が可能になるのだと思います。

速読は、自分にとって必要な情報だけ収集するには役立ちますが、例えば国語の受験問題のような細部から答えを引き出さなくてはいけない状況ではちょっと不利になると思います。そこで使ったスキーマは本当は微妙に間違っている可能性があるからです。試験問題の答えは客観的な情報だけから判断して答えを導き出せるように作ってあるため、この読み方が時に命取りとなります。


スキーマと文脈について分かりにくかったかもしれませんので、もう一度本書の中から一部引用して解説してみます。なるべく先入観を持たないように読んでみてください。

男は鏡の前に立ち、髪をとかした。剃り残しはないかと丹念に顔をチェックし、地味なネクタイを締めた。朝食の席で新聞を丹念に読み、コーヒーを飲みながら妻と洗濯機を買うかどうかについて論議した。それから、何本か電話をかけた。家を出ながら、子供たちは夏のキャンプにまた行きたがるだろうなと間下駄。車が動かなかったので、降りてドアをバタンと閉め、腹立たしい気分でバス停に向かって歩いた。いまや彼は遅れていた。(Bransford and Johnson, 1973)

いかがだったでしょうか?男についてどのようなイメージを持ったでしょうか?

失業者をイメージしたとします。もう一度、引用文を読んでみてください。それなりに理解できるはずです。

今度は男が株仲買人だったとイメージしてみてください。どうでしょう?このイメージでも意味は通じるはずです。

これがスキーマの魔力です。


私たちは、文章を読むとき、多かれ少なかれ今までに蓄えてきた知識を利用しています。そうでなければ文章は読めないのですが、文章に書いていないことまで補って想像してしまっていることがあります。

それは時に間違った解釈に私たちを誘導します。

本書はそういう危うい読み方になっていないか気づかせてくれる一冊でした。

精読する必要がある人、特に大学受験を控えた人にはうってつけの一冊だと思います。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)
(2005/09/20)
西林 克彦

商品詳細を見る


スポンサーサイト


最新記事
Amazon
リンク
Ads
月別アーカイブ
ライセンス
Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
Related Posts with Thumbnails
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。