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「病院」がトヨタを超える日


06 14, 2012 | Tag,病院経営,医療

「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)
日本の医療を根本から立ち直らせたいという著者の強い気持ちが表れている一冊。

増え続ける日本の医療費を税金中心で賄っていくには限界がある。高齢世代が持つ金融資産をうまく循環させることがその解決策につながると主張しています。

最低限の医療は国民皆保険で保証しつつ、もっと選択の幅を増やす。そのためには自由診療枠(保険外診療)を拡大して、医療の自由化をもっと推進するのが一つの手だと。

医療を、税金を食いつぶすお荷物としてではなく、産業として捉え、育てていこうという考え方です。

たしかに。この点は僕も同意です。


本書の著者は脳神経外科医。八王子で開業をしています。詳細は本書に譲りますが、経営手法が今までになく画期的で、脳神経外科病院の他、リハビリテーション病院やビル内のワンコインドックなど多角的です。

また、カンボジアの医療開発を通じて、それを日本に逆輸入しようという計画も進めています。海外で前例を作って日本に持ち込もうとしています。

なるほど。たしかに日本にいて医療改革を叫んでも、実現までの道のりは遠そうですからね。

ドラッグラグの原因に医療費抑制政策の息がかかっているなんて、なんだかなあ。真相は定かではありませんが、十分考えられるシナリオです。


実際のところ本書の内容にはところどころ突っ込みどころがあります。しかしながら、基本的な著者の考え方に僕は賛成します。

ワンコイン健診や国民総背番号制なんて今すぐにでも実現、普及したほうがいい方法だと思います。

旧態依然とした医療のあり方はそう遠くない未来に破綻するでしょう。この本は新しい医療について考えるきっかけを与えてくれる有益な一冊だと思います。


「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)
(2011/01/21)
北原 茂実

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「病院経営のしくみ」 


06 17, 2010 | Tag,病院経営,診療報酬

だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマ
本書を読んで、病院経営もある程度体系立てて考えていかないといけないんだなと思った次第です。

思考の枠組みがあった方が考えやすいということです。

例えば、”6つの医療の質”として、安全性、有効性、患者中心志向、適時性、効率性、公平性が挙げられていたり、

有名なPDCAとか、QC(Quality Control)、TQC、TQMといった経営の教科書に出てきそうな話が出てきます。



いまさらですが、本書を読んで気づいたことがあります。

病院経営で儲けを増やす手段として、”加算”項目がかなり大きいということです。

通常の心電図や心エコー、レントゲンなどの検査、手術や薬の値段、これらはどこの病院に行っても同じです。病院が個々に値段を決めることはできません。

日本の医療のほとんどが保険診療です。値段は中央社会保険医療協議会 - Wikipediaで決められています。


加算項目は「保険診療で医療行為の値段がすべて決められてしまっているなか、病院はどうやって儲けを増やすのか?」という疑問に答えてくれます。


診療報酬の構造は初・再診料や入院料といった基本診療料と検査や治療などそれぞれの医療行為に対する特掲診療料という2つに大別されています。

そして、基本診療料には、加算項目があります。例えば入院基本料等加算です。

大きな病院ほどこの加算項目をとりやすく、それを利用して儲けを増やそうとします。

例えば、救急医療管理加算(800点/日)というのがあるから、病院は救急をやることに積極的になります。

医療安全対策加算(85点/初日、35点/初日)とか褥創患者管理加算(20点)というのがあるから、病院内には医療安全対策チームとか、褥創対策チームが結成されます。

これらの加算はその時々の医療政策と密接に関係しています。医療費削減のために後発医薬品の使用が叫ばれてしばらくたちますが、後発医薬品使用体制加算(30点)というのを作って病院に後発医薬品の使用を促したりしています。



これらは金銭的なインセンティブをつけて、病院にあるべき機能を持たせようとする厚労省の政策でもあります。

これ自体は悪い制度ではないのですが、中には加算はとっているけど、実態がないというようなこともあったりします。

病院の中で生活していると、ある日突然なんらかの委員会が発足してることに気づいたりします。そして、その委員会の中に自分の名前が入っていてびっくりしたり。

その影にはこういった診療報酬加算の影響があることは間違いないということです。


だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマだれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマ
(2008/07/15)
木村 憲洋医療現場を支援する委員会

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病院経営者と現場に存在する認識の差 


06 15, 2010 | Tag,医療,病院経営

病院経営に大きな問題点の一つに、現場で働く医療従事者と、病院経営者の視点の違いがあります。

現場の医療従事者は患者さんを治療することにやりがいを感じ、それに専念したいと考えます。しかし、病院経営者は病院を維持するために患者さんの治療以外に、収益向上を追求していくことに重点を置きます。

例えば医師なら、治療するにあたって「効果はそんなに引けをとらないから、安いこの薬を使って」とか、「そんなにお金のかかる検査をやって意味あるの?」とか言われるとモチベーションが下がります。こっちは全力で患者さんを治したいと思っているのに、お金の話をされると、気持ちが萎えるというものです。

患者さんの治療に力をそそぐこと、病院の利益を追求すること、この両者は根底では同じ目標に向かっているはずです。病院の利益を追求することは、その病院の施設維持、ひいては設備向上につながり、それは医療従事者のモチベーションを高めるからです。

しかしながら、経営者(院長)の、「利益を追求して、よりよい病院を作っていこう」という意思はなかなか現場まで浸透していません。現場では「院長はまたお金の話ばっかり」とかそんな認識です。

病院が利益を追求することが、患者さん、そして医療従事者である自分たちにメリットのあることだということが理解できれば、医療従事者の行動は変わってくると思います。

これからの病院経営者には、”病院が儲かる”ということが、現場の医療従事者にとってどういうメリットがあるのか、わかりやすく提示できる必要があるのだと思います。


だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマだれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ―医療制度から業務管理・改善の手法まで、現場が知りたい10のテーマ
(2008/07/15)
木村 憲洋医療現場を支援する委員会

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これからどうなる?病院と診療所


11 01, 2009 | Tag,医療,病院経営,診療報酬

いずれもasahi.comのニュースから。



厚生労働省は30日、病院や診療所の経営状況を調べた医療経済実態調査をまとめた。09年の1病院当たりの収支は、前回調査時(07年)より改善したもの の、195万円の赤字。診療所は128万円の黒字だった。月額給料は、開業医の平均約207万円に対して、介護収益2%未満の病院の勤務医は約107万円 で、倍近い差となった。


それぞれの病院で赤字か黒字か違うんだろうけど、だいたいどの病院も同じように経営が苦しいのではないかと推察する。

診療所は黒字なのに、病院は赤字。この実態に影響を及ぼしているのが、「診療報酬」だろう。


診療報酬は 中央社会保険医療協議会(中医協) で決められた医療行為の値段である。例えば再診料なんかは病院よりも診療所の方が高くなっている。

日本医師会は開業医の影響力が大きいと言われている。これまで中医協の中で大きな発言権を持っていたのは日本医師会の代表者だった。

そうすると、中医協は開業医の利益を優先するように考えるだろう。その結果が、再診料なんかに表れているということだ。

長妻厚生労働大臣はこのあたりにメスを入れて、病院がもっと儲かるようにしようと考えているらしい。


病院の経営が診療所の経営に比べてよろしくないというのは、給料の面にも表れている。医師の給料は経験年数によって変わってくる。診療所で働く開業医の多くはそこそこ経験を積んだ人のはずなので、若手が多い病院とは単純な平均では比較できない。

疲れた勤務医が病院で働き続けることに疑問を感じ、開業することを決意することは現実に多い。だいたい開業医の方が労働時間や給料の面から魅力的なのだ。

だから、勤務医として働いている私としては診療報酬改定で病院の経営がよくなって、自分の給料が上がるのは歓迎する。(ちなみに今の自分の給料はここで公表されている給料より全然少ない。これは受け取って当然なはずの手当てが支給されていないことも関係している。これも病院の経営状態が関係している!?)


でも、以前声高に叫ばれていた病診連携をもっと強化する、という話はどうなってしまったんだろうとも思う。

病院が今より勤務医の数を充実させて、地域の患者さんを囲い込み、儲かるようになってしまったら、病院から診療所に患者を紹介するというインセンティブが働かなくなってしまうんではないだろうか。

個人的にはこれまで通り病診連携の強化はもっと必要だと思う。大きな病院をドーンと作ってその周りにサテライト的な診療所をたくさん作る。外来診療ですむ患者さんは診療所へ。詳しい検査が必要な患者さんや手術が必要な患者さんはある程度の検査を済ませたうえで大きな病院へ。これが適切。

開業医がどんどんつぶれてしまうくらいの行き過ぎた診療報酬改訂にならないことを望む。


注:ここでの「病院」は一般的にイメージする大きな病院、「診療所」は開業医がやっている病院のこと。


入門医療経済学2


07 24, 2008 | Tag,医療,医療経済学,病院経営,世界の医療

入門 医療経済学入門 医療経済学
(2004/03)
柿原 浩明

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・・・続き



世界の医療制度


イギリス
・基本的に患者負担なし
・税金でほとんど賄われている
問題は自己負担がない分、国民に医療の選択権がないこと。
住んでいる地域によって家庭医が決められてしまう。また、手術がなかなか受けられないなどの問題がある。

アメリカ
・国民皆保険ではない
・保険は民間の保険
お金のない国民は保険に加入できない。
なので一応メディケア、メディケイドなどの公的医療保障制度がある。
・それでも医療費の15%は税金で負担されている



病院経営について

病院というのはつくづく特殊な環境だと思います。

現場で働く医師の多くは医局からの派遣という形で病院に勤務しているため、病院の経営にはあまり関心がないのです。医局から評価されるためには通常、論文を書いたり、研究をしたり、そういった活動が必要になりますが、病院の経営をいくら良くしても医局からは評価されないのです。

病院経営について本当に真剣に考えている医師は少ないと思います。

そもそも、多くの医師のモチベーションはそういったコスト削減とか、売上げを上げるとかそういうことがメインではなく、純粋に「患者さんを救いたい」、ということにあるのが普通です。

また、医学部の教育では病院経営のことについては教わりませんし、大病院の一勤務医であれば、経営の良しあしが給料に反映されることもあまりありません。

そのため、病院経営については意識が希薄になります。


最近は少しずつですが、病院全体でコスト削減に取り組まれているようですが、まだまだ現場の医師に十分浸透しているかは疑問です。



以前にも当ブログで取り上げた機能分化の話

一部の患者さんは気付いているかもしれませんが、
一般に急性期医療を担う病院(地域の基幹病院)では、だいたい2週間以内の退院を目指します。
それを超えるようなら療養型の病院に転院するように促されます。
というのも、患者さんとしては退院まで同じ病院で治療を受けたいという気持ちなのが普通でしょうが、平均在院日数が17日以下でないと診療報酬の加算がとれないという病院の理由があります。

救急医療にしても然りです。救急医療をやっていると病院には診療報酬の加算があります。

機能分化を進めるための政策として、紹介率30%以上なら診療報酬の加算があります。外来患者はなるべく地域の開業医で診るようにという狙いです。



医師の方、だいたい病院で上の先生からああしろ、こうしろと言われることにはこういったお金の背景があるようですよ。
最近病院の中で言われていること(例えば、紹介率を上げましょう!とか)と国の政策の関係に注目してみると言葉の裏が見えて面白いかもしれません。




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