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【書評】過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?


01 25, 2009 | Tag,池田信夫,経済,IT,コンピュータ

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) (アスキー新書)過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) (アスキー新書)
(2007/12/10)
池田 信夫

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本書の著者池田信夫さんは経済学者であり、ブログ:池田信夫ブログ管理人でもあります。著者のブログは毎日多くの人が訪れ議論を呼ぶこともたくさんあるようです。

以前にハイエク 知識社会の自由主義も読んでみましたが、個人的にはこちらの方が理解しやすい内容だと思います。

あまり知らなかったのですが、どうやら池田信夫さんは情報科学の分野に詳しい経済学者のようです。半導体などの技術的な細かい知識にも詳しいようで、本書の中にもその手の話が一部掲載されています。



本書の要点はゴードン・ムーアさんの予言「半導体の集積度は18か月で2倍になる」をもとに、ITとそれを取り巻く産業の過去、未来について経済学的な立場から読み解くことです。

実際、ムーアさんの予言通り、半導体の性能はどんどん向上し、それとともにコモディティ化したことで安い値段で手に入るようになりました。

1980年代から比べると、コンピュータの性能は格段にアップしました。今や携帯電話すら一昔前のコンピュータをしのぐほどです。

ハードの性能向上と値段の低下の過程には


垂直統合 → モジュール化 → 水平分業 → コモディティ化
→ 世代交代 → 垂直統合 →・・・


という流れがあります。

この点に関しては本文中でも引用されている通り、イノベーションのジレンマに詳しく書いてあります。



ハードの性能が向上した割に、情報技術のボトルネックになっているのはソフトと電波と人間です。


ソフトは今までマイクロソフトが著作権を楯に利益を独占していたような感がありますが、最近では一般の人もオープンソフトを利用できるようになりました。ユーザビリティが向上すれば、オープンソフトはさらに大衆の利用が進むので、技術の向上も加速するはずです。

オープンソフトを利用する点でもそうですが、今やコンピュータを利用してインターネット環境が整わないことはその性能のほとんどを使っていないことに等しい気がします。インターネットの利用環境には規制がしかれている電波がの利用がボトルネックになっているそうです。

もう一つは人間です。情報を入手するコストが格段に減ったにもかかわらず、テレビなどの一方的なメディアに偏りすぎて、膨大な情報を有効利用できていないということです。



オープンソフトの利用についてはGoogleやオープンオフィス、FireFoxなど、これからもどんどん利用できるようになりそうです。ユーザーとしては次にどんなサービスが利用できるようになるか楽しみです。

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ハイエク 知識社会の自由主義


11 21, 2008 | Tag,ハイエク,ケインズ,資本主義,自由,池田信夫,インターネット

著者はアルファブロガーでもある池田信夫さんです。
池田信夫 blog

経済学者はおそらく学者として自分のことを認識しているのであれば、あらゆる社会現象を説明しうる理論というのを求めているのだと思います。

本書はフリードリヒ・フォン・A=ハイエクさんを引用し、著者が現代の経済学に対する一つの解を示している本なのだと思います。

様々な学派がありますが、経済学がいまだに一つの学問として答えに行き着いていないところを見ると、とても難しい学問であることが良く分かるし、まさに答えのない学問なのかもしれません。

ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書 543)ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書 543)
(2008/08/19)
池田 信夫

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本書は分かりやすく書いた本だと著者は文中で語っていますが、おそらくこれは経済学を一通り勉強したことのある人にとってです。本文中には経済学の繁栄の基礎を築いた偉人がたくさん登場し、それに関する引用も細かく記してあり、その体裁はさながら論文のようです。

当ブログ:容疑者ケインズ―不況、バブル、格差。すべてはこの男のアタマの中にある。でも触れましたが、経済を考える上で理解しておくべき立場は、市場はもともと効率的であると主張する古典派と、政府は金融政策や財政政策を積極的に行うべきと主張するケインズ派の二つが主流でしたが、ハイエクはこれらの説とは違う立場にいます。

ハイエクは、人々は不完全な知識のもとで、必ずしも合理的とは言えない慣習に従って行動する、と主張しています。

社会主義や新古典派に共通する合理主義完全な知識という前提を批判し、ケインズ的な計画主義をも批判しています。そしてハイエクは、「不完全な知識に基づいて生まれ、常に進化を続ける秩序が、あらゆる合理的な計画をしのぐ」、という予言をしていて、これは現在のインターネット社会の繁栄を予言するものとなっています。

インターネットを例にとってみても分かるとおり、現代が知識社会であればこそ、ハイエクの予言は真実味を帯び、私たちは多くを参考にすることができるのだと思います。



経済学はいまだに答えが出ていないと記述しましたが、これは何も経済学に限ったことではありません。医学もそうですし、どの学問についても言えることでしょう。だからこそ、学問として成立するわけで、今日の常識が明日の常識ではないかもしれない、真実に対する探求こそが学問の魅力なんだと思います。



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