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「歴史とは何か」


08 02, 2010 | Tag,歴史

現在は誰かの手によって記録され、それは歴史となる。

また、過去の事実は誰かに掘り起こされ、それが歴史として記録されている。

歴史家が書いた歴史を、さらにその未来に歴史家が歴史として書くわけだ。

わたしたちが手にしている歴史というものはそういった過程を踏んだものということである。

歴史に求められるものはなんだろうか?

ただの事実の羅列であろうか。

歴史家の手にかかると、そこには事実の選択や整理という作業が加わる。解釈が加わっている。

歴史家は現在の一部で、事実は過去に属しているわけだから、歴史家が生み出すものは現在と過去との相互作用の産物である。

事実を持たぬ歴史家は根もありませんし、実も結びません。歴史家のいない事実は、生命もなく、意味もありません。


歴史とは歴史かと事実の間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのである。


そう。歴史は事実の羅列と違うのである。


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先進国と途上国の違いに人種は関係ない 「銃・病原菌・鉄」


02 01, 2010 | Tag,名著,歴史,言語,人種

これまで考えたことがありませんでした。同じ地球上に生まれたのに、人類はどうして地域によって違いがあるのでしょう。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ある国では先進技術を駆使してハイテク生活を満喫していたり、そうかと思えばいまだに原始的な生活を送っている人がいたり。


同じ地球上であるにも関わらず、文明や文化を異なる形式で発展させた人類。どのようにして今のような勢力図になったのか。本書はそんな疑問に答えてくれる一冊です。



本書の中で個人的に特におもろしかったのはフランシスコ・ピサロ率いる少数のスペイン軍が、インカ皇帝アタワルパの大群に勝利するところですね。この勝利に、タイトルにもある銃、病原菌、鉄が大きな貢献をしています。


発達する文明

この時代のヨーロッパはすでにといった戦闘に有利な道具をそろえることができました。

そして、船を作って遠く離れた場所に行くことができ、言語を発達させ情報の伝達をスムーズにすることができました。

また、中央集権の政治機構を整えて、集団を統治することができました。

これらの文明を支えていたのは狩猟ではなく、農耕や牧畜を中心とした定住生活です。

農耕を可能にするのは農耕に適した土地や気候です。牧畜には適性ある野生種の存在が必要です。こういった地理的条件は文明の発達にものすごく影響しています。

「歴史は民族によって異なる経路をたどったが、それは居住環境の差異によるものであって、民族間の生物学的な差異によるものではない。」

条件のそろった地域が他の地域に先んじて文明化していくわけです。生物学的要因よりも社会的要因の方が大きいということ。そう考えると、人種の優劣を例えば肌の色で決めたりすることもバカバカしく考えられます。先進国と途上国の差は人種が原因になっているわけではないということもわかります。


文明と病原菌

さらに、忘れてはいけないのが病原菌というファクター。

農耕や牧畜が盛んになると、そこには病原菌が繁殖してきます。

ユーラシア大陸では、天然痘、麻疹、インフルエンザ、ペスト、結核、チフス、コレラ、マラリアといった致死率の高い動物由来の感染症が人間に感染するようになり、過去ヨーロッパなどでは大流行をしました。

病原菌に対する免疫力を高めた人種が、免疫を持たない人種が住む大陸に進出したらこれは大変です。免疫を持たない人たちは壊滅的なダメージを受けても不思議ではありません。これはピサロがインカ帝国に勝利することができた要因の一つになりました。


文明の発展はいつまでも続くのか

文明を発展させていく過程については分かりました。じゃあ、いったん発展したらその発展は永遠に続くのか。いや、どうもそうではないようです。

例えば中国なんかはいちはやく独自に高度な文明を発展させていたのに、現代近くになるとその発展はヨーロッパやアメリカの後塵を拝しています。世界を牽引するリーダー国にいちはやくなっていてもおかしくないのに。これって不思議です。

実はこの原因の一つに船団派遣の中止があります。ここで誤った選択をしたということです。ヨーロッパなんかは数々の国が乱立する中で、戦争をきっかけにするなどして、技術や文化の伝播を進めてきたわけです。ところが、中国はこれを自らやめてしまった。ここがヨーロッパと中国の違いだというのが著者の主張です。

「環境は変化するものであり、輝かしい過去は輝かしい未来を保証するものではない。」

ということです。ドキッとするようなこの言葉、覚えておくといいかもしれません。


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繰り返し読みたい一冊だと思います。



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