資産運用を始める前に読む本【書評】資産運用の強化書


01 22, 2009 | Tag,投資,資産運用,,債権

資産運用の強化書 (Modern Alchemists Series No. 70)資産運用の強化書 (Modern Alchemists Series No. 70)
(2008/12/05)
角山智

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本書は金融資産を利用した、資産運用全般についての話が分かりやすくまとまっています。さらに嬉しいのは、すぐに実践できるように具体的な銘柄まで記載されている点です。2008年後半の本なので、出てくる銘柄はそのまま参考にできると思います。

こういった本は出典というか、この本がどの本を参考にして書かれているか、という点が信用に足るかどうかの一つのポイントだと思います。その点、本書は投資本として有名な、いわゆる名著と言われる本を参考にしている(巻末にお奨めの投資本として紹介されています)ので安心感が増します。



結論から言うと、資産運用の基本は「国内株式、海外株式、国内債券、海外債権、REIT、商品、新興国それぞれのインデックスファンドに幅広く分散して投資し、経済や相場の流れによってこれらの比率を変えていく」、ということになると思います。

選ぶのはETFでも良いと思いますが、個人投資家が資産を徐々に形成していくという点では積み立てが出来たほうがよいと思います。ETFの方が手数料が安いことが多いので、その点は良いのですが、積み立てできるETFとなると、数も少なくなるようです。どちらにしろ、コア投資として考えるのは、インデックスファンドもしくはETFが良いと思います。


コア投資を始めたら、さらにやる気のある人が目をつけるのはバリュー投資でしょうか。個人投資家は原則プロに適いませんし、その平均リターンは市場平均を下回ると考えておいたほうが良いでしょう。

しかし、その原則が通じない「アノマリー」というものがあります。これは押さえておいたほうがよさそうです。

メジャーな銘柄ではなく、誰も目を着けていなさそうなマイナーな、だけど将来性のある小型の株です。
そもそもこれを見つけるのが大変なのだとは思いますが、見つけることが出来れば個人投資家でも市場平均を上回ることができるでしょう。

他にも、「1月は株価が上昇しやすい」、「4月は日本株が上昇しやすい」、「10月は米国株が安値をつけやすい」、「節分(2月3日)は株価が高く、彼岸(3月20日)は株価が安くなる」、などの効率市場仮説で説明できない「アノマリー」もあります。


市場の動向を観察する手段として役に立つ指標
  • 長短金利差

  • 逆イールドは景気悪化を招く。逆イールドというのは政策により短期金利が長期金利を上回ってしまうこと。

  • イールドスプレッド

  • =REIT配当利回り-長期金利。不動産市況が過熱すると、利回りを無視するほどの売買が行われる。なので、この値がマイナスだと不動産市況の過熱していることを意味する。

  • 商品市況

  • 例えば石油の値段が上がれば、それに伴いトイレットペーパーの値段が上がる。これは、急騰するとインフレになる可能性が上がることを意味する。

  • 銀行株指数

  • インデックスに先行して下がる。

  • クレジットスプレッド

  • 米国債とハイイールド債(信用格付けの低い高利回り債権)の利回りの差。信用収縮が起これば拡大する。

  • 恐怖指数

  • こんな指数があるのですね。知らなかった。大底にて急上昇します。40%を超えると、相場は大底をつけるといわれています。ちなみに、調べてみましたが現在は46です。大底ということですね。




本書には指標になる指数を米国Yahooを利用した便利な管理の仕方が書いてあったので、早速アカウントを取得してマイポートフォリオを作ってみました。これまで日本のYahooファイナンスしか利用してませんでしたが、米国のYahooファイナンスも使ったほうが良さそうです。とてもよく出来ていますね。

まだまだ金融リテラシー不足を痛感してしまいました。基本的な考え方は分かってきた(つもり!?)ので、もっと知識を深めていきたいと思います。


本書に紹介してある著者のサイトはこちら▼
パーシャル・オーナー



【本】外国人投資家


01 02, 2009 | Tag,外国人投資家,,投資,資産運用

外国人投資家 (新書y)外国人投資家 (新書y)
(2007/01)
菊地 正俊

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本書は2007年1月発刊の新書です。

最近では外国人投資家は日本からどんどん引き上げているみたいなので、若干時代にそぐわない本かもしれません。しかし、時代は繰り返すものです。今すぐ役に立つ本ではありませんが、読んでおいても損はないと思います。

本書を読んで気付くのは、「ハゲタカファンド」などといった言葉に代表されるような、外国人投資家に対する誤った見方です。

単純に考えても、日本の経済を大きくするという意味では、外国の資本が日本に投入されることは好ましいことではないでしょうか。

企業は株主のものと言います。外国人投資家が出資に応じて経営に関与するのは、自分の資産を守るためには当然という感覚なのでしょう。実際、外国の資本が入ってきたことで、多くの企業が日本企業の3つの過剰(労働、負債、生産能力)の解消が行われました。こういう動きは私たち個人投資家にとっても望ましい動きではないでしょうか。



外国人投資家の投資スタイル
  1. バリュー投資
  2. マクロ的な経済や産業状ではなく、個別企業の業績やバリュエーション(割高・割安)に注目。
  3. ボトムアップ運用
  4. 株価と業績や資産価値とを比較して割安と思える株に投資すること。これは米国スタイル。

ちなみに、欧州の投資家は逆にトップダウン方式で政治、経済、産業、為替などのマクロ的視点でいつどんな株式を買うべきか決める方法をとることが多いようです。



外国人投資家の傾向
いったん日本株がいいと思い日本株を買い続けると、中長期的に買い続ける一方、日本の経済や企業が悪いと結論づけると、数年に渡って売りるづける傾向にある。

この傾向から考えると、当分は日本株買いの波は来なさそうですね。

日本の株式市場の20%強が外国人投資家による資本です。そして、彼らの動向に市場は影響されます。ということは株価が大きく上昇することはしばらくは考えにくいと言えるのでしょうか。


まだまだ底が見えたとは言えない株式市場ですが、今年も賢く資産運用していきたいところですね。




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黄金の扉を開ける賢者の海外投資術


11 29, 2008 | Tag,資産運用,,海外,税金,不動産,ヘッジファンド

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
(2008/03/07)
橘 玲

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本書は臆病者のための株入門の著者、橘 玲さんの著作です。”臆病者のための株入門”が初心者向けだとすると、この本ではさらに、ハイリスクハイリターンでレバレッジを効かせた投資に言及しています。

橘さんは本書でWeb2.0ならぬ金融2.0というようなことを言っています。従来の金持ちしか投資をできなかった環境が金融商品の多様化、インターネットの整備などで、誰でも利用でき、手の届く範囲になりました。昔のお金持ちがプライベートバンクで行っていたようなポートフォリオ作りが手軽に出来るようになったのです。

本書の特徴に、様々な投資法について引用や解説がしっかりしているため、非常に説得力があるという点があります。

本書ではインデックスファンドを利用した分散投資から一派進んで、エマージング投資、ADRやGDRなどのデリバティブ、商品コモディティ、FXなどレバレッジを効かせられる金融商品を詳細に解説しています。これらの方法はレバレッジを効かせ、資産を増やすという意味でとても良い方法だということは分かるのですが、私のような投資初心者にとっては実行に移すまでにまだまだ大きな壁がありそうです。



私が個人的に印象に残ったのはマンガ”美味しんぼ”に例えた”究極の投資”対”至高の投資”という点でした。”美味しんぼ”をイメージすると分かりやすいかもしれませんが、究極の投資が富裕層の投資の仕方で、ある程度完成されたものです。一方、至高の投資は平凡サラリーマンが、究極の投資で運用した結果と同じ運用額を得るための投資法です。


お金を十分に持った富裕層が行う”究極の投資”はいわゆる経済学的に正しい投資、経済全体に投資するコンセプトのインデックスファンドを利用した分散投資です。


それに対して平凡サラリーマンが行う”至高の投資”ではどう考えるかと言うと、自分自身を人的資本という風に考えます。この考え方で行くと、例えば年収500万円のサラリーマンは二億五千万円の資金を年利2%で運用し、そこから継続的に年500万円のキャッシュフローを得ていることになります。ものすごく単純に考えてですが。

”究極の投資”に勝つには、金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、全資産を株式に投資すべきであると主張しています。万が一ダメになったとしても人的資本を持っているからまた500万円のキャッシュフローが稼ぎ出せるからという論理です。

さらに、ハイリスクハイリターンになりますが、なるべくレバレッジを効かせた金融商品でないと”究極の投資”には勝てません。

では、投資対象は日本にすべきでしょうか?それとも、海外にすべきでしょうか?
この話は日本を舞台にした話なので、日本のサラリーマンが主役です。つまり、ここで登場する人的資本というのは日本の資産ということになります。先ほどの2億5千万円が、です。そうすると、”分散”の観点から言って、株式投資は全て海外にするべきだということになります。


いささか、強引な論理かもしれませんし、机上の空論かもしれませんが、主張していることの意図は分かります。レバレッジと言うと、危険なイメージばかり付きまといますが、考えてみると、住宅ローンもそうですよね。少ない頭金で大きく借り入れるわけですから。



本書の中でタックスヘブンと言って税制上優遇される国があることが紹介されていました。今後、何十年かで積み立てながら資産を増やしていったとして、最後に現金に換える時、日本なら20%ほど税金がかかります。1億円貯まっていたら2000万円税金として徴収されるわけです。なかなか無視できない額です。ミリオネアの人たちは倹約家ということを昨日記事にしましたが、税金に関してもシビアに考えています。

節税の一つの抜け道が、現金にした時に外国に居住するという方法です。武富士一族が裁判で争っている通り、どこまでが”海外に居住していた”ということになるのか、という基準に関してまだ一定の見解は出ていませんが、今後注目したところです。

その前に税金のことを考えなければいけないほど、資産を増やさなければいけませんね・・・



あまり投資にたくさんの時間をかけられない私としては、今回紹介されていた投資商品の中で、REIT、ETFに興味を持ちました。このあたりから始めてみようかなと思います。



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すべての経済はバブルに通じる


11 27, 2008 | Tag,経済,投資,,バブル

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)
(2008/08/12)
小幡績

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本書はバブルという経済現象を通じて、資本主義におけるマネーの動き方を分かりやすく解説してくれている本です。

そして、投資が投資を生むという現代社会の恐ろしい構造を指摘するとともに、数十年後、同じような状況になったときに私たちがどう考え、どう対処すればよいかについて教えてくれます。

昨今のサブプライムローンを発端にした大不況下で、どうしてこのような状況になったのか知る意味でもとても意義深い一冊と言えると思います。

私は本書を「目から鱗」の気分で読ませてもらいました。

本書は、経済に興味がある人はもちろんですが、投資に興味がある人にもお薦めです。



本書で理解しておきたい内容は4つあります。

  1.バブルを加速させた証券化
  2.サブプライムローンの功罪
  3.バブルがはじける時
  4.今回のバブル崩壊から学ぶべき教訓

まずはです。

資本主義社会では経済の成長を支えているのは、資本の増殖ですが、今回のバブルではその中でも金融資本の膨張が原因となっています。

サブプライムローンはそもそもローンの支払いができなさそうな人にまで住宅ローンを組ませてしまうというものですが、これは住宅価値が増加し続ける状態では理にかなった方法でした。実際に住宅の価値は上がり続けていたのです。このような状況では、もし貸し倒れが起きたら住宅を引き取れば良いですし、住宅ローンを借り替えさせるという方法でもローン会社は損失を回避できます。

さらに、このような信用力の低いサブプライムローンは証券化することでリスクが分散され、世界にばらまかれました。住宅ローン会社は、証券化することで全てのローンを自分で抱え込む必要がなくなり、市場にリスクを背負わせることが出来ます。そうすると、住宅会社は更なる融資を受けることができるので、サブプライムローンは加速していきます。

このサブプライムローンが一見上手く機能していた背景には、住宅の価値が上がり続けるという前提があったわけですが、この前提が崩れた時、住宅ローン会社が危機に直面したばかりでなく、証券化した金融商品を購入していた人にまで影響が及んだわけです。



次に、についてです。

まず、本書ではバブルに対する一般的な認識
  1. バブルの最中はバブルと誰も気付かない。
  2. バブルに投資することは、明らかに失敗で、後で振り返って、バブルであることに気付いていれば投資しなかったのに、と後悔する。
  3. バブルは危険なものであり、懸命なプロの投資家は近づかず、素人が蒂に手を出して失敗するケースばかりである。したがって、バブルの疑いがあるものには決して近づいてはいけない。
が誤ったものであると指摘しています。

本当はバブルの最中にあることは投資家なら気付いていたはずなのです。しかし、バブルの波に乗っていれば株価は上がり続けるので、いつかはじけるとは分かっていても、投資で儲けることを仕事にしている人達はできるだけ粘って波に乗り続けていなければなりません。

株価が上がったり下がったりするのにはこういった投資家のマネーが大きく関わっています。株式市場にマネーが集まれば集まるほど、株価が高騰していったわけです。

ここで気付くのは、短期的に株価を上げ下げしているのは企業のファンダメンタルなどではなく、投資家のマネーであるということです。発端になる仕掛け人がいて、それにその他大勢の投資家が追随し、株価が上がったり下がったりするわけです。

いつはじけるかは分からないのがバブルですが、個人投資家も初めから避けて通らなくても良いということが分かります。バブルに上手く乗ればいいわけです。降りるタイミングが難しいのは確かですが。



の現在の金融危機から私たちが心に留めておいたほうがよさそうな教訓です。
1.ファンダメンタルズは無力である
これは特に短期的な市場ではという意味です。

2.引き金を引く投資家
株式市場には投資家という仕掛け人がいます。

3.群集の心理
多くの投資家は高騰という欲望や、暴落という恐怖に怯えて感情に流されています。仕掛け人でなければ、誰かに追随して売買を繰り返しているのです。




今後、新聞を読むときは、ニュースのネタがどのような形で投資家の心理を動かしているのか、意識して読みたいと思います。






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臆病者のための株入門


09 30, 2008 | Tag,橘玲,資産運用,,投資

”についての理解がとても深まります。
良い本です。
タイトルより内容は硬派な気がします。

臆病者のための株入門 (文春新書)臆病者のための株入門 (文春新書)
(2006/04)
橘 玲

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教訓的にまとめてみます。


投資はギャンブルである。これが大原則。
誰にも必ず勝つ方法は分からない。

式市場は誰かが勝てば誰かがまけるゼロサムゲームである。そこでは、大きなリターンを得ようと思ったら大きなリスクをとらなければならない。ノーフリーランチなのである。

一発で大儲けしたデイトレーダーの話に憧れてはいけない。
それは宝くじを当てるのといっしょのことだからだ。

で一儲け、みたいな本は信用してはいけない。そこにチャート分析とか一見理論的な手法が用いられていそうでも信用してはいけない。なぜなら、そんなおいしい話があるんだったら著者がその方法を独り占めにした方がいいに決まっているからだ。その方がその方法を公開することで得られる利益より大きいはずだ。



それでも市場の歪みを見つける方法が存在する。

それは、”ファンダメンタル投資”テクニカル投資という方法である。


ファンダメンタルズ分析は企業には固有の本質的な価値があり、そこから合理的な方法で適正な株価(理論株価)を導き出すことができると考える。
この方法では企業理念、経営状態、売り上げ高利益率などの財務諸表を読んで割安な株式を探すのだ。
超有名投資家ウォーレン・バフェットはこの方法を用いて長期保有することで莫大な資産を築いている。

それに対してテクニカル投資は「すべての情報はチャートに埋め込まれている」という考え方です。チャート分析の結果に基づいた投資ということ。



上に述べたのが積極的な投資だとすると、より堅実な方法というのが実は存在する。
この本の中で3人のノーベル経済学賞受賞経済学者がそれを説明してくれている。

分散投資の効用を数学的に説明したマーコウィッツ。

効率的ポートフォリオを考え出したトービン。
トービンは国債と株式を組み合わせ、リスクとリターンをバランスよく組み合わせるということである。

インデックスファンドを考え出したシャープ。
株の値動きというのは”その銘柄に固有の動き”と”市場の動きに反応する動き”に大きく影響される。これを元に、彼のCAPM理論は「世の中に効率的ポートフォリオはひとつしかない。それは株式市場の縮小コピーである。」と結論している。

そうすると、投資家が保有するもっとも効率的なポートフォリオは、市場に存在するすべての株式を、市場に存在する割合だけ保有したものになる。

これこそがインデックスファンドの原点なのである。


実際にファンドマネージャーが懸命に運用しているアクティブファンドのうち、6~7割が市場平均を上回れないのである。


基本的な疑問になるかもしれないが、インデックスファンドに投資していて、なぜ利益が出るかというと、それは資本主義は自己増殖のシステムなので、長期的には市場は拡大し、株価は上昇するという原則があるからだ。長期投資が良い理由もここにある。


経済、と言っても、経済学的に最も正しい投資法は世界経済全体に投資することである。

そうすると、アメリカの市場が50%を占め、日本は15%なので、投資の比率は国内15%、海外85%にする方がよいということになる。


著者が言う素人の投資法をまとめると、
投資に回せるお金を用意できたら、攻めの投資をするとしてもそれは全体の2割くらいにとどめ、残り8割を手堅く増やす方法に充てる
手堅く増やすためには、8割のうち85%を海外の株式、国債で、15%を国内の株式と国債にする。そしてそれらはインデックスファンドで運用する、ということになる。
ということになる。


この本を読んで、他の著作も読んでみたくなりました。
バフェットさんの本も読んでみたいですね。






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