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おおきなかぶ、むずかしいアボカド


12 03, 2011 | Tag,エッセイ,村上春樹

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2
とにかくほっとしたい。頭も体もぐったりなので難しい本は読む気になれない。気楽に読めて、読んでいると癒される。そういう本を読みたくなる時があります。

論理的かどうかとか、主張はしっかりしているかとかそういう難しい話はどうでもいいんです。内容よりも文体から醸しだされる雰囲気がすごく心地いい。そんな文章です。

文章には書き手の個性が現れます。多かれ少なかれ。僕が好きな作家に村上春樹さんがいます。彼が書く小説はもちろん好きです。

先日読んだ「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」というエッセイ集がとても良かったです。

日常のことを小説よりも砕けた感じの親しみやすい文体で書かれています。彼の小説ではお酒のことや好きなミュージシャンのこと、好きな作家が登場して、それらがスパイスのように効いて雰囲気作りに大きな役割を果たしていると思います。そのあたりは今回のエッセイでもいい感じに登場します。

ブログなんかでこのエッセイみたいな文章が書ければいいのになあと僕なんかは本気で憧れます。

この作品では一つ一つのエッセイの最後に”つぶやき”が書かれています。例えば

「婚約破棄」と聞くといつも捨てられたコンニャクを思い浮かべるんだけど、下らないですね。

「挨拶」という字が書けません。20年くらい前から覚えなくちゃなと思いつつ、今に至っています。

日本からダンキンドーナツが撤退して長い歳月がたちます。国家的悲劇です。


村上さんもこんな事考えているのですね。だいぶくだらないんですが、そのくだらなさがたまりません。

こういう本って好き嫌が分かれそうですが、僕は大好きですね。日々の息抜きにいかがでしょうか。癒し系の一冊です。


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(2011/07/07)
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ロング・グッドバイ


09 27, 2010 | Tag,村上春樹,小説,ミステリー

ロング・グッドバイ
本書は偽ロレックスを買う人は、どうして一生貧乏なのか?の著者黒野修資さんから紹介してもらった(グレート・ギャツビー | メタノート)本です。

村上春樹作品が好きな人はきっと読んで後悔しないと思います。

前にも書いたように(グレート・ギャツビー | メタノート)、「グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)」、「カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)」、「ロング・グッドバイ」の3冊が村上春樹さんに最も影響を与えた小説だそうです。

僕はこれらの作品の中では今回の「ロング・グッドバイ」が一番好きです。

「グレート・ギャツビー」よりも、現在の村上作品により近い作風だと思います。順番から言って、村上作品”に”似ているというより、村上作品”が”似ていると言ったほうがいいのでしょう。

村上さんは本書を高校生の頃から清水俊二氏訳の「長いお別れ」から始まり、レイモンド・チャンドラー自身の原文まで折にふれて何度も読んできたそうです。

彼の独特の心理、風景描写はレイモンド・チャンドラーから学んだものだということです。

本書はミステリー小説です。謎を解き明かす過程はもちろん、随所に登場するアルコールやエロチシズムが物語の雰囲気をセンスよく仕上げています。

村上作品の雰囲気が好きな人、是非どうぞ。

僕もギムレットが飲みたくなりました。


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(2007/03/08)
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短編で楽しむ村上春樹作品 「目くらやなぎと眠る女」


06 22, 2010 | Tag,村上春樹,短編

めくらやなぎと眠る女
この本には村上春樹さんの短編が24編おさめられているのですが、僕が特に気に入ったのは以下の4つでした。

1. 我らの時代のフォークロア
 こちらは処女性がテーマになった話。物語を通じて”処女”というものについて考えさせられます。

2. 嘔吐1979
 パートナーがいる人と寝ることに生きがいを感じている、変わった人の話。彼の性癖がタイトルにある嘔吐と関係しています。


両者に共通するのは、セックスの描写がリアルなのに、顔をしかめるようなものではなく、きれいに感じるということです。これは他の村上作品にも共通することだと思います。村上作品にはきわどい性描写が出てきますが、不思議とイヤな感じがしません。


3. 偶然の旅人
正直これは涙が出そうになりました。ある場所でたまたま出会った女性の身に降りかかった不幸。時を同じくして自分の家族の身に起こった、それと同じ不幸。実際に起こった、偶然としか考えようのない話です。

文中の特に以下のフレーズがとても気に入りました。
偶然の一致いうのは、ひょっとして実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうか。つまりそういう類のものごとは僕らのまわりで、しょっちゅう日常的に起こっている。でもその大半は僕らの目にとまることなく、そのまま見過ごされている。まるで昼間に打ち上げられた花火のように、かすかに音はするんだけど、空を見上げても何も見えない。しかしもし僕らの方に強く求める気持ちがあれば、それはたぶん僕らの視界の中に、ひとつのメッセージとして浮かび上がってくる。

ほんとその通りだと思います。


4. ハナレイ・ベイ
これも涙が出そうになりましたよ。せつない。。
主人公の息子がサーフィン中にサメに襲われて死にます。その息子のことを思い続ける個性的な母親。そんな話です。



収載されている24の作品のうち、なんだかよくわからないものもあるというのが正直な感想です。しかし、書かれた作品が最近に近づくほどおもしろいと感じました。偶然の旅人もハナレイ・ベイも2005年の作品です。村上作品が好きな人は読んでみて損はない一冊かと思います。


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今なら3冊まとめて読める。「1Q84」村上春樹


06 07, 2010 | Tag,村上春樹

遅ればせながら1Q84 Book3を読みました。

ミステリーみたいな本作品は、真相を知りたいという欲求にまかせていると、ページを繰る手がどんどん速くなっていきます。

登場人物の際立つ個性と、小説の独特の雰囲気はあいかわらず僕の好きな村上春樹ワールドでした。男と女の感情の揺れ動き、とりわけ恋愛感情のことに関する描写は秀逸だと思います。

ストーリーとしては最後があまりにあっけなかったかなという気がしました。最後、牛河はあのままなのかな。もしかしてBook4が出たりして。

個人的には釈然としない読後感が残りましたが、それでも僕が村上春樹ワールドを好きなことに変わりはありません。

【関連記事】
 >> 【小説】1Q84. 村上春樹に見る小説家になるための資質 - メタノート


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「若い読者のための短編小説案内」


03 28, 2010 | Tag,短編小説,村上春樹

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)
私は村上春樹さんの作品が好きなので、彼がどういう本を読んでいるのかも気になります。グレート・ギャツビー - メタノートもそうでした。

小説家にとっての短編小説は長編小説とは別の意味を持つようです。作り方もまた別物で、長編小説は書き終えるのに、数カ月かかり、書く時の疲労も相当なものと言います。それに対して短編小説は数日あれば書ききれると。フレーズの一部が頭に浮かぶとそれを足がかりにして一気に書き上げることができるそうなのです。

例えば村上さんの場合、ある作品を

「その女から電話がかかってきたとき、僕は台所に立ってスパゲティーを茹でているところだった。」

というフレーズから一気に書きあげた短編小説があるそうです。

プロにとってはそういうものなんでしょうけど、こういう話を読むと、プロの小説家はすごい、真似できないなと思ってしまいます。



本書に取り上げられている作家は吉行淳之介、小島信夫、安岡章太郎、庄野潤三、丸谷才一、長谷川四郎です。

文学とは程遠い生活を送ってきた私にとってはどの作家も新鮮でした。

村上さんは大学生に本書のような形で文学について教えることがあるそうです。
本書の解説の中で特に興味深かったのは、各作家の自己と自我、それを取り巻く外界との距離のとり方を図式化して解説している部分でした。自己と自我を村上さんなりに使い分けているところも興味深かった。

小説家というのは少なからず自分の内面を作品の中に投影させると思うのですが、完全に自己もしくは自我を作品に投影させているわけではありません。現実の一部を作品の中に投影させ、他の大部分は想像というか思考の産物にしています。

小説家にとって、作品の中で自己や自我をどれくらい反映させるか、外界と同距離感を保つかは作風に大いに関係しているようです。

これから短編小説を読むとき、著者のことにちょっと思いを巡らすことができそうです。



今さら感がありますが、吉行淳之介さん、安岡章太郎さんあたりの作品を読んでみたいと思いました。

ちょっと古めでも、名作短編小説を読んでみたいと思う方、本書はその足がかりになってくれそうですよ。

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グレート・ギャツビー


03 12, 2010 | Tag,村上春樹,翻訳,小説

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)
「グレート・ギャツビー」、「カラマーゾフの兄弟」、「ロング・グッドバイ」の3冊が村上春樹さんに最も影響を与えた小説だそうです。その中で一番を選ぶとすると、「グレート・ギャツビー」この小説だそう。たしかに彼の作品を読んでいるとよくこのグレート・ギャツビーが登場する。


この本はその村上春樹さんが訳した本です。彼はこの作品を翻訳するのは60歳くらいになってからくらいが調度よいと考えていました。物語の細部まで日本語で上手に表現するためには、彼をしてもすぐにとりかかるわけにはいかなかったらしいです。それぐらい思い入れが強いということなのでしょう。

すべての情景がきわめて繊細に細やかに描写され、すべての情念や感情がきわめて精緻に、そして多義的に言語化された文学作品であり、、

すぐれた小説はこのような特徴を持つそうです。

僕は村上作品はこの引用のような作品であると感じていました。ところが、村上春樹さんが愛し、訳した「グレート・ギャツビー」を読んで、これに対しては同じように感じませんでした。

難しいものです。期待が大きかったせいもあるかもしれません。

本来の文章の美しさを感じるためには原文を読まないといけないということなのでしょうね。翻訳作品の限界かもしれないとも感じました。

すべての情景がきわめて繊細に細やかに描写され、すべての情念や感情がきわめて精緻に、そして多義的に言語化された文学作品であり、英語で一行一行丁寧に読んでいかないことにはその素晴らしさが十全に理解できない、というところも結局はあるからだ。

と、村上さん自身も書いています。

でも好きな作家の愛読書を読んでみるというのは、その作家の屋台骨を見ているようで、興味深くはありましたけどね。

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小説家はいかにして書き続けるか 「走ることについて語るときに僕の語ること」


12 09, 2009 | Tag,村上春樹,小説,文章力,エッセイ

走ることについて語るときに僕の語ること 
「走ること」と「小説を書くこと」のリンクの仕方に驚いた。それと、小説家に必要な資質や村上春樹さんがどのように執筆活動をおこなっているか、また、彼のライフスタイルなどが小説家ではない僕でも参考になった。



この本は小説家村上春樹さんの個人的な趣味である「走ること」についてつづった本だ。

僕は村上作品のほとんどが好きだ。彼が描く独特の世界観と一度は感じたことがあるような甘酸っぱい恋愛感情を呼び起こしてくれるから。彼の作品を読むと、見えている世界が読む前とはまるで別世界のように感じることがある。

数々のベストセラーを世に送り出した村上さんが考える、小説を書くために必要な資質は
  • 才能
  • 集中力
  • 持続力
だそう。

才能は生まれもったものだが、さらに大事なのは集中力と持続力。幸いなことにこの2つは自分の努力で伸ばすことができる。ある程度才能を補うことも可能だろう。また、継続して作品を書き続けることで才能の鉱脈を掘り当てることもあるかもしれない。

いずれにしろ、集中力と持続力が必要である。

これは小説家でなくても同じだと思う。仕事で継続して高いパフォーマンスを発揮したかったら、才能がないことを嘆く前にまず集中力と持続力を持って仕事に打ち込むことだ。


この集中力と持続力を養う過程において、走ることと小説を書くことは似ている。

走り続けることと書き続けることは、彼にとって相互補完的に集中力と持続力をキープするための必要な行為なのである。

どちらも長い道のりを、黙々と自分の設定したゴールに一歩ずつ近づき、それを乗り越えていく。誰かに勝つとかではなく、過去の自分に勝つという点で似ているのだ。

この達成感がモチベーションを生む。そうすると、これに伴って集中力と持続力も生まれるといういい循環が生まれる。


村上さんの場合は、週6~7日毎朝決まった時間にジョギングをするそうだ。そして定期的にマラソンにも参加するらしい。小説家は普通の人が感じないようなことを内面から引きずり出すことができるわけだが、それは時に毒素であるという。

この毒素に対抗するには精神的にも肉体的にも健康である必要があり、それは村上さんの場合、走ることで維持されているというのだ。例えば、思うようにいかなかった対人関係は走ることで肉体的な負荷をかけて昇華させるとのこと。


走ることは道さえあれば、場所と時間を選ばずにできることが強みである。

僕は今、走ることはやっていないけど、定期的に筋トレして筋力を維持することを自分に課している。それは趣味のサーフィンのためでもあるのだけれど、何より継続していないと調子が悪くなる気がするからだ。本書を読んで、ジョギングも悪くないなと思った。

走ることについて語るときに僕の語ること走ることについて語るときに僕の語ること
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約30年間も、走りながら質の高い小説を世に送り出し続けている著者がプライベートをさらけだして書いた一冊。

いまさらだけど、村上春樹ファンなら読むと間違いなくおもしろい一冊だろう。




【小説】1Q84. 村上春樹に見る小説家になるための資質


08 26, 2009 | Tag,1Q84,小説,村上春樹

完全に物語の中に引き込まれました。小説だということはわかっています。現実にはあり得ないシチュエーションなのですが、そこには実際にあり得るのではないかというリアルな世界があります。

物語とは関係なく、今回は本書を読んで気づいた小説家としての資質がいくつか書かれていると感じたのでそれを書いてみます。

おそらく主人公の一人、天吾は小説家としての村上春樹さんを投影したものになっているのではないかと思います。


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独特の世界観を持っていること

小説を書くとき、僕は言葉を使って僕のまわりにある風景を、僕にとってより自然なものに置き換えていく。つまり再構成する。そうすることで、僕という人間がこの世界に間違いなく存在していることを確かめる。


空気さなぎやリトルピープルはどうやったら思いつくんでしょうか。1Q84の持つ世界観には圧倒されます。



技術的な面で言うと、何といってもここに尽きるようです。

細部の具体的な描写ができること

それが目に見えないものであっても、目に見えるかのように表現する必要があります。細かい的確な描写です。

優れた小説には文章の豊かな色合い、優れた音調のようなものがあります。これが1Q84にはあります。

空気さなぎやリトルピープル、どちらも存在しないものなのに、この小説を読んでいるとまるで以前から存在していたかのように感じます。そして訳のわからない存在のはずなのに、読者はリアルにイメージができます。


この技術を支えているものは何なのでしょうか?

こういうのを才能というのかもしれませんが、毎日の暮らしを言葉という断片に落とし込める感受性ではないかと思います。

教養も必要だと思います。本書を読んでいると、流行りの音楽からファッション、お酒に至るまで驚くほど村上さんの知識が豊富なことに驚かされます。私はこの本を読んでバーボンが飲みたくなりましたが、そう思わせるのは知識に基づいたリアルな描写があるからです。



質を高めるための推敲ができること

普通は言葉にならないような内的な何かを言葉にする。それは粗削りな作業で、推敲を要します。

推敲の最初の段階ではそれを文章として成立させるために、筋道を立てる必要があります。そうすると、必然的に文量は2倍以上に膨らむ。ところがこの時、論理が表に出すぎると、最初の原稿の切れ味が弱められてしまいます。

次の作業では、その膨らんだ原稿からなくてもいいところを省く。余分な贅肉を片っ端からふるい落としていくわけです。
これらの作業を交互に続けることで、振幅はだんだん小さくなり、文章量は自然に落ち着くべきところに落ち着きます。これ以上は削れないという地点。エゴが削り取られ、余分な修飾が振い落とされ、見え透いた論理が奥の部屋に引き下がる地点です。

本書では主人公の天吾と青豆、ふかえりや空気さなぎにリトルピープル、これらのファクターが見事に収斂していく様子が実感できます。

上下巻1000ページもある大作ですが、間違いなく読む価値ありです。


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