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肥満度によって手術の難易度は変わるのに


03 28, 2013 | Tag,整形外科,手術

手術の値段は保険点数で決められています。

なのですが、

 >> 肥満加算なんてどうでしょ | メタノート.com

肥満もそうだけど、術者の経験とか、点数化されていないけどもっときちんと評価してほしい部分があったりします。

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心臓外科医の覚悟 


05 23, 2011 | Tag,外科医,手術

心臓外科医の覚悟  角川SSC新書  医師という職業を生きる (角川SSC新書)
外科、心臓外科、整形外科、形成外科など”外科”のつく科が外科系であることは想像しやすいですね。産婦人科、泌尿器科、耳鼻科、眼科なども外科という言葉はつきませんが、外科系です。手術を行うことで病気を治したりします。

どこの外科系の医師たちにも共通して言えることは、彼らが手術がうまくなりたいと思っている(たぶん)ということです。

「君はセンスがある(ない)から外科医が向いている(向いていない)ね。」という言葉を聞いたことがあります。若い頃は手術の上手い下手はやっぱりセンスなんだと素直に理解していました。

センスはないよりあったほうがいいに決まっています。しかしながら、手術手技がセンスだけで成り立っているとは思いません。

なぜなら手術は芸術ではなく、決して難しくはない地味な作業の積み重ねだとおもうからです。


この点において、非常に共感できる本に出会いました。「心臓外科医の覚悟」という本です。著者は今や名医と呼ばれている山本晋先生です。

この本には「手術は手先でするものではない。頭でするものだ。」と書いてあります。全くその通りだと思います。

手術において大事なことは素早く手先を動かすことではなく、ゆっくりでも淀みなく手を動かし続けることなんです。

やたらと時間のかかる術者は同じ操作を行ったり来たり、何度も繰り返しています。そうではなくて、術前にイメージしていた通りの手順で淡々と進むのが上手な人の手術です。

となると術前に手術の工程を具体的にイメージできていればできているほど、手術はスムーズに進むことになります。具体的にイメージするにはどうしたらいいのでしょうか?

その答えも「心臓外科医の覚悟」の中に書いてありました。

著者は難易度が高いとされる心臓外科の手術を、ただ見学するのではなくノートを書いたり、スケッチをしたりして記録をしていたのだそうです。これはすごく大事な手術習得のプロセスだと思います。

私も経験していることですが、手術はただボーッと眺めているだけでは覚えることはできません。術者の細かい一挙手一投足を見るためには、目的意識を持つことも大切ですが、インプットした知識をアウトプットする作業が必要です。そうすることでインプットした知識が定着するのです。

著者は紙のノートに記録をとっていたそうですが、私はevernote上にメモするようにしています。重要な画像所見なんかも一緒に保存しています。検索が簡単で目的のものが見つけやすく、重宝しています。

ただ、カシャッとボタン一つで撮った写真も便利でいいのですが、記憶に定着させるという意味では手書きのスケッチの方がいいと思っています。

手術に関してもまだまだ学ばなければいけないことが多いので、今までサボっていましたが、著者のように手書きのスケッチをもっと大事にしたいと心を新たにしました。

心臓外科医の覚悟  角川SSC新書  医師という職業を生きる (角川SSC新書)心臓外科医の覚悟 角川SSC新書 医師という職業を生きる (角川SSC新書)
(2011/01/08)
山本 晋

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鎖骨上神経


11 12, 2010 | Tag,整形外科,手術,解剖,鎖骨

医学の歴史からすると、人間の体、特に解剖のことなんて大方知り尽くされているだろうと思っているのだが、時々こういう論文が発表されたりする。

The Anatomy of the Supraclavicular Nerve During Surgical Approach to the Clavicular Shaft
Tyler Nathe, Susan Tseng and Brad Yoo

これは”鎖骨上神経”についての論文。

鎖骨上神経は感覚神経で、前胸部の感覚などを支配する。

supraclavicular nerve 1.

この論文では鎖骨上神経は97%の症例で内側と外側の枝を持っており、半分弱で中間枝を持っていると報告している。

つまり、鎖骨上では鎖骨に沿って切ってもいいような、皮膚のセーフゾーンはほとんどないということだ。

この論文が報告として有用なところは、鎖骨の骨折を手術するときに注意すべきことを教えてくれているところ。

例えば、 鎖骨骨幹部骨折では鎖骨上を鎖骨に沿ってメスをいれると、前胸部の感覚障害をきたしやすいので注意したほうがいい。

肩峰上を鎖骨に垂直になるような方向で、縦切開してプレートをあてれば感覚障害が避けられるということになる。展開しにくいのだが。

より安全な手術法を選ぶとすれば後者の方がよさそうである。


感染撲滅は外科医の悲願 JBJS (American). 2010;92:232-239.


01 17, 2010 | Tag,医学,感染,JBJS,手術,整形外科

手術に関連した感染をいかにして減らすか。

繰り返しになりますが、術後に感染することほど悲惨なことはありません。前回エントリ(消毒薬のパラダイムシフト - メタノート)と近い話題ですが、整形外科のメジャー医学誌JBJS(The Journal of Bone and Joint Surgery)にも似たような論文がありました。

整形外科分野で感染を減らすための最新の知見です。


論文の目次は以下の通り。

  • 術前の準備
  • 抗生物質
  • 手洗い
  • 手術直前に術野に行うこと
  • 手術室の環境
  • その他



術前の準備

  • 術前の入浴は感染予防に有用。
  • 消毒はクロルヘキシジングルコネートを使うこと。


例えば足の骨折だと、骨折直後に手術するわけではありません。待機的に手術を行う場合、お風呂に入れないため、足にアカがたまります。他の部位でも同じです。だから、術前に足をブラシでゴシゴシ洗うのです。しかし、この論文では手術前に入浴できている患者の場合、ブラッシングはいらないと言っています。

ブラッシングに使う液体は消毒薬入りのものを使いますが、これもイソジンではなく、クロルヘキシジンアルコールがいいと。クロルヘキシジンの有効性は前回エントリ(消毒薬のパラダイムシフト NEJM -- Volume 362:18-26 January 7, 2010 Number 1 - メタノート)の通りです。



抗生物質

  • 抗生剤の予防投与は基本セファゾリン1g~2g、もしくはセフロキシム1.5で。セフェム系にアレルギーがある場合はクリンダマイシン600mgかバンコマイシン1gで。
  • 執刀の1時間前には投与すること。特にバンコマイシンは血中濃度がピークになる時間が遅いので早めに投与しなくてはいけない。
  • 手術開始から4時間経過したとき、1500ml以上出血した場合は抗生剤を追加する。
  • 抗生剤投与は術後24時間までとする。それ以上投与するのは無駄に耐性菌を増やすだけ。


抗生剤は手術後に2日も3日も使われているケースを見かけますが、これはあまりよくないと。AAOS(American Academy of Orthopaedic Surgeons)のガイドラインでも術後24時間ですね。



手洗い

  • クロルヘキシジングルコネートを使って、初めに大きな汚れを手洗いで落とし、爪の中の汚れもクリーナーで落とす。あとはアルコールを手に擦り込んで除菌する。
  • ブラシでごしごしするのは皮膚に傷を作るだけなので感染予防に良くない。


大学病院で教わった方法はまず消毒液を手にとって素手でゴシゴシ洗い、次にブラシを手にとって、これに消毒液を浸してゴシゴシ。これをさらにもう一回。最後にアルコールを手に擦り込んで終わり、という方法でした。結構時間かかります。これまでずっとそれでやってきましたが、一日に何件も手術がある場合とか、ブラシでゴシゴシしすぎると、手が荒れます。手に細かい傷ができていても不思議ではありません。

爪の中はアルコールを擦り込んでも綺麗にならないので、ブラシでゴシゴシするしかないと思います。

慣れ親しんだ方法ではありましたが、これを機に手洗いの方法を変える必要があるなと思いました。



手術直前に術野に行うこと

  • ブラッシングの時と同じで、使う消毒薬はイソジンではなく、クロルヘキシジンです。


ブラッシングの時に使う消毒薬も、術野の消毒の時に使う消毒薬も、実際にはまだまだイソジンを使っている施設が多いと思います。茶色いあのイソジンじゃないと消毒薬が塗れているかどうか分かりにくいから、と主張する医師もいます。その主張はわかるのですが、こうしてきちんと論文に書かれている以上、クロルヘキシジンを積極的に使っていくべきです。ウチの病院はなかなか変化を受け入れにくい体質なので、変えていくのが大変そうですが。。



手術室の環境

  • オペ室の滅菌、ハイスピードはきちんと消毒できていない場合がある。
  • 道(空気の通り道)が2つ以上、たくさんあるとそれだけ感染率も高くなる。
  • 研修医が2人以上脊椎の手術に入っていると感染率が高くなる。


手術室の環境は病院を建て替えない限りどうしようもない。手術室の中にいる人が多いほど、感染するリスクが高くなるとは。大学病院なんて研修医はいるわ、学生もいるわで感染にはあまりよくないんじゃないかと。



その他

  • 術後のドレーンは出血量を増やすし、必ずしもドレーンを入れなかった場合と比較して感染を減らすわけではない。だからドレーンは入れなくていいと主張する人たちもいる。それに出血量が増えると輸血をしなければならなくなり、輸血は感染のリスクを増やすという悪循環。
  • CDC(Centers for Disease Control and Prevention)によれば、術後のドレッシングは24時間から48時間はそのままでいい。3日間あけないという人たちもいる。
  • 抗菌薬入りのドレッシング剤は有用かもしれない。


ドレーンというのは手術後に手術部位に入れておくチューブのこと。ドレーンは入れなかったら術後管理は楽になるだろうなと思います。脊椎の手術は入れておかないと麻痺を作ってしまいそうで怖いですが。

手術後の包交(包帯交換)、一般にイメージされてるところの消毒ですが、これは毎日する必要ないと。



今回の論文は今を振り返る上でいろいろと勉強になりました。まずは今いる病院から変えていきたいなと思います。


なかなか一般の人にわかってもらうのは難しいかもしれませんが、手術前後の感染予防ってこんな感じなのです。


 >>Perioperative Strategies for Decreasing Infection: A Comprehensive Evidence-Based Approach -- Bosco et al. 92 (1): 232 -- Journal of Bone and Joint Surgery




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