心臓外科医の覚悟 


05 23, 2011 | Tag,外科医,手術

心臓外科医の覚悟  角川SSC新書  医師という職業を生きる (角川SSC新書)
外科、心臓外科、整形外科、形成外科など”外科”のつく科が外科系であることは想像しやすいですね。産婦人科、泌尿器科、耳鼻科、眼科なども外科という言葉はつきませんが、外科系です。手術を行うことで病気を治したりします。

どこの外科系の医師たちにも共通して言えることは、彼らが手術がうまくなりたいと思っている(たぶん)ということです。

「君はセンスがある(ない)から外科医が向いている(向いていない)ね。」という言葉を聞いたことがあります。若い頃は手術の上手い下手はやっぱりセンスなんだと素直に理解していました。

センスはないよりあったほうがいいに決まっています。しかしながら、手術手技がセンスだけで成り立っているとは思いません。

なぜなら手術は芸術ではなく、決して難しくはない地味な作業の積み重ねだとおもうからです。


この点において、非常に共感できる本に出会いました。「心臓外科医の覚悟」という本です。著者は今や名医と呼ばれている山本晋先生です。

この本には「手術は手先でするものではない。頭でするものだ。」と書いてあります。全くその通りだと思います。

手術において大事なことは素早く手先を動かすことではなく、ゆっくりでも淀みなく手を動かし続けることなんです。

やたらと時間のかかる術者は同じ操作を行ったり来たり、何度も繰り返しています。そうではなくて、術前にイメージしていた通りの手順で淡々と進むのが上手な人の手術です。

となると術前に手術の工程を具体的にイメージできていればできているほど、手術はスムーズに進むことになります。具体的にイメージするにはどうしたらいいのでしょうか?

その答えも「心臓外科医の覚悟」の中に書いてありました。

著者は難易度が高いとされる心臓外科の手術を、ただ見学するのではなくノートを書いたり、スケッチをしたりして記録をしていたのだそうです。これはすごく大事な手術習得のプロセスだと思います。

私も経験していることですが、手術はただボーッと眺めているだけでは覚えることはできません。術者の細かい一挙手一投足を見るためには、目的意識を持つことも大切ですが、インプットした知識をアウトプットする作業が必要です。そうすることでインプットした知識が定着するのです。

著者は紙のノートに記録をとっていたそうですが、私はevernote上にメモするようにしています。重要な画像所見なんかも一緒に保存しています。検索が簡単で目的のものが見つけやすく、重宝しています。

ただ、カシャッとボタン一つで撮った写真も便利でいいのですが、記憶に定着させるという意味では手書きのスケッチの方がいいと思っています。

手術に関してもまだまだ学ばなければいけないことが多いので、今までサボっていましたが、著者のように手書きのスケッチをもっと大事にしたいと心を新たにしました。

心臓外科医の覚悟  角川SSC新書  医師という職業を生きる (角川SSC新書)心臓外科医の覚悟 角川SSC新書 医師という職業を生きる (角川SSC新書)
(2011/01/08)
山本 晋

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