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震災とそれをめぐる正義について


03 19, 2011 | Tag,考え方,哲学


福島・双葉病院「患者置き去り」報道の悪意。医師・看護師は患者を見捨てたりしていなかった - 絵文録ことのは - BLOGOS(ブロゴス) - livedoor ニュース

これを読んで、双葉病院のスタッフの方々が気の毒で仕方がありませんでした。心が痛みました。マスコミの報道により名誉を傷つけられ、心も傷つけられ。

双葉病院のスタッフは最後まで患者のことを気にかけ、患者を守ろうとしていたようです。とても立派だと思います。

マスコミは自分たちが報道する内容について、もう少し慎重になるべきです。


別の見方かもしれませんが、この記事を読んで、同じ医療従事者として、私は他人事ではないと思うとともに、こういう危機的な状況で自分が取るべき行動について考えざるを得ませんでした。

  • 一人の人間を犠牲にすれば五人の人間の命が助かる場合、一人を犠牲にするべきだろうか?

これはマイケル・サンデルの「これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学」の一節です。

この問いは今の状況によく当てはまると思います。

原発から3kmしか離れていない場所に取り残された病院。そこには動ける医療スタッフと寝たきりの患者。原発で爆発が起こり、避難勧告が出た。全員まとめて安全な地域に輸送できる手段はなし。

こういう状況で医療スタッフのとるべき行動は?という問いに対してどう考えればいいのでしょうか。

身動きのとれない患者をギリギリまで手を尽くして守ろうとする。これは当たり前のことです。誰でもそうすると思います。

しかし、本当に逃げなくては命を落とすという極限の状況になったとき、仮に双葉病院のスタッフがやむを得ず先に逃げたとしてそれを第三者が責めることはできるのでしょうか。私は責めることはできないと思います。


これからの「正義」の話をしよう」では、

  • 自然災害の後、被災者相手に日常生活用品に高額な値付けをする。これは許されるのだろうか?

という問いも出てきます。

被災者はただでさえ財産を地震や津波に持っていかれて困っているのに、そんなことをすれば泣きっ面に蜂だ。そんなこと到底許されるものじゃない、という意見もあると思います。

一方で、

金融日記:東京電力は直ちに電気料金を大幅値上げせよ

のような意見もあります。

被災者以外の人に対して電気や水、ガソリン、その他生活必需品に至るまで需要に合わせて値段が変動すれば電力不足や買い貯めによる物不足が少しは解消されるというメリットがあるかもしれません。


いろいろ意見はあると思います。このような答えのでない問いに対して、それでも自分なりの回答を用意しておかなくてはいけない。今回の震災を機にそう感じた次第です。

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
(2010/05/22)
マイケル・サンデル

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これからの「正義」の話をしよう


02 21, 2011 | Tag,哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

  • 一人の人間を犠牲にすれば五人の人間の命が助かる場合、一人を犠牲にするべきだろうか。
  • 自然災害の後、被災者相手に日常生活用品に高額な値付けをする。これは許されるのだろうか。
  • 高額所得者のお金を低所得者に分配することは果たして本当に正しいのだろうか。

答えを一つにしぼれないような問題。こういった問題に向き合ったのが本書です。

著者はマイケル・サンデルという人物で、ハーバード大学で教鞭をとっている政治哲学者です。彼の授業は人気があるらしく、それは日本でも放映され、話題を呼びました(NHK ハーバード白熱教室)。

”正義”を考える上で、功利性を重視するか、自由を重視するか。それとも皆が美徳を涵養しつつ、社会として共通善をつくりだしていくか。

なかなか小難しくて分かりくいかもしれませんが、本書を読むと、全てにおいて万能な”正義”というものが存在しないことがよくわかります。

存在しないのは承知の上で、それなりの答えを出していく。ここにおいてサンデル教授は美徳を涵養し、社会としての共通善をつくりだすことが大切だと説いています。

われわれは正しい行動をすることで正しくなり、節度ある行動をすることで節度を身につけ、勇敢な行動をすることで勇敢になる。

”正義”というのは、文化と同じように育まれていくものなのかもしれないと思いました。


この本は流行っているからという理由だけで手にとった人にとっては、ちょっと重たいかもしれません。たまにはじっくり哲学っぽいことを考えたい人に調度いい本だと思います。

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
(2010/05/22)
マイケル・サンデル

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頭ひとつ抜け出すために「ソロスは警告する」


12 20, 2008 | Tag,投資,経済,ソロス,バブル,再帰性,哲学

ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
(2008/09/02)
ジョージ・ソロス松藤 民輔 (解説)

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本書は伝説の投資家ジョージ・ソロスさんの訳書です。裸一貫から総額1兆3千億円の富を築いたとなれば、誰でもその頭の中は覗いてみたくなります。

解説で松藤民輔さんは、本書から「ソロスのような天才投資家に不可欠な、市場を読み解くための直感を体得する」、「ソロスのような欧米型知的エリートの思考法(モノの考え方)を身につける」ための最適な教材と書いています。



現在の世界経済を考えても、たしかにソロスさんには先見の明があるようで、複雑な金融商品の激増を主因とする信用膨張が限界に達しつつある点、世界経済の中で今まで圧倒的な主役であったアメリカが少しずつ衰えている点からバブルが劇的に崩壊することを予見していました。

面白いと思ったのは、これらの考え方を支えているのは、テクニカルな分析を根拠にしているというよりは、「再帰性の理論」という哲学を判断の根幹として投資活動を行っている点でした。経済学の根本にある、全ての人間は経済学的に合理的に判断し、そして行動するという市場均衡理論に対立している点です。

本文中でもこの「再帰性の理論」の解説に多くのページが割かれています。


再帰性の理論というのは、簡単に言うと、人間と周囲の出来事の双方が互いに影響を与えあうことで変化し続けるというものです。これによると、人間が市場の動きについて理解(認知)した上で、投資などの働きかけ(操作)を行います。そうすると、市場はそれに反応して変化します。この時点で変化した市場と最初の人間の認知との間にはズレが生じます。

いつまでたっても人間の「認知」に基づく「操作」と「市場」の間にはズレが生じるのです。

たしかにその通りだと思います。



世の中の投資家を2つに分けると、「市場を操作する立場にある人」と「それに乗っかるだけの人」に分けられると思います。本書の著者であるジョージ・ソロスさんは前者に該当し、おそらくバブル崩壊のきっかけすら作れる数少ない投資家でしょう。

ソロスさんのような知的エリートになるために、「歴史」と「哲学」の勉強は欠かせないといいます。

私も食わず嫌いをせず、「歴史」と「哲学」の本にも積極的に取り組んでいきたいと思います。


参考記事:すべての経済はバブルに通じる




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