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世の中は予想できないことであふれている 「ブラックスワン」


05 31, 2010 | Tag,名著,ブラックスワン,黒い白鳥

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
どんな時も予想外のことに振り回されるのが人間の性質でしょうか。

リーマンショックに端を発する、一昨年の世界同時不況はほとんど誰も、正確には予想できていませんでした。だからこそ、みんな慌てふためいたわけです。

今日紹介する本はすでに評判の本です。前作「まぐれ」に引き続き、不確実性というテーマについて考える機会を私たちに与えてくれます。

本書のタイトル「ブラックスワン(黒い白鳥)」そんな予想することが困難な不確実な事象のことを指します。

黒い白鳥が見つかるまでは黒い白鳥なんて存在しないものだと思われていました。

ところが、一匹でも黒い白鳥が見つかればその常識は覆されてしまいます。実際に黒い白鳥はオーストラリアで発見されました。

人間が本能のままに生きていると、"黒い白鳥"が見えなくなります。いたとしても見つからなくなります。

黒い白鳥が見えない原因、黒い白鳥に翻弄される原因は私たちの中にあります。それは私たち人間の性質と深く関わりがあるようです。


プラトン性
三角形などの物体や、社会的には友情や愛といった、純粋で明確で簡単に見分けがつく概念に焦点を絞り、他方で、一見して複雑であり、扱いが難しい構造を無視すること。

なんでもシンプルに理解しやすい形に直すのが私たち人間の長所でもあると思いますが、それは時にあだとなるということです。黒い白鳥を見えなくします。


追認の誤り
自分が信じていることや、つくりあげたもの(やモデル)を支持してくれる事例ばかり探すこと。そのうえ、そんな事例を見つけてしまうこと。

こうして自分に都合のいい世界を知らず知らずに作っています。


講釈の誤り
互いに関連していたり、いなかったりする一連の事実に対し、それに合った説明やパターンをほしがること。

無理やり関連付ける能力です。


目に見えるものがすべて説明可能とは限りませんし、すべてが見えているわけでもありません。

それなのに、わたしたちは解釈せずにいること、理論化せずにはいられません。いつも法則に飢えています。ものごとの次元を落として頭に収まるようにしないといけないからです。

私たちは実際よりもほんの少しだけ多く知っていると思ってしまう傾向があります。知らない、理解できないということは不快ですから、私たちは不確実な状態がとりうる範囲を押し縮めて、自分が知っていることは過大に見積もり、不確実性は過小に見積もります。

そして、うまく行けば自分の能力のおかげだと思い、失敗すれば自分ではどうにもできない外生的な事象、つまりまぐれのせいにするのです。

いいことには責任を感じるけれど、悪いことには感じません。おかげで私たちは、普段やっていることについて、自分はほかの人よりうまいと思い込んでしまいます。

このようにして黒い白鳥を見落とし、それが出現した時にはとても驚かされます。



本書は、現実は不確実なものにあふれていて、簡単に理解できることばかりではない、予想できることばかりではない、ということに気づかせてくれるとてもいい本です。

これから遭遇する"黒い白鳥"にどう対処するか。投資に関して、トレーダーでもある著者はバーベル戦略というものをとるそうです。バーベル戦略についてはまた後ほど。

”黒い白鳥”は出現して当然のもの、と普段から考えておくことが大切なようです。



一度読んでおいて損はない本です。とてもおすすめ。


ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
ナシーム・ニコラス・タレブ

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ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
ナシーム・ニコラス・タレブ

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【関連記事】
メタノート 運を実力と勘違いしていないか 「まぐれ」
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オイシイとこどりのドラッカー本 「プロフェッショナルの条件」


04 26, 2010 | Tag,ドラッカー,マネジメント,名著

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
扱っている範囲が広すぎきて一度では十分飲み込めないかもしれません。しかし、この本は何度でも繰り返し読む価値があります。

近代から現代にかけて技術の進歩により単純作業は機械にとってかわられました。今私たちが関わっているのは知識労働だとドラッカーは言っています。

知識労働は組織の中で生かされるため、組織のマネジメントが必要です。それとともに、組織の力を最大限生かすために、その構成要素である個人のマネジメントも必要となります。

本書は組織のマネジメント、そのための個人のマネジメントについて書かれている本です。目次が内容をよくあらわしていて参考になると思うので、掲載しておきます。
日本の読者へ

はじめに

Part1 いま世界に何が起こっているか

 第1章 ポスト資本主義社会への転換
 第2章 新しい社会の主役は誰か

Part2 働くことの意味が変わった

 第1章 生産性をいかにして高めるか
 第2章 なぜ成果があがらないのか
 第3章 貢献を重視する

Part3 自らをマネジメントする

 第1章 私の人生を変えた七つの経験
 第2章 自らの強みを知る
 第3章 時間を管理する
 第4章 もっとも重要なことに集中せよ

Part4  意思決定のための基礎知識

 第1章 意思決定の秘訣
 第2章 優れたコミュニケーションとは何か
 第3章 情報と組織
 第4章 仕事としてのリーダーシップ
 第5章 人の強みを生かす
 第6章 イノベーションの原理と方法

Part5 自己実現への挑戦

 第1章 人生をマネジメントする
 第2章“教育ある人間”が社会をつくる
 第3章 何によって憶えられたいか

付章 eコマースが意味するもの―IT革命の先に何があるか

編訳者あとがき

私は本書を自分の職場環境に照らし合わせながら読みました。それと、今の職場を離れたとしても個人で生きていくためにはどのようなことを考えて生きていくべきなのか参考になりました。

仕事をする上で、生産性を上げるというのは私たちそれぞれに課せられている課題だと思います。

生産性を上げるために知っておいた方がいい前提
  1. 時間はすべて他人にとられる。
  2. 自ら現実の状況を変えるための行動をとらないかぎり、日常業務に追われ続ける。
  3. 組織で働いているという現実。すなわち、ほかの者が彼の貢献を利用してくれるときにのみ、成果をあげることができるという現実。
  4. 組織の内なる世界にいるという現実。たとえ組織の外を見たとしても、厚くゆがんだレンズを通している。

成果を上げるためにこれは覚えておいた方がいい
  • 成果をあげる人に共通しているのは、自らの能力や存在を成果に結びつけるうえで必要とされる習慣的な力である。
  • 成果をあげることは一つの習慣である。習慣的な能力の集積である。
  • 習慣になるまで、いやになるほど反復しなければならない。

特別な才能がなくても心配はいらない
  • 卓越することはできないかもしれない。卓越するためには特別の才能が必要だからである。だが、成果をあげるには、成果をあげるための並の能力で十分である。音階が弾ければよい。


本書はさまざまなドラッカ本から要点を抜き出し、編集した本です。
ドラッカー本に興味がある人で、どの一冊が一番いいですか?言うなら本書になるのではないでしょうか。
おすすめの一冊です。

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
(2000/07)
P・F. ドラッカーPeter F. Drucker

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【関連記事】
 ・【書評】マネジメント - 基本と原則 - メタノート
 ・【書評】ドラッカー先生の授業 - メタノート
 ・ドラッカーからの贈り物 「ドラッカーの遺言」 - メタノート



名経営者に共通する特徴とは? 【本】ビジョナリーピープル


03 18, 2010 | Tag,名著,ビジネス,マネジメント

ビジネスにおいて一角の人間になりたければ、本書がその役に立つと思います。
ビジネスだけでなく、マネジメントに関わるすべての人にとって得るものがあるでしょう。

成功というものは、自分が大切にしているものへの個人的な強い思い入れがなければ、しかも富、名声、権力、あるいは結果としての周囲の支持、といったものに頼っても頼らなくても取り組もうとするだけの積極性がなければ、おぼつかない。


自分が大切にしているものとは、時間の経つのも忘れ、どんな些細なことにも絶えずこだわろうとする誘惑にかられるようなもの。現実的な意味で言えば、それは、なんの見返りも求めず、それ自体のために彼らが喜んで取り組もうとするもの。

ビジョナリー・ピープル
  • 意義
  • 思考スタイル
  • 行動スタイル

ビジョナリーピープルはこの3つの要素をうまく積み上げた人々です。

それぞれが独立したものではなく、”意義”の上に”思考スタイル”が、”思考スタイル”の上に”行動スタイル”がピラミッド上にのっかっているイメージです。

それぞれの要点を列挙しておきます。


意義

  • フロー体験ができるような生きがいを持つ。(フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR))それに対してビジョナリーでない人、悲観主義者はどんなチャンスにもそこに内在している難題を見つける。(オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)
  • 自分が大好きな道をその結果の善し悪しにかかわらず選択するべき。自分の生きがいに対して誠実であること。
  • ビジョナリーな人は、自分自身の生きがいにあくまでも忠実な姿勢を貫き通している。もし、追求している課題が、何世紀にもわたって伝承されてきた伝統的な知恵と相容れないものがあるなら、そのときは逆にますますその意欲をかきたてる。


思考スタイル

  • 自分の中のささやきに耳を傾ける。本当に好きなこと、やりたいことはこうして見つける。
  • 自分の使命にこだわる。
  • 勇気を持って前に進む。
  • 失敗しても、それを糧にする。挫折は教訓を得ることができる大切な経験だ。
  • 挑戦→失敗→成長→挑戦の繰り返しが成功への好循環となる。
  • 成功してもそれに溺れず、建設的な習慣を守り続ける。
  • 弱点を理解し、受け入れ、逆にそれを利用する。学習障害を逆手にとって成功したチャールズ・シュワブのように。

コンドリーザ・ライスの言葉
人生に必要なものは「情熱、覚悟、能力」である。



行動スタイル

  • 思いがけない幸運(セレンディピティ)に出会うための準備を日頃からしておく。
  • 自分に与えられた課題に打ち込みながら、自分の目標にどこまでも忠実に振舞う。
  • 論争を求める。非難ではなく、問題の解決のために。そしてそれは関わる人との間に協調を生む。
  • 成果をあげるための違った方法を教えてくれる多くのアイデアに耳をふさいだり、検証の対象からはずすようなことはしない。
  • 自分だけのドリームチームを作る。
  • 言葉を信じるのではなく、行動を信じる。
  • 言葉の力をいかす。立派な業績をあげている人たちは本能的、直感的に言語を使う。その対象は自分が達成しようとしているものに絞られている。


自分の得意なことや持っている強みと、自分の好きなことは異なったものです。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす的に言えば、生来の強みを生かすことが成功への近道です。ところが、強みを生かせる仕事が自分の好きな仕事とは限りません。だからみんな苦悩するのだと思います。

さあ、才能(じぶん)に目覚めようでは、「強みはもって生まれたものなので、後天的に変えることはできない」と言われています。私はこの意見に反対で、強みは生き方次第で変わるものではないかと思っています。

”強み”と”好き”を調和させることができると信じています。


ビジョナリーピープルこそ、”強み”と”好き”を調和させた人たちです。どんな人たちにもビジョナリーピープルになれる可能性があるのではないかと思います。

ビジョナリー・ピープルビジョナリー・ピープル
(2007/04/07)
ジェリー・ポラススチュワート・エメリー

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【本】スノーボール ウォーレン・バフェット伝


03 10, 2010 | Tag,バフェット,,投資,伝記,偉人,名著

スノーボール (上) ウォーレン・バフェット伝
世界で最も有名な投資家、ウォーレン・バフェットさんの伝記です。
上巻、下巻合わせて約1200ページの大作。

本人が書いたわけではないのですが、これが公認の自伝だそうです。生い立ちから現在にいたるまで詳細に書かれています。株式投資をしている人にとっては必読の一冊でしょう。

スノーボール (下) ウォーレン・バフェット伝
かくいう私はインデックス、分散投資、のあまり何も考えなくてもいいポートフォリオを組んでいて、固有銘柄はわずかしか持っていません。今後、固有銘柄を買い増して長期に保有したいと思っているので、参考になる部分がたくさんありました。

本書には含蓄のある言葉が満載なのですが、その中からメモ書き代わりにここに書いておきます。短文でも意味が分かるようなものを集めたつもりです。


「私は小さな雪の玉(スノーボール)をずいぶん若いときから固めた。10年遅く固め始めたら、いまごろ山の斜面のずいぶん下にいただろう。だから、私は学生たちに、ゲームの先を行くように勧める。」

「ちょうどいいぐあいの雪があれば、雪の玉はかならず大きくなる。私の場合がそうだった。お金を複利で増やすことだけをいっているのではないよ。この世のことを理解し、どういう友人を増やすかという面でもそうだった。時間をかけて選ばなければならないし、雪がよくくっついてくれるには、それなりの人間にならなければならない。自分が湿った雪そのものになる必要がある。雪の玉は山を登って引き返すことはできないから、転がりながら雪をくっつけていったほうがいい。人生とはそういうものだ。」

「市場は、短期的には投票計です。長期的には重量計です。最終的に重さが肝心なのですが、短期的には投票数が重視されます。しかも、まったく非民主的な投票の仕方です。みなさんが身をもって学んできたように、残念なことに投票の質については、読み書き能力テストがありません。」

「投資とは、消費を延期することです。いまお金をだして、あとでもっと大きなお金になって戻ってくるわけです。本当に大事な問題はふたつだけです。ひとつは、どれだけ戻ってくるか、もうひとつは、いつ戻ってくるか。」

「株式は長く持っているものだ。生産性が上がれば、それにつれて株価も上昇する。(中略)他人が怖がっているときには貪欲に。他人が貪欲なときにはおそるおそる。ただし、市場を出し抜けるとは思わないこと。」

「自分の頭では理解できないようなテクノロジーが投資の判断に関わってくるような企業には手を出さない。たとえ素晴らしい利益が見込まれるとしても、その企業の成長にとって大きな人的問題が存在するような投資案件には参加しない。」

「投下資本に対して全体として満足できるリターンを達成出来ている時に、小刻みな状況変化にあわてて対応することでさらに数パーセントを稼ごうとするのは愚かしいことです。」

「私はブローカーやアナリストに相談したりはしません。物事は自分の頭で考えるべきです。」

「どういうところで働けばいいでしょうかとよく聞かれますが、いちばん尊敬している人のところで働くべきだと、いつも助言します。」

「株式市場が年10%以上の上昇をつづけられる条件は3つしかない。ひとつは金利が史上最低レベルに下がり、それが持続すること。つぎは、経済的なパイの取り分のうち、労働者や政府その他ではなく投資家に帰属する分が、すでに史上最高レベルになっている現状からさらに増えること。あるいは、経済が通常よりもずっと早く成長し始めること。」こうした楽観的な想定を用いるのは、希望的観測だとバフェットは評した。

師匠ベン・グレアム:「まずいアイデアよりもいいアイデのほうが、厄介なことになりやすい。いいアイデアにも限界があることを忘れてしまうから。」
ケインズ:「過去から類推して未来の成果を期待するのは危険である。」

バフェットとマンガーの共通項:考え方も似ていて、ビジネスは一生をかけて解決するパズルだと惚れ込んでいる。ふたりとも、合理性と正直が最大の美徳であり、興奮や自己欺瞞は過ちを犯す大きな原因だと見ている。成功のルールを導き出すために、失敗の理由をじっくり考える。

バフェット11歳頃、シティーズ・サービス株で売り時を見誤った時の教訓:
  1. 買った時の株価ばかりに拘泥してはいけない
  2. 良く考えないであわてて小さな利益を得ようとしてはいけない。
  3. 他人のお金を使って投資してはいけない

ミスターマーケットは主人ではなく、しもべである。グレアムはミスターマーケットという架空の気まぐれな人物を創造した。この人物は毎日株を売買している。不合理な価格をつけることも多い。ミスターマーケットが気まぐれにつける価格に惑わされてはならない。しかし、彼はときどき安く買って高く売るチャンスを与えてくれる。



バフェットさんのポートフォリオについてはコチラ↓のブログに詳しいです。

バフェットのポートフォリオ-2009年12月31日段階 | 投資十八番


株式投資って買いのタイミングと売りのタイミングを判断するのが難しいですよねぇ。

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先進国と途上国の違いに人種は関係ない 「銃・病原菌・鉄」


02 01, 2010 | Tag,名著,歴史,言語,人種

これまで考えたことがありませんでした。同じ地球上に生まれたのに、人類はどうして地域によって違いがあるのでしょう。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ある国では先進技術を駆使してハイテク生活を満喫していたり、そうかと思えばいまだに原始的な生活を送っている人がいたり。


同じ地球上であるにも関わらず、文明や文化を異なる形式で発展させた人類。どのようにして今のような勢力図になったのか。本書はそんな疑問に答えてくれる一冊です。



本書の中で個人的に特におもろしかったのはフランシスコ・ピサロ率いる少数のスペイン軍が、インカ皇帝アタワルパの大群に勝利するところですね。この勝利に、タイトルにもある銃、病原菌、鉄が大きな貢献をしています。


発達する文明

この時代のヨーロッパはすでにといった戦闘に有利な道具をそろえることができました。

そして、船を作って遠く離れた場所に行くことができ、言語を発達させ情報の伝達をスムーズにすることができました。

また、中央集権の政治機構を整えて、集団を統治することができました。

これらの文明を支えていたのは狩猟ではなく、農耕や牧畜を中心とした定住生活です。

農耕を可能にするのは農耕に適した土地や気候です。牧畜には適性ある野生種の存在が必要です。こういった地理的条件は文明の発達にものすごく影響しています。

「歴史は民族によって異なる経路をたどったが、それは居住環境の差異によるものであって、民族間の生物学的な差異によるものではない。」

条件のそろった地域が他の地域に先んじて文明化していくわけです。生物学的要因よりも社会的要因の方が大きいということ。そう考えると、人種の優劣を例えば肌の色で決めたりすることもバカバカしく考えられます。先進国と途上国の差は人種が原因になっているわけではないということもわかります。


文明と病原菌

さらに、忘れてはいけないのが病原菌というファクター。

農耕や牧畜が盛んになると、そこには病原菌が繁殖してきます。

ユーラシア大陸では、天然痘、麻疹、インフルエンザ、ペスト、結核、チフス、コレラ、マラリアといった致死率の高い動物由来の感染症が人間に感染するようになり、過去ヨーロッパなどでは大流行をしました。

病原菌に対する免疫力を高めた人種が、免疫を持たない人種が住む大陸に進出したらこれは大変です。免疫を持たない人たちは壊滅的なダメージを受けても不思議ではありません。これはピサロがインカ帝国に勝利することができた要因の一つになりました。


文明の発展はいつまでも続くのか

文明を発展させていく過程については分かりました。じゃあ、いったん発展したらその発展は永遠に続くのか。いや、どうもそうではないようです。

例えば中国なんかはいちはやく独自に高度な文明を発展させていたのに、現代近くになるとその発展はヨーロッパやアメリカの後塵を拝しています。世界を牽引するリーダー国にいちはやくなっていてもおかしくないのに。これって不思議です。

実はこの原因の一つに船団派遣の中止があります。ここで誤った選択をしたということです。ヨーロッパなんかは数々の国が乱立する中で、戦争をきっかけにするなどして、技術や文化の伝播を進めてきたわけです。ところが、中国はこれを自らやめてしまった。ここがヨーロッパと中国の違いだというのが著者の主張です。

「環境は変化するものであり、輝かしい過去は輝かしい未来を保証するものではない。」

ということです。ドキッとするようなこの言葉、覚えておくといいかもしれません。


銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
(2000/09)
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銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
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ジャレド ダイアモンド

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繰り返し読みたい一冊だと思います。



今日も絶好調と言えているか。「カエルを食べてしまえ!」


10 16, 2009 | Tag,名著,自己啓発,ビジネス書

朝起きたらすぐに「カエル」を食べてしまう。二匹の「カエル」がいたら大きい方から食べてしまう。

こう書くと「?」ですが、「カエル」というのは目の前にたちはだかる自分にとってのいやな仕事のことを指します。

本書はこの一冊でいわゆる自己啓発的な成功本の中に書かれていることの多くが書かれています。

カエルを食べてしまえ!カエルを食べてしまえ!
(2002/03)
ブライアン トレーシー

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まとめるとこんな感じです。

  • 目標を立ててから行動する。
  • 仕事には優先順位をつける。
  • 好きか嫌いかではない。優先順位の高い仕事からとりかかる。(先にカエルを食べてしまう)
  • 80対20の法則を思い出して、やらない仕事を見極める。
  • 高いパフォーマンスを維持するために、自分を奮い立たせ、時には自分を追い込む。

総論的な話は置いておいて、私がこの本を読んでグッときたのはこの部分です。

「人から調子はどうだ?」と聞かれたら、「絶好調だよ」と答えよう。

いまさら感もありますが、私にとってはここでした。

今までは「調子はどう?」と聞かれると、バカ正直に「いや、今はあんまり」とか「本調子じゃない」とか答えてましたが、これはあまりよろしくないと。

だいたい多くの人はこんな質問を投げかけておいて、実は他人の調子なんて気にしていないのですから。

たしかに「調子はどう?」と聞く立場で考えてみると、自分でも思い当たる節がありますね。

だとしたら、正直に「調子悪い」なんて言う必要はありません。

人間は発した言葉に近づくように行動しようとする生き物です。「調子はどう?」と聞かれたら「絶好調です」と答えた方がいいですね。その方がお互いハッピーになれます。

カエルを食べてしまえ!カエルを食べてしまえ!
(2002/03)
ブライアン トレーシー

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Yes(イエス)を引き出す6つのポイント 「影響力の武器 実践編」「影響力の武器 第2版」


09 11, 2009 | Tag,影響力の武器,コミュニケーション,説得,名著

他者との関わりを絶って一人で生きていける人はいないはずです。親しいか親しくないかにかかわらず、どこに行っても誰かには会います。人とのつながりがない世界は無人島以外にありません。

相手を思いのまま動かすとか、そんな難しいことは置いておきましょう。それよりも仕事やプライベート、日々の生活の中で良好なコミュニケーションをとるために、そして自分の不可解な行動を振り返ってみるのに今日紹介する本は最適の二冊です。


影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
(2007/09/14)
ロバート・B・チャルディーニ

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影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣
(2009/06/09)
N.J.ゴールドスタインS.J.マーティン

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「影響力の武器」から学べる重要なフレームワークは以下の6つです。

1.返報性
2.権威
3.コミットメントと一貫性
4.希少性
5.好意
6.社会的証明



1.返報性


私の場合、返報性にはいつもやられている気がします。別に損をしているとか、そんなことはありません。でも、何かをしてもらうと恩返しをしてしまう、しないくてはいけない気になってしまうんですね。


2.権威

権威にも弱い自分がいます。ある程度名の通った権威であれば、信用して問題ないのですが、スーパーに行って野菜に張られている生産者農家のシールとかああいうものでも疑う余地なく信用して、おいしそうだと感じています。何も考えずに権威を妄信してしまうのはよくないですね。


3.コミットメントと一貫性

「安全運転をしよう」という立て看板を誰かの家に取り付けてもらうために、直接家々をお願いしにまわってもあまり聞き入れられませんでした。ところが、「まずはこのステッカー(安全運転の)を車に貼ってもらえませんか?」というお願いをしたところ、その後すんなり看板を取り付けさせてくれる家が増えたとか。まさにフット・イン・ザ・ドア・テクニック、コミットメントと一貫性です。小さなYesを引き出すことで大きなYesにつなげるわけですね。


4.希少性

「残りわずか」というキャッチフレーズや「先着10名様まで」とか、モノが本質的に貴重かどうかにかかわらず数が少ないものをいいモノと判断してしまう傾向、これは希少性として説明されます。これも分かっていても避けがたいものかと。


5.好意


同郷の後輩や、同じ大学出身の後輩をひいき目に見たことはありませんか?自分と類似した特徴を持つ人に好意を持つこと、単純にお世辞を言われていい気分になり好意を持つことがあります。好意を持つとYesと言いたくなってしまうものです。


6.社会的証明


テレフォンショッピングの場面での2通りの聞き方、どちらが効果的でしょう?

「オペレーターがお待ちしています、いますぐお電話ください。」

「オペレーターにつながらない場合は、恐れいいりますが、繰り返しお電話ください。」

後者の言い方では電話してもつながらないかもしれないということを示唆しています。つまり、回線が込み合っているだろうということです。ということは、「私」以外の他の人も興味を持って電話をかけていると感じるわけです。

こういうのを社会的証明と言います。社会的証明はこのように他人の行動を指針にする性質です。


さて、6つのポイントのどれも納得でしたが、個人的にはやはり返報性、これが一番グッときました。

同僚、顧客、生徒、知り合いなど誰かに協力を促すためには、まずこちらが本当に完全に無条件で手助けを申し出なくてはなりません。give & give の関係なら信頼と相互理解に基づく協力関係を築くことができますが、give & take の関係では土台が不安定なため、些細なことで協力関係が崩れてしまいます。

どんな些細なことでもよいので自分から、見返りを求めずに与える、ということですね。


影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
(2007/09/14)
ロバート・B・チャルディーニ

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↑こっちが基本の書ですね。


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(2009/06/09)
N.J.ゴールドスタインS.J.マーティン

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↑こっちの方が実例が豊富でサクッと読めるかも。


できれば第2版の方を先に読むことをおススメします。全体が概観できるので。


このブログでの過去の「影響力の武器」関連記事
 ・影響力の武器
 ・影響力の武器2
 ・影響力の武器3




深い一冊 【書評】道をひらく


04 13, 2009 | Tag,名著

道をひらく道をひらく
(1968/05)
松下 幸之助

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部屋の片隅で積読になっていた一冊。
新年度がはじまるにあたり、心機一転読んでみました。

著者はパナソニックの創業者、松下幸之助さんです。数々の名言を残してた松下さんですが、本書もその作品の中の一つと言えると思います。

本書は読む時々によって得られるものが違う本です。今心に響く言葉と10年後に心に響く言葉は違うはずですが、本書は人生のどんな時期に読んでも得ることがある本だと思います。

だから、今回私が紹介する言葉は私が感じ入った言葉ですから、あなたが読んだらまた違う発見があるものと思ってください。

続きを読む »



発想のヒントにも使える一冊 【書評】コトラーのマーケティング思考法


03 24, 2009 | Tag,ラテラルシンキング,ブルーオーシャン,イノベーション,キャズム,創造のヒント,名著

コトラーのマーケティング思考法コトラーのマーケティング思考法
(2004/04/23)
フィリップ・コトラーフェルナンド・トリアス・デ・ベス

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2004年の本なのになぜか書影がありません。

本書はブルーオーシャンを開拓するには?イノベーションを生み出すには?といった問いに対して手助けになりそうな一冊です。キーワードはラテラルマーケティング。それに対する反対語はバーティカルマーケティングです。本書はラテラルマーケティングの手法でブルーオーシャンを切り拓こうというのが主旨です。

これ、マーケティングの本なのですが、発想の転換という風にも読めて、新しい価値を生み出したいと考えている人全てに役立つ内容だと思います。

ではラテラルマーケティングとはどういったものなのでしょうか?
ニーズ、顧客、状況・用途、市場と考えるべき次元はいくつかありますが、いずれにも共通する考え方を紹介したいと思います。

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V字回復のIBM 「巨象も踊る」


02 18, 2009 | Tag,IBM,ルイスガースナー,名著

巨象も踊る巨象も踊る
(2002/12/02)
ルイス・V・ガースナー

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コンピュータというとパソコンをイメージするかもしれませんが、パソコンが台頭する前の最初のコンピュータの需要は企業にありました。メインフレームといって、企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを作ってアメリカの代表的な企業に成長したのがIBMでした。

IBMは1990年代頃にはマイクロソフトやインテルに市場のシェアを奪われ、どんどん力を落としていきましたが、そこを救ったのが著者のルイス・V・ガースナーさんです。IBMの再生はこの人の力によるところが多かったようで、本書を読むとそのすごさが伝わってきます。

タイトルに巨象とありますが、これはまさしくIBMのことです。IBMは巨大な企業になったがゆえのジレンマに遭遇していました。複雑な組織階層、既得権益の横行、IBM語に代表されるような閉鎖的な企業文化を改革していくのにガースナーさんは苦労をされたようです。これは企業に限らずあらゆる規模の大きな組織にもあてはまることだと思います。例えば、官僚組織などでは同じことが言えるでしょう。



1990年初頭のIBMではそれまでのメインフレームが時代遅れとなっているのに、価格が維持され続けていたため、純利益は赤字でした。まずは何が何でも純利益を黒字にしなければならなかったわけです。

そのためにガースナーさんは大幅な価格低下とともに大幅な人員削減や社内情報システムの刷新、不要な不動産施設の売却等でコストを大幅にカットしました。また、社員のやる気を伸ばすためにリスクに見合った報酬を支払う成功報酬制への変更、ストックオプションの活用などを実行してきました。

このプロセス自体はそんなに驚くほどのアイディアではないような気がしますが、これを実際にIBMという超巨大企業で実行するのはものすごく大変なことだったのではないかと思います。

大きな組織ほど改革に対する抵抗勢力も強くなるのは必然です。赤字から回復するために、「分社化」するという提案もあったそうなのですが、ガースナーさんは「一つの会社」ということにこだわりました。大きい会社には規模のメリットというものもあります。優秀な経営者のもとでは巨大な組織も一つになって、V字回復を遂げられることが示されたのだと思います。


ガースナーさんはアメリカンエキスプレスやナビスコのCEOを経験されていますが、もともとコンピュータとは無縁の仕事をしていました。

こう考えると、組織のトップに最も必要な才能は、専門的な知識よりも「マネジメント」の力なのかもしれませんね。


最後にタイトルを象徴する言葉を。

「象がアリより強いかどうかの問題ではない。その象がうまく踊れるかどうかの問題である。見事なステップを踏んで踊れるのであれば、アリはダンス・フロアから逃げ出すしかない。」


すごくいい本でした。



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