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米国の医療保険はどこへ行く


01 23, 2010 | Tag,医療,米国,医療保険,オバマ大統領,コラム

米国の医療保険改革に暗雲が立ち込めているよう。

19日のマサチューセッツ州連邦上院議員補欠選挙の民主党敗北で、上院が安定多数の60議席を失った。これにより、野党による議事妨害を防ぐことができなくなったそうだ。
【オハイオ州エリリア】オバマ米大統領は、世論の反対に加え、最近行われた上院議員補欠選挙で民主党がフィリバスター(議事妨害)を阻止できる60議席を失ったにもかかわらず、医療保険改革を引き続き推進していくとの決意をあらためて表明した。
 ホワイトハウスが発表した声明によると、オバマ大統領は、「困難だからといってあきらめたりはしない。民主、共和といった党を問わず、同法案設定を望む向きと一丸となって、達成に向け努力を続ける」と強調した。


 オバマ大統領は当地で開催されたイベントで「先日のマサチューセッツ州補選の結果が医療保険改革法案の行方にどのような意味があるかを見極めようと、ワシントンで今週声高に議論されていることは承知している」と説明。
 その上で「ただ困難であるということだけで背を向けることはしない。取り組む意志のある民主・共和党全ての議員とともに成立に向け引き続き努力していく」と述べた。
医療保険は国民全員に広く行き渡っていた方がいいというのが僕の意見。お金のない人でも医療が受けられるようでないと安心した社会とは言えない。

日本はいい。日本は国民皆保険だから。成人男性で病院を受診すると、負担するお金はかかった医療費の3割だ。70%オフの価格。だからこそ安心して病院を受診できる。

ところが米国は事情が違う。貧困層に対してはメディケイドという公的な医療保険が存在する。ところが、保険のない人が15%もいる。この人達は所得で分けるところの中間層の人たち。
米国の医療保険制度は、64歳以下の現役世代は原則民間医療保険、65歳以上の高齢者は原則公的医療保険(メディケア)と公・民ミックスの仕組みを採用している。そして、収入も資産もない貧困者に対してはメディケイドが医療給付を行っている。米国の医療保険制度の最大の欠陥は、人口の15.8%を占める4,700万人もの医療保険未加入者が生まれていることにある。

お金のある人達は民間の医療保険に入っている。中間層の人たちはどうするのだろう。体の調子が悪くなってもそう簡単には病院を受診できないだろう。お金がかかりすぎるから。


だからオバマ大統領が去年から進めてきた医療保険改革はぜひ実現すべきと思っていた。
医療保険制度改革では、高齢者と低所得者層向けの限定的な制度しか存在しない公的保険について、オバマ氏は拡充を提唱している。それは増税と「大きな政府」につながると嫌う人が保守層を中心に多く、大統領の支持率も急落している。


【ワシントン=渡辺浩生】米国内を二分する論争に発展している米医療保険改革をめぐり、オバマ大統領は9日夜、上下両院合同会議で演説し、国民に対して改めて改革の意義を訴え、支持を求めた。就任来2度目の議会演説。オバマ大統領は国民の多数が無保険状態に置かれている先進国は「地球上で米国だけだ」と指摘。「われわれは歴史的試練に直面している」と述べ、民主・共和両党の党派対立を超えて早期の法案可決を訴えた。
 オバマ政権は約4700万人の無保険者撲滅を目指す医療保険改革に向け年内の法案成立を目指している。しかし、政府運営の保険新設を盛り込むことから、民間保険市場への政府介入や財政赤字の拡大を懸念して共和党や民主党の一部議員が反発。全米のタウンホールミーティング(住民対話型の集会)には反対派が押し寄せ、オバマ大統領の支持率低下も招いている。

それなのに、今回の選挙の結果である。
共和党に投票した人たちは、なかなか景気がよくならないオバマ政権の政策にいらだちを感じていたのかもしれない。公約として掲げられた医療保険改革がなかなか成立していないのも事実。それでも今の時点で改革を阻むようなことをするのもねえ。喜ぶのは民間の保険会社だろうけど。今回の選挙の結果は、国民が医療保険改革に反対しているから、ではないと信じたい。

オバマ大統領は今回の選挙の結果を踏まえた上で、それでも医療保険改革を推進するとのこと。応援しつつもう少し経過をみていきたいと思います。

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医療保険(民間)は本当に必要か?


05 03, 2009 | Tag,保険,医療保険,生命保険,FP,コラム

生命保険と一緒に抱き合わせのような形で、どの会社でも販売されている民間の「医療保険」というものがあります。入院日額1万円、最大入院期間60日間保障、とかいうアレです。

誰でも病気になるリスクはあります。予想もしない形で自分の身に降りかかってくるのが病気というものです。分別のある人ほど将来のリスクに備えて医療保険に加入しているのではないでしょうか。



しかし、今のところ多くの保険会社で発売されている医療保険は必要ないと思います。

 
理由は2つあります。「高額療養費制度」と「在院日数の短縮化」です。


日本には「高額療養費制度」というのがあります。病院でかかった治療費や入院費の自己負担額には上限が設けられていて、それを超えた額は返金される仕組みです。

例えば、

標準報酬月額が53万円未満の70歳未満の人が、同一の1ヶ月間に同一医療機関の支払った医療費総額(10割相当)が500,000円だった場合。

自己負担額上限が
(500,000円-267,000円)×1% +80,100円=82,430円 (こういう計算式があります。)

病院で払ったお金(3割負担の場合)
500,000円×30%=150,000円
となりますので、

高額医療費として返還されるお金は
150,000円-82,430円=67,570円


計67570円のキャッシュバックです。この場合はどんなに医療費がかかっても自己負担は82430円でいいのです。だから払いすぎた分は返還されます。


さらに、民間の医療保険に入らない方がいいというもう一つの理由は、「入院日数の短縮化」です。昨今の病院の経営事情を考えると、病院には余計に患者さんを入院させておく余裕はありません。入院日数が長引けば長引くほど診療報酬点数が下げられているので、入院にかかる費用は病院もちになってしまうのです。だからどこの科でも入院日数はできるだけ短くし、赤字を減らすように努力しています。

ということは、民間の医療保険がうたっている入院30日保障、や60日保障というのは意味がなくなります。退院して外来通院になったら保険は支払われなくなるのですから。

30歳男性が医療保険で人気のSBIアクサ生命に加入したとします。月額1600円で、入院給付金日額10000円もらえます。支払う保険料を考えてみると、月1600円だから1年間で約20000円、これが10年間だと20万円です。この間に1回入院したとすると、入院2週間で受け取れる給付額は10000円×14日間で14万円です。支払った保険料の方が多くなりますね。


一方、保険の魅力は保険加入3年後とか早い時期にも入院することになったら給付金がもらえることです。これを除けば自分でお金を貯めていった方が保険会社にお金を払い続けるより得です。自分でお金を貯めるのがどうしても苦手な人は保険会社を利用するのもあアリです。また、入院した時には個室の部屋がいいという希望があったりする場合も医療保険があると助かます。


再び今回の結論ですが、自分でお金を貯められる人は民間の医療保険は加入する必要はないと思います。

念を押しておきますが、備えがいらないという意味ではないですよ。民間の医療保険を頼る必要がないのでは、という話です。浮いたお金があるなら貯金をしましょう。病気というリスクは誰にでもあるのですから。


そうそう、家族を持っている人なら生命保険は入っておいた方がいいと思いますよ。

生命保険、私のオススメはココ▼
ライフネット生命保険


関連記事:
生命保険選びで迷っているあなた、もっとシンプルに考えてみては?
個人年金保険は加入するべきか?
【資産設計】老後に必要な資金について考えてみる



0 CommentsPosted in FP

社会保障制度を理解するための入門書 【書評】だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方


03 13, 2009 | Tag,社会保障,年金,医療保険,介護保険,入門書

だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方
(2009/01)
鈴木 亘

商品詳細を見る

会社勤めしているビジネスパーソンが加入している年金は通常厚生年金になります。厚生年金の保険料は現在15.35%で、これだけでも多いと思うのですが、さらに18.3%まで上がる予定です。健康保険は「保険料額=報酬×保険料率」という式で決まり、保険料率の全国平均は8.5%となっています。これも最大9.6%まで上がる予定だそうです。

健康保険の場合、所属する組合により微妙な違いはあるようですが、基本的には年金と同様、会社と労働者で折半します。そうすると簡単に考えて、一般的なビジネスパーソンでだいたい給料の12%はこれらの社会保険料で天引きされるということですね。

いずれもなくてはならない制度ですが、なかなかばかにできない額です。


本書は社会保障制度として欠かせない、年金、医療、介護保険に関する一冊です。やや難解な点も含まれますが、主張が明快で反論に対する答えも詳しく、わが国の社会保障制度についてとても考えさせられる内容となっています。



本書の目次は

第1章 社会保障制度の「危機」はなぜ起きるのか
 簡単なたとえ話
 実際の少子高齢化の状況 ほか

第2章 本当に重要なことを最小限にまとめた社会保障入門
 社会保障制度の存在理由
 積立方式と賦課方式 ほか

第3章 年金改革の現状と論点
 年金財政の現状
 厚生年金と共済年金の一元化とは何か ほか

第4章 医療保険・介護保険改革の現状と論点
 将来の医療保険料はどこまで上昇するのか
 生活習慣病対策はどこまで効果が期待できるのか ほか

第5章 最初で最期の社会保障抜本改革
 ここまでのまとめ
 積立方式への移行とその誤解 ほか



とこのようになっています。



本書の内容は年金だけでなく、国が運営する医療保険、介護保険と多岐にわたるのですが、ここでは年金制度にしぼって話を進めていきます。


年金制度を継続的に成り立たせるために必要な改革な何か?という問いに対して本書では「賦課方式」から「積み立て方式」への移行が必要であると回答しています。


現在の年金の財政方式は「賦課方式」です。賦課方式というのは自分が老後に受け取る社会保障費は、そのときに生きている現役世代が払う保険料によって支えてもらう財政方式のことです。

年金制度が成り立たなくなるという根拠の詳細は本書に譲りますが、もっとも大きな原因は少子高齢化です。若い世代が高齢世代を養っていく賦課方式では少子高齢化社会では成り立たなくなっていくだろうといことは容易に想像できます。年金保険料を増やすのにも限界があるでしょうし、かといって給付を減らすにも限界があります。現在の日本の人口構成からは成立しない制度だというわけです。

また、世代間不公平という大きな問題があります。衝撃的だったのが、「生涯純受給額」です。これは「将来に受け取る給付額の総額(生涯受給額)」から「障害に支払う保険料の総額(生涯保険料額)」を引いたものです。本書のデータによると、1940年生まれの人と2005年生まれの人ではその差なんと8340万円になります。もちろん、最近に生まれた人であるほど、損をしていることになっています。たまたま生まれが違うだけでこれほどの世代間不公平が生まれていることは見逃せません。

社会保障制度の中に医療保険や介護保険、そして年金が存在しますが、それぞれが持っている機能は「保険」という機能です。年金は、予想外に長生きしてしまって、生活費が枯渇してしまい、老後に悲惨な生活状態に陥ることを防ぐために存在している「保険」なのです。「保険」は同質の集団の中で機能するもので、そうでなければリスクの高い人が得をしてリスクの低い人が損をすることになってしまいます。

年金というのは世代間の助け合いを実現するものだから若い世代の大きな負担はやむを得ない、という意見もあるかもしれませんが、これはそもそもの年金の「保険」としての機能と矛盾します。世代間の助け合いと「保険」は切り離して考えるべきです。

また、現在の制度でいけば生涯純支給額の格差は開く一方で、これは未来の子供たちがさらに負担を増やしていくことになります。これでは子供たちが損をしていくわけだから、世代間の助け合いという論理は成り立たないでしょう。


世代間の不公平を作り出す現在のこの方式が賦課方式ですが、それに対して存在するのが「積み立て方式」です。積み立て方式は現役世代のうちに自分の老後に使うための社会保障費を積み立てておくというものですが、こちらの方が理にかなっているし、将来的に破たんする心配もない方式というのが本書の主張です。


世代間の不公平だけでも現在の賦課方式に対して疑問を抱かざるを得ません。選挙での票の多数を占める高齢者と、ほとんど受益側に回っている政治家のことを考えると、制度の改革は難しいかもしれませんがなんとかしなければいけないと思います。どうやって積み立て方式に移行していくかについても本書の中では具体的に述べられています。



医療保険の項では地方の医師不足も病院経営も、価格統制を廃止して市場メカニズムを導入することで問題は解決されると主張しています。現行の診療報酬制度では難しいのですが、需要の割に供給が少ない地方の病院では診療報酬単価を上げるなどの策は有効かもしれません。現実的には患者と医師の間では情報の非対称性があるために、すんなりと導入するわけにはいかなそうですが、医師不足問題の解決策として魅力的には感じました。


介護保険についても同様に市場メカニズムの導入でサービスの質が向上することを主張しています。こちらは医療保険と違って情報の非対称性はほとんど存在しませんので、導入までの障壁は少なそうです。


内容の非常に濃い一冊でした。




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