社員をサーフィンに行かせよう


05 02, 2011 | Tag,企業,パタゴニア

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論
昨年、5年ほど使用していたパタゴニアのアウターが古くなってきたので、新しいパタゴニアを購入しました。多少値ははるものの、私はパタゴニア製品が好きです。

サーフィンなどアウトドアスポーツが好きだということも影響しているのかも知れませんが、品質は信頼できるし、デザインも好みなことが理由です。


今日ご紹介する本、これはそのパタゴニアの創業から今に至るまで、そして企業としての理念などが綴られた本です。筆者はイヴォン・シュイナードさん。パタゴニアの創業者です。

私は本書を読んでますますパタゴニア製品が好きになりました。パタゴニアが人々を引きつける魅力が分かってきました。

タイトルにある”社員をサーフィンに行かせよう”は冗談ではなく、本当にパタゴニアが実践していることです。もちろん、手を抜いていい、ということではありません。

どういう狙いなのか初めは分かりませんでしたが、きちんとした根拠がありました。一見矛盾していそうな”社員をサーフィンに行かせよう”というスローガンは、次に示す5つの考え方に基づきます。

責任感
パタゴニアは社員ひとりひとりに責任感を持って仕事をしてほしいと考えています。仕事に業績評価はつきものです。許されているからといって、サーフィンばかりやっていては評価が下がります。そのかわりやることをやれば、なんのお咎めもありません。そのため、自分が携わる仕事はきちんと仕上げなければならないという責任感が生まれるというわけです。


融通をきかせること
サーフィンは自然相手のスポーツです。波の形がいい時ほど楽しくなります。しかし、波がいい時を正確に予測することは困難です。

いい波に乗るためにはいつも準備しておかなければいけません。仕事も常に柔軟に対応できるようにしておかなければいけません。


効率性
目の前に人参をぶら下げられた馬ではありませんが、好きなことをやるために、ということであれば仕事にも集中できるという面があると思います。

職場には来たけどダラダラと机の前に座っているのに比べて、集中して仕事に打ち込める効果があるということです。


協調性
誰かがサーフィンに出かけたために生じた穴は、残された仲間が埋めなければいけません。サーフィンはパタゴニアが扱っている分野のひとつに過ぎません。他、ロッククライミングやスキー、スノーボードといったウィンタースポーツなど色々あり、社員が他のスポーツをする場合でも同様です。

自ずと仲間が携わっている仕事の進捗状況も把握するようになるし、情報の交換がスムーズにできるようになるというわけです。


タレントの確保
パタゴニアのようなアスリートにとって嬉しい制度があるということは、アウトドアスポーツに携わる一流のアスリートを惹きつけます。

彼らのフィードバックこそが新しい製品開発の貴重な情報源になり、品質の優れた商品が出来る理由になっているのだと思います。



パタゴニアはアメリカで働きたい企業トップ100に選ばれるくらいの人気企業です。そして、売上の1%を自然保護のために寄付しているという自然に優しい会社でもあります。とても魅力的な会社です。

どこの組織でもパタゴニアのような大胆な方針がとれるとは限らないと思いますが、参考に出来る部分もあるのではないでしょうか。

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論
(2007/03)
イヴォン シュイナード

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メイキング・オブ・ピクサー


05 28, 2009 | Tag,会社,企業,映画

メイキング・オブ・ピクサー―創造力をつくった人々メイキング・オブ・ピクサー―創造力をつくった人々
(2009/03/20)
デイヴィッド A.プライス

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本書はピクサー映画ファンにとっては必見の本です。ピクサー誕生の話から、映画界で確固たる地位を築いた過程が詳しく書いてあります。

トイストーリーやバグズライフ、ファインディングニモと言えば、知らない人はいないほど有名な映画ですが、それぞれに共通するのはCG映画ということです。そう、ピクサーはCG映画の草分け的存在なのです。

バグズライフに対して、ドリームワークスの「アンツ」という昆虫CG映画がありました。両者の興行成績や評価は対照的なもので、バグズライフの圧倒的勝利という形で終わっています。

ピクサー映画のすごいところはそのCG技術にあることは言うまでもなく、その物語性にあるようです。事実、ピクサー映画に創業から関わっているジョン・ラセターは本書の中で物語としてのCG映画にこだわりを見せています。だから大人も楽しめる映画になっているのですね。

会社としてのピクサーは、信頼関係に基づく仲間文化の醸成すること、才能を稀有なものとして尊重し、逸材にできるだけ大きな裁量を与えること、コミュニケーションが活発な風通しの良い環境を作ることで会社としての創造性を維持しているようです。

急成長を遂げた会社にはそれなりの理由があるように思います。


忘れてはいけない、ピクサーの台頭にはあのスティーブ・ジョブズも深くかかわっています。彼の強烈なキャラクターがえぐいほど描かれている場面もあり、ジョブズファンにとっても興味深く読める内容になっていますよ。



心温まるビジネス書 【書評】日本でいちばん大切にしたい会社


05 19, 2009 | Tag,企業,感動

日本でいちばん大切にしたい会社日本でいちばん大切にしたい会社
(2008/03/21)
坂本 光司

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本書に登場する会社は決して上場企業並みに利益を上げていないものの、多くの従業員、そして顧客と地域社会を幸せにしている会社です。

読んでいるとビジネス書なのに、目頭が熱くなる個所が出てきます。会社は儲けるためだけに存在するのではないんだ、と思いました。


規模を追求していくと本書に登場する会社のような理念は次第におざなりにならざるを得ないのかもしれません。しかし、会社本来の存在価値は本を儲けの仕組みは本書で紹介されている小さな企業のシンプルな原則にあるような気がします。


本書で登場する大切にしたい会社は5社です。チョークを作っている会社や寒天を作っている会社、義肢装具を作っている会社にフルーツを売っている会社、お菓子を作っている会社です。

いずれの会社も景気に左右されず収益を上げているのですが、これらの会社には共通点があるようです。

  1. 社員とその家族を幸せにする
    まず初めにこれです。顧客や株主の幸せじゃないんですね。

  2. 外注先・下請け企業の社員を幸せにする
    下請け企業の業績は自社の業績と直結すると考えます。

  3. 顧客を幸せにする
    顧客が3番目です。

  4. 地域社会を幸せにし、活性化させる
    地域に愛される会社は顧客にも愛されます。このような会社なら株主はその会社の株を保有していることで間接的に地域社会に貢献することができます。

  5. 自然に生まれる株主の幸せ
    最後が株主です。


初めに社員の幸せがくるのは実は当たり前のことなのかもしれません。社員が幸せを感じていれば、仕事には一生懸命打ち込むでしょうし、そうすれば生産性もあがるはずです。業績が悪いからといって真っ先に従業員のクビを切るようでは順番が違うだろうということです。

社員の幸せが一番であるなら身の丈に合わない設備投資や身内優先の公私混同経営はあり得ないでしょうし、社員のクビを切る前に経営者や取締役の給与を優先的にカットすべきでしょう。

社会への貢献としてはここに登場するある会社は従業員の70%が身体障害者だそうです。彼らは社会的弱者としていつも守られている立場にあったわけですが、この会社に雇用され、働くことで生きがいを見つけるわけです。人間だれしも自分だけの幸せでは満足できないように思います。大なり小なり誰かの役に立っていると実感することで幸せを感じるのではないでしょうか。これは健常者に限ったことではなく、身体障害者にも言えることでしょう。だから、彼らに生きている実感を与えている会社というのは素晴らしい取り組みをしていると言えると思います。

「企業は社会みんなのものである」



本書はこのことが身にしみてわかる良書です。





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