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覚えておいて損はない「判断」に関する18の不合理な法則 【書評】ねじれ脳の行動経済学


04 29, 2009 | Tag,行動経済学,心理,不合理

ねじれ脳の行動経済学 (日経プレミアシリーズ 41)ねじれ脳の行動経済学 (日経プレミアシリーズ 41)
(2009/04/09)
古川 雅一

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本書の著者である古川雅一さんは行動経済学の専門家。私たちの日常生活では毎日大きな選択から小さな選択に至るまで様々な選択に迫られていると思いますが、振り返ってみていつもベストな選択をしているとは言い難いのが現実だと思います。「どうしてあの時あんな選択をしてしまったんだろう」と後悔することもしばしばですが、本書はそんな人間の不合理な意思決定について易しく解説してくれています。

以前にも経済は感情で動く―― はじめての行動経済学人間とはなんとすばらしい傑作か 【本】予想どおりに不合理で行動経済学の著作は読んできましたが、それらは文量も結構多く、読み応えがある反面、読みとおすのが大変だったかもしれません。それに比較して本書は約200ページの新書ですので、抵抗なく読めると思います。

行動経済学の本全般に当てはまることでしょうが、本書も例外ではなく、「あるある」という事例が豊富にでてきて、読んでいて納得感の得られる一冊でした。



自信過剰

1. 自分の思い込みに沿った評価を無理に導き出そうとしてしまう「確証バイアス」

2. 楽観的な情報が先にあって、それに整合する情報のみ集めて情報を都合よく解釈してしまう「楽観的シナリオの自信過剰(過度の楽観)」

3. 一回目にうまくいった方法で二回目もうまくいくだろうと根拠なく思いこんでしまう「勝者の呪い」



認知不協和

4. 自らの意見を大多数の意見だと思いこんでしまう「総意誤認効果」

5. 自分の行動や知識と矛盾したものに遭遇すると不快感を覚える「認知不協和」

6. 失敗に終わったとき、いろいろな情報が耳に入ってきても、自分の責任ではなく外的なものが原因と考えてしまう「自己責任バイアス」



フレーミング効果

7. 松竹梅のメニューがあったら竹を選んでしまう「極端回避性」

8.選択肢が多すぎると選べなくなる「決定麻痺」



価値関数

9. 1万円儲けた時と2万円儲けて1万円損した時では実際には儲けた額は同じなのに後者の方が痛みを感じる「損失回避性」

10. 買った株はなかなか売りたくない「保有効果」



利用可能性ヒューリスティクス

11. 物事の起こる確率をその例の思いつきやすさで推測してしまう「利用可能性ヒューリスティック」



アンカリング

12. 266万円の見積もりを250万円にしてもらったら本当は250万円がもともとの妥当な額だったかもしれないのにお得な気分になってしまう「アンカリング効果」



確率荷重

13. 期待値が小さくてもリスクを回避して確実に得をする方を選択する「確実性効果」

14. 低い確率を高く、高い確率を低く評価するあてにならない人間の予想「確率荷重」



代表性ヒューリスティクス

15. 2年目のジンクスはあてにならない。多数のサンプルや多数回のトライアルがあって平均に回帰していくのにたった一回の事象から次jを予測することはできないから。2年目のジンクスの誤りを「平均への回帰の誤謬」という。

16. 同じように「ギャンブラーの誤り」というものがある。コイン投げをして表が10回連続で出たら次は裏だろうと考えるもの。実際にはコイン投げで裏が得る確率はその時々で2分の1である。

17. 自分でクジを引くことで当たる確率が高くなる気がする「支配の錯覚」



選好の変化

18. 時間的に近い未来のことは高く評価し、遠い未来のことは低く評価してしまう。「早起きをすること」と「もう少し、と二度寝をしてしまう」ことは「選好の逆転(時間非整合性)」が起きて誘惑に負けてしまうことによる。



どれも痛いほどよく分かる法則ばかりですが、「わかっちゃいるけどやめられない」法則でもあるかもしれません。しかし、こういう法則を知っているのと知らないのとでは選択の仕方が変わってくるのも事実でしょう。「そういえば、この状況はあの法則の状況と似ているな」と思ったら、自分に都合の良い思い込みで判断することをなくしたり、松竹梅のうち梅を選んだり、二度寝を防ぐことができるようになれる可能性があります。

本書を元に自分の行動を振り返ってみるといいでしょう。


【関連記事】
経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

人間とはなんとすばらしい傑作か 【本】予想どおりに不合理


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合理と不合理、どっちが正しい?【本】人は意外に合理的


01 06, 2009 | Tag,経済学,合理的,不合理

人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く
(2008/11/20)
ティム ハーフォード

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昨日に引き続いて経済学の本です。
経済学と言っても、行動経済学の話に近いので読みやすい内容になっています。

たしかにブログ:H-Yamaguchi.net;人は「予想どおりに不合理」だけど「意外に合理的」でもある、という話にある通り、本書と昨日の予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」を一緒に読むとよりおもしろいと思います。


アメリカでは一時期青少年の間でオーラルセックスが増え、問題になったことがあるそうです。著者流に言うと、これは不道徳だと非難される面がある一方、HIVについて学習した青少年たちの合理的な行動を示唆します。

また、近年女性の離婚率が増えたことも、教育が充実してきたことや、女性として社会に出て職を得ることで自立した生き方を選択する女性が増えてきたこと、などが理由として挙げられます。これも社会が成熟してきたため、女性がより合理的な選択を出来るようになったことに関係があると著者は指摘します。



昨日の予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」でもあったように、およそ不合理な選択をしてしまうのが人間で、そのことに関しては疑いはないのですが、それは個人に焦点をあてたミクロ的なものの見方で、人間の集団社会にもっと目を向けてみると、長い目で見ると合理的な選択をしてきていることが分かります。そうでなければ、私たちの住む社会は良いものになっていかないでしょうし、これは過去を振り返ってみても同様のことが言えるのだと思います。


前向きな意見として、私たちが出来ること、それは

「不合理な選択を行ってしまうことは許容しつつも、それでも諦めずに合理的な選択を行えるよう努力を続ける。」

これしかないのではないでしょうか。





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