昨日は
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理を通じてリスクを減らして安定したリターンを得るための最適な方法は分散型のインデックス投資が良いことを学びました。
本書は
株式投資を通じて巨額の富を築いたウォーレン・バフェット氏の語録となっています。本人の著作というのはそもそも存在しないようで、本書は息子の嫁にあたるメアリー・バフェット氏がバフェット語録として、解説を加え出版されています。
ウォーレン・バフェットと言えば知らない人もいないと思いますが、ちなみに2008年度の世界長者番付ではなんと第一位です(
フォーブス長者番付・億万長者ランキング(世界編) [2008年])。これを見ると、どれ程優れた投資家か分かると思います。
バフェット流の投資はインデックスファンドと真っ向から対立した投資法です。
インデックスファンドが分散とはリスクのばらつきであると説明するのに対し、バフェットは分散とは無知に対するリスク回避であると説明しています。そして、リスクは自分の行動に対する無知から生じるものであり、勝手知ったるものにとっては分散は必要ないことだと主張しています。
バフェット流投資を分類するなら、テクニカル分析の中の
ファンダメンタルズ分析と言えると思います。
ウォール街のランダムウォーカーでも触れましたが、インデックスファンドが効率的なのは”平均した成績”を出すことが目的だからです。ファンドマネージャーが考えた
ファンダメンタルズ分析でも平均するとインデックスファンドに負けますが、ごく一部の人は勝利の方程式を持っているようです。
バフェット流投資の要点を本書から抽出します。
”基本的に優良ビジネスであれば、割安ではなく適正な価格で株を買ったとしても長期に保有することで大きなリターンを生む。”
どのような銘柄を選ぶか?- 今後20年は安泰だと思われる
- 成長に大量の資本を必要としない
- 改善の余地がない定番商品を作っている
- コモディティ化された商品ではなく、消費者独占型の商品を作っている。たとえばコカコーラ。
- 誰にも見向きもされていないが、長期的経済価値は望める。
- PERが低い割安な株
どんな時に市場に参戦するか?株価は実際の企業の価値をそのまま反映するものではないのです。皆が我も我もと市場に殺到する状況では株価が上がり続けます。そして上がり続けた株価はいつか暴落します。
バフェットはこういう状況で、これは危ない兆候だから株を保有しているのは危険だ、売りにだそう、と判断し、行ったん市場から身を引くわけです。
実際にバフェットは過去2回、保有している株式を売りに出し、その後株価が暴落した後にまた割安となった銘柄を大量に保有するということをしています。
注意すべきこと- 嫉妬や自惚れなどの感情に左右されない。これらの感情は不幸な結果を生む
- 早目に損切りすること
- 一生のうち必要となるのは、ほんの数度の正しい行為である。頻繁に売買するのは愚かなこと
- ファンドマネージャーはあてにならない
- 失敗することもある
失敗から学ぶことも大切です。
バフェットは自分がこれから買おうとしている銘柄の選択基準を紙に書いて人に説明できるようにしているそうです。こういう地道な作業積み重ねによって失敗からだけではなく、成功からも学ぶことができるというわけです。
参考までにバフェットがこれまで巨万の富を築くのに役に立った銘柄の一部です。
- コカコーラ
- ワシントン・ポスト
- ディズニー
- アメリカン・エキスプレス
- ゼネラル・フーズ
- ウェルズ・ファーゴ
バフェット流の投資を学ぶと自分も同じような成績を残せるのではないかと思ってしまいますが、おそらくそれは難しいのだと思います。自分が特別だという思い込みは捨てないと、痛い目を見そうです。
もし何らかの勝利の方程式が見つかったとしても、皆がそれにすぐ群がるでしょうから、株価にすぐ反映されるでしょう。
ただ、バフェット流の投資が魅力的なのは間違いないので、インデックスファンドでリスクを減らした投資を行いつつ、優良銘柄に長期投資を行っていくというのが現実的なのではないかと思います。
それと、現在の市況は株価が全面的に割安(市場が弱気)となっているため、バフェット流の投資を始めるなら今がチャンスと言えると思います。
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