スポンサーサイト


-- --, --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


バンカーは善か悪か 「さらば、強欲資本主義」


12 07, 2009 | Tag,投資銀行,資本主義,バブル

意外でしたよ。投資銀行の創業者がこんな風に思っているとは。

本書は投資銀行 ロバーツ・ミタニLLC の創業者で、現在もニューヨークで活躍されているバンカーです。最近は執筆活動の方にも力を入れておられるのか、強欲資本主義 ウォール街の自爆や世界経済はこう変わるなどの作品があります。

本書は約一年前の本で、ちょうどバブルが崩壊した頃の話を中心に、行き過ぎた資本主義に疑問を投げかけています。

本書の作りは読者にあてた17の手紙、という形になっており、非常に読みやすく構成されています。


さらば、強欲資本主義―会社も人もすべからく倫理的たるべしさらば、強欲資本主義―会社も人もすべからく倫理的たるべし
(2008/06)
神谷 秀樹
ウォール街で働くバンカーですから、典型的な拝金主義者を想像してしまいます。しかし、本書の著者神谷さんは拝金主義を徹底して非難しています。今回のバブルはサブプライムローンに端を発していますが、これもアメリカ国民の稼ぐ前に借金をしてでも消費をする気質、それと拝金主義のバンカーが原因の一助を担っていると。

ロバーツ・ミタニLLCのスタッフは皆、拝金主義には否定的で、仕事をともにするパートナーには理念を共有できた相手を選ぶそうです。彼らが今力を入れているのは医療産業です。

どうやら神谷さんは金融の力で世の中をよくしようと考えているようなんですね。その姿勢に心を打たれました。


彼のその思想の根底にはキリスト教の教えがあるようです。本書を読んでいると、随所にその教えが出てきます。私自身、特定の信仰はないのですが、本書第10の手紙 -真のリーダーは偉ぶらない- がグッときましたよ。

医師は普通に生活、仕事しているとチヤホヤされやすい職業ですから。謙虚であることは大切だなと思います。

キリスト教の大事な価値観のひとつにも「へりくだること」があるそうです。

日本にも「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉がありますね。

こういうことって誰かから指摘されることってあまりないんじゃないかな。だから自分で意識しておかないといけませんね。気をつけます。


バンカーにはこんな理想を持って仕事に取り組んでいる人もいるんだ、という新しい発見があった一冊。刺激をもらいました。他業種の人にも十分参考になる生き方だと思いますよ。

さらば、強欲資本主義―会社も人もすべからく倫理的たるべしさらば、強欲資本主義―会社も人もすべからく倫理的たるべし
(2008/06)
神谷 秀樹

商品詳細を見る


スポンサーサイト


まだまだ下がるか 【書評】世界経済はこう変わる


08 19, 2009 | Tag,経済,バブル

本書は神谷秀樹さん、小幡績さん二人の対談形式になっている本です。

神谷さんはさらば、強欲資本主義―会社も人もすべからく倫理的たるべしの著者、小幡さんはすべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)の著者です。

両者ともその主張には相通じるものがるようで、対談は盛り上がっています。

世界経済はこう変わる (光文社新書)世界経済はこう変わる (光文社新書)
(2009/05/15)
小幡績神谷秀樹

商品詳細を見る


気になる今後の世界経済ですが、歴史から予想するなら株価はまだまだ下がるということです。
1929年の大恐慌の時、株価はすぐに半分以上落ちて、その後乱降下しつつ、3年かけて下がり続け、さらに3分の1になって、最終的には9分の1になりました。

最近の日経平均は持ち直してきましたが、まだまだ乱降下しながら長期的には下がり続けるのでしょうか。

今回のバブル崩壊に金融機関が大きく関与していたことは明らかです。

細分化された金融商品が金融市場に過剰に出回り、一方的な資金の流入が起こったことが原因の一つになっています。そして、金融市場から資金が一気に流れ出たことで、さまざまな金融商品が紙くず同然になった。

お金の循環が阻害されることはバブル形成と、崩壊に少なからず影響していると思います。


これから求められる金融機能は資本を適切に配分する機能です。

証券化された金融商品が紙くずになるのを目の当たりにすると、お金がそういった商品に流れていかなくなるのは明白です。

金融の本質は信用。あなたを信用するからお金を貸します、というもの。信用がなくなればお金は回らなくなる。今の世の中では信用収縮が世界を不景気にしています。

過去の金融機能はもはや機能しません。そこにしがみつくのではなく、新たな金融機能の創造が必要です。


本書の中では大半がアメリカの経済を中心として考えられています。世界第一位の経済大国であり、基軸通貨を持った国ですから当然です。

その中で明るい話題として感じたのはアジアが世界経済復活の望みであるということです。アメリカはこれまで借金に借金を重ねながら、それでも外需で成長を続けてきました。結局外需依存はこのような経済危機の状況では弱い。対照的に内需で成長してきたアジア諸国はこれから自力で成長する可能性があるということです。


今後日本はどのようにして成長を遂げるのでしょうか。

一つの答えがイノベーションです。イノベーションこそ、経済を転換させる原動になり得ます。ソニーのウォークマン、トヨタのハイブリッド技術、日本には世界に誇れる技術やそれを生み出す力があると。

たしかにそうかもしれません。


本書は世界経済について悲観するだけではなく、希望が持てる一冊です。

世界経済はこう変わる (光文社新書)世界経済はこう変わる (光文社新書)
(2009/05/15)
小幡績神谷秀樹

商品詳細を見る





0 CommentsPosted in 経済

【書評】資本主義は嫌いですか


02 04, 2009 | Tag,経済,バブル,サブプライムローン

資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす
(2008/09)
竹森 俊平

商品詳細を見る

本書は今回の、サブプライムローンをきっかけにしたバブル崩壊の原因について迫ったベストセラー書です。

構成は全部で3部からなっており、第Ⅰ部でサブプライムローンの形成と功罪、第Ⅱ部でバブルは予測されていた学会での話、第Ⅲ部で流動性について書かれています。


「リスク」と「不確実性」という言葉が出てきます。リスクというのは確率で予測可能な危険、不確実性というのは予測できない危険です。世の中が常に合理的であれば、全てリスクとして処理できることになります。しかし、これでは事業についての収入の期待値と生産の期待値が一致して最終的には突出して儲かる人はいなくなります。

世の中に大きな利益を得ている人がいるのはこの「不確実性」をうまく利用できているからです。



サブプライムローンはローン返済能力の低い人でも住宅ローンを組んで家を買うことができる仕組みでした。

住宅の市場価値以上に住宅の価格が値上がりを続けたこともバブル形成の一因となっています。個人の所得が増えていけば、住宅の需要は増えます。それに対して供給の量は大きく変わりません。そうすると、住宅の価格は上昇します。

また、住宅価格は今後も継続的に上昇し続けるだろうという群集心理も値上がりに貢献しているはずです。


もう一つ、低金利の状態が続いていたという問題がありました。これにより比較的安いローンを組むことができるようになるので、サブプライムローンの利用は加速しました。



金融工学の手法により巧みにサブプライムローンはそのリスクが薄められ、様々な金融商品の中に組み込まれました。簡単に言うと、サブプライムローンという金融商品を細かく切り刻んでリスクの高い部分と低い部分にします。リスクの低い部分を集めて新しい金融商品を作ります。そうすると、その新しい金融商品はあたかも元々がリスクの低い商品だったかのように見えるようになるのです。



住宅ローンは流動性の低い商品です。流動性が最も高いものは現金です。流動性の低い住宅ローンはいざ現金が必要になったときに、簡単には現金に変えることができないというリスクを抱えています。いざという時に現金として使えないのであれば、その金融商品は紙切れ同然ということにもなりかねません。


今回のバブル崩壊の要因には「”サブプライム”なローン」、「金融工学」、「住宅ローンの流動性の低さ」、これらが深く関わっているようです。


著者によれば、今回のバブルは振り子のように繰り返します。痛い目を見ないためによく覚えておいたほうが良さそうですね。


参考:すべての経済はバブルに通じる




0 CommentsPosted in 経済

頭ひとつ抜け出すために「ソロスは警告する」


12 20, 2008 | Tag,投資,経済,ソロス,バブル,再帰性,哲学

ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
(2008/09/02)
ジョージ・ソロス松藤 民輔 (解説)

商品詳細を見る

本書は伝説の投資家ジョージ・ソロスさんの訳書です。裸一貫から総額1兆3千億円の富を築いたとなれば、誰でもその頭の中は覗いてみたくなります。

解説で松藤民輔さんは、本書から「ソロスのような天才投資家に不可欠な、市場を読み解くための直感を体得する」、「ソロスのような欧米型知的エリートの思考法(モノの考え方)を身につける」ための最適な教材と書いています。



現在の世界経済を考えても、たしかにソロスさんには先見の明があるようで、複雑な金融商品の激増を主因とする信用膨張が限界に達しつつある点、世界経済の中で今まで圧倒的な主役であったアメリカが少しずつ衰えている点からバブルが劇的に崩壊することを予見していました。

面白いと思ったのは、これらの考え方を支えているのは、テクニカルな分析を根拠にしているというよりは、「再帰性の理論」という哲学を判断の根幹として投資活動を行っている点でした。経済学の根本にある、全ての人間は経済学的に合理的に判断し、そして行動するという市場均衡理論に対立している点です。

本文中でもこの「再帰性の理論」の解説に多くのページが割かれています。


再帰性の理論というのは、簡単に言うと、人間と周囲の出来事の双方が互いに影響を与えあうことで変化し続けるというものです。これによると、人間が市場の動きについて理解(認知)した上で、投資などの働きかけ(操作)を行います。そうすると、市場はそれに反応して変化します。この時点で変化した市場と最初の人間の認知との間にはズレが生じます。

いつまでたっても人間の「認知」に基づく「操作」と「市場」の間にはズレが生じるのです。

たしかにその通りだと思います。



世の中の投資家を2つに分けると、「市場を操作する立場にある人」と「それに乗っかるだけの人」に分けられると思います。本書の著者であるジョージ・ソロスさんは前者に該当し、おそらくバブル崩壊のきっかけすら作れる数少ない投資家でしょう。

ソロスさんのような知的エリートになるために、「歴史」と「哲学」の勉強は欠かせないといいます。

私も食わず嫌いをせず、「歴史」と「哲学」の本にも積極的に取り組んでいきたいと思います。


参考記事:すべての経済はバブルに通じる




0 CommentsPosted in

大暴落1929


12 02, 2008 | Tag,経済,投資,バブル,大暴落

大暴落1929 (日経BPクラシックス)大暴落1929 (日経BPクラシックス)
(2008/09/25)
ジョン・K・ガルブレイス

商品詳細を見る


この本は活かす読書:大暴落1929 で紹介されていて、面白そうだと思い手にした本です。

本書はタイトルにある通り、1929年の株価大暴落を詳細に記録した本です。1955年に初版が発刊され、その後バブルがはじけるごとに売れてきた本ということですが、できればバブルがはじける前に読んでおきたい本です。過去と同じことが未来に起こるとは限りませんが、過去から学ぶことは未来に備えるという意味で大切だと思います。歴史は繰り返されると言います。過去と全く同じことは起こらなくても、似たようなことが起こりうるのです。そういう意味で本書は未来への一冊となると思います。


最近、すべての経済はバブルに通じるを読みましたが、内容はとても似ています。どちらもテーマは”バブル”なわけですが、すべての経済はバブルに通じるの方が”現代”に即して書かれているので、どちらか一つと言ったらこちらをお薦めします。


本書は1929年とその前後の投機ブーム、群集の心理、株価を左右する大統領やFRBの声明などが詳細に分析され掲載されているので、とても説得力があります。


本文中の言葉で印象的だったのは、政府が国民を安心させるために

  「経済は基本的には健全である」

  「ファンダメンタルズは問題ない」

と言っているときほど、その言葉を疑わなければならないということでした。
政府がこんな言葉を言っていたら要注意です。


さらに、大暴落を引き起こす要素として、”市場のムード”というのも大切です。市場が悲観的なムードでなければ、株価はしぶとく上がったり下がったりを繰り返しながら、なんとか持ちこたえます。ところが、引き金を引く投資家がいて、市場の悲観的なムードが存在し、さらに追随する群集がいると、バブル崩壊は一気に加速します。



今後10年先か20年先か分かりませんが、バブルはまた形成されると思います。その時までいかにして今の教訓を心に留めておくかが問題です。どうしても人間は良い面ばかりに目が行ってしまいます。バブル下にあるとき、バブル自体に気付くのは難しいことではないかもしれません。しかし、それを認めるのは結構難しいのではないかと思います。欲に目がくらんで「まだいける」「まだいける」と考えてしまいそうです。

積み立て分散型のインデックスファンドだってバブルが崩壊することが予想できるなら、暴落前に一旦売りに出して暴落後に再度買いなおす方がよいはずです。

個別銘柄を長期保有する場合もそうです。



言うは易しですが、”この状況はいつまでも続かないと自覚すること”、”欲望に負けず、勝っているときに勝負から降りること”、”負け始めてしまったら、いつまでも過去の栄光に縛られず、厳密に自分の損切りルールに従うこと”、が大切なのではないかと思います。




0 CommentsPosted in 経済

すべての経済はバブルに通じる


11 27, 2008 | Tag,経済,投資,,バブル

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363) (光文社新書)
(2008/08/12)
小幡績

商品詳細を見る


本書はバブルという経済現象を通じて、資本主義におけるマネーの動き方を分かりやすく解説してくれている本です。

そして、投資が投資を生むという現代社会の恐ろしい構造を指摘するとともに、数十年後、同じような状況になったときに私たちがどう考え、どう対処すればよいかについて教えてくれます。

昨今のサブプライムローンを発端にした大不況下で、どうしてこのような状況になったのか知る意味でもとても意義深い一冊と言えると思います。

私は本書を「目から鱗」の気分で読ませてもらいました。

本書は、経済に興味がある人はもちろんですが、投資に興味がある人にもお薦めです。



本書で理解しておきたい内容は4つあります。

  1.バブルを加速させた証券化
  2.サブプライムローンの功罪
  3.バブルがはじける時
  4.今回のバブル崩壊から学ぶべき教訓

まずはです。

資本主義社会では経済の成長を支えているのは、資本の増殖ですが、今回のバブルではその中でも金融資本の膨張が原因となっています。

サブプライムローンはそもそもローンの支払いができなさそうな人にまで住宅ローンを組ませてしまうというものですが、これは住宅価値が増加し続ける状態では理にかなった方法でした。実際に住宅の価値は上がり続けていたのです。このような状況では、もし貸し倒れが起きたら住宅を引き取れば良いですし、住宅ローンを借り替えさせるという方法でもローン会社は損失を回避できます。

さらに、このような信用力の低いサブプライムローンは証券化することでリスクが分散され、世界にばらまかれました。住宅ローン会社は、証券化することで全てのローンを自分で抱え込む必要がなくなり、市場にリスクを背負わせることが出来ます。そうすると、住宅会社は更なる融資を受けることができるので、サブプライムローンは加速していきます。

このサブプライムローンが一見上手く機能していた背景には、住宅の価値が上がり続けるという前提があったわけですが、この前提が崩れた時、住宅ローン会社が危機に直面したばかりでなく、証券化した金融商品を購入していた人にまで影響が及んだわけです。



次に、についてです。

まず、本書ではバブルに対する一般的な認識
  1. バブルの最中はバブルと誰も気付かない。
  2. バブルに投資することは、明らかに失敗で、後で振り返って、バブルであることに気付いていれば投資しなかったのに、と後悔する。
  3. バブルは危険なものであり、懸命なプロの投資家は近づかず、素人が蒂に手を出して失敗するケースばかりである。したがって、バブルの疑いがあるものには決して近づいてはいけない。
が誤ったものであると指摘しています。

本当はバブルの最中にあることは投資家なら気付いていたはずなのです。しかし、バブルの波に乗っていれば株価は上がり続けるので、いつかはじけるとは分かっていても、投資で儲けることを仕事にしている人達はできるだけ粘って波に乗り続けていなければなりません。

株価が上がったり下がったりするのにはこういった投資家のマネーが大きく関わっています。株式市場にマネーが集まれば集まるほど、株価が高騰していったわけです。

ここで気付くのは、短期的に株価を上げ下げしているのは企業のファンダメンタルなどではなく、投資家のマネーであるということです。発端になる仕掛け人がいて、それにその他大勢の投資家が追随し、株価が上がったり下がったりするわけです。

いつはじけるかは分からないのがバブルですが、個人投資家も初めから避けて通らなくても良いということが分かります。バブルに上手く乗ればいいわけです。降りるタイミングが難しいのは確かですが。



の現在の金融危機から私たちが心に留めておいたほうがよさそうな教訓です。
1.ファンダメンタルズは無力である
これは特に短期的な市場ではという意味です。

2.引き金を引く投資家
株式市場には投資家という仕掛け人がいます。

3.群集の心理
多くの投資家は高騰という欲望や、暴落という恐怖に怯えて感情に流されています。仕掛け人でなければ、誰かに追随して売買を繰り返しているのです。




今後、新聞を読むときは、ニュースのネタがどのような形で投資家の心理を動かしているのか、意識して読みたいと思います。






0 CommentsPosted in
最新記事
Amazon
リンク
Ads
月別アーカイブ
ライセンス
Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
Related Posts with Thumbnails
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。