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経済が苦手な人はまずこの本を初めに読むといいかもしれない 「亜玖夢博士の経済入門」


08 31, 2009 | Tag,経済学,行動経済学,囚人のジレンマ,コールドリーディング,,橘玲

経済の話というと、難解なイメージがあり、敷居が高く感じるのですが、本書はそんなイメージを覆す一冊です。

本書の良いところはなんと言っても、その読みやすさでしょう。小説形式になっているため、以下にあげる経済学のメジャーなテーマを感情移入して体験できます。

亜玖夢博士の経済入門亜玖夢博士の経済入門
(2007/11/28)
橘 玲

商品詳細を見る


  • 行動経済学
  • 囚人のジレンマ
  • ネットワーク経済学
  • 社会心理学
  • ゲーデルの不完全性定理
これらがテーマになっています。


行動経済学

「目の前の現金のほうが、将来の返済額よりはるかに価値が高い。だから君たちは、一時の快楽のために喜んで高利の金を借りる。このように、君の意思決定は行動経済学によって完全に説明できるのじゃ。」
人はなぜ借金をするのか、これは行動経済学でいうところの「選好の逆転」ですね。


囚人のジレンマ

これはWikipediaに詳しい解説が載っています。 合理的な各個人が自分にとって「最適な選択」(裏切り)をすることと、全体として「最適な選択」をすることが同時に達成できないというものです。本書の中ではこれをヤクザの抗争にあてはめて説明されています。

囚人のジレンマ - Wikipedia


ネットワーク経済学

ネットワークの性質
  1. 自然発生的に生まれた複数の中心を持つランダムな網の目。中心はハブと呼ばれる。
  2. 「中国で蝶が羽ばたくとテキサスで竜巻が起こる」 つまり、一か所での影響が遠く離れたところでは大きな効果となって現れるというもの。
  3. モテる者はますますモテる。 本書ではこれを小学校でのイジメを題材にして説明しています。


社会心理学

この章ではコールドリーディングを用いたマルチ商法がテーマになっています。
Yes, Yesと言わせて次のYesを引き出すYesセット、権威に対する服従、長いものには巻かれろ、の社会的証明、めずらしいものほど価値がある希少性の原理、無償で何かをしてもらったらお返しをしたくなる返報性の原理、などが出てきますが分かりやすく理解できます。


ゲーデルの不完全性定理

最後の章は経済学というよりは論理学ですかね。こういう話も嫌いではないのでおもしろく読めました。

「あなたってうそつき」、「きみって正直」
→ 私はうそつきなの?正直なの?
これらが論理矛盾を起こすというもの。
このような相互参照のジレンマは、システムの外部性を導入することによって解決できる。

「私はうそつき」と私が言う。
→ 私はうそつきなの?正直なの?
自己言及のジレンマは構造的にパラドクスを生み出すため、システムの内部で問題を解決することができない。


息抜きで読むのにも適した一冊でした。

亜玖夢博士の経済入門亜玖夢博士の経済入門
(2007/11/28)
橘 玲

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過去に紹介した他の橘さんの本はコチラ
臆病者のための株入門
↑資産運用の基本書としてとてもいいです。

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
↑もう少し幅広く投資をしたい人向けの一冊です。


本書にも登場した行動経済学についてはコチラ
経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
覚えておいて損はない「判断」に関する18の不合理な法則 【書評】ねじれ脳の行動経済学
人間とはなんとすばらしい傑作か 【本】予想どおりに不合理


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